令和5年10月10日(火)に、令和5年度の防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞された、鳥取大学名誉教授の藤村尚(ふじむらひさし)氏が、知事への受賞報告を行いました。功績等は下記のとおりです。

知事報告1 知事報告2

 毎年、国(内閣府)においては、日ごろから防災思想の普及又は防災体制の整備に尽力し、又は災害時における防災活動に顕著な功績のあった個人又は団体を防災功労者として内閣総理大臣が表彰しています。

 令和5年度は、防災体制の整備に多大な貢献をされたとして、鳥取大学名誉教授の藤村尚氏が防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞されました。

[受賞者・功績等]
(1)受賞者:藤村 尚(鳥取大学名誉教授)
(2)受賞区分:防災体制の整備

(功績の概要)

 氏は、地盤工学及び土木工学の専門家(現鳥取大学名誉教授)として、鳥取県防災顧問、鳥取県地震防災調査研究委員会委員、鳥取県減災目標等策定委員会委員、鳥取県土砂災害警戒情報検討委員会委員長及び鳥取県採石場安全対策審議会委員等を歴任し、鳥取県の防災行政に係る有益な提言や助言を行うなど、鳥取県全体の地域防災力の強化に長年尽力している。

さらに、平成25年からは国土交通省が設立した木津川上流河川環境研究会の委員として、河川環境の保全、整備についても提言をされるなど、県境を越えた広域での防災体制の構築にも大きく貢献している。

  

過去の受賞者

過去の受賞者は、以下のとおりです。
※肩書・功績等は、受賞当時のものです。
  

令和4年度

鳥取大学工学部特任教授 柗見 吉晴 氏

[受賞区分]防災体制の整備
(功績概要)

 氏は、昭和55年から40年以上、自助共助を基軸とした自律型防災活動の仕組みづくり等を研究し、優れた研究成果を上げている。更に地域住民の防災の取り組みを指導、支援するとともに、県内各地の防災講演会等によって県民及び防災関係者の防災意識・防災知識の普及啓発を進め、鳥取県の地域防災力の向上に長年尽力している。

 また、平成25年からは鳥取県防災顧問に就任したほか、鳥取県国土強靭化推進評価会議の会長や鳥取県近未来技術地域実装協議会の会長等を歴任するなど、専門的な立場からハードとソフトの両面に係る防災行政に対して有益な提言を行い、鳥取県の防災対策に大きく貢献をしている。

 さらに、平成27年からは国土交通省が主催する斐伊川水系河川整備アドバイザー会議の座長として県域を越えた治水対策についても提言をされるなど、鳥取県を中心に広域での防災体制の構築に多大な貢献をしている。

令和3年度

上後藤二区防災会 (会長 西本 洋二 氏)

[受賞区分]防災思想の普及
(功績概要)
 上後藤二区防災会は、災害図上訓練、緊急避難訓練などの防災訓練や防災研修会の実施に積極的に取り組み、この内、防災訓練においては、特に災害時要援護者の支援に力を入れ、個別事例ごとの図上訓練や実際に車いす等での搬送訓練を行うなど、地区内の各班において災害時要援護者の協力支援体制を構築している。
 さらに、本会では「火災からの逃げ遅れゼロ、安全で安心して暮らせる地域づくり」を目指し、会の中に「女性防火クラブ」を結成。住宅用火災警報器設置の取り組みでは共同購入や設置説明会、高齢者宅への取り付けサービス等により会員の9割を超える世帯の設置に尽力したほか、一人暮らしの高齢者宅の訪問や声かけ等を行うふれあい活動により平時の支え愛の輪を広げ、有事には災害時要援護者支援に繋がるように取り組んでいる。
このように、女性のならでは視点等も取り入れながら高い防災意識を継続し、地域防災力の向上に努めている。

令和2年度

黒坂地区自主防災委員会 (会長 和田 佳洋 氏)

[受賞区分]防災体制の整備
(功績概要)
 黒坂地区は、平成12年10月6日に発生した「鳥取県西部地震」で震度6強を記録し、住民はライフラインの停止や避難所等での生活を体験した。従来からコミュニティ活動が活発な地区であったが、震災後、更に防災意識が高まり、平成14年9月に地区内17自治会を束ねる連合自治会の下に自主防災委員会が結成された。
  毎年行われる町の一斉防災訓練においては、震災の教訓を活かし、通信手段が絶たれた場合を想定した伝令による災害状況報告訓練を実施するなど、災害時に実際に起こりうる想定で、本部運営訓練、避難所開設訓練や負傷者救出訓練等の多種多様な訓練を実施しており、平成24年からは、地区内の高齢化を考慮し、災害時要支援者の避難誘導方法の検討、避難経路マップの作成や防災資機材の整備を重点的に行うなど、災害に備える取組を進めている。
 また、防災リーダーの養成にも力を入れ、毎年、研修会を開催しているほか、防災啓発活動として、地域の小学校等での震災の伝承や、防災に関する記事を掲載した独自の広報誌「防災くろさか」を、同会の結成以降、毎年発行し続けるなど、高い防災意識を継続し、地域防災力の向上に努め、地域の防災体制の整備に多大な貢献をしている。

令和元年度

鳥取市若葉台南六丁目自主防災会 (会長 山田 義則 氏)

[受賞区分]防災体制の整備
(功績概要)
   本地区は平成元年に入居を開始した新興住宅地であり、平日の昼間は勤めの関係で成年男性が地区内に不在となることから、住民が話し合ってシルバー消防隊を結成。その後、成年男性を中心とするレスキュー隊を結成し、継続した活動を行っており、24時間365日災害に対応できる防災体制を構築している。
 また、地区内の老人福祉施設との合同訓練、小学校での防災訓練の指導・助言、町内会の行事と防災活動をセットにすることで、地域住民が一体となった防災活動の実施など、地域での防災活動の普及、啓発に尽力し、平成28年12月には、本地区で入居が始まって以来の「火災ゼロ」10,000日を達成した。
 更に、災害時要援護者対策に積極的に取り組み、防災訓練での要支援者の搬送訓練の実施や、訓練をふまえた支援方法の見直し等により要支援者の個別支援方法を確立。支援者と要支援者相互の信頼関係も構築し、平成29年2月の大雪では、要支援者の安否確認や自宅周辺の除雪を行うなどの活動に繋がった。
 以上のように、他の自主防災組織の模範として、地域防災力の向上及び地域の防災体制の整備に多大な貢献をしている。

平成30年度

鳥取大学名誉教授 松原 雄平 氏

[受賞区分]防災体制の整備
(功績概要)
 鳥取県では、東日本大震災の甚大な津波被害に鑑み、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大地震を検討していくべきとの中央防災会議の提言を踏まえ、平成24年3月に鳥取県津波浸水予測図を公表していたが、津波防災地域づくりに関する法律(平成23年法律第123号)の施行を受け、津波浸水想定を見直すこととし、平成26年4月1日「鳥取県地震防災調査研究委員会津波浸水想定部会」(学識者等で構成)を設置し、平成26年9月に「日本海における大規模地震に関する調査検討会(国土交通省、内閣府、文部科学省)」が公表した津波断層モデルに加えて、平成24年3月に既住文献との整合を取った県独自の佐渡島北方沖断層モデルを選定し、改めて浸水シミュレーションを行った。
 同氏は、鳥取県地震防災調査研究委員会津波浸水想定部会長を務め、鳥取県津波浸水想定区域の設定に大きく貢献した。

平成28年度

鳥取大学名誉教授 西田 良平 氏

[受賞区分]防災体制の整備
(功績概要)
 同氏は、鳥取県における地震に関する第一人者であり、平成12年10月の鳥取県西部地震では、当日に鳥取県災害対策本部に入り、その知見を生かした助言を行い、応急対策に貢献した。
 また、同地震を踏まえた鳥取県の地震津波被害想定を策定し、消防、防災、防災教育、原子力防災に関する多くの県の附属機関で指導助言を行い、平成17年度設立の鳥取県防災顧問に現在までの長きに亘り就任するとともに、鳥取県自主防災活動アドバイザーとしても活躍するなど、鳥取県の消防防災体制の充実強化に多大な貢献をした。

平成25年度

日野町・日野ボランティア・ネットワーク(代表 小谷 博徳 氏)

[受賞区分]防災思想の普及
(功績概要)
 同団体は、平成12年鳥取県西部地震で日野町は大きな被害を受け、地震から半年後、日野町内外のボランティアで日野ボランティア・ネットワークとして結成。日野町で被災後の地域づくり活動に取り組むとともに、長期に渡る支援活動や復興活動の経験を研修・講演等で県内外に伝え、また他地域で大規模な災害が発生した際には被災地に出向き、鳥取県西部地震の経験を生かした支援活動を行っている。
 また、平成18年10月から、鳥取県の委託を受けて「鳥取県西部地震展示交流センター」を運営しており、写真、映像、図書を展示して来場者に発災時の状況を伝えるとともに、研修・座談会などを催して地域防災や災害時のボランティア活動の啓発活動を行うなど、地域住民への防災思想の普及に多大な貢献をした。
  
  
  

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