エシカル消費の普及拡大


  

鳥取県の取組

 鳥取県では、エシカル消費の全国波及に向けた国内の動きに連動し、平成27年度から、「エシカル消費」の重要性と必要性について、県民への理解促進と消費行動の定着に向けた啓発活動等に取り組み始めました。


[平成29年度の取組み]

【参加者募集中】
・家族と学ぶ「子どもエシカル教室」の開催 ・・・ チラシ、申込用紙はこちら

 エシカル消費について、くらしに身近な商品や素材を題材に、子どもたちが家族とともに体験学習を交えながら実践的に学習する講座を県内2地区で開催します。

<開催日程(予定)>
(西部会場)平成29年8月20日(日)、9月2日(土)、9月24日(日)
(東部会場)平成29年10月1日(日)、11月5日(日)、12月3日(日)

<参加対象>
 小学校4年生~6年生及びその家族

・子ども「エシカル大使」の認定
 エシカル消費について学んだ子どもたちが、自覚を持って自発的な行動を行いやすくするため、子ども向けの認定制度を創設します。
※ただいま準備中です。

・「エシカル・フェア」のモデル実施
 多くの消費者が日常的に利用するスーパーマーケット等において、エシカル商品の紹介・販売とエシカル消費の啓発を行う特設コーナーを一定期間開設します。
※ただいま準備中です。

・事業者と消費者による座談会の開催
 若年層、子育て世代、高齢者等、各ライフステージの消費者のエシカル消費に対する考え方や想い等を販売事業者に率直に伝えるとともに、エシカル消費を取り巻く国内外の動向を販売事業者に情報提供することにより、販売事業者のエシカル消費に対する関心を高め、商品の仕入れ等の変化に繋げることを目的に座談会を開催します。
※ただいま準備中です。

・エシカル事業者紹介事業
 エシカル消費の重要性とエシカル商品の素晴らしさを分かりやすく伝えるため、特徴的なエシカル商品づくり等を行う事業者等をホームページ、広報誌等に掲載して紹介していきます。
※ただいま準備中です。

・学校等におけるエシカル消費啓発授業
 平成28年度に制作した消費者教育指導教材等を用い、学校及び幼稚園において、エシカル消費の啓発を含む消費者教育を授業として行い、子どもに対するエシカル消費の確実な知識・行動の定着化を図っていきます。


[平成28年度の取組み]
社会と未来を思いやる21世紀型の消費者育成事業…将来を担う子どもたちが、社会の一員として、自分のことだけではなく社会全体や未来のことを思いやり行動する、『21世紀型の消費者』になるよう育成するため、夏休み「子どもエシカルラボ」や「とっとりエシカルマルシェ」の開催などを予定しています。
子ども「エシカル・ラボ(「思いやり消費」研究室)」
「エシカル・マルシェ(とっとり「思いやり消費」産品市)」
「エシカル・ラボ」in徳島2016に知事が参加しました!
 エシカル消費(環境・社会・地域などを思いやる消費)に関する知識を習得できる講座を8月22日(月)、2月20日(月)、3月10日(金)に四国大学短期大学部加渡いづみ准教授をお迎えし開催します。
「とっとり消費者大学」公開講座(消費活動・エシカル消費)

[平成27年度の取組み]

「倫理的消費(エシカル消費)」地区別研修会(平成27年9月29日、30日開催)

「倫理的消費(エシカル消費)」啓発シンポジウム(平成27年10月30日開催)

・「倫理的消費(エシカル消費)」に関する啓発広報

テレビCM(放送期間:平成28年3月16日から同25日まで)

ラジオCM(放送期間:平成28年3月16日から同25日まで)

新聞広告(日本海新聞掲載日:平成28年3月20日 PDF 990KB)

日本海新聞 みみちゃんプレス(掲載日:平成28年3月16日 PDF 1420KB)


エシカルって何?

エシカル(ethical)とは、「倫理的な、道徳的な」という意味の英語で、「エシカル消費」とは、人や社会、環境への配慮など、広範な社会問題や社会責任に配慮した消費行動を指し示す言葉として用いられています。

これまで用いられてきた「エコ」や「グリーン」などの言葉は、環境への配慮を示すことはできましたが、社会問題全体を扱うことはできませんでした。

また、「ロハス(健康と持続可能性を重視するライフスタイル)」も、社会問題全般を扱うには少し範囲が狭いものでした。

一方で、「エシカル」は、これらの言葉がカバーできなかった「広範な社会問題や社会責任」を一言で言い表せます。

 「エコ」に近いけれども、もう少し問題の本質を正面から見極めようとする積極性のある感じ。自分のことだけじゃなく、人や地球のことを考えて自分の振る舞いを決めるといった、視野の広さや賢さを感じさせるのが「エシカル」です。

専門家の方々も、この「エシカル消費」について、以下のような表現をされています。


★山本 良一 氏(東京大学名誉教授)

『エシカルというのは、辞書で調べると「倫理的」ですね。倫理とは何か?道徳と倫理と法律で分けて考えるとわかりやすいです。道徳というのは英語で は「モラル(moral)」。人それぞれの中にある価値観や行動するときの基準。宗教的な行為を含み、これは人によって千差万別です。倫理は多くの人たち が合意している、いわば「社会的な規範」。法律になると義務を伴うもので「国家権力の裏打ちのある規範」です。エシカルとは「法律になってはいないけれど 多くの人が合意している価値基準」だと私は考えます。』

 

★末吉 里花 氏(一般社団法人エシカル協会 代表理事、フリーアナウンサー)

『私が考えるエシカルは、人・社会・地球環境のことを考えた「倫理的に正しい」消費行動やライフスタイルのこと。』

 

★原田 さとみ 氏(エシカル・ペネロープ株式会社 代表取締役、フェアトレード名古屋ネットワーク 代表)

『私たちの幸せの裏側で、弱者への搾取や地球環境破壊などで、誰かや何かが犠牲になっているとしたら、本当の幸せではありません。物事の背景や裏側 に思いを巡らして、社会や環境に優しいか、関わる人みんなが喜んでいるか、人も自然も、地球上のすべての命がハッピーであるよう、思いやる心がエシカルの 美意識です。』


エシカルの分類

それでは、どのような消費や購入の仕方が「エシカル消費」なのでしょうか。

 前出の山本 良一 氏は、「エシカル消費」を下表のように、「環境への配慮」、「社会への配慮」、「地域への配慮」の3つに分類しています。

例えば、「環境に配慮したエシカル消費」とは、私たちはいつも素晴らしい環境のおかげで生きているという自覚から、環境を思いやって消費するということです。環境に配慮した製品の購入はグリーン購入と呼ばれ、日本では20年以上の歴史があります。

また、「社会に配慮したエシカル消費」とは、例えば、障がいのある方が地域社会の中で自立した質の高い生活を送ることができるよう配慮するという視点から、障がいのある方が携われた商品を正当に評価して消費するということです。

さらに、「地域へ配慮したエシカル消費」としては、地産地消や応援消費があり、日本では2011年の東日本大震災以降、応援消費が活発になっています。

エシカル消費の分類 (東京大学名誉教授 山本 良一)

国内の動向

 20世紀末イギリスに端を発した「エシカル消費」は、日本国内でも関心が高まり、この消費行動に関連した動きが出てきています。

 

「倫理的消費」調査研究会の設置

「エシカル消費」の国内での関心が高まる中、その消費行動がもたらす日本の経済社会の 高品質化の可能性を見据え、「エシカル消費」の必要性を検討し、国民の理解や、日常生活での浸透を深めるためにどのような取組が必要なのかについて調査研 究を行うため、平成27年5月、消費者庁において設置されました(設置期間は平成28年度までの2年間)。

 この研究会では、「エシカル消費」に関して、定義必要性とその効果、エシカル度を計る基準や指標、広く普及させていく上での課題と対応 等について検討されています。

 また、この研究会には、鳥取県からも平井知事が委員として参加し、鳥取県における取組の紹介、「エシカル消費」を普及させていくための提案等を行っています。

 

エシカル実態調査

(株)デルフィスが実施する「エシカル」を広くカバーした日本初の調査。エシカル消費の研究の一環として、エシカルという考え方への意識や行動をはじめ、エシカルな消費者の実像把握を目的に調査が行われています。

 

・フェアトレードタウン運動

行政、企業・商店、市民団体などが一体となってフェアトレードの輪を広げることで、不利な立場、弱い立場に置かれた途上国の生産者の人たちの自立や環境の保護保全に貢献しようとする「まちぐるみ」の運動。

>>フェアトレードタウンとは

日本では、2011年に熊本市が初のフェアトレードタウンに認定され、また、2015年には、名古屋市が2番目のタウンに認定されました。

その他にも、各地でフェアトレードタウン運動が展開されています。

>>日本各地のフェアトレードタウン運動


消費者の実践

 

20世紀型の大量生産・大量消費・大量廃棄という経済の循環を抜本的に見直し、持続可能な21世紀型の社会を構築していくためには、消費者の行動がポイントになります。

では、消費者は、具体的にどのような消費や購入の仕方をしていけば良いのでしょうか。

 

例えば、

・長寿命でエネルギー効率の良いLED電球を選ぶ

・燃費の良いエコカーを購入する

・障がい者が生産する品質の良い商品を購入する

・地元の農産物を購入したり、風評被害にあっている地域の農産物を購入する。

 

これらは全て、皆さんがそれと気付かずに実践されているエシカル消費の事例です。

「商品の購入が社会にとって良い影響を与えるかどうか」ということが一つの目安になると思います。

 

あまり難しく考えず、日々の生活の中で、環境や社会、地域のために良いと思う商品やサービスを購入することから始めてみましょう。

 

鳥取県では、平成27年10月30日に「エシカル消費」に関する啓発シンポジウムを行いましたが、そこにご登壇いただいた枝廣 淳子 氏(東京都市大学教授、(有)イーズ 代表取締役)は、次のようにおっしゃっていました。

「エシカル」を、「エ(影響を)・シ(しっかり)・カル(考える)」

と覚えると、覚えやすい と。

 

今、消費者には、自分の利益だけではなく、国内のほか国境を越えた他国の人々や、時間を越えた子孫のことまでも考慮した商品選択を行うことが求められています。

商品を選択するその瞬間こそが、消費者が世界を変える瞬間です。消費者が、エシカルな消費を心がけることによって、これまでより環境、社会、地域により配慮された商品が市場で競争力を持つようになり、社会を持続可能な方向に動かすことができるのです。

 

国では、2012年12月、「消費者教育推進法」を施行し、将来世代のための公正で持続可能な消費者市民社会の形成に参画する消費者の育成を目指し始めています。

「消費者市民社会」とは、消費者が個々の消費者の特性や消費生活の多様性を相互に尊重しつつ、自らの消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経済情勢と地球環境に影響を及ぼしうるものであることを自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会を言います。

鳥取県では、平成27年度に策定した「消費者教育推進計画」に基づき、「消費者市民社会」の形成に向けた取組を今後も進めていきます。