平成20年度議事録

平成20年10月10日会議録

出席者 委員長
副委員長
委員
内田 博長
山田 幸夫
尾崎 薫
銀杏 泰利
伊藤 美都夫
鍵谷 純三
初田 勲
上村 忠史
稲田 寿久
 
欠席者 委員 鉄永 幸紀
以上 出席委員 9 名
欠席委員 1名
 
 

説明のため出席した者
  稲田議員
職務のため出席した事務局職員
  藤木主幹、中西主幹、中島副主幹

1 開会   午後3時20分
2 閉会   午後3時38分
3 司会   内田委員長
4 会議録署名委員  伊藤(美)委員、尾崎委員
5 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり

 


午後3時20分 開会

◎内田委員長
 ただいまから、総務警察常任委員会を開会いたします。
 日程はお手元の日程のとおりでございますので、この順序に従って議事を進めさせていただきたいと思います。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。伊藤委員と尾崎委員にお願いいたします。
 それでは、ただいまから、本日、本委員会に付託されました議員提出議案第3号の審査を行います。
 まず、提出者から議案説明を行っていただきたいと思います。

○稲田委員
 本会議に上程をいたしました議案説明と、この常任委員会でお話をすることは全く同じでありますが、委員長、これは文章を読んでいいのでしょうか。

◎内田委員長
 あったら、どうぞ、読んでください。

○稲田委員
 では、読み上げさせていただきたいと思います。
 平成8年に制定された鳥取県人権尊重社会づくり条例に基づいて、我が県としては差別、偏見のない社会づくりを目指して、さまざまな取り組みをしてきたところであります。しかし、依然として差別と偏見による人権侵害の事実は後を絶たず、その具体的救済のために、簡易で迅速な処理解決をする目的で、平成17年10月に人権侵害救済推進及び手続に関する条例を成立させました。しかしながら、理念は理念として、条例成立の前後から、県内外を通じて賛否両論、多数の意見が寄せられました。県弁護士会から法的側面について、理念達成の方法、憲法上の問題、人権侵害の定義、人権侵害の事実確認、条例の構成面などの不備、欠陥、稚拙な部分に関して指摘、批判が相次ぎ、改めてこれらの検討を行って条例を見直す必要があると判断し、平成18年2月、定例県議会において条例の施行停止と見直しを行うことになりました。そして、見直し検討委員会の設置から1年半、平成19年11月、委員会は議論を経てまとめられた意見書を平井知事に提出されたのでありました。
 県ではこの意見を受け、条例を凍結し、庁内関係課による見直しに関する検討会議を設けて、引き続き慎重に検討を行っているところであります。聞くところによると、庁内の検討会議においては既に子供のための人権救済条例とか差別行為に限定した差別禁止条例、公務員による人権侵害に限定した人権救済条例などについて検討を始められているところであります。それならばなおのこと、この理由につきましては、きょう、本条例につきまして、初田委員とかんかんがくがくの議論を行ったところでありますが、本会議の議論、そういう理由を通じて、一日も早く現在凍結している条例を廃止して、新しい出発をすべきではないかと思います。
 よって、ここに鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等を廃止する条例を提案いたします。

◎内田委員長
 そういたしますと、提案に対する質疑を行っていただきたいと思います。

○鍵谷委員
 きょうの本会議の質疑でも申し上げられたように、今、見直し検討委員会の意見を受けて、庁内でもそういう検討をして、あなたの代表質問でも知事が答えたように、とにかくきちんとまとまったらそれを提出して、私らが提出した案件については廃止をすると言って、それが誠意ある回答だというような言い方をしたわけでしょう。だったらそういうものをきちんと尊重して、慌てて、今、早速にこれを、自分たちが出した議案を引っ込めてまでやる必要があるのかどうなのか。それについては議会として少しおかしいなというのは私も一緒でして、きょうは福間議員からも稲田議員に対して質疑をいたしました。したがって、これは早過ぎるという思いで、今回はぜひ継続審査にしていただきたいということを申し上げておきたい。

○初田委員
 昼までの質疑で稲田議員と、十分、十分とは言えないかもしれませんが、質疑をさせていただきましたので、多くは語りません。今、鍵谷委員の方からも継続審査という発言が出ましたので、私の方も午前中述べたとおりの理由で継続審査にしたいと思います。

○山田副委員長
 午前中に初田議員、福間議員のやりとりを聞かせていただきました。ちょっと2点ほどお伺いしたいなと思いますが、いわゆる停止は死に体だと、こういう議論があったというふうに思います。私はやっぱり停止は死に体ではなくて、これはまだ生きておるものだというふうに判断をいたしております。特に前の凍結された条例の理念というか精神ですね、このものは生きておるのではないかなという理解をいたしております。具体的には、例えば見直し検討委員会で出された意見の中にこういう部分がございます。いわゆる現条例、確かにこれは廃止を事実上求めておる内容になっておるわけです。ところが、差別禁止条例の中身については、深刻な事案であるにもかかわらず相手方に協力を得ることができないと、こういう場合については、いわゆる停止されている、凍結されている現条例の方も検討すべきではないかと、こういう実は留保された意見があるわけでございますから、必ずしも、何ていうのでしょうか、停止になっているので、これはもう死に体とか廃止とかということではない、そういう私は考え方が一つあるのではないかなと。その点についてはどういうふうに思われるのかなということが一つと、もう1点……(「一個一個」と呼ぶ者あり)一個一個やりますか。

○稲田委員
 私も、今、山田副委員長がおっしゃいましたように、今、停止になっておる条例の精神というものは決して失われておるものではないと思っております。我が鳥取県にとって大変重要な条例でもありますし、その精神はやっぱり今後脈々と引き継がれていかなければならないものだろうというように思っております。ただ、私が死に体と申し上げたのは、これは、あの条例を停止することによって効力が発しないということであります。これは、自然法主義と実証主義というのがありまして、現実に実証的にそのことが証明をされないと、いわゆる法のあり方として意味をなさない。無効ということはそういう意味であります。ですから、その精神は高く私も評価をいたしますが、実証的に見て、この停止されておる条例というものは効力を発していないわけですから、意味を持たないという意味で、死に体というように申し上げたということであります。

○山田副委員長
 それとあわせて、また後で議論をちょっとしたいなと思いますが、午前中に法制実例の件が出たと思います。それで、事務局に早速調査をお願いしたのですが、具体的にこれは平成18年2月24日の鳥取県教育審議会の条例設置について、片山知事の名前で出ておりますが、本県の教育審議会の条例設置について、稲田委員さんの方から、同時にそういう廃止というのですか、施行ができるようなことがあるのかと。同種のですかね、何点か、細かくは申し上げませんが、各種審議会の条例を、これは昭和20年代、30年代、40年代にできたものを平成18年度まで据え置いて、新たな条例をつくられて、同時に一方を廃止していくと、こういう手法をとられておりますし、それからもう1点、議員提出議案の関係で、いわゆる県議会議員の報酬と期末手当、費用弁償、この関係に関して、御案内のとおり、かつては知事部局と県議会と一緒のそういう報酬、期末手当の関係であったものが、平成19年4月1日から、特別職の職員の給与に関する条例の廃止ということで、別々にこれが仕分けされて条例ができたと。過去にもそういう条例の改正というのでしょうか、見直しというのでしょうか、やられておるということにつきまして、いかがなものでございましょうか。

○稲田委員
 ちょっと山田副委員長にお尋ねをしたいのは、それは要するに一方を出して一方を、前に決まっておった条例を即廃止をするという、それは同じいわゆる法的なジャンルの中にあるものなのでしょうか。

○山田副委員長
 そういう解釈です。実証できました。2件ありましたので。

○稲田委員
 2件ありましたか。それは私も今初めて聞きました。私は、条例については余り調べておりませんが、法律についてはかなりその点については調べてみたのですが、それでもって私は、やはり実例はないのだという、私の知識の範囲内でそれは答えたということであります。

◎内田委員長
 ほかにございますか。

○尾崎委員
 私は、この人権条例に関して、当初からずっと反対をしてきております。それで、実際に最初この条例ができるときも反対をいたし、反対討論をいたしました。そして、見直し検討委員会の結果が出て、その内容を精査してみますと、やはりこの条例は機能しないということが、事実上の廃止であるというふうに私は読み取りまして、12月議会で廃止をしてはどうかと知事にお聞きしました。そうしますと、知事は、きょう答弁されているように、次の条例ができてからというようなことを言われましたけれども、私自身は実際に機能しない条例というのは、やはり議員が提出した以上、知事ではできないと思います。議員の責任できちっと廃止をして、そしてよりいいものをきちっとつくっていくということが重要であろうと判断して、今回もこの廃止条例に賛成するものでございます。
 もう一つ言えば、理念がなくなるとかよりどころがなくなるという議論に関しては、私はむしろ寂しい思いがします。そんなことなのだろうかと。人権を大事にしようとか、それから個々の人権、子供しかり、女性しかり、高齢者しかり、障害者しかり、特定の病気の人しかり、すべての人々の人権を大事にしたものをつくっていこうではないかというときに、この条例では、一つ一つのものを大事にできても、また二重の被害が起きてくる場合が非常に想定されるということで、やめようということになったわけですね。でも個々の条例ができてくる背景というのは、私たちは持っているはずだと思います。大事だということを。それは議員として、それを一たん停止をして、そしてその思いを今度は実現するという責任がまた議員にあるのではないかなというふうに私は思って、賛成をしたいと思います。

◎内田委員長
 ほかにございませんか。質疑の方、ございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 討論をしたいと思いますが、ございますか。終結してよろしゅうございますね。(「はい」と呼ぶ者あり)
 では、本案につきまして、採決いたしたいと思いますが、先ほど継続審査というお話が出てまいりました。これを先に取り扱いたいと思います。(発言する者あり)
 稲田委員、自席の方へお帰りくださいませ。
 今申しましたように、この議案について、先に皆さんの方から継続審査をすべきという案が出ております。それから採決をしたいと思います。よろしゅうございますか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 議員提出議案第3号、鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等を廃止する条例につきまして、継続審査とされる方は挙手をお願いいたします。(賛成者挙手)
 5名ということになりました。よって、議員提出議案第3号は継続審査ということで、決定したいと思います。
 それでは、以上をもちまして、総務警察常任委員会を閉会いたします。



午後3時38分 閉会

 

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