鳥取県警察国民保護計画の制定について(例規通達)

鳥取県警察国民保護計画の制定について(例規通達)

  平成18年6月26日
  鳥備二例規第3号、令和2年鳥務例規第5号

 武力攻撃事態等又は緊急対処事態において、治安の維持を責務とする警察として、武力攻撃事態等における避難住民の誘導及び武力攻撃災害への対処に関する措置、緊急対処事態における攻撃の予防及び鎮圧、避難住民の誘導並びに災害への対処に関する措置その他の武力攻撃事態等及び緊急対処事態における警察措置について、総合的かつ一体的な措置を講ずる必要があることから、別添のとおり「鳥取県警察国民保護計画」を制定し、平成18年6月26日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。

別添
   鳥取県警察国民保護計画
第1 総則
 1 目的
   この計画は、武力攻撃事態等(武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成15年法律第79号。以下「事態対処法」という。)第2条第2号に規定する武力攻撃事態及び同条第3号に規定する武力攻撃予測事態をいう。以下同じ。)における国民の保護のための措置(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成16年法律第112号。以下「国民保護法」という。)第2条第3項に規定する国民の保護のための措置をいう。以下「国民保護措置」という。)及び緊急対処事態(事態対処法第25条第1項の緊急対処事態をいう。以下同じ。)における緊急対処保護措置(国民保護法第172条第1項の緊急対処保護措置をいう。以下同じ。)において、鳥取県警察の総力を挙げて、住民等(住民及び滞在者をいう。以下同じ。)の生命、身体及び財産を保護し、並びに生活及び経済に及ぼす影響が最小となるよう、的確かつ迅速な警察活動を実施するために、必要な事項を定めることを目的とする。
 2 基本方針
   武力攻撃事態等及び緊急対処事態において、国民保護法その他の法令に基づき、住民等の協力を得つつ、県、市町村、消防、自衛隊等関係機関と相互に連携協力し、国民保護措置及び緊急対処保護措置の的確かつ迅速な実施に万全を期するものとする。
 3 配慮すべき事項
 (1)基本的人権の尊重
    国民保護措置の実施に当たっては、基本的人権を尊重することとし、住民等の自由と権利に制限を加えるに当たっては、当該国民保護措置を実施するため、必要最小限のものとし、公正かつ適正な手続の下に行うものとする。
 (2)住民等の権利利益の迅速な救済
   ア 国民保護措置の実施に伴う損失補償、不服申立て又は訴訟その他の住民等の権利利益の救済に係る手続について、迅速な処理が可能となるよう必要な体制の確保に努めるものとする。
   イ 国民保護措置に伴う損失補償、不服申立て又は訴訟その他の住民等の権利利益の救済に係る手続に関連する文書については、武力攻撃事態等が継続している場合及び住民等の保護措置に関して不服申立て又は訴訟が提起されている場合には、その保存期間を延長するなど適切に保存するものとする。また、武力攻撃災害(国民保護法第2条第4項に規定する武力攻撃災害をいう。以下同じ。)による当該文書の逸失を防ぐために、安全な場所に確実に保管するなど、その保存には特段の配慮を払うものとする。
 (3)住民等に対する情報提供及び協力の確保
   ア 武力攻撃事態等においては、国民保護措置の実施状況、被災情報(国民保護法第126条第1項の被災情報をいう。以下同じ。)等について、正確な情報を適時かつ適切に提供するよう努めるものとする。
   イ 平素から、国民保護措置の重要性につき住民等に対する啓発に努めるとともに、国民保護措置についての訓練を行う場合は、住民等に対して、訓練への参加を要請するなどにより、住民等の自発的な協力が得られるよう努めるものとする。
   ウ ボランティア団体との連携を図るとともに、武力攻撃事態等においては、適切な情報提供に努めるものとする。
 (4)関係機関との連携協力の確保
    鳥取県知事(以下「知事」という。)、市町村長等から警察に対して、国民保護措置の実施に関し各種要請があった場合は、その要請の趣旨を尊重し、必要がある場合には速やかに所要の措置を講ずるものとする。
 (5)高齢者、障害者等への配慮
    警報(国民保護法第44条第1項の警報をいう。以下同じ。)、緊急通報(国民保護法第99条の武力攻撃災害緊急通報をいう。以下同じ)等の情報伝達及び避難誘導、救援(国民保護法第75条第1項の救援をいう。)等においては、高齢者、障害者等の特に配慮を要する者の保護に留意するものとする。
 (6)安全の確保
    国民保護措置の実施に当たっては、その内容に応じ、その安全の確保に配慮するものとする。
第2 体制の確立
 1 職員の招集及び参集
   武力攻撃事態等に至ったときの鳥取県警察職員(会計年度職員及び臨時的任用職員を除く。以下「職員」という。)の招集・参集については、鳥取県警察非常招集規程(昭和63年3月鳥取県警察本部訓令第5号)によるものとする。また、職員は、交通機関の途絶等を想定した自転車、徒歩等の代替手段を検討するものとする。
 2 鳥取県警察武力攻撃事態等対策本部の設置
   警察本部長(以下「本部長」という。)は、武力攻撃事態等に至ったときは、鳥取県警察武力攻撃事態等対策本部(以下「対策本部」という。)を設置し、部隊を編成するものとする。
第3 平素の措置
 1 体制の整備
 (1)情報収集・連絡体制の整備
   ア 武力攻撃災害が警察の情報収集・連絡体制に重大な影響を及ぼす事態に備え、消防機関等の関係機関との連絡が相互に迅速かつ確実に行えるよう、情報伝達経路の多重化、情報交換のための連絡体制の明確化等に努めるものとする。
   イ 警報及び緊急通報の内容を迅速かつ確実に伝達できるよう、各種通信手段の活用のための体制や設備の整備に努めるものとする。
 (2)関係機関との協力体制の構築
   ア 広域にわたる避難、NBC攻撃(核兵器等又は生物剤若しくは化学剤を用いた兵器による攻撃をいう。以下同じ。)等による災害に対応するための物資及び資機材の提供等武力攻撃事態等における特有の事項にも対応できるよう、関係機関との連携体制の整備に努めるものとする。
   イ 自衛隊施設等の周辺地域における住民の避難については、自衛隊車両等の移動のための経路を確保する必要があることに配慮し、自衛隊等関係機関と密接な連携を図るものとする。
 (3)装備資機材の整備
   ア NBC攻撃等により発生する武力攻撃災害に対処するために必要な化学防護服、放射能測定装置等の国民保護措置の実施に必要な装備資機材を整備するものとする。
   イ 警察署等の警察施設につき、武力攻撃事態等発生時において応急対策の拠点となるという重要性を考慮し、施設の整備及び点検を行うものとする。
   ウ 機動的な情報収集活動を行うことができるよう、ヘリコプターテレビシステム、交通監視カメラ等画像情報の収集・連絡システムの整備を図るものとする。
 (4)物資の備蓄・調達体制の整備
    物資の供給が相当困難な場合を想定した食料、飲料水等の適切な備蓄及び調達体制の整備、自家発電設備及び仮眠設備の確保等を図るものとする。
 (5)教養・訓練
   ア 武力攻撃事態等を想定した招集・参集訓練、情報連絡訓練、他機関からの情報収集訓練及び活動手順についての教養を実施するとともに、消防機関等の関係機関との共同訓練等を実施するものとする。
   イ 広域緊急援助隊について体制及び装備資機材の充実に努めるとともに、武力攻撃事態等において直ちに必要な活動を行うことができるよう訓練を実施するものとする。
 2 基礎資料の収集整備
 (1)基礎調査
    武力攻撃事態等に至った場合に的確な国民保護措置が実施できるよう、市町村等関係機関と連携して次に掲げる事項を調査し、管内実態等の把握に努めるものとする。
   (ア)住民の居住実態
   (イ)高齢者、障害者、乳児その他自ら避難することが困難な者(以下「災害時要援護者」という。)の居住実態
   (ウ)避難支援関係者
   (エ)地区別の集合施設、避難経路、輸送手段及び輸送担当者
   (オ)指定避難所
 (2)管理者対策の推進
    災害時要援護者の避難を適切に行うため、地域住民、自主防災組織等の協力を得ながら、これらの者の居住実態の把握等に努めるとともに、これらの者が滞在する施設管理者に対して、避難誘導を適切に行うため、必要な措置の実施に努めるよう要請するものとする。
 (3)市町村への協力
    市町村の行う避難実施要領(国民保護法第61条第1項の避難実施要領をいう。以下同じ。)の基礎となるパターンの作成に当たっては、緊密な意見交換を行うものとする。
 3 生活関連等施設の安全確保
 (1)施設の実態把握
    管轄区域内に所在する生活関連等施設(武力攻撃等における国民の保護のための措置に関する法律施行令(平成16年政令第275号)第27条で定めるものをいう。以下同じ。)について、その名称、所在地等について把握するものとする。
 (2)施設管理者及び関係機関との連携確保
    生活関連等施設の管理者に対して施設の安全確保上の留意点について、県及び市町村と協力して、周知させるよう努めるものとする。
 (3)安全確保に関する助言・指導等
    生活関連等施設の管理者に対し、施設の特性に応じた警備強化等安全確保上留意すべき点につき助言するものとする。
 4 地域住民対策
 (1)住民等への啓発活動
    国民保護について、住民等の理解と協力が得られるよう県及び市町村と連携して普及啓発活動を行うものとする。
 (2)住民等に対する情報伝達・広報体制の確立
    国民保護措置の実施状況、被災情報等を収集、整理し、関係機関、住民等への提供等を適時かつ適切に実施するための体制の整備に努めるものとする。
 5 交通規制に係る体制及び施設の整備
 (1)交通管理のための体制の整備等
    武力攻撃事態等における広域的な交通管理のための体制を整備するとともに、武力攻撃事態等において、交通規制が行われた場合における車両の運転者の義務(国民保護法第155条第2項の車両の運転者の義務をいう。)等について周知を図るものとする。
 (2)道路管理者との連携
    道路管理者と連携し、武力攻撃事態等における交通規制状況等の情報を道路利用者に対し適切に提供できるようにしておくものとする。
 (3)緊急交通路の把握
    武力攻撃事態等における避難住民及び緊急物資の運送のため確保すべき道路についてあらかじめ把握するとともに、運送事業者である指定公共機関(事態対処法第2条第6号に規定する指定公共機関をいう。)及び指定地方公共機関(国民保護法第2条第2項に規定する指定地方公共機関をいう。)と協議の上、避難住民及び緊急物資の代替輸送手段の確保に努めるものとする。
第4 国民保護措置等
 1 情報の収集
 (1)報告
    職員は、武力攻撃(事態対処法第2条第1号に規定する武力攻撃をいう。)の兆候等に係る情報を入手したときは、直ちに、本部長に報告するものとする。
 (2)被害状況の把握
    武力攻撃事態等において、ヘリコプターテレビシステム等の情報収集手段を有効に活用し、被災情報の収集を行うとともに、警察庁に報告し、及び知事に連絡するものとする。
 (3)安否情報の収集及び提供
    警察が保有する安否情報(国民保護法第94条第1項の安否情報をいう。以下同じ。)については、速やかに地方公共団体に提供するなど、地方公共団体が行う安否情報の収集に協力するよう努めるものとする。この場合において、避難住民及び武力攻撃災害により死亡し、又は負傷した住民の情報については、原則として当該住民の現に所在する地方公共団体の長に対し安否情報を提供するものとし、当該住民の住所地が判明している場合は、併せて当該地方公共団体に対し、安否情報の提供を行うよう努めるものとする。
 2 関係機関との調整
 (1)協議への参画
   ア 都道府県の区域を越える避難の場合については、関係都道府県知事による避難住民の受入れ、移動時の支援等に関する協議に、必要に応じて参加するものとする。
   イ 県及び市町村が避難の指示(国民保護法第54条第2項の指示をいう。以下同じ。)を行うに当たり、地理的条件や地域の交通事情などを勘案し自家用車等を交通手段として示す場合においては、必要な意見を述べるものとする。
 (2)特定公共施設利用に関する調整
    対策本部長は、武力攻撃事態等対策本部長(事態対処法第11条第1項の武力攻撃事態等対策本部長をいう。)が武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律(平成16年法律第114号。以下「特定公共施設利用法」という。)の規定に基づき港湾施設、飛行場施設、道路等の利用に関する指針を定めるに当たり、必要な意見を述べるものとする。
 (3)市町村長との調整
    現地対策本部長は、市町村長が避難実施要領を定めるに当たり、必要な意見を述べるものとする。
 3 警報等の伝達
 (1)警報の通知
    対策本部長は、警察庁又は知事から警報の内容について通知を受けたときは、直ちに、その旨を現地対策本部長に通知するものとする。警察庁から警報の解除について通知を受けたときも、同様とする。
 (2)住民への警報伝達
    警報の内容の通知を受けた現地対策本部長は、市町村と協力し、交番、駐在所、パトカー等の勤務員が拡声機や標示を活用するなどして、住民等に対して警報の内容の伝達を的確かつ迅速に行うよう努めるものとする。
 (3)緊急通報の住民伝達
    対策本部長は、知事から緊急通報の発令の通知を受けたときは、直ちに、その旨を現地対策本部長に通知するものとし、現地対策本部長は、警報の場合に準じて、市町村と協力し、住民に対して緊急通報の内容を的確かつ迅速に伝達するよう努めるものとする。また、対策本部長は、警察庁に当該内容を速やかに報告するものとする。
 4 避難誘導
 (1)避難措置の指示の通知
    対策本部長は、警察庁から避難措置の指示(国民保護法第52条第2項の指示をいう。)の内容について通知を受けたときは、警報の場合に準じて、その旨を現地対策本部長に通知するものとする。警察庁から警報の解除について通知を受けたときも、同様とする。
 (2)避難指示の住民伝達
    対策本部長は、知事から避難の指示の通知を受けたときは、直ちに、その旨を現地対策本部長に通知するものとし、現地対策本部長は、警報の場合に準じて、市町村と協力し、住民等に対して避難の指示の内容の伝達を的確かつ迅速に行うよう努めるものとする。また、対策本部長は、警察庁に当該内容を速やかに伝達するものとする。
 (3)避難情報の収集
    住民の避難、誘導に当たっては、避難実施要領に沿って避難住民の誘導が円滑に行われるよう、交通規制、秩序の維持、ヘリコプターテレビシステムによる情報収集等につき、必要な措置を講ずるものとする。
 (4)関係機関との役割分担
    避難住民の誘導を行うに際しては、県及び市町村、海上保安庁、自衛隊等との間で適切な役割分担を行うとともに、交通規制等により避難経路の確保と秩序立った避難の実施を図るものとする。また、できる限り自治会、町内会等又は学校、事業所等を単位として避難住民の誘導を行うよう努めるものとする。
 (5)警告・指示
    避難住民を誘導する場合においては、混雑等から生ずる危険を未然に防止するため、国民保護法第66条第1項の規定に基づき、警告又は指示を行うものとする。
 (6)弱者支援等
    病院、障害者福祉施設等、自ら避難することが困難な者が滞在している施設において、施設の管理者及び市町村だけではその十分な輸送手段を確保することができない場合は、ヘリコプター等による輸送支援を行うものとする。また、積雪時における住民等の避難については、その経路や交通手段が限定され、移動に長時間を要するほか、避難住民の健康管理を適切に行う必要性が高いことに十分に配慮するものとする。
 (7)留置場収容者対策
    留置場収容者を避難誘導する場合においては、事前に移監先を選定し、充分な護送体制を執った上で、適切に行うものとする。
 5 要避難地域等の警戒
 (1)自主防犯組織等との連携
    要避難地域及び避難先地域において、自主防犯組織等と連携しつつ、パトロール活動や生活の安全に関する情報の提供等を行うものとする。
 (2)住民等の安全確保等
    避難所等の定期的な巡回等を行い、住民等の安全確保、犯罪の予防等に努めるほか、多数の者が利用する施設の管理者に対し警備の強化を要請するなどして、当該施設の安全の確保に努めるものとする。
 6 被災者の捜索及び救出等
 (1)被災情報の収集
    交番、駐在所、パトカー等の勤務員及びヘリコプターにより、被災情報の早期収集に当たるものとする。
 (2)部隊の投入
    把握した被害状況に基づき、迅速に機動隊等を出動させ被災者の捜索及び救出活動に当たるとともに、被害が大規模な場合は、警察法第60条の規定に基づき、警察庁又は他の都道府県警察に対し、広域緊急援助隊の派遣要求を行うものとする。
 (3)緊急輸送等への協力
    医師、看護師等で構成する救護班の緊急輸送又は傷病者の搬送について協力を求められた場合においては、パトカーでの先導、緊急通行車両標章の交付等、特段の配慮を行うものとする。
 (4)遺体の引渡し等
    地方公共団体及び医療機関等と協力し、死者の身元の確認、遺族等への遺体の引渡し等に努めるものとする。
 7 生活関連等施設の安全確保
 (1)立入制限
    公安委員会が国民保護法第102条第5項の規定に基づき立入制限区域を指定した場合においては、鳥取県公報への掲載、報道発表等により、その旨を住民に周知させるとともに、ロープや標示の設置等により、立入制限区域、立入りを制限する期間等を明らかにするよう努めるものとする。
 (2)危険物質等の警備強化
    国民保護法第103条第2項の規定に基づき、危険物質等(国民保護法第103条第1項に規定する危険物質等をいう。以下同じ。)の占有者、所有者、管理者その他の危険物質等を取り扱う者に対し、危険物質等の取扱所の警備の強化を求める場合には、危険物質等の管理者等の安全の確保に十分に配慮するものとする。
 (3)情報の提供等
    国民保護法第102条第2項の規定に基づき、生活関連等施設の管理者に対し、施設の安全の確保に関し要請を行う場合には、当該管理者にその管理に係る生活関連等施設の安全の確保のため必要な措置を的確かつ安全に実施するために必要な情報を随時十分に提供すること等により、当該管理者及び当該施設に従事する者の安全の確保に十分に配慮するものとする。
 (4)支援の実施
    国民保護法第102条第4項の規定に基づき、生活関連等施設の管理者、指定行政機関(事態対処法第2条第4号に規定する指定行政機関をいう。)の長等から施設の安全の確保のための支援の求めを受けた場合においては、指導、助言、警察官の派遣等必要な支援を行うよう努めるものとする。また、自ら必要があると認めるときは、支援を行うものとする。
 (5)警察管理に係る施設の警備強化
    警察管理に係る生活関連等施設について、速やかに、警備の強化等安全確保措置を講ずるものとする。
 8 NBC攻撃等による災害への対処
 (1)要請に基づく活動
    NBC攻撃等による災害に際し、国民保護法第107条第3項の規定に基づき、知事から協力要請がなされたときは、必要に応じ、放射性物質等により汚染された疑いのある物件の廃棄や汚染された疑いのある建物の封鎖等の措置を講ずるものとする。
 (2)職員の安全措置
    NBC攻撃等による汚染が生じた場合には、防護服の着用、ワクチンの接種、被ばく線量の管理等職員の安全を図るための措置を講じた上で、迅速に避難誘導、救助・救急活動、汚染範囲の特定等を行うものとする。特に、化学物質による汚染の場合には、除染活動に努めるものとする。
 (3)警戒区域の設定等
    NBC攻撃等による災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、市町村長又は知事による措置を待ついとまがないと認めるとき、又はこれらの者から要請があったときは、国民保護法第114条第3項の規定に基づき、警戒区域の設定等の措置を講ずるものとする。
 9 道路交通の管理
 (1)交通規制の実施
    避難住民及び緊急物資の運送の経路を確保するため、一般車両の通行を禁止するなどの交通規制を行うものとする。この場合において、県内への流入車両を抑制する必要がある場合には、周辺の府県警察の協力により、周辺地域を含めた広域的な交通規制を行うものとする。
 (2)交通状況の把握等
    通行可能な道路や交通状況の把握に当たっては、現場臨場した警察官、関係機関からの情報、交通監視カメラ、車両感知器等の活用により、迅速に実態を把握するものとする。交通規制を行うに際して、武力事態等対策本部長により、特定公共施設利用法の規定に基づき、道路の利用指針が定められた場合は、それを踏まえ、適切に行うものとする。
 (3)交通規制の周知徹底
    交通規制を行ったときは、道路管理者と協力し、直ちに、住民に周知させるものとする。
 (4)緊急交通路確保のための措置
    避難住民及び緊急物資の運送のため必要な場合には、放置車両の撤去、警察車両による先導を行うとともに、必要に応じ、一般車両の運転者等に対し、所要の措置をとるよう命ずるものとする。
第5 通信の確保
 1 平素の措置
 (1)非常通信体制の整備
    武力攻撃災害発生時においても通信が途絶することがないよう、非常用電源を確保するなど非常通信体制の整備を図るとともに、その定期点検を行うものとする。
 (2)訓練の実施
    武力攻撃災害の発生に備え、県、消防機関等と連携し、武力攻撃事態等を想定した通信訓練を定期的に実施するよう努めるものとする。
 (3)重要データのバックアップ等
    武力攻撃災害発生により情報管理機能に支障を来した場合において速やかに回復させるため、システム構成の二重化、重要データのバックアップの実施を行うものとする。
 2 機能の回復等
   武力攻撃災害発生直後から通信を確保するため、警察通信施設の被災状況を速やかに把握し、修理又は代替措置により機能の回復を図るものとする。
第6 広報活動
  被災情報、事態の推移、国民保護措置の実施状況等について、広報担当者を置き、正確かつ積極的な広報に努めるものとする。また、広報内容については、関係機関と情報交換を行うよう努めるものとする。
第7 特殊標章等の交付
  本部長は、別に定める基準に従い、職員、その国民保護措置に協力する者等に対し、国民保護法第158条第1項の特殊標章及び身分証明書を交付するものとする。
第8 応急の復旧
 1 被害の拡大防止等
   武力攻撃災害発生後できる限り速やかに警察が所管する施設及び設備の点検を実施するとともに、これらの被害状況等を把握し、被害の拡大防止及び被災者の生活確保を最優先に応急の復旧を行うものとする。
 2 体制の整備等
   警察が所管する施設及び設備の被害状況の把握及び応急の復旧を行うため、あらかじめ体制及び資機材を整備するよう努めるものとする。
第9 緊急対処保護措置に関する事項
  緊急対処事態においては、緊急対処保護措置として、この計画に定める事項に準じた措置を実施するものとする。この場合において、当該事態を終結させるために、その推移に応じて実施する攻撃の予防、鎮圧その他の措置については、警察が第一義的責任を有していることに留意するものとする。
  

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