【令和2年1月30日知事定例記者会見より】
・2050年CO2排出実質ゼロ宣言を行う、いわゆる「ゼロカーボンシティ」として本県も宣言を行います。
・この目標に向けては政府を含め、国全体で様々な技術革新に挑んでいかなければなりませんが、例えば再生可能エネルギーの推進や住宅の性能強化等、様々なテーマを追求することによって、こうした大きな中長期目標を掲げていきたい。同志の自治体とも連携協調しながら、対策の強化を年々重ねてくことができればと希望しています。
・実効性を持たせるため、今年度中に策定する本県の環境基本計画「令和新時代環境イニシアティブプラン」においても意欲的目標を掲げ、2050年に向けての短期的な取組を示していきたいと考えています。
2015年に合意されたパリ協定では「平均気温上昇の幅を2度未満とする」目標が国際的に広く共有されるとともに、2018年に公表されたIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の特別報告書においては、「気温上昇を2度よりリスクの低い1.5度に抑えるためには、2050年までにCO2の実質排出量をゼロにすることが必要」とされています。
これらの状況を受け、地方自治体が2050年の二酸化炭素排出実質ゼロを宣言する動きが拡大しており、2020年1月29日時点で全国51の自治体(12都府県、39市町村)が表明を行っています。
環境省においても、小泉環境大臣のメッセージ発信等によって各自治体の率先的な取組を呼びかけ、2050年の二酸化炭素排出実質ゼロを目指すことを公表した自治体を「ゼロカーボンシティ」として国内外に広く発信することとしています。
※「実質ゼロ」とは排出量から吸収源を差し引いたものであり、エネルギー消費等に伴う人為的な排出量から森林による吸収量を差し引いて算出。
私たちの暮らしを支え、世代を超えて豊かな恵みをもたらしてきた地球環境は今、大きな危機に直面しています。
温暖化が一因と考えられる昨今の様々な異常気象は、世界の至る所で社会に深刻なダメージを発生させています。気候変動対策は国際社会が連帯して取り組むべき喫緊の課題であり、持続可能な未来に向けた社会変革に、もはや猶予はありません。
2020年はパリ協定が本格的な実行段階へ移行する年であり、世界は脱炭素化に向けて大きく舵を切ると共に、国や企業を含めたあらゆる主体でSDGsの取組が加速されるなど、環境を取り巻く国内外の情勢は大きな転換期を迎えています。
国際的な枠組みに加え、地域における主体的な取組にも一層の期待が寄せられている今、鳥取県には、これまでも県民の皆さんと共に全国をリードする環境実践「とっとり環境イニシアティブ」に取り組んできた実績があります。
鳥取県は2050年の脱炭素社会の実現を目指すべき長期ビジョンに掲げ、この「とっとり環境イニシアティブ」をさらに発展させながら、恵み豊かな自然環境の継承と活力に満ちた持続可能な社会の創造に向けて、県民の皆さんと共に様々な取組を推進していきます。
令和元年度末に策定した「令和新時代とっとり環境イニシアティブプラン」において、4つの施策の柱の1つを「低炭素社会の実現」として位置づけ、2050年における脱炭素社会の実現を視野に、低炭素化に向けた具体的な取組を展開することとしています。
<主な取組の方向性>
・環境や暮らしと調和し、家庭や地元企業等が主体となった再生可能エネルギー導入の推進
・地域新電力や蓄電システム等を活用した自立分散型の地域エネルギー社会の推進
・再生可能エネルギー由来の水素を地域のエネルギーとして活用する「水素タウン」の推進
・ZEH・ZEB等、建物のゼロエネルギー化・省エネルギー化の推進
・EV・PHV普及やモーダルシフト等によるCO2削減
・RE100・EV100等、企業の率先的な環境配慮経営の推進