議員の派遣状況（21年度）

１　派遣期間

平成２１年１０月１８日（日）～１０月２３日（金）

２　主な日程

１０月１９日（月）

　ＤＢＳクルーズフェリー社事務所訪問
東海市長・東海市議会議長表敬
東海市議会議長主催午餐会

１０月２０日（火）

　ウラジオストク日本センター訪問

１０月２１日（水）

　フレガト・アエロ社（旅行社）訪問
ＴＡＳＡＮ－ＧＳＮ社（市場調査会社）訪問
プリモールアフタトランス社（大手物流企業）訪問
ＶＬ－ＭＡＲＴ社（スーパーマーケット）視察
総領事との懇談会

１０月２２日（木）

　アヴデェエフ・ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所主任学者との面談
ロシア沿海地方議会表敬
日本人抑留死亡者慰霊碑墓参

３　派遣議員

鉄永議員［団長］、上村議員［副団長］、福本議員［秘書長］

４　随行者

議会事務局　　前田副主幹

５　報告

（１）交易について

• 境港の荷役費用が東海港の４倍にも当たり韓国側からの輸出に支障を来たしている。早急な対処が望まれる。
• 東海港は後背地に石灰岩産地を有し、セメント工場が立地、専用船で韓国各地に配送されている。将来の境港・鳥取港両港での輸入を視野に。
• ロシアへの輸出農産物にかかる販売リスクヘッジを如何に抑え販売価格を下げるか、販売ルート・販売時期の検討が望まれる。
• 日本の農林水産省が輸出相手国の仕様による検疫証明書を出せないこともあり日本の輸出業者音を上げるケースも。農林水産省への働きかけが望まれる。
• インスタントラーメン、菓子類など保存期間が長いものやオムツ等の日用品などでの県内業者の可能性を探ることが望まれる。
• 極東・中央ロシアのマーケットはそんなに大きくないことを認識の上、黒龍江省、吉林省への道路の改善、大連港経由に対する優位性をフルに生かして、琿春工業団地の日本企業の貨物獲得などに努力を。

（２）観光について

• ロシアの旅行業者は、県内に提携してくれる旅行業者がいなかったため一畑観光と提携。早急に県内業者と話し合うことが望まれる。
• 航路開設の折、招待したのは一社で、他の旅行会社への招待も必要。
• ロシア沿海地方での鳥取県の認知度は低く、島根県との共同宣伝も含めて検討が望まれる。
• ロシア人は温泉・海水浴好き。自然に恵まれ、海あり山あり温泉ありで花回廊など観光施設も充実している鳥取県へのニーズはあるものの、宿泊費の問題も。ある程度節度を持った価格体系の維持が望まれる。
• ＤＢＳクルーズフェリー社は、12月から運航ダイヤを変える予定で、ウラジオストク発の境港を基点とした４日間の人気ツアーが組めなくなる。ＤＢＳクルーズは韓国中心の物の考え方にあることを心したい。
• 関西府県とともに、新潟・富山空港と境港を結ぶ観光ルート、ロシア人向け観光資源の検討が望まれる。

また、旅程の中で以下のような話も。

○ウラジオストク港で出会った大きなリュックを担いだ１人の若い女性の話

• 神戸から来た。
• シベリア鉄道経由で東欧諸国を回り、イスタンブールまで８０日間の旅をする。
• ＤＢＳ航路をインターネットで知ったが、ハングル表記しかなくて困った。

○復路の仁川空港の米子便を待つゲートで出会ったジェトロアドバイザーの話

• ＤＢＳ航路の第1便で、東海港での日本酒通関に３週間以上要したが、未だに改善されていない。他港と同様の通関スピードを確保できる体制づくりを。
• 先日のソウルでの県の物産展でも、東海港経由便に不具合があり、急遽、一部を境港→釜山港→ソウル経由便、関西空港→仁川空港経由便に切り替えた。
• ＤＢＳにも要請しているが、寄り合い所帯で体制が万全でない。ソウルのクレアにもＤＢＳへの側面支援を要請している。

　シベリア鉄道は大きな魅力で、より力を入れて宣伝すること、また、ＤＢＳクルーズ社ホームページの英語・日本語表記についての早急な検討が望まれる。
東海港での通関の問題は荷主の負担が大きく、江原道の協力を得て早急な対応が望まれる。

　最後に、フェリー運航開始以来最大の波の中をくぐりぬけて、やっとの思いでウラジオストク港に辿り着き入国審査を待つ人々のほとんどが瞳の色の異なる人々である光景を目の当たりにし、この航路は着実に鳥取県から全国に広がり、まさに環日本海の架け橋としての地位を築きつつあることを実感し、今後の交易拡大及び交流推進の可能性に期待するものである。