造血幹細胞移植は白血病などの血液疾患に対する有効な治療法の一つです。『造血幹細胞移植医療体制整備事業』は、血液疾患患者全体の生存率の向上を目的とした厚生労働省の事業で、以下の体制の構築を目的としています。
- 造血幹細胞移植を必要としている患者さんに対して、適切な時期に、適切な種類の移植を提供できる体制
- どこの地域にいても、誰でも、より安全に造血幹細胞移植を受けることができる体制
- 造血幹細胞移植を受けた患者さんが、移植後も生活の質を保ち、長期フォローアップを受けることができる体制
- 造血幹細胞移植を受けた患者さんが、地域で安心して暮らしを続けていくことが出来るよう、関係者と連携して、社会復帰できる環境整備を支援する体制
中国地方では、造血幹細胞移植推進拠点病院である岡山大学が中心となり、各県に『地域拠点病院』を設け、上記の目的に向けた努力が行われています。当院は令和2年度から令和6年度に鳥取県の地域拠点病院として、本事業に参加・協力し、人材育成(セミナー開催を含む)、コーディネート支援、地域の実情に応じた地域連携の推進などを行いました。
鳥取県において、造血幹細胞移植を行っている基幹病院は県東部の当院と、県西部の鳥取大学病院、米子医療センターの3施設です。人口最少の高齢県であり、移植症例数も限られ、困難な点も多々ありますが、県内の移植治療を必要とする患者さんに、適切な移植医療の提供ができるよう、引き続き体制の構築・維持・強化に努めてまいります。