平成18年度会議録・活動報告

平成18年12月14日(木)(開会中)

出席者 委員長
副委員長
委員
伊藤 美都夫
安田 優子
尾崎 薫
長岡 和好
稲田 寿久
生田 秀正
湯原 俊二
松田 一三
前田 八壽彦
石黒 豊
中尾 享
小谷 茂
 

 
以上 出席委員 12名
欠席委員  0名
 

説明のため出席した者
 石田生活環境部長、河原農林水産部長、衣笠企画部参事、田栗文化観光局副局長、
 谷口県土整備部次長、各次長、課長

職務のため出席した者
 議事調査課  山本主幹  田中主幹  橋本副主幹


1 開  会  午前10時03分
2 閉  会  午前11時52分
3 司  会  伊藤委員長
4 会議録署名委員  稲田委員  長岡委員
5 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり

 

◎伊藤委員長
 ただいまから湖沼利活用調査特別委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元に配付した日程表のとおりでありますから、この順序に従って審議を進めさせていただきます。
 会議録の署名委員は、稲田委員と長岡委員にお願いします。
 それでは、議事に入りますが、質疑につきましては説明終了後、一括して行いたいと思います。
 では議事に入ります。
 最初に、議題1、中海・宍道湖ラムサール条約登録一周年記念大会について、長谷川参事監兼公園自然課長の説明を求めます。

●長谷川参事監兼公園自然課長
 お手元の生活環境部資料をごらんいただきたいと思います。
 このたび「上流と下流、そして世代を繋ぐ賢明利用」ということをテーマに、中海・宍道湖ラムサール条約登録一周年記念大会を開催しましたので、その内容を報告させていただきます。
 既に新聞等でも報道されているところですけれども、12月2日、境港市文化ホールで21世紀を担う子供たちを中心に、この1年間に取り組んだ活動を報告し、世代を超えた中海と宍道湖における環境の保全と賢明な利用、ワイズユースのさらなる推進の機会とすることを目的に標記の大会を開催いたしました。
 内容としましては、まず中海・宍道湖ラムサール条約シンボルマークの披露及び表彰ということで、裏面をごらんいただきたいと思います。そちらに紹介しておりますけれども、このたび鳥取、島根両県で中海・宍道湖ラムサール条約シンボルマークを、そこにあるとおり決定しました。これの発表を当日に大会で行いました。シンボルマークのコメントを下に書いておりますけれども、緑豊かな大地から夢多き未来へ飛び立つ水鳥ということをイメージしております。それからさらに、両湖の一体感を表現といったことがこのシンボルマーク、こちらをシンボルマークとして決定いたしました。その披露と表彰式を行いました。
 続いて、映像でつづる僕たち私たちの1年間の取り組みということで、そこの表に掲げております各団体から、子供たちのグループを中心に取り組みなり、演劇の披露といったことをしていただきました。
 3番ですけれども、それに続いて、取り組んだ子供たちと両県の知事さんとの意見交換をしていただきました。水質浄化に当たって両県知事さんはどういうことをしておられますかとか、それから宍道湖・中海をどんなふうに見ておられますかというふうな、みんな子供たちから質問があったわけですけれども、両県の知事さんはそこに御紹介していますような、環境問題はみんなで取り組むことが重要、あるいは宍道湖・中海は両県の共通財産、あるいは環境の保全とワイズユースは大きな課題等、そういったような発言をしておられました。
 最後に、大会宣言として、未来守り(さきもり)チャイルドクラブの子供たち3人が読み上げて、大会で拍手で承認という形で、そこに上げております大会宣言をいただきました。
 ラムサールの趣旨は、大人も子供もみんなで力を合わせて、一人一人ができることからすぐに取り組みを始めますといった趣旨の宣言となっております。
 大会の様子は新聞を初め、テレビのニュース、写真等でかなり取り上げていただきまして、取り組みの普及啓発につながったものというふうに考えております。

◎伊藤委員長
 続きまして、議題2、ヒシの利用状況について、西山農政課企画調整室長の説明を求めます。

●西山農政課企画調整室長
 農林水産部資料をごらんいただきたいと思います。先回の委員会で中尾委員さんの方から、ヒシの利用状況を調べていただきたいということがございまして、全国の状況、湖山池の状況を調べてまいりました。
 最初に生態を載せておりますけれども、中国、それから台湾、インド、そのあたりまで分布している一般的なものです。それから果実につきましては、若い未成熟のものはそのまま生で食べられる。成熟したものは湯がいて食べる。でんぷんが15%ぐらい含まれているようでして、古くから実をせんじて解毒、解熱、下痢どめ、そういうふうなものにも使われておったし、まんじゅうとか、だんごとか、そういうふうなものにも使われておった。万葉集にも出てくるというふうにありました。
 全国の利用状況ですけれども、重立ったものを拾ってみますと、そこの表のような利用状況になりました。そば、うどんに加工している。ようかん等の和菓子に加工している。それから福岡では観光資源としてヒシ狩りと温泉、このようなものをセットにしてツアーにしたりしていると。半切というふうな木のたらいを使って収穫をするような体験をさせるというふうなもの。それから、佐賀ではしょうちゅうに加工がされておりまして、耕地課長は飲んだことがあるということでしたけれども、非常においしいというふうなことでありました。問題はやはり一つ一つ皮をむく作業が大変だということでありまして、実験段階では地元でといいましょうか、佐賀でやっておられたようですけれども、人気が高まるにつれて賄えなくなって、現在は中国の浙江省から輸入をしておるというふうな状況だということです。世界では、中国では揚げてあんかけにした中華料理が人気がある。それからイタリアではリゾットというのでしょうか、まぜ御飯みたいなものの材料に使ったりというふうな例もあるようでございます。
 3番目に、湖山池でのこれまでの利用の様子を重立った方に伺ってみますと、良田の生産組合の組合長さんは、昭和20年代ごろまでは船を出して使って収穫をしてやっていた。最近ずっと食べていないなというふうな話。それから湖山池漁協の元組合長さんは、福井から大樹荘の周辺で収穫をして、販売もしていた時代もありました。がんの薬だというふうなことでせんじて飲んでいたというふうなこともありました。それから大郷の村づくりの元代表の方は、昭和61年ごろに、佐賀県から粒の大きいような品種を導入をして、転作田でつくっていたこともあった。カモに食べられてしまったというふうなことで全滅した。というふうなことで、最近では利用がないというふうな報告でございます。

◎伊藤委員長
 続きまして、議題3、湖山池塩分導入実証試験について、及び、議題4、ヒシ対策について、谷口県土整備部次長の説明を求めます。

●谷口県土整備部次長
 では、資料をごらんいただきたい思います。
 塩分導入の実証試験でございますが、1ページ、ここのグラフにございますように、17年の11月1日から試験にかかったということで、現在の状況を御説明をいたします。2ページをごらんください。
 赤線が目標ということで計画を立てた線でございます。青線が現在の調査の実態ということで、これをごらんになっていただきますと、9月にかなり塩分濃度が上がりました。これはシラウオにカビ臭がするという問題が漁協の方から提起されまして、5月の8日から2週間、大体一日じゅう水門を500ppmになるまで開けたというのがこういう結果になったということでございまして、これは池の底にかなり塩分の濃いものがたまっておりまして、これが後、まざって表面に出てきたということで、10月4日のピークが736ppmまで達しました。現在、12月の11日時点で、最新の状況なのですが、540ppmまで下がっているということで、目標が12月の上旬に500ppmということを計画目標に上げていますので、このまま推移すれば4月の1日までには300ppmに下がるのじゃないか。農業者の方に水を使っていただけるような状態にまで下がるというふうに考えております。
 次に、ヒシの対策です。これも前回、御説明しましたが、9月末で前回、大体25トン、そこにずっと15年から18年の経緯を回収量ということで記載しています。18年が34トンということで、これが最終報告になるわけですが、前回まで25トンという報告が10トンふえた回収になっております。前回と変わったところは、回収後の状況ということで、写真でそこの水みちの形成により水の循環を改善ということで載せておりますが、これも前回若干説明させていただきましたが、全部を回収するということはなかなか困難でございますので、こういう形で船が航行できる幅で回収したいというふうな状況でございます。
 なお、一番下のグラフでごらんいただきますように、ヒシがやはりふえております。これらに対しましても、あわせて来年度も予算化をしてヒシの撤去を考えてまいりたいと思います。

◎伊藤委員長
 続きまして、議題5の3湖沼の課題につきまして、せんだって湖山池とそれから東郷池の視察も行いました。それらも踏まえて、3つの湖沼の課題について、順次説明いただきます。

●田中水・大気環境課長
 それでは、湖沼利活用調査特別委員会提出資料の3湖沼の課題についての第1ページをお願いいたします。湖山池の課題につきまして御説明申し上げます。
 湖山池は、ただいま水質管理計画を推進しておりまして、これの目標年次が平成22年となっております。なお、13年度から22年でございます。湖山池におけるところの汚濁の主なものにつきましては、生活排水が約38%、それから農地とか山林とか、そういう自然系のものが47%ぐらいというふうになっております。目標といたしましては、平成22年度にCOD4.3mg/?、窒素が0.3mg/?、それから燐が0.033mg/?というふうな目標を立てて、事業を推進しているところでございます。
 主な事業としましては、下水道の整備、それから側条施肥田植機の普及、それから住民活動の支援等々でございます。なお、下水道の整備につきましては、現在、湖山池の周辺で約36%の普及率となっております。農集は既に整備済みでございまして、それらを合わせると約52%が利用可能な地域となっております。
 続きまして、東郷池です。資料の3ページをお願いいたします。東郷池は現在、水質管理計画の策定中でございます。今まで策定してございませんでしたので、今、策定の作業に入っているところでございます。目標としましては、まだまだ協議中でございまして数値等は出せないわけでございますけれども、東郷池の汚濁の負荷量の89%は面源、いわゆる水田とか山林とか畑地とか、そういうところから約89%の汚濁の負荷がございます。それをどのようにカットするかというのが今後の課題になろうかというふうに考えておるところでございます。
 主な事業としましては、やはり山林の適正な管理、それから農業の施肥の適正管理、道路の側溝の整備、そういうふうなもの、それから漁業生産によるところの窒素、燐の湖外への持ち出しですね、そういうようなもの。そういうふうな施策を今、考えておるところでございます。
 なお、この東郷池につきましては、生活排水対策、下水道とか農集とかすべて整備をされているところでございます。
 続きまして4ページ、中海でございます。中海は現在、第4期の湖沼水質保全計画の推進中でございまして、これの目標は、平成20年度でCOD4.6、それから窒素が0.5、燐が0.48というふうな目標を掲げて、浄化対策を進めているところでございます。
 主な事業としましては、やはり下水道の整備、生活排水の整備、それから側条施肥田植機、それから山林の適正管理というふうなことでございます。
 中海の汚濁の主なものとしましては、生活排水系が約45%、それから農地とか畑地というところから約35%というふうな汚濁の要因が流出をしているところでございます。
 なお、下水道につきましては、米子市が約72%、境港市が17%、それから農集は整備済みでございまして、中海の鳥取県側の流域では、約60%の普及率となってございます。

●杉本衛生環境研究所長
 衛生環境研究所で今取り組んでおり、またあるいはこれから取り組もうとしている浄化研究の主なものをここに載せております。
 まず、3ページをごらんください。東郷池ですけれども、中ほどに調査研究ということで、そこにちょっと斜めになった字でタイトルを載せております。「東郷池におけるピコプランクトンの増殖特性に関する研究」ということで、今年度からかかっている研究なのですけれども、実は東郷池は下水道整備がもう本当に進んでいるのに、水質がなかなか改善されないということで、どうもその原因の一つとして、ピコプランクトンという、もう本当に小さい、1ミクロン以下のプランクトンがいるのではなかろうかということで、ちなみにアオコとかミクロキスティスというのがアオコなのですけれども、これがナノプランクトンというぐあいに言われて、大体大きさが10ミクロンから20ミクロンぐらい。それに比べて1ミクロン以下の小さいピコプランクトンというのがどうもいるのじゃなかろうかということで、これをちょっと調べて、その増殖特性とか、あるいは水質汚濁にどういう影響があるのかというふうなことを調べようということで、今やっているところでございます。
 4ページをお願いします。中海ですけれども、中ほどに調査研究ということで3つ上げております。1つは、水質シミュレーションにおける生態系要素の導入検討ということで、これは今年度から調査計画で取りかかっている研究なのですけれども、今現在、さっき水質保全計画の話が出てましたけれども、水質の予測モデル、コンピューターで将来水質を予測するのですけれども、その中にいわゆる生態系によって水質というのは大きく影響されるのですけれども、その要素がほとんど入ってないということがありまして、それを何とかこの予測モデルの中に入れられないだろうかという研究をことしから始めておるところでございます。
 2番目に、アマモとサルボウを用いた中海の水質浄化に関する研究、これ実はもう、これまでもやっておりまして、実態調査とかずっと中海における水草とかあるいは貝類の分布とか、そういった生息環境等を調べてきました。それに基づきまして、アマモあるいはコアマモですね、それとサルボウというのは、赤貝のことなのですけれども、この2つをフラッグ種としてこれから内容を組みかえて平成20年度に向けて取り組もうということで今やっております。具体的には、このアマモとサルボウの実際の生育を、どういう環境のところだったら、この水域だったら生育するのかとか、あるいは水質浄化の機能を相当持っていますので、それらを測定をして、中海全体にこれがどんどんふえていったらどのぐらいの浄化能力があるのかといったこととか、あるいは実際に、そういったものを中海にいわゆる移植して、住民の皆さんと一緒になってそういったものを回復するような活動につなげていこうということでやっているものでございます。
 一番下にあります、中海生態系の長期変動と研究成果の活用方法に関する研究、これは新たに来年度から取り組もうとして今計画しているものなのですけれども、中海の生態系、過去にいろんな話は聞くのですけれども、過去100年ぐらいどういう形で中海の生態系というのは減衰していったのかというふうなことを、底質コアといいますけれども、底にたまっているそういう泥をとって、それを分析することによってそういった過程を明らかにしていこうと。これからもどういう状態が続く、あるいは海面上昇であるとか、この間のテレビは非常に豪雨が続いたというような、そういった気象変動というものが中海の生態系にどういう影響を及ぼすだろうかというふうなことを計測していこうということを今考えております。これはホームページの鳥取ウエブマップに全部載せて、住民の方にも活用していただこうというふうな計画をしておるところです。

●長谷川参事監兼公園自然課長
 続きまして、5ページをごらんいただきたいと思います。環境保全ということで、住民活動、先ほども御紹介しましたラムサール条約の趣旨に添って地域住民が主体となって行う環境保全なり賢明利用の取り組みを促進するというのが課題であろうというふうに考えております。先ほどの一周年記念大会を初め、いろいろ一斉清掃等々、いろんな取り組みを行ってきております。今後の計画の趣旨、環境保全と賢明利用の趣旨の普及啓発といったことや、これは既に行っていますけれども、環境立県協働促進事業補助金等を活用した住民活動等の支援、今後は住民の皆さんの地域地域での活動を支援していくということが大きな課題になろうというふうに考えています。

●坂根耕地課長
 資料2ページをお願いいたします。湖山池の先ほど塩分導入実証試験の御報告がありましたけれども、2ページの一番上でございます。この実証試験に係ります農業用水確保対策でございます。鳥取空港周辺の砂丘の畑に真水を供給する必要があるのでありますけれども、その真水を既存の施設の活用をしながらバイパス工事をすることによって、千代川から真水を供給するという対策を講じました。主にその中身につきましては、昨年度、18年度いっぱいで工事を実施し、今年度からの実証試験に間に合う形で対応してございます。既存のシステムを使ったバイパスでありますので、新しくつくったわけではないので、何回か老朽化等の支障が出ておりますが、都度対応をしております。
 最後のページ、5ページでございます。今度は中海関係でございますが、弓浜半島地域の農業用水確保対策といたしまして、淡水化が中止になりましたので、彦名、弓浜の両干拓地の用水確保、それから弓浜半島地域の用水不足の対応ということで、米川の利用の高度化を図ることによって、水の確保をするという対策を講じてきております。水の新たな秩序の形成ということで、地域の水を使うユーザーの皆さんとの合意形成、これにかなり時間と労力がかかっているわけでありますが、現状といたしまして、元締めであります米川土地改良区さんとの了解が得られたところでございます。現時点では、両干拓地のユーザーの皆さんと具体的な水の出力、使い方等について御相談をしているところでございます。
 事業につきましては、真ん中の欄の②、③が新たに実施する事業でございますが、国の事業、それから県の事業、これにつきましては土地改良法の手続を今進めているところでございまして、今、②の国の方の事業につきましては、これから事業の手続を進めていいという農林水産大臣の決裁がとれた段階になって、来週以降から地元の方々への公告縦覧、意見照会という、そういうような運びとなっているところでございます。

●西山農政課企画調整室長
 2ページの中ほどをごらんいただきたいと思います。湖山池の塩分導入実証試験に対応いたしまして、水稲への影響、それから既設井戸への塩分濃度の影響という調査を行っております。
 前回の委員会でも報告いたしましたけれども、ことしの成績は水稲への被害、影響は認められなかった。それから既設井戸の塩分濃度についても影響は認められなかったという結果になっております。実証試験期間の平成20年度まで実施を継続する予定にしております。

●渡部水産課長
 2ページをお願いします。前回の委員会で湖山池並びに東郷湖については詳しく説明いたしましたので、2湖沼についてはちょっと概略だけ説明させてもらいます。
 2ページの漁業のところで、塩分導入実証試験に伴いまして、魚類に与える影響調査ということで実施しておるところでございます。特に水門操作によって魚類の影響がどうかということでございまして、水門の上流、下流に定置網を設置いたしまして調査を行いました。その結果、朝と夕方にワカサギ等を中心とした入漁が多いと、特に下流側が多いということで、この時間帯を中心に水門操作をすることによりまして、ワカサギなどの魚類の増加を促すことができるというような結果を得ております。引き続き魚類の遡上を妨げない水門管理手法の提案ということで調査を引き続きやっていくということでございます。
 また、池にも定置網を設置しておりますので、水門操作によって湖山池の中の魚類層がどう変わるかということについても随時やっていきたいというふうに考えております。      また、下の方の外来魚、特にブルーギルがここ2~3年ふえてきておるという結果が出ております。これについては定置網による同様の試験を実施しておるところでございます。定置網は非常に効率的でありまして、場所とか時期を選ぶことによって駆除ができるというようなことがわかってきております。
 はぐっていただきまして、次は3ページの下の方をお願いいたします。東郷池でございます。東郷池につきましては、シジミの増殖ということでございますけれども、平成11年に組合の資料によりますと3億円ぐらいあったということでございますけれども、16年には700万円ぐらいの水揚げになったということでございます。何とかこれをふやしたいということで、栽培センターが特に産卵期の塩分濃度に着目いたしまして、5から10psuというような塩分濃度にすることによって、水門操作で塩分を入れることによって、産卵を促すと。そういう手法によりまして、シジミがふえてきたということでございます。現在、ことしこの漁協の資料によりますと、約2億円ぐらいな水揚げが見込めるという状況まで復活してきております。今後につきましては、そこでも示しておりますように、漁協とか町がシジミ振興プランというのをつくっておられます。これをもとにしまして目標としましては3億円ぐらいを目標に頑張っていきたいということでございます。
 その下に、新たにワカサギ、これも水門ができてから漁獲が減っております。これについては来年以降、この水門操作、湖山池と一緒のような手法でやっていきたいと思っていますけれども、水門の上下でどういう動きをするのかというようなことを中心にして、ワカサギをふやすことができないかというようなことに取り組んでいきたいというふうに考えております。
 最後に中海でございます。5ページの下の漁業のところでございます。中海については御承知のように43年ですか、淡水化事業が開始になりまして、これらとあわせて漁場としては非常に機能が低下しておるというようなことが指摘されておるところでございます。そういった中、今まで漁場環境、水産資源の関係の調査というのが不足しておったわけでございますけれども、一方で本庄工区の開削というようなことが、中海の漁場の環境というのが大きく変わろうとしているところでございます。これにあわせて漁場、特に魚を中心とした環境の保全とか改善、そういったようなところの調査が必要だということで、ことしから特に取り組んでいるところでございます。特に基礎的な情報が不足するということで、島根県との連携というようなことで取り組んでいきたいと考えております。
 真ん中でございますけれども、18年から20年の中海漁場環境調査ということで事業を実施しているところでございます。1つには、漁場環境の把握、これは特にアマモを中心にいたしまして、季節的にどういう消長をしていくか、というようなことを調査しております。これによりまして、アマモの保護でございますとか、造成の資料を得ていこうということでございます。それから、この美保湾を含めたヒラメとかカレイ、エビなどの育成場としての価値が中海はあるわけでありまして、この魚介類の育成場機能の把握とか回復策を検討したいということでございまして、そのための調査ということでこういったヒラメ、カレイ、エビとかのどういったふうに稚魚が中海で発生するのかというようなことについて調査を実施しようとするものでございます。特に本庄工区が20年に開削されということでございます。そのための調査ということで、上記の2つを含めてなのですけれども、これの前後も調査をしてみたいというふうに考えております。また、特に水産資源生態の解明ということで、漁獲実態、特にアサリの調査、この辺も加えて19年度は取り組んでいきたいと考えております。
 目標としましては、中海・美保湾の漁業振興ということでございまして、お示ししておりますように、クルマエビとかサルボウ、アサリ等の漁業振興を図っていきたいというふうに思っております。

●谷口県土整備部次長
 湖山池でございます。ヒシと塩分濃度につきましては先ほど御説明しましたので、省略をさせていただきます。
 水質浄化対策でございますが、これは底泥しゅんせつを55年からずっと続けております。全体の約80万立米の計画のうち、17年度までに約57%の進捗ということでございます。大体15年度までが平均しまして年約2万立米ぐらいしゅんせつをしておりましたが、このしゅんせつ土の処分地がなかなか見つからない、いいというところがないということと、あわせてやはりしゅんせつの投資効果が、これがどうかなというのが、これ全国的に一つの問題になっておりまして、そういうことから17、18年以降、大体4,000立米ぐらいのしゅんせつをしているということで、大体19年までそれぐらいのしゅんせつを見て、今後それ以降は新たな浄化対策というものを検討していかなければいけないということでございます。これは全国的な傾向ということもあわせてということでございます。
 次に、アオコの回収でございます。これは13年、14年に大変アオコが発生いたしまして、これはいろいろと漁協さん等に御協力も得まして回収したということでございますが、それ以降、目に見えて影響が出るようなものがないということで、発生してないということで、回収はしておりません。先ほどのヒシの方に手が回っているということが現状でございます。
 老朽化をした護岸をどうするかということで、やはり植生等を施したヤナギ護岸とかそれからなぎさ護岸というようなもので対応したい。今のブロックや石、ブロック積みですね、このようなものをなるべく自然のものに返したいということもありまして、こういう事業を平成13年度から始めております。これも金額的にはそう多くないのですが、これも継続しているという状況でございます。
 続きまして、5ページの中海関係でございます。中海の護岸でございます。別紙の資料をお配りしたと思うのですが、ちょっとごらんいただけたらと思います。中海の護岸整備に関しましては、国の国交省、防衛庁、それから県、それから管理組合、各関係市ですね、それから町というのを合わせまして、まず協議会というものを両県を挟んだ形でやっております。それからその中に部会ということで、これは鳥取県部会、もちろん島根県部会もございます。ということで、ここで協議をしているというのが現状でございます。今まで3回やっております。一番最近のもので、10月の11日に第3回で、これの整備箇所というものが国交省の方から提出されております。ハイウオーター1メートル44以下の箇所を抽出しまして、長、中、短期で整備目標を立てるというものでございます。短期の中には、後ろの図面の方に仕分けをしておりますのは、このうち短期のものが4カ所ございます。その中で3カ所について、例えば水門とかかさ上げとか、そういうような案が示されたということでございます。これはあくまでも比較の段階でございます。そこの抽出に対しましてのフローは、そこに記載しておるとおりでございますが、今後は整備主体、それからスケジュール等について協議しながら、具体的なものになるように協議会の中で意見を集約しまして、国交省に早期の整備を働きかけていくというふうに考えております。

◎伊藤委員長
 そうしますと、執行部の皆さんの説明は終わりましたので、次に各池ごとに委員の皆さんのそれこそ質疑や御意見、御質問を受けたいと思いますが。
 最初に、湖山池について何か、どうでしょうか。

○稲田委員
 ヒシの活用です。この表を見る限りは結構商品価値があるのではないかなと、私はそういうふうに思いました。ただ、今、湖山池にあるヒシ、あれはほとんど、商品にするのにあれで十分なのかなというふうに、逆にする部分もあるのです。あれ取って全部、例えば商品になって使い切ってしまったら、その後、商売が成り立たないというふうなことになってもいけませんし、その辺の兼ね合いもあって、どこまでこれを本当に進めていったらいいのかなということを素朴に思いましたけれども、これこういうふうなことを調査されて、何かちょっと参考意見みたいな、所感があったら聞かせてください。

●西山農政課企画調整室長
 表の中にも書いておりますけれども、佐賀のあたりでも話をしましたように、やはり手間賃だということですね。そのまま利用ができるといいのでしょうけれども、皮をむくという作業がやはり採算が合わない。それで中国からの輸入になったようでして、そのあたりが一番の、だれがするかということが一番でしょうけれども、コスト的にはそこが一番調べた中では問題だったというふうに思いました。

○稲田委員
 私が子供のころはよく食ったんですね。いって食うと、あのとげが比較的熱でこげてとれて結構まあ……。(発言する者あり)

○中尾委員
 先回も言ったけれども、やはり総合的に湖山池を考えないといけない。今、その一つのヒシの話もあるけれども、これも湖山池周辺でのヒシの利用、過去のことが書いてあって、最後に品種のことが書いてあるのですね。商売用に向けるということになると、今の生えているヒシでいいのかどうかということも検討しないといけないということだと思うのです。それで本当に使えるものだったら入札にかけて業者に区域を割って買わせればそれはきれいになるし、県にも金が入るしという話になるわけで、その辺のことも本当に真剣に考えるべきだと思います。
 それでもう一つは、みずすましで回収をして、ああ、これはアオコか、ヒシもそうだね。動線をつくったわね。その結果、どの程度水が動き出したのか、悪臭がどの程度それでやる前よりも減ったのか、そういう数値というのがここでは、塩分濃度ではあれだけれども、わかりますか、悪臭の程度がどの程度減ったのかというのは。

●谷口県土整備部次長
 そういうところまでの調査はしておりません。ただ、ヒシそのものでは悪臭は出ないのではというふうに思いますが。アオコが発生したときはかなり悪臭が出たということで、これはある程度ヒシが災いしていて、水の還流を妨げていて、やはりアオコがその中から発生したということがありますので。ちょっと専門的なことは……。においそのもの、ヒシそのものでにおいというのは余り出てないのではないかというふうに思います。

○中尾委員
 例え話で、1ページで枯れて悪臭を出すと書いてあります。まさにこれが原因しているというふうに見るとですね、今、動線をつくって、水を動くようにして、においが出ないようにしてと今やっているけれども、その辺をきちんと数値であらわして、今回はこれだけありましたよと、ですからこれからもお金かけてどんどんどんどんそれを拡大していけば、どれだけ、何年後にはヒシがなくなって、今よりも環境がよくなりますという、そういうところまでやるのだったらやらないといけないのではないかなということなので、それは今のところ、答えは出ないという話だけど。それは調査というのはやはりそういうものではないのかというのを思いますから、今の西山さんの言った、本当に金になるものならもっと勉強してみるということです。

◎伊藤委員長
 これはヒシというのは全量取ったらこれはいけないものなのか、全部。全部回収してしまうと。

●谷口県土整備部次長
 専門家ではないですけれども、全部取ればそれはかなり。まあまたいいところもあるかもわかりませんが、取れば今のものは解決はできると思いますが、ただ取る、これだけでもかなり費用がかかっていますので、全部これを回収しようとすれば莫大なものになる。それから、ちょっとこれはまだ私の私見的なことなのですが、多分、ヒシは塩に弱いのではなかろうかということになれば、こうして汽水湖ということで、将来的に汽水湖を目指しているわけなのですが、塩分が入ってくることによってやはりおさまってくるのかなと、なくなってくるのかなというところはちょっと感じております。

○中尾委員
 僕は先回のときにも総合的にと言った。環境部の方では、ヒシがあることによって少しずつ窒素や燐を吸収するのだという話があったね。ではそうすると、かえってあった方がいいという話も理屈としては通るということをこの間言った。ですからその辺を、やはりそれぞれではなくて、みんなで突き合わせをして検討することだ。

●杉本衛生環境研究所長
 確かにヒシは、湖内の窒素、燐を吸収して大きくなりますけれども、1年草ですから、これは冬になったら枯れて下に沈んで、さっきの話で腐っていくというのを繰り返しますから、それは育ったものを取らないとやはり効果というのはない。1年草ですから、実が熟したときに取ってもそのヒシの実が落ちてまた来年生えてきますから、だから全部取るといっても、ヒシの実がつかないうちに取らないと今度は、また来年同じように生えてくるということになります。

◎伊藤委員長
 これはヒシは以前よりもどっとふえているわけですか。

●谷口県土整備部次長
 はい。先ほどの説明資料にもありましたが、ちょっと……。
 この表にもありますが、統計がないということで、その辺の、15年度、16年度、それ以前わかりませんが、17年、18年を比較してもふえてはきておりますということですので、過去どの程度あったかということはちょっとわかりません。

◎伊藤委員長
 そのほかで、湖山池。

○長岡委員
 ヒシは1年草だという話でしたけれども、回収をするとすれば今の時期ですか。大体何カ月間ぐらいの間に生育したものを回収されるのか。腐って沈殿する前といったら、いつの時期ですか。

●杉本衛生環境研究所長
 大体ヒシの花が咲くのが夏ごろ、4月から夏にかけて咲いて、それから実がついてきますから、秋になってから取ったのではもう実ができておりますから、本当はもっと早い、7月ぐらいまで、そのころばあっと繁茂した、夏、取ってしまうと来年は実は落ちない。その後だったら取ってももう実が落ちているのがあったらまた来年ということになります。

○長岡委員
 それで、窒素とか燐を吸収するわけでしょう。それを湖の中に残さないで上げてしまうという、やろうと思ったら夏に回収しなきゃだめなんですね。

●杉本衛生環境研究所長
 湖の中の窒素、燐をヒシは吸収して育っていきますから、その育ったものを取るのは、それは秋でも、取った分だけはそれは湖外に出るわけですけれども。時期がいつ取るのがいいのかということになると、さっき言ったような方が来年のことを考えたらいいということです。

◎伊藤委員長
 そのほかどうでしょう、皆さん。
 この湖山池についての御意見、そのほかありませんか。

○前田委員
 再三言っているのだけれども、1ページの主な課題の下水道面整備。下水道面整備の促進。市は25年度までに面整備、その後、農集を含め系外放流工事を実施する予定と、ここなのですよ、当面やらなければいけないことは、この間、市町村の自民党が来年度予算に関する聞き取りのときに、鳥取市の2人の助役が来てましたわね。このことを強く言ってましたから、検討すると言ってましたから、県としてもアクションを起こしてほしい。ちょっと回答を部長の方から。

●石田生活環境部部長
 市の方から聞いておりますのは、今のところまだ未普及な地域があるので、そこを優先したいということで、それが済んでからはこの系外のそうしたことについて考えたいという、それをここに書いておるわけですけれども。湖山池の汚濁を今、計画されているのではまあ確かにおっしゃるような方法を考えていかなければいけないというふうに思っています。ただ、市は市の事情もあると思いますので、市とよくお話をしていきたいというふうに思います。

○前田委員
 いや、県として言えと言っている。僕は言ったわけだから、自民党として。

●石田生活環境部部長
 よくそういった趣旨もお伝えをしていきたいというふうに思います。

◎伊藤委員長
 この間現場でもその話が出ていたな、それこそ前田委員。

○前田委員
 いや、担当者もやろうと思っているのですよ。要は予算だけだと、やる気と。やる気がない市は、担当レベルは。だからもっと言いなさい。

○中尾委員
 いろんなことを考えてみたら、あそこで試験していたが、実際に山白川の水質だろうかな、炭のこと。炭というのは結構吸収するのですわ。浄化能力がある。ですから今、この間、本会議でやったでしょ。竹が生え過ぎて困ると言っているのだから。竹を処理してあれで炭つくって、それで袋に入れて、それでばらまいたらいけないから袋に入れて、つけて、それで例えばそういうふうにして吸収させると試験でもしてみれば、大分変わってくることも考えられるのでしょうかと。まあ余分なことです。(発言する者あり)

◎伊藤委員長
 答えはいいですか。

○中尾委員
 はい。

◎伊藤委員長
 そのほか、ブルーギルの話はもうようございますかね。外来魚。

○前田委員
 この間も湖山池漁協は大変またふえていると言う。もう手に負えないと言う。本格的にいかないと、大きくなっている、このぐらいになっている。前はこれぐらいだったのが。もっと本腰を入れてやらないと在来魚は全部食われてしまう。

○石黒委員
 だれがやる。県がやるのか市がやるのか、漁協がやるのか、知事の代理で言えば当事者、みんなでか。

○前田委員
 被害者は漁協ですから。

○石黒委員
 漁協だ。

○前田委員
 漁協は放してないわけだから、だれかが放したのです。だから、県なのですよ。

○石黒委員
 県か。

○前田委員
 いや、県は管理している。これは水産課か。

●渡部水産課長
 先ほど定置で、ある程度効果があるということですので、あとはだれがするかということだと思います。先般、この漁協予算に当たって漁協と話をいたしまして、漁協を中心にしてやりましょうという話をしたところですけれども、漁協の方はちょっとなかなか取り組みの体制ができないということで断られた状況であります。したがって、19年度どういうふうにするか、ちょっとまだそこのところ、とれていないということであります。漁協はちょっとそれは取り組めないということをうかがっております。

○石黒委員
 この外来魚に限らず、私は3年ぐらい前に一般質問でやったでしょ。動植物、もう外来のものにこの自然が、海が、河川が、森林が侵されていると。それをどう思うかといったところが、知事は境港地区はセイタカアワダチソウを栽培しているというようなことを言って栽培なんかしていないんだ、だからそれの景観というのを、農地を侵すとか海を侵す、湖沼を侵す、河川を侵す、そういうのをどんなふうに県が考えるかということを総体的に言ったはずだ。だから、このままほうっておけばいいのか、あるいは県として何ができるのか、しなければいけないのかということはやはりこのブルーギルに限らず考えなければだめではないですか。いや、漁協がすべきだ、農協がすべきだ、それから山林の所有者がやるべきだなんていう、そんな論法はちょっと余り冷た過ぎるね。県政で何もそんなふうに、農業でも商業でも工業でも自分たちがやるべきだと言うのだったら、県の仕事はないのだったら、県の職員は半減したっていいのではないか。国や市町村に直接にやらせる、市町村は自分たちがやるべきだと言う。ああいう論法からすると、県の仕事はないよ、あらゆる場面でね、このことに限らず。ということを僕は言いたいね。まあ今度、知事に言いますが。いや、本当の話が。

◎伊藤委員長
 そのほか。

○尾崎委員
 単純なことです。今、前田委員にちょっと聞いていたのですけれども、老朽化したブロック、1ページ、一番下のところですが、護岸の改善点ですが、今ここの地図のどれくらいのところの面積をされていて、ずっと何か全部だそうで、どれくらい完成にかかるのか、事業としてはどうなのかということと、それからブルーギルですけれども、一体どれくらいの量というのでしょうかね、あるのか、調査していらっしゃいますか。

●谷口県土整備部次長
 護岸の補修、全域には当たっていません。本当に部分的にピックアップしたところだけです。全部が全部老朽化ということではありませんし、やはり原則、今やっていますのは、なるべく用地買収が行われないような形でやりたいというところがあります。そういうことをやっているということです。延長的に幾らというのは、ちょっとまだ、統計的なものはとっていませんが、ありませんが、大体13年からずっと予定としては20年くらいまでを目標にやりたいということで、現在、事業費的には17年度までに約7,000万円ぐらい、それで今、17、18年度は大体1,500万円程度ですから、その程度でやっておるということで、余り大々的にやってないということです。

○尾崎委員
 7,000万円は、具体的にどの程度の長さですか。

●谷口県土整備部次長
 それはちょっと今、把握できておりません。
 失礼しました。1,500万円程度で大体100メーターぐらいですので、それを割り戻していただければ。

●渡部水産課長
 ブルーギルの数の件でございますけれども、この調査は2005年と6年、2カ年でございますが、そのほかにも魚類層の調査ということで、例えばレイク大樹でありますとかその他で定置網を実施しております。この場合でいきますと、2005年、6年とふえて倍以上になってきておるという調査がございます。しかし、面積全体でどのぐらいいるかというような大規模な調査というのは行っておりません。

○前田委員
 ちょっと再度。
 湖山池漁協はなぜ引き受けないのかというのですか、その点を教えてください。

●渡部水産課長
 これは職員から聞いた話ですけれども、一つは、ここまで言っていいかわかりませんが、今の執行部ではとりあえず保留にしようということで、これは新しい体制になってからまた新たに考えていこうというようなことの内容を伺っております。(発言する者あり)

○湯原委員
 ちょっと、まあいいかなと思ったですけれども。さっき、一般質問で石黒委員が在来種を外来種が危うくするということで質問されたあと、湖山池のブルーギルを前田八壽彦さんが取り上げて、それで知事は前向きな答弁だったと思うのです。それと並行するぐらいに国の方がたしか法律でいろいろな種類を上げて、だめだよということで、このブルーギルというのは魚がどの辺まで入っているのはあるのですけれども、法律上の中で品種が入っているかどうかということ、品種というか魚種が入っているかどうかということと、もう一つはその中で地方分権の時代でありますけれども、自治体の責務、県の責務としてどうなのかということで、片山知事のスタンスはスタンスでいいのですけれども、法律上の自治体の責務というのはどういうふうにうたわれているのかというのは、わかる範囲内で結構ですので教えていただけたらと思います。(長岡委員「ブラックバスやブルーギルは入っておる」と呼ぶ)

●長谷川参事監兼公園自然課長
 今、御質問のあった外来生物法というのがありまして、国が所管しているわけですけれども、そこが逐次外来生物で準備しております。特定外来生物……。

○湯原委員
 例えばでいいです。さっきの魚種にブルーギルが入っているかどうかだけ。もうそれだけで結構ですので。(発言する者あり)

●長谷川参事監兼公園自然課長
 ちょっと確認させていただきたいと思いますけれども、一応、外来生物のリストというのが出ておりまして、それには魚類の項があって、ブルーギルも入っております。ただ、その中で駆除が必要だというのは別途指定しておりますので、そのデータも今持ち合わせておりませんので。また。

○湯原委員
 それでもう一つ、県の責務といいますか、自治体の責務というのがうたわれているかどうかという。

●長谷川参事監兼公園自然課長
 現状では、自治体の責務はうたわれておりません。国が行うということになっております。ただ、そうかといって今、お話があったのですけれども、県としてどうだというのがありますので、県内の外来生物の実態調査というものは去年からことしにかけて行っております。今年度いっぱいということで、まだ成果物は出ておりません。一応そういう調査をやった上で、もし影響等必要があれば何らかの対策を検討していきたいということでございます。

○湯原委員
 方向性としてはわかりました。
 ですから言いたいのは、さっきの話で、知事のスタンスですが、何でもかんでも官がやるべきではないというのはわかるのですけど、片一方で、地方分権の時代だと国の責務がうたわれているということは、逆に言うと、国イコール官、行政としてやはりそれは駆除していかなければいけないというスタンスのあらわれだと思うのです。国が補助金とか交付金で盛り込むかどうかは別としても、地域にあってはやはり行政が出ていくという連動した考え、スタンスではないかなという思いを持ちますので、ぜひ答弁であったように、もう一回状況を把握された上で、特にふえているという現状があるんだったら、それなりに出ていく必要があるのではないかなということは申し上げておきます。

○前田委員
 今の法律は国の責務になっておるけど、県は国の承認のもとにできると書いてあります。そこは県がやる気があるかないかです。

◎伊藤委員長
 それで、長谷川参事、滋賀県あたりで条例までつくってかなり厳しい対応しておるようだけれども、その辺の実態も含めて、湖山池に急激にふえておるのです。ですから対応を考えないといけないな。

●長谷川参事監兼公園自然課長
 外来生物一般でちょっと勉強不足なところがあって恐縮だったのですが、特定種に指定されたようなものについて防除計画をつくっているということは、これは県ができる形になっております。したがって、今、その前段の実態調査を行っているという状況でございます。

◎伊藤委員長
 もうなければ、湖山池についてはこのほかありませんか。
 そうしますと、とりあえず湖山池は終了しますが。
 次に東郷池、かなり単純だと思いますけれども、東郷池について皆さん、委員の方で。(発言する者あり)
 それこそ水産課長、東湖池のシジミの今までの経過や実態や、将来方向や、かなり厳しく漁協の方は目標を定めてやっていたけれども、ちょっと話ししてみて。

●渡部水産課長
 漁協自体でも頑張られて、県の方からも支援しようということで、最初にお話ししましたように、かつてとれたりとれなかったりしていたものが、新しく水門ができたことによりまして、この影響ではないかということで、シジミがとれないようになったということであります。そこで、栽漁センターが水門操作、先ほどおっしゃったように産卵期に塩分を導入することによって、卵をたくさん産ませてふやそうと。組合の方はそれに伴いまして、採苗期に漁網を入れて周りに卵をつけて、それで稚貝をとってそれでそれをまたふやすというような努力をされています。それからまた砂をまいたりして、覆砂ですけれども、そういった事業をやっておられまして、組合の方が取り組んできておられます。そういったこともあわせて、だんだんと稚貝がふえてきておる状況でございまして、それでことし、今つくっておられるのですけれども、シジミの振興プランということで、町とこの内容につきましては、そういった資源をふやす、どうして出荷していくかあるいは管理をしていくか。それとあわせていろいろと考えておられるようですけれども、どういうふうにやっていくかというようなプランをつくってやっていこうというふうにしておられるところでございます。そういった意味で、ポイントは水門を、これは治水が第一でございますけれども、治水を踏まえた上で塩分を適切な産卵期に、7月、8月に入れる。そういう状況によって、まず産卵を促してふやしていくというような取り組みをされているということでございます。あとは組合の方が管理されております。

◎伊藤委員長
 何かございませんか。

○中尾委員
 ちょっと杉本さん、教えてくださいな。3ページのピコプランクトンというのがあって、ちょっと大きさを聞いたのですが、この東郷池の汚濁の原因。これはでは湖山池とかほかの水が停滞するようなところには全く、東郷池しかないのか、あるいは東郷池にそういう、これが繁殖しやすい環境があるのかというのはどうなのでしょうか。その生態とかそういうようなものを教えていただけないでしょうか。

●杉本衛生環境研究所長
 そこに書いておりますように、ピコプランクトンというのは、ほかの水系にも何ぼかはいます。それは琵琶湖にもいるということが言われています。宍道湖にもいるということが言われています。それで、私ども湖山池とか東郷池、中海の水質をずっと今まで調べてきたのですけれども、例えばCODでなかなか下がらないということをさっきのデータです。そのCODの成分の中には当然プランクトンというふうなものも入ってきますから、プランクトンが多いとCODは高くなるということで関係あります。東郷池の水質を今までずっと見てきたら、アオコの発生のもととなるいわゆるナノプランクトンといわれるレベルのプランクトンの数と、それからクロロフィルaという水の中の葉緑素の関係を見ると、湖山池とか中海は割かし合うのです。プランクトンの多いときは葉緑素も高い。ところが、東郷池についてはプランクトンに対して葉緑素が何か高いときがある。ということで合わない関係がある。どうもこれは今までとらえてなかった、我々が知らなかったピコプランクトンがかなり東郷池には多いのではなかろうかということでその実態を調べてみようと、それが今のCODに対してどれだけの影響を持っているのかということを調べてみようということです。実際には、そんなにピコプランクトンというのは数がたくさん種類がなくてシネコキスティスというのかシネココッカスというのか大体そのぐらいだろうなという感じはいろんな島大とか、あるいは琵琶湖研究所とかのいろんな情報とかを受けて、予想は立てているのですけれども、まだ研究に入ったところですので、どうだというところまではやっておりません。

◎伊藤委員長
 渡部課長、ブルーギルはないのだな、東郷池には。

●渡部水産課長
 はい。いないというふうに聞いております。

◎伊藤委員長
 そうすると塩分を入れてこのシジミに特化した利活用という格好だけでほかの魚、コイや淡水魚なんかの影響はどうなっているのか。

●渡部水産課長
 特にコイ、フナがこれによって減ったというようなことは聞いてないです。漁業の方はシジミがあるのでフナやコイをとっておられた人もそっちにいったということで漁獲は減ったということがありますけれども、資源そのものがこれによって減ったということは聞いておりません。新たにワカサギなども導入して、これからはやっていきたいということを言っております。

◎伊藤委員長
 単純な話だな、これはな、利活用は。
 そのほかないですね。
 では中海の方に入らせていただきます。

○湯原委員
 一つ、護岸の整備計画ということで、結局背後地が1.44メートルよりも低くて背後に家屋があって、つまり浸水の過去あるみたいなところで、短期のやつですね。大体、先ほど説明があったかもしれないけれども、私が聞き逃したのかもしれないけれども、大体財政のこともあるのでしょうけれども、短期といった場合は大体どのぐらいをめどにというのをちょっと教えていただけたらと思います。
 それからもう一つ、以前にもどなたか聞かれたかもしれませんけれども、今の中浦のあそこの水門といいますか、樋門といいますか、閘門といいますか、あそこの撤去作業をやっていらっしゃるのですが、あの後のくぼ地ですね、あれについての再生はどういう考え方でしたっけというか、僕が聞いていて忘れちゃったのかもしれませんけど、その辺についてちょっと2点。

●谷口県土整備部次長
 ここの短期、中期、長期というのは、ひとつの近々にこれから取り組んでいくという中で、やはり早く取り組むところ、それから少し遅くという、そういうような仕分けでありまして、ではいつから短期で、いつまでを整備イメージとしてやるかというところの具体的な話は出ておりません。
 以前、安田副委員長からありましたくぼ地、空港の前のあたりですね、その辺のくぼ地といいますか、それに対する対応ということで、これは国交省の方が出雲工事の方が一部これは環境護岸をつくるためにどうも運ばれた箇所が、鳥取県側でいいますと、旗ケ崎のあたりになっておりますけれども、そういうところに一部持っていかれた。ただ、ボリューム的にはそう大きいという、2,000かそのぐらいだったと思いますね。余り大きなボリュームではなかったと思いますが、それでその後のではどうするのかと。まだいろいろと今の上水道関係でも残土が出てくるでしょうし、それからいろいろ河川の斐伊川水系のしゅんせつ土もあるのではないかということを国交省に聞きました。ただ、国交省としましては、いろいろと残土計画を持っているようでありまして、できればやはり今やっている事業の中でのコストの縮減という観点からいけば、最寄りに、近いところに持っていくというのがどうも向こうの意見、見解でありまして、やはり中海まで運ぶということになると、特に鳥取県側に運ぶということになりますと、かなりの運搬費がかかって、非常に今の事業費をオーバーするということがありまして、今のところそこに持っていって、例えばくぼ地等に持っていって、それに充当しようという考えはないというふうに聞いております。

○湯原委員
 まず、護岸整備は、結局、大規模災害の事業関係者がとり合うではないけれども、優先順位をまず決めるという感じなのですね、結局。それでいつかということはこれからの財政といろいろと聞くことなので、それはわかりました。
 くぼ地の件は、ただ知事も本会議場でおっしゃっているように、やはりもとの姿に戻るのがエチケットみたいな、自然のあるべき姿ということがありますので、絶えずそれは財政もありますし、当事者、国ということもありますのであれなのでしょうけれども、県のやはりスタンスとしては、できるだけ以前の中海に戻すスタンスだけは、まあそれはお金のこともありますけれども、絶えず持っていただきたいなという要望をしておきます。
 もう1点だけよろしいでしょうか。

◎伊藤委員長
 はい、どうぞ。

○湯原委員
 先ほど東郷湖の話を聞きながら下水道整備は完了したのだけれども、さっきありましたプランクトンが結局ハード事業ではほぼ完了したのにもかかわらずなかなかきれいになっていないよと。プランクトンが原因で、そのあたりの相関関係は、湖山と中海とは若干違うような杉本さんの話だったのですけれども、片一方で言わせてもらうと、ここに何人かメンバーがおられますけれども、中海の水質保全の計画の協議会のメンバーがおられるのですけれども、計画を5年、水質の保全、国の指定湖沼の指定を受けてやっているのですけれども、杉本さんのところでお世話になって関係機関とここに上がっていますように、4ページ上がっていますように、いろんな試験研究機関と連携して、生態系の研究をやっておられますとありますよね。一方で、中海水質保全計画が平成20年を一応めどで、ちょっと出足がおくれて、16年か7年ぐらいになだれ込んで始まって、一応20年までなのですけれども、このぜひ要望にも近いのですけれども、水質シミュレーションで生態系要素の導入検討で平成22年度の研究も上がっておりますけれども、できることなら他の連携する試験研究機関に働きかけてですね、ぜひ次の水質保全計画のハードはもちろんなのですけれども、その生態系の浄化というところに間に合うようにですね、ぜひこれから先になるとまた5年後、先になるものですから、ハードでさっきの東郷湖のやつ、ハードはやったけれどもなかなかという話を聞くと、やはり生態系を使った浄化が必要だろうなということになると思いますので、今日まで計画では農集、合併、公共下水とやってきましたけれども、生態系の浄化をボリュームを上げていただくためにはぜひ関係機関に働きかけて間に合うようにお願いしたいなと、要望を込めて申し上げたいと思います。

●杉本衛生環境研究所長
 結論からいったら努力はしたいと思いますけれども、実は中海レベルの湖沼で生態系要素を入れたモデルというのは全国で初めてなのですよ。小さいところで実験的にやったのはあるけれども。そのために、コンサルを入れてかなりこれは準備からいろいろ情報を聞きながらやっている。一つポイントは、我々、一研究者だけでそういうモデルをつくりましたよ、さあ利用してくださいといっても、相手は国ですから、なかなか利用してもらえない。今やろうとしているのは、このシミュレーションモデルをつくる段階から、もう一緒になっていろんな情報を共有化しながら、そこで理解を得て、了解を得ながらこのモデルを組み立てていこうということでかなり時間をかけているというのがあって。勝手にモデルだけを自分たちだけでつくりましたということだったら、あるいは間に合うのかもしれませんけれども、かなりその辺の理解を得ながらということで進めておりますので、努力はいたしますということで御勘弁いただきたいと思います。

○湯原委員
 まあいいです。

○石黒委員
 中海・宍道湖ラムサール条約の登録一周年大会ということで、大変うれしいこの一年を経過したわけですが、もし中海干拓事業で本庄工区の1,700ヘクタールの干拓が中止にならなかったら、この登録の指定は受けなかったと、こういうふうに承知しているわけです。幸い中止になって水面が保全されたということで登録を受けた。日本国内ではもうこういった大きな干拓事業は大体中海の関係で終了したと、諫早、中海、それから八郎潟とね。だからここら辺に対しては問題はないにしても、海外ではもう今、開発事業と環境保全ということで、もう世界各国でそういう取り組みがなされて、開発を優先するような、昔の日本みたいな感じになっているわけですが、そうしたときにこの中海の賢明な利用ということは、国際的にも物すごく注目を浴びて、環境の保全の重要さ、賢明な利用の仕方によって、得られない、人類にとって得がたいものがここに残っていると。しかもこんな賢明な利用をしているということを、国際的に示す模範となるのだろうと、こう思っているわけですが。だから、こうやって1年たっていろんな1年間の成果といいますか、事業をこう見てみると、この程度でこれからもずうっと推移して、賢明な利用をしたというふうに考えているのか、いやいや、これはまず当面1年間でやったことだけれども、もっともっとこういうことを賢明な利用として考えているのだというものがあればまず聞かせていただきたいと、こういうふうに思います。
 それとあと、賢明な利用の一つにはやはり水産の振興と、この中海を利用した。それが大きなあれだろうと思ってここを見てみると、目標値というのの中に、中海と美保湾の漁業振興、クルマエビとかサルボウとかアサリ、ヨシエビと書いてあるのですよ。中海の魚介類の関係ではアオデガニというのは物すごくね、この中海の中でことしは物すごくわいているなというような年。ことしはちょっとアオデがとれが悪いなと、こういうような感じであの周辺の人たちは、漁業関係者は見ておるわけですよ。大きな大きな水産の主要品目ですわ、沿岸漁業者のね。だからその中にこれが、むしろサルボウ貝というのは昔とれたけれども、これから何とか昔を取り戻そうという、サルボウ貝、赤貝ね。サルボウ貝と赤貝とは違いますよ。赤貝というのはこんな大きいやつで、サルボウ貝というのは小さな、大きくならない、赤貝とは違うでしょ。だからその中に調査したり、資源の回復を図ろうとするのだったら、やはりアオデガニなんていうのも忘れないようにこうやって賢明な利用の中の一つとして入れておくべきだとこう思うのですが、何かその、やってきた事業にしては余り影響の、具体的なあれに触れてないなと思うのですけれども、そこら辺はどうですか。

○松田委員
 関連。

◎伊藤委員長
 どうぞ。

○松田委員
 だからそれに加えて、中海七珍、あの種類は入れておいてほしい。

◎伊藤委員長
 何かありますか、局長。

●安住農林水産部水産振興局長
 ここに具体的なこれからはどういうものがあるかなということで、クルマエビとかサルボウとかアサリとか書いておりますけれども、等ということで、これから今おっしゃるようにアオデガニとかというものはイメージしていきたいと思っていますので、それから七珍ですかね……(発言する者あり)、そういうものも意識しながら調査もやりたいと思いますし、どちらかいいますと、本庄工区が開削されればもっともっと変わってくるのかなというイメージがありますので、ちょっとそれまでは、大きな動きというのはなかなか難しいのではないかなと思っているのですが、意識して調査していきたいと思っています。

○石黒委員
 今の話で、樋門を今、撤去しているのでしょ。樋門が撤去されないまでも、今言った特にその魚種ね、アオデガニというのはとれたりとれなかったりしているのだ、年によって。ましてや本庄工区のあの堤防を200メートル開削して橋をかける。そうすると物すごく昔に戻るわけだ。そうすると、それでアオデとか七珍の関係などがもとに戻るのかどうかいうシミュレーションとか予想とか目標、その中にもう絶対盛り込んでおかなきゃ、できてからやるのではなくて、昔からとれているのだから、今でもとれているのだから、そういうことを言っているので、入れておくということを強く言ったわけです。
 それからもう一つ、護岸の関係もちょっと言っておきますが、護岸というのはもう弓浜部のあれはもうほとんど、70%かな、80%なの、整備が済んでいるのは。残った20%ぐらいが中・長期、短期に分かれているのでしょ。だけれども、工期がどれだけということはおっしゃられなかったけれども、とりあえずの関係で急ぐやつは短期だと、こうおっしゃったような感じだけれども、この護岸の整備というのはまだこの今々ではないけれども、もう間もなく、間もなくというのは10年という意味だな、10年以内ぐらいに大橋側拡幅の条件に護岸整備が100%整備がしてないとちょっと検討には値しませんよという大きな条件になっているわけだ。だから、上流部のダムの2カ所ね、それから神戸川の増水、今でも鋭意やっているけれども、この護岸、これはもう島根県の方、上流部だし、それが全部3点セットが整わないとだめだということになっているのに、長期というのは10年も20年も先にやるつもりなのか、長期というのは5年以内でやるのか、中期は3年で、短期はこの1~2年でというようなスタンスでやるのかということ、ちょっと聞かせてもらわないと困る。

●長谷川参事監兼公園自然課長
 賢明利用のことについて今後の見通しというお話だったかと思います。ただいま、昨年、登録以降、まず復旧ということを進めてきております。いろいろな取り組みをしてきた結果、いわゆるラムサールという言葉あるいはそれを目指す環境保全と賢明利用ということは、それなりに皆さんの認識はいただけたのではないかなというふうに考えています。これからはさっきの宣言もあったように、地域のみんなで取り組んでいこうという具体的な取り組みをどんどん見直していくそういう段階、一応、次の段階としては、地域の取り組みを誘発していく段階だというふうに考えています。それで、来年度の予算要求等でどうしても考えているところもあるのであれですけれども、例えば出前説明、地域に入って具体的な取り組み、こういう御相談をしたですとか、国際交流ということもあるのですけれども、KODOMOラムサール全国大会を開いて、また国際的な会議につないでいくとか、いろんな取り組みを考えています。賢明利用の一つの柱として、あり得るのはやっぱりエコツーリズム的な観光面での取り組みといったことも今後の課題だろうなということを考えております。私のところだけで全部やるわけにいきませんので、関係部局と話し合いながらというふうに考えております。

●谷口県土整備部次長
 整備のスケジュールと、これはまだ本当に具体化しておりませんので、国交省も私たちがそれを聞いても現在では具体的に計画されていないということでございますが、ただ短期だけが、短期がありますが、まあこれができてその次に長期だよという考え方は私たちは言っていないと。やはり短期も、それは優先的に短期が必要性が高いからここを最初にという気持ちでそういうものがあっても、長期もできるだけ並行してやって、やはり護岸整備というのは全部そういうものが一体化した中での護岸整備ですよということは、ずっと国の方にも申し上げております。そういう姿勢でいきたいなと思っております。

○石黒委員
 もう最後にします。
 ラムサール条約の関係ですけれども、あなた方の説明はよくわかるのだけれども、行政がやるべきことは何なのか、それから民間に協力を願うことは何なのか。行政は一生懸命、底泥の処理だとか、今、200メートルを開削をしたり、撤去したりして、何とか昔に戻そうとしているわけよね、ハード事業ではね。だけれどもそれと並行して水質浄化のため、環境保全をするためには、民間の方に、それはアマコを植えたり何かしているという、説明するのはいいけれども、洗剤を琵琶湖みたいに飲料水だから徹底してやっているのだけれども、昔から。洗剤はこういうものを使ってもらえないだろうか、あるいは廃油などは絶対流さないようにしてくれないだろうかと。それが結局は宍道湖、中海を汚濁させているのだぞというようなことを具体的に、そんなふうなことを、今できることや何かを具体的に言って協力を求めるということが必要なのではないのかなと思うのだけれども、どうしてそんなところに向くようになっていないのか。お金も何も要らないことではないですか、そんなことは。もっといい知恵を絞れば予算なんか要らないでできることがあるのではないかい、環境の保全とかそういうものは。民間に協力を求めることがあるのではないのかいと思うのですが、どうでしょうか。

●長谷川参事監兼公園自然課長
 御指摘いただいたとおりだと思います。先ほども御説明しました大会の宣言に結びついたと思うのですけれども、大人も子供もみんなで力を合わせて一人一人ができることからすぐに取り組みをしましょうということを今回の大会の一つの取りまとめにしております。その趣旨を踏まえながら改めて申しますけども、できることから取り組んでいきたいと思います。

○稲田委員
 この湖沼利活用特別委員会はこれで2回か3回ですが、私もその都度言っているのですが、例のこの淡水化に伴って米川の水というのは非常に重要性を増してきているわけです。要するに、この米川の土地改良区の理事長の永見さんに話を聞くと水は幾らでもありますよというのはもう2年前から言っておるわけです。話をしてみるとですね。ただ問題なのは、この前もその話がこの委員会で出たと思いますが、空港のいわゆる滑走路下のパイプですよ。これを例えば送水の方法について土地改良区と了解を得て、干拓の営農組合とも協議中だという、協議をしてこれからいこうとしておられるのだろうと思いますが、その点について何回かここで質問で、たしか安田委員もおっしゃった。実際に協議なさっているのですかね。その排水の問題。パイプの問題。ちょっとそれ途中経過で。(発言する者あり)暗渠か。

●坂根耕地課長
 米子空港下の米川の暗渠部分についてのお尋ねでございます。
 昔、その空港が日本軍が……。

○稲田委員
 いや、わかっているのです。それは、話はわかっている。

●坂根耕地課長
 おっしゃるとおり、本当に境港市に水が行きにくい状態の中で、数%ではなく数割のオーダーで、割のオーダーで水がどこかに行っちゃっているということなので、これは直さないことには境港市側の水が足らないということは明らかでございます。それで、今は管の滑走路を切り開いて全部直すというのはなかなか、毎日、飛行機が飛んでいますからできませんので、今ある管の中にちょうどリボンをくるくるっと中から巻きつけるような感じで、管の更新工法というのがございます。そういう方法で水漏れをなくす手法はどうかということで、この空港の管理者、これは国土交通省、それからあそこは自衛隊の基地でもございますので、防衛施設庁の方と今こういう形で直したいのですがという形で協議をしておりまして、これは何とか防衛施設庁の予算、国の予算ですね、で対応する方向で今、協議を進めているところです。

○稲田委員
 本当に協議している、それ。(発言する者あり)それならいいのだけれども、ちょっと米川の土地改良区の方から話を聞くと、その方が今、課長が言われた話が十分に伝わってないのかもしれないね。伝わっているのだろうか。
 まあそこで、なぜ私がそんなことを言うかというと、現実にあそこに6本か7本、パイプが埋まっておりますよ。6本か7本現実にどういう形であのパイプが空港の下を走っているかということ、わかっている部分とわからない部分があるのだという話なのですよ。きちんと見取り図で、ここに走っていますよ、こういうぐあいに分離してこういうぐあいに走っていますよということがわかっているか。それが非常にあいまいになっている。要するに今言った、私もあそこのパイプのできた歴史を知っていますが、要するに旧軍が使っておった時代から非常に、要するに軍秘、軍の秘密のいわゆる美保の海軍航空隊の中にあった、あそこは軍秘だった。軍の秘密だった。そのために資料があるやないわという話も出ておるわけですね。そういうのを踏まえて、今の工法はなるほどそれはできるでしょう、そういう方法で。ですけれども、本当にちゃんとした見取り図やきちんとどういうぐあいにパイプが走っているということを理解していますか。

●坂根耕地課長
 まず、協議でございますが、一番最近は先月の29日に広島へ私ども足を運びまして、具体的にどうしたいというふうなことを相談してまいりました。広島の方も、東京の方にこれから話は持っていけるという段階にまず至っております。(「ほう、やっとるか」と呼ぶ者あり)
 ではパイプがどこにどう走っているかわかっていますかということで、これはわかっております。

○稲田委員
 わかっておるね。

●坂根耕地課長
 それも隣に座っておりますが、吉田参事もこの間、潜りました。実際潜りまして、よくやるなと思うのですけれども、もうはっていかないと行けないところです。狭いところは怖い人というのは本当に怖いと思います。それから米川の永見理事長も立派だと思います、みずから入られました。物理的にどこに何があるか、中の状態がどういうふうになっているかというのは、今申し上げましたように、みんなが、もちろん国交省の担当の人も入ってくれました。共通の目で見ましたし、どこに何があったかというのはわかっております。今、委員御指摘の点は、これは推測ですけれども、今何かわからないかというと、パイプが入っているそこの土地、昔、用水路や排水路というのは公のものといって青線、赤線といって、だれのものでもないので国のものということで、法定外公共物という扱いだったのですが、分権一括法によりまして、地方自治体に全部管理が移りました。底地が、パイプはそこに埋まっているのだけれども、用地がちょっとあさってのところにあったりするのですね。その施設を整備するに当たっては、整備後の施設をだれが財産として保有し、だれがどういう責任で管理するかということを決めないと工事にかかれないのですけれども、その部分の相談というのがやや難航しております。
 今、防衛施設局との話では、もうこれ以上ああだこうだ調べてもわからないし、議論してもどうしようもないので、だれのものでもないのなら、では将来的にだれのものにしようということでやりましょうという方向の話になっておりますので、物理的にどこに何があり、どうなっているかというのはわかっている。工法もおおむねわかっているのですが、その周辺事情として底地の問題というのも方向性が見えている段階に至っております。

○稲田委員
 その底地の問題はそれで、私がおとどしの9月の代表質問のときに永見さんと話したときに、2年前から出ている話なのです、それは。最近起こった話ではないのです。2年前からもうずっとある話なのです。だからやはりそれを解決しないと、私はいけないと思うし、そこまで努力をなさっているということは私は評価はします。

○石黒委員
 ちょっと済みませんけれども、6本通っているというけど、そんなに通っているのか。そんなに通ってないはずだけど。

●坂根耕地課長
 7本通っています。(「7本、ああそうか」と呼ぶ者あり)

○安田副委員長
 今の分坂根さん、今、稲田委員がおっしゃったことの続きなのですけれども、要するに青線の場所が、昔の場所が東にずれているので、それを今の図面に、公図上に振りかえを移動をした方がいいのではないかという話にもなるのではないですか。今しておかないといけないのではないかということになるのではないですか。

●坂根耕地課長
 副委員長の御指摘のまさにとおりでございまして、施設を整備するに当たって、それは用地を分筆してそこに設定をするのか、あるいは地上権設定という形になるのかという、それはいずれかの方向でその施設と用地の関係というのはこの際明らかにすると。

○安田副委員長
 この際ね。
 ちょっと続けさせていただけますか。ちょっと2点ほどお願いいたします。
 何カ月か前に斐伊川の田畑の農薬が宍道湖に流れてシジミが死んじゃったということがありましたよね。今、ラムサールだ漁業の振興だとか、いろいろ今、お話も出ているのですが、元の斐伊川からそういう汚濁というか、農薬が流れてきたのでは元も子もないというようなこの話ではないかなと思うのですが、その辺はどういうふうに今後とも対応をなさるのか、そこを1点お尋ねをしておきたいと思いますし、もう1点は、先ほど谷口次長から残土の話が出たのですが、ということは、もうこの出雲工事事務所の斐伊川関係の残土は見込みがないというふうに考えないといけないということかな、ということと、2点ちょっと。

◎伊藤委員長
 では、さきの1点目のシジミについて、どうぞ。

●澤田生活環境部次長
 先般、宍道湖のシジミで報道されましたチオベンカルブという農薬について、おっしゃるとおりでございまして、まさにそういう流入負荷を減らしていただかないと、せっかく生態系をもとに戻して、漁業としてそういう問題が出てくるということで、宍道湖に関しましては、現在、地域、上流の水田の方々とそういうものを使わないような方向で議論が進んでおると聞いております。これ以外に私どもも水揚げが現にございます東郷池についても、実はこのチオベンカルブはやりました。東郷池についてはチオベンカルブについては検出されておりませんが、それ以外にもほかの農薬もちょっと当たってみておこうということで、現在やっておるところでございます。

●谷口県土整備部次長
 現時点では、そういうふうな見込みはない。ただ、やはりこれは今の状態、放置の状態というのは、これはできるだけ解消していただきたいという、そういう強い要望があるということは伝えております。

○安田副委員長
 澤田さん、どうなのですか。そういうものを、農薬のたぐいとか毒気になるようなものを川から、私たち最下流なのですけれども、上流から流さないようなセーフティーネットみたいなものをどう担保をするのかというようなことを考えておかなくてもいいのですか、鳥取県サイドとして。

●澤田生活環境部次長
 鳥取県サイドとしてどう考えるかということだろうと思いますけれども、委員長さんがお詳しいと思いますけれども、実はポジティブリストの中に、食品衛生法上のポジティブリストということで、農薬が物すごい数が指定になりました。それで基準ができてきておって、そういうところから今回の問題は端緒をされつつあるという状況でございます。

○安田副委員長
 何って、もう一度。ごめんなさい。

●澤田生活環境部次長
 今回のシジミの中に、そういうチオベンカルブという除草剤が検出されたというような実態が、全国各地で出ているのが背景でございます。ですから、そういうことを踏まえながら、我々としても、そういう実態が非常に希薄な状態で流れくるわけですけれども、生態内になると少し濃縮されたりするようなこともあるかもしれません。それから、使い方として、例えば分解性の早いものをお使いいただくといったようなこともあるでしょうし、この辺は共存ということもあるだろうと思いますので、できるだけそういうことができるような方法を模索していく。当然モニタリングの方もやっていく必要があるだろうということで考えておるところでございます。(発言する者あり)

○安田副委員長
 済みません。今さっきの中浦水門のお話が出たのですが、くぼ地の。私がちょっとお尋ねしたかったのは何でかというと、今の短期の整備目標である渡漁港とか、それからもう一つ、民有地の日新の関係とか、ここを整備するのにどうしても一つの工法として埋め立てということも視野に入ってくるのですよね。そのときにやはり土砂が使えるかどうかということがひとつポイントになるので、それがもうないとなると、限られてきますわね、整備の方法が。そこをもうちょっと次長さん。

●谷口県土整備部次長
 今のその短期の……。

○安田副委員長
 渡漁港です。

●谷口県土整備部次長
 渡とか、貯木場は。

○安田副委員長
 貯木場は長期。民有、そうではない。個別協議。

●谷口県土整備部次長
 埋め立てと言われますのが、今のちょっと埋め立てという意味が私は理解ができないのです。

○安田副委員長
 だから、漁港の、例えば今、急がれている渡がずっとこう堤防を海岸に沿って……。

●谷口県土整備部次長
 かさ上げ。

○安田副委員長
 やるやり方と、それから地元から出ている要望は、入り江そのものを埋め立ててほしいという声も出ている。

●谷口県土整備部次長
 ちょっと埋め立てについての、今の比較検討案の中では、かさ上げと、前にですね。

○安田副委員長
 おたくの図面。

●谷口県土整備部次長
 水門をというような案が出されております。埋め立てについては私どもは承知しておりませんけれども。

○安田副委員長
 そういう案も出ているのです。

●谷口県土整備部次長
 そういう時にはそういう時点でやはり考えていくということになると思いますが、ただ物がなければ、例えば埋め立てや、これは比較の中で出てくると思いますが、残土的な、適切な適当なそういうものがあって、それでそこに埋め立てるということであればそちらの方が安いと。大体購入土というのがありますので、買ってやった方がどうなのかという比較の中で、多分買った方が高いとなるのは確かで、例えば埋め立てれば流用土がなければやはりその案は採用されないということも出てくるので、それはその時点でのまた比較の時点でのお話しになると思います。

○安田副委員長
 買えばよそからでも買えるという。

●谷口県土整備部次長
 ということですね。真砂は幾らでも売っていますので。

○石黒委員
 さっき僕が言ったでしょ。民間の方にとにかくできることは協力願うように具体的に言いましたね。つまり農薬は、今の法律では使ってもいい農薬を使っているのだけれども、しかし事実、シジミがあれだけの被害を受ける。賢明な利用をしなさいや、有効な利用をしなさいやと言っても、片一方でそんなものを流してあんた、魚介類を死滅させるというのは逆行もいいところだ。全然賢明でない。むしろ逆行しているのではないかと僕は言う。だから、そういうことは、使ってもいいかもしれないし、まあだけど、上流部の皆さんや農業の人やそれから一般の生活をしている一般の民間人も、あなたたちはこういうことを気をつけなさい、農業の皆さんはこういうことを気をつけてください、そんなことはもう流れないように協力してくださいというようなことを具体的にあるのではないかと。安田委員もそうおっしゃるし、私も最初に言ったのは、その意味なのだ。だから、洗剤だ、廃油だというのは一例を言っただけの話で、そういうことが、あなたたちが知恵を絞れば、お金をかけなくたって幾らでも具体的な例が、協力できることがあるのではないかということが、総括してあれもこれもの中に入れたつもりだけれども、ぜひそういうふうに考えて、ピックアップをして皆さんに協力してもらうようにしてください。(発言する者あり)

●澤田生活環境部次長
 委員御指摘のとおりだと思います。今回の件は、ポジティブリストということで新たな制度改正が行われた結果として出てきたものでございまして、今はこういう事態も考えながら、やはりワイズユースというのはどういうことなのかということは、データを前に出しながら、皆さんに呼びかけていきたい、それが我々の仕事でもあるというぐあいに考えております。

◎伊藤委員長
 皆さん、どうでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 では意見、質疑も出尽くしたようでございます。
 これできょうの湖沼利活用調査特別委員会を終了いたします。
 

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000