
松尾頭地区で見つかった住居跡などの遺構
(破線で囲んだ範囲が見つかった住居)
今年度は松尾頭地区の3箇所に分かれて調査を進めています。このうち調査面積が最も広い9区では、現在検出作業を進めており、新たに竪穴住居跡5棟、掘立柱建物跡1棟などが見つかりました(写真の破線で囲んだ範囲が見つかった住居跡)。

「ガリ」を使って遺構検出作業
検出作業は「ガリ」と呼ばれる小道具で地層の表面を丁寧に剥ぐ作業です。住居跡や柱穴などの遺構があると、その部分のみ周囲とは異なる色となります。この土の色の違いを手がかりに遺構を調査します。今後調査が進むと、もう少し遺構の数が増えるでしょう。

チ号演習の跡
また、調査地周辺には、チ号演習(第二次世界大戦時)の跡と思われる軍隊の塹壕(ざんごう)跡が見つかりました。周辺からは明治三十年式歩兵銃の弾頭が10点近く見つかっています。チ号演習とは、昭和19年のチ号作戦準備下令に基づくもので、米軍の侵攻に備えたものです。
今は静かな森の中ですが、妻木晩田の丘陵では、日本が辿った歴史の様々な場面を垣間見ることができます。
松尾頭地区の発掘調査は、9月25日までの平日午前10時から午後4時まで公開しています。遺跡の発掘状況を調査員が分かりやすくご説明しますので、お気軽にお立ち寄りください。