平成20年度議事録

平成20年7月14日~17日(所管事項に係る県外調査)

1 調査日時・箇所・内容

7月14日(月)
○宗谷岬ウィンドファーム(北海道稚内市)
  風力発電施設の稼動状況等について
○大型太陽光実証実験施設(北海道稚内市)
  太陽光発電施設の稼動状況
○稚内公園内新エネルギーサテライト(北海道稚内市)
  稚内新エネルギー研究会の事業について
7月15日(火)
○稚内港(北海道稚内市)
  ロシアとの交流とフェリーターミナル整備
○音威子府美術工芸高等学校(北海道中川郡音威子府村)
  美術工芸高等学校を活用した地域振興
7月16日(水)
○北海道上川支庁(北海道旭川市)
  地域観光の振興
○国土交通省(要望活動)(東京都千代田区)
○県選出国会議員との意見交換会(東京都千代田区)

2 調査委員

安田委員長、浜田副委員長、前田(宏)委員、小玉委員、福間委員、米井委員、野田委員、石村委員、福本委員

3 随行者

鳥取県議会事務局議事調査課 岡田主幹、井嶋副主幹

4 調査報告

 今回の県外調査では、北海道における風力発電を含めた自然エネルギー、地域振興や観光振興等に関して、先進的な取り組みを行っている事例の調査を行うとともに、3日目には、当常任委員会の所管する事項について、国土交通省への要望活動を行い、4日目には県選出の国会議員と委員会所管事項について活発な意見交換を行った。

 稚内においては、風力、太陽光等の自然エネルギー、ロシアとの交流を踏まえたフェリーターミナルの稼動状況を調査した。
 風力発電は、風力エネルギーの約40%を電気エネルギーに変換できる比較的効率の良いクリーンなエネルギーであり、地球温暖化の原因となるCO2の排出量はほとんどなく、燃料を燃やすことがないためSOxやNOxの排出もない。先般の洞爺湖サミットにおいても、大いに注目を集めたが、地球的規模における温暖化への対策において、今後クリーンなエネルギーとして今後の更なる研究・開発が期待されており、57基の風車を有する宗谷岬ウィンドファームは、風力発電の先進地として調査したことで、近年風力発電施設が増加している鳥取県内での取り組みの参考としたい。
 大型太陽光発電実証施設は、政府が太陽光発電の導入目標としている「平成22年度に482万Kw」の達成の一助とするため(平成18年度末現在で171万Kw)、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業として北海道電力が平成22年度までの期間事業として取り組んでいるが、実用化に向けたハードルは高いと感じた。風力発電と比較しても5~10倍のコスト高が指摘されており、今後これをいかに克服するかが課題である。ただ、資源の少ない日本にとって、無尽蔵な太陽光を利用することは大いに将来に向けて大きな魅力であり、今後の動きを注視したい。
 稚内新エネルギー研究会は、”かぜのまち・わっかない”の特性を活かしたまちづくりを目指して、民間企業が集まって設立された団体であり、活きの良さを感じた。稚内市自体も以前は5万8,000人いた人口が来年には4万人を割る見込み。「最北端の街を風力などの自然エネルギーを活用した最先端の町へ」を合言葉に、「燃料電池開発」と併せて、地球の環境保全に向けた最先端のまちづくりを創出しようとしている。特にこの研究会の長谷川会長の熱気あふれる説明には大いに感銘を受けたところで、まちづくりは人づくりであることを痛感した。 
 稚内港は、日本最北の港湾で、北洋漁業への進出といった水産業の伸展により、大いに発展を遂げ、1957年に重要港湾に指定された後は、道北地域における物資流通の拠点、北方漁業の基地、そして利尻・礼文への連絡港として大きな役割を果たされるとともに、植物防疫港、検疫港の指定を受けた商業港として発展してきた。
 また商業のみならず、最近は青少年を中心とした人的交流も盛んになっており、2008年5月に供用開始された新たなフェリーターミナルと併せて、今後ますますの交流が期待されると感じた。鳥取県においても、境港・韓国・ロシアを結ぶ定期貨客船の航路開設に向けた取り組みが進められておる最中であり、環日本海交流時代の新たな幕開けに向けて県民の機運を高めるとともに、周辺環境の整備に向けた前向きな取り組みが必要であることを改めて認識した。

 おといねっぷ美術工芸高等学校は、人口950名弱の音威子府村(おといねっぷむら)にある村立の高校であり、「夢を語れる学校づくり」をモットーとして、全国各地から生徒が集まり、描くこと・つくること・対話することによって、文化芸術に親しむ豊かな心や創造力の醸成に向けて、生徒、村民、教職員が一緒になって教育に取り組み、それがまた小さな地域の活性化の手段となっている感じた。
学校長が説明の中で「ものづくりは日本人の教育原点」であると言われたことは非常に印象深い。常任委員会委員からも、生徒、教職員、地域が支えあっているこの高校の教育指針を支持する意見が出され、小さいながらもそれを逆手にとり、少人数のきめ細かい教育を推進していることに感銘を受けたところである。

 北海道上川支庁における管内観光客の動向について、綿密なデータによる分析をを踏まえた説明に感心するとともに、旭川市や民間による海外プロモーション活動に大いに感銘を受けた。北海道全体では外国人観光客が伸び悩んでいる中で、上川管内では僅かながら増加していると聞いて納得する一方で、旭山動物園を有するなど、北海道と鳥取県との観光資源の違いはあるが、旭川空港には米子と同じくアシアナ航空のソウル便や台湾とのチャーター便があり、つながりを大切にして、連絡を取りながら連携していくことも必要と感じた。

 国土交通省では、谷口技監や鳥取県出身の竹歳国土交通審議官、以前鳥取に赴任しておられた金井道路局長などに面会して、本常任委員会が所管する事項について、鳥取県内の道路、空港、港湾、鉄道、バスにかかる要望活動を行った。
 特に、道路特定財源の一般化を受けた、今後の山陰道の早期完成に向けて、格別の配慮をお願いするとともに、県議会としても全面的な協力・支援を行うことを伝えた。

 県選出の国会議員との意見交換会では、本常任委員会が所管する事項について、本県が直面する課題である高速道路網の整備促進や道路整備に必要な財源の確保、羽田と県内を結ぶ飛行機の運賃の低廉化など、県選出の国会議員と意見交換を行い、その実現について協力を要請した。
 意見交換の中では、道路特定財源の一般化を受けて、「開かずの踏切」の早期解消を求める都市と「遅れている高速道路」の整備を求める地方を例とした議論がなされ、地方同士が連携して声を揃えて訴えていくことに加えて、地方として高速道路の必要性に向けた客観的数値に基づく理論武装も必要であることを再認識した。
 国も地方も財政が逼迫する中ではあるが、国会議員と県議会議員が連携して、鳥取県のために行動するという共通認識を確認することもでき、大変実りの多い意見交換となった。

 県外調査を通じて、各委員から様々な発言、提言、提案がなされるなど充実したものとなり、大変有意義であった。今回調査したこれらの施策、取組については、今後の委員会活動の参考としていきたい。

 

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