平成21年度議事録

平成22年1月26日~28日・所管事項に係る県外調査

1 調査日時・箇所・内容

1月26日(火)
○沖縄県八重山家畜市場(沖縄県)
  石垣牛の肥育・改良等について
  鳥取県との仔牛の取引状況等について
○沖縄県石垣市役所(沖縄県)
  畜産振興施策等の状況について
1月27日(水)
○鹿児島県農業開発総合センター茶業部(鹿児島県)
  海外市場に対応した茶種の開発について
  茶輸出の現状について
○株式会社シンケン(鹿児島県)
  鳥取県内企業製品を使用したモデルハウスについて
1月28日(木)
○農事組合法人霧島高原純粋黒豚牧場(鹿児島県)
  黒豚生産を中心とした観光展開と環境改善について
  かごしま黒豚と有機農法で生産した「有畜農産物」の販路開拓について
○慶應義塾大学電気自動車研究室(東京都)
  株式会社SIM-Driveの概要について
  電気自動車eliica開発の背景について

2 調査委員

伊藤委員長、福本副委員長、藤縄委員、福間委員、松田委員、山根委員、藤井委員、上村委員

3 随行者

鳥取県議会事務局議事調査課 岡田主幹、伊藤主事

4 調査報告

 今回は、沖縄県石垣市及び鹿児島県並びに神奈川県川崎市において、当委員会所管の行政課題について調査を行った。

 沖縄県八重山家畜市場及び沖縄県石垣市役所では、石垣牛の肥育・改良の取組、畜産振興施策の状況等について説明を受けた。昭和40年代に本県などから導入された素牛が、肥育・改良され、現在では年間200頭以上もの仔牛が本県に導入されている。また、地域登録商標「石垣牛」のほとんどが流通コストをかけず島内で安く消費されることで、ブランドの広がりを感じた。島内の主要産業であるため、農協はもとより、行政も一体となった取組であり、非常に興味深い説明、有意義な意見交換ができた。

 鹿児島県農業開発総合センター茶業部では、海外市場に対応した茶種の開発及び実際に茶輸出を手がける株式会社下堂園から説明を伺った。本県では昨年、境港・東海・ウラジオストクを結ぶ環日本海定期貨客船航路が就航し、ロシアへのスイカ、二十世紀梨などの主要農産物のテスト輸出がはじまり、また、以前からの農産物の輸出に加え、今後増えることが予想される。茶ということで品種は異なるものの、輸出先の文化、嗜好にあわせた商品の輸出に非常に可能性を感じ、スイカ、二十世紀梨以外の特産農作物も含め、就航以来低水準の続く貨物量の増大に向けた一助になるのではと考えた。

 株式会社シンケンでは、本県の協同組合レングスが製造する「Jパネル」をふんだんに使用した家造りを積極的に提案している。「Jパネル」は耐震性、断熱性等に優れ、同社では年間約50棟を越える住宅に使用しており、その関心の高さがうかがえた。説明をうかがうだけでなく、モデルハウスであるが実物の住宅を目の当たりにし、現在、環境問題が世界的に叫ばれ、本県としても木材の需要拡大、木を使った住宅建設を奨励しているところであり、今後、県内での需要の拡大により、県産材の利用拡大はもとより県内企業のさらなる成長につながると考えた。

 農事組合法人霧島高原純粋黒豚牧場は、経済産業省の「農商工連携88選」に認定され、全国的にも注目される農商工連携のモデル的事例であり、霧島ブランド、かごしまブランドに認定されている「かごしま黒豚」を中心とした取組について説明を受け、高齢化、飼料高騰などにより農業、特に畜産農家を取り巻く厳しい経営環境の打破に向けた成功事例として大変参考となった。特に黒豚を地域の貴重な資源と位置づけ、産業・観光などの振興に行政とともに取組み、東京などとほぼ同じ距離にあたる香港をはじめとするアジアへの拠点づくりにも積極的であった。本県でも高齢化等により畜産農家が減少傾向にある中、ブランド化など行政も含めた地域全体での取り組みの必要性を感じた。

 慶應義塾大学電気自動車研究室では、清水教授より電気自動車への思い、そして株式会社SIM-Driveの概要の説明を受け、また、電気自動車eliicaへの試乗により、本県が産業技術センターを含む11社の県内企業とともに組織した「鳥取県次世代電気自動車共同研究協議会」として参画している共同開発研究事業、電気自動車の将来性を実感した。この事業の成功は、電気自動車産業の集積化など本県産業の活性化、本県経済の成長の可能性を秘めた重要なシーズであり、事業に注視するとともに、それを後押しできる環境、強固な基盤づくりの必要性を認識した。

 今回調査したこれらの施策、取組については、今後の委員会活動の参考としていきたい。

 

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