令和4年度農林水産商工常任委員会議事録

令和5年1月20日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです
出席者
(8名)
委員長
副委員長
委員
松田  正
西村 弥子
浜田 妙子
斉木 正一
福田 俊史
中島 規夫
由田  隆
山口 雅志
欠席者
(1名)
委員
山川 智帆
 

説明のため出席した者
  池田商工労働部長、西尾農林水産部長 ほか各局次長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  西村課長補佐  井田課長補佐  福永主事

1 開会   午前10時00分

2 休憩   午前10時48分

3 再開   午前10時50分

4 閉会   午前11時25分

5 司会    松田委員長

6 会議録署名委員     福田委員  由田委員

7 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり

 

 

会議の概要

午前10時00分 開会

◎松田委員長
 ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
 本日の日程はお手元のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 今回の常任委員会は、商工労働部、農林水産部の順で執行部の入替えを行います。
 なお、企業局及び労働委員会については報告事項がないため出席を求めないこととしておりますので、併せて御承知ください。
 それでは、初めに会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、福田委員と由田委員にお願いします。よろしくお願いします。
 それでは、報告事項に入りたいと思います。
 執行部の説明は、マスク着用の上、要領よく簡潔にマイクを使ってお願いします。
 なお、質疑等については、説明終了後に一括して行うこととします。
 まず、商工労働部、報告は3点です。
 では、報告1、事業承継支援に関する連携協定の締結について、岩田企業支援課長の説明を求めます。

●岩田企業支援課長
 2ページをお願いします。事業承継支援に関する連携協定の締結についてです。
 事業承継については昨年度実態調査を実施し、中山間地の後継者不在率が高いことが判明しています。このため、今年度は商工会連合会と連携して事業承継を促進する取組などを行っているところです。その取組を推進するために、昨年の12月23日に日本政策金融公庫を交えた3機関で連携協定を締結したので、その概要などについて報告させていただきます。
 まず1、連携協定は県と商工会連合会、日本政策金融公庫の鳥取支店、米子支店で締結しています。締結に至った背景ですが、日本政策金融公庫は全国の事業者の情報を活用しながら第三者承継に力を入れておられます。また、商工会連合会は地域の事業者の詳細な状況を把握しながら親族内承継を中心に支援されています。双方が連携することで事業承継の促進が図れるということで、全国的にも日本政策金融公庫と商工会連合会との協定締結が進められているところです。
 本県の場合は、県と商工会連合会で連携しながら事業承継支援を開始したところですし、県としてもこの協定締結でより具体のニーズなどを把握でき、今後につなげることができると考えましたので、三者で協定を締結することとしたものです。県も含めて3機関の協定は、他県では事例がないということです。
 次に2、後継者不在の状況についてです。県が昨年度行った調査では、郡部のほうが57.8%と不在率が高い傾向が判明しています。また、今年度商工会連合会が会員向けに行った調査では、後継者不在率が63.8%という結果となっています。その後継者不在の企業の中で、第三者承継の検討が必要な事業者数が216社です。そういった事業者に対しては、今回の協定に基づいた支援なども検討していくことになるのではと考えています。
 また、県と商工会連合会とが連携した支援を希望する事業者は48社という結果となっています。この事業者に対しては、現在県も一緒に個別に聞き取りをしながら状況、ニーズの把握に努めているところです。
 次に3、今年度の県の取組状況です。(1)は先ほど説明させていただいたとおり協定締結をしましたし、事業者への聞き取りを進めているところです。
 (2)は後継者不在の情報を公開して、全国の起業希望者とマッチングを図る民間のサイトがあります。そこに鳥取県特設ページを設けて、後継者を探している県内事業者と起業を希望している全国の方とのマッチングを図っているところです。現在4社掲載しており、具体的な交渉段階に入っている案件もございます。そのほか、とっとりお試しツアーとして興味のある方に後継者を募集している県内事業者を訪問いただいていますし、起業永住に興味のある方を対象に東京でワークショップも開催しています。
 今後の取組・目標ですが、今年度の取組を継続して、個々の事業者の状況を把握しながら県の支援策や日本政策金融公庫の支援策も活用するなど、ニーズに沿った支援を行って事業承継が円滑に進むよう伴走支援を行っていきたいと考えています。

◎松田委員長
 次に、報告2、「とっとり企業紹介フェア」の開催結果について、河野雇用政策課長の説明を求めます。

●河野雇用政策課長
 3ページをお願いします。大学等に在籍している学生の方を対象に県内企業の情報を入手する機会を提供し、企業の人材確保、学生の県内企業に対する理解促進を図るため、2年ぶりに対面形式でとっとり企業紹介フェアを開催しましたので、概要を報告します。
 12月26日月曜日に鳥取産業体育館、12月28日水曜日に米子コンベンションセンターの2か所で開催しています。年末の帰省に併せた参加を促すため無料送迎バスの運行を行っていますし、また県内企業訪問を組み合わせた飛行機ツアーを東京-米子間で実施しています。
 フェアの内容は、資料のとおり(1)から(3)まで大きく3つございます。
 (1)就活準備セミナーですが、大手就活サイト、株式会社マイナビの専門の講師がコロナ禍における就活の動向や準備すべき対策等を講演しました。計86名が参加し、学生さんからは「就活の流れを把握でき就活生としての自覚を再認識できた」等の感想をいただいており、就職活動を促すきっかけを提供できたと考えています。
 (2)合同企業説明会ですが、企業が2会場、合計197社、学生は2会場、合計157名が参加して行われ、企業ごとに設置したブースで採用担当者が学生に対して会社の概要や業務内容等を説明しました。企業からは「直接話ができて有意義であった」、学生からは「取得したほうがよい資格のような具体的な話も聞けた」「前向きに就活できそう」といった感想をいただいています。
 最後の(3)各種相談ブースですが、国、県立ハローワークあるいはふるさと鳥取県定住機構等が学生さんの相談に対応しました。
 一番下、<参考>に記載しているとおり、令和6年3月大学卒業予定者の就職・採用活動が2か月後の3月から本格的に始まります。これを受けて、3月8日に米子、3月10日に鳥取でとっとり企業ガイダンスを対面式で実施します。企業ガイダンスのチラシは裏面を御参照ください。こちらも無料送迎バス等の手配を予定していますので、利用いただいて多くの学生の皆さんの就職活動の助けになればと考えています。

◎松田委員長
 続いて、最後、報告3、「DX時代の人材投資『リスキリング』はじめの一歩セミナー」の開催結果について、谷口産業人材課長の説明を求めます。

●谷口産業人材課長
 5ページをお願いします。「DX時代の人材投資『リスキリング』はじめの一歩セミナー」の開催結果について御報告します。
 開催趣旨について、資料では簡単に企業のデジタル人材育成に必要なリスキリングを推進するためと記載しています。このリスキリングは5年前に提唱されて、デジタル分野を中心に国内外で広がり、国も新しい資本主義の主要施策として強く推進し始めた状況です。企業にとっても自社の成長、生産性の向上による人手不足解消、個人にとってもキャリアアップや賃上げにつながるものです。産業人材育成の一手法としてリスキリングを広げていきたいと考えて、県内企業の経営者等を対象にリスキリングを始めるためのヒントをお伝えするセミナーをこのたび開催したものです。
 1(3)参加者ですが、企業経営者等95名に御参加いただきました。
 (4)概要です。第1部、トークセッションでは、大企業の人材育成担当者の方や県出身の若手社員の方にゲストで御登壇いただき、リスキリングの意義を共有するとともに、社会変革に合わせて経営人事戦略の見直し、社員との共有といったことが重要だということや、経営者層もデジタル知識をアップデートすることが必要、外部人材に助言を得ながら進めることも有効、中小企業だからこそスピード感を持って実現できるといった助言をいただいたところです。
 第2部では、県立ハローワークのプロフェッショナル人材確保事業を活用して社員の成長につなげつつある事例を紹介しました。具体的には倉吉市の三和段ボール工業さん、同社で副業をされているITプロ人材の方にも御登壇いただき、取組を紹介いただきました。経営課題の可視化、デジタル技術活用の提案、ブランディング戦略の見直しといったことを副業人材の方から助言をもらわれて、こういった提案に共感して会社の方針としてデジタル化への投資を掲げた。その結果、社員のデジタル化への意識、機運が高まり、行動に変化も見られつつあるという取組を御紹介いただきました。
 参加者の感想としては、(5)の上3つにございますように、8割の方から納得感を得られたという回答をいただきました。今回、どちらかというと入り口の内容のセミナーだったかと思いますが、ある程度目的を果たせたと思っている一方で、中には「ベテラン職員のリスキリングが課題だ」とか、「もっと具体的な事例が知りたい」というような声もありました。次の段階のサポートといったことも必要になると思いますし、引き続き普及啓発を強化していくことも必要かなと感じたところです。
 最後、2、今後の取組ですが、当初予算においてリスキリングの機運醸成、環境整備、デジタル専門人材の育成加速といったことを検討しているところです。さらに企業の声を聞いたり、国の施策も踏まえながらリスキリングの推進を強化したいと思います。

◎松田委員長
 それでは、今までの説明について質疑等はございませんでしょうか。

○福田委員
 まず、企業支援課の事業承継について伺いたいと思います。
 事業承継の支援については、もうかなり時間が経過したといいますか、数年前から本格的に始まっていると思います。事業承継して事業として成り立つようなものは金融機関が仲介などして、それこそ金融機関の事業としてうまくいくのでしょうが、例えば事業承継しても絶対事業として成り立たないようなところがやはり残っていくと思うのです。これまでの検証といいますか、今までのこの何年かの間の結果を見られて、担当課としてはどうなのでしょうか。

●岩田企業支援課長
 成り立たないところがどうかという御質問ですが、正直なところその事業承継を行った企業がどことマッチングされたかというのはこれまで分かっていない。我々も教えていただいていないという事情がございます。オープンになっているのはオープンにしてもいいよという割とうまくいっているところの情報です。いただいた御意見はごもっともだと思います。そういったうまくいっていないところがどういう状況になるのかは、個別の情報がなかなかつかみにくいので、実際に現場で携わっておられる商工団体の方々と可能な範囲で情報共有を図りながら、今後検討してまいりたいと考えております。

○福田委員
 事業主がやめられてすぐに問題だったらいいのですが、例えば中山間にあるガソリンスタンドやコンビニのない小さな町の商店とか、とりでみたいなところがあるではないですか。けれども、そこを事業承継しても絶対成り立たないから誰も手をつけない。そういったところは県内に結構あると思うのです。例えば私の地元で言うと、若桜町が公営のコンビニをしようとしたときに一部の町民が反対して公営でやるのはおかしいみたいなことを言う。いろいろ考え方があっていいと思うのですが、事業承継をしても合わないから手を出さないという時代に既に直面している。それに対しての政策が今本当に重要で、その辺り整理をして、公営でやるものは公営でやらざるを得ない時代がもうそろそろ来ているのではないかと思ったりします。あと事業承継は単なるガソリンスタンドやプロパンガス屋というインフラ的なお店だけではなくて、例えば若桜で言うと弁天まんじゅうが成功事例だと思うのですが、前のオーナーさんがやめて、事業承継して今また別の方が事業をやられていて守っているのですね。一村一品ではないけれども、例えばあそこにおいしい焼きそば屋があるとかラーメン屋があるとかみたいな、その地域の誇りであるような店の承継だって事業承継であると思うのです。あそこの焼きそば屋が、おばあさんが亡くなったらやめてしまうのは残念だなみたいな声もあるので、そういうところこそまさしく地域おこし協力隊といったところに手を差し伸べるというか、アプローチをしていくような流れも必要なのではないかと。なかなか事業承継の話は地域の一村一品を残すようなところまでいっていないと思うのです。

●池田商工労働部長
 委員のおっしゃることはもっともな部分があると思います。今回の商工会のモデル事業は、去年から始めた事業です。それまで商工会は親族承継中心にかかっていたような部分があるので、第三者承継にプッシュ型の部分を含めながら取り組み始めたのはある意味今年が初めてです。第三者承継を希望される利用者は非常に多くなっていることも今回のアンケートも踏まえて分かっていますので、来年度以降に向けてこの部分はしっかり強化していきたいと思います。
 おっしゃったガソリンスタンドやコンビニ、基本的には生活の拠点と中山間地の抱える課題そのものですので、単純なM&Aのような、民民の中だけで完結する部分ではない。商工会、商工労働部だけで関われる問題ではない。第一義的には当然その地元の市町村が中心になるべき案件でもありますし、もちろんおっしゃった案件は地域振興部ともしっかりと意見交換しながら進めようと考えています。
 1件1件それぞれすぐに出したい、引き継ぎたいと思っても、様々な権利関係やいろいろなしがらみがあって一足飛びにその成果が出るものではないのでしょうが、おっしゃったような課題意識を持って、じっくりと取り組んでみたいと思います。

○斉木委員
 今の関連ですが、地域にどうしても残さなければならない店なり企業なりが撤退したらその地域が非常に困るというのは、重点的にピックアップして手だてをしていくということだろうと思うのです。この事業承継のアンケートで6割近くがいないというのは、単純にいるかいないかなのか。例えば、子どもさん、孫、あるいは社員の中でいるけれども、今はないということなのか。私たちがよく聞くのは、やはり次の代の人が、この企業をするのに自信がない、あるいは経営するのに全く自信がないからやめた。子どもさん、孫さんはいるけれどもやめたというようなことがある。今、部長が言われるように、これから少しじっくりその内容を考えて取り組んで、それぞれできるものは中のほうまで入ると言うとおかしいですが、細かく支援をしていくことがやはり必要だろうと思うのです。やはりただ単純な数字だけではなく、地域にどうしてもなければいけないところ、そしてやるけれども、子どもさんたちが単純にやめたというのか、いや、自信がないからやめたということをよく聞くものですから、その辺りの支援ができるかということなのですけれども。

●池田商工労働部長
 委員のおっしゃることはもっともです。やはり事業承継というのはまさにその企業同士の経営の中身に関するものですので、現実にどのようなマッチングが行われているかは、実は行政では知り得ない部分も当然あります。親族内承継なども、法律、税金、負債、様々な非常に複雑なものを一つ一つひもといて片づけていくことが必要になります。ですので今、県では事業引継ぎ支援センターを東部と西部、米子にも置いているのですが、メインの方以外にも弁護士、税理士といった士業の方を絡ませて1件1件相談に応じて解決していくという手法を取っています。
 ただ、一方で、福田委員からもありましたいわゆる生活基盤の問題は、単純な事業引継ぎ支援センターのマッチングだけではなくて、やはり市町村や行政が乗り出していく必要がある部分が当然あろうかと思います。そういう仕組みづくりやマッチングというところにしっかり関わることは来年度からも強化してまいりたいと思っています。

○斉木委員
 言われるとおりです。企業ですので、それぞれが生き残りをかけて企業を残すかどうかは自分たちの考えになると思うけれども、これだけ世の中が、特に鳥取県のように少子高齢化が進んで地域が疲弊して、物事が、人がいなくなることは大変な問題です。こういうことが一つの起爆になってまた減っていくということがあるので、民間のやることだからではなく、企業がノウハウを皆さん方としっかりと話し合ってもらう機会をぜひこれからどんどんつくっていただきたいという要望にしておきます。

○浜田(妙)委員
 この問題については、全くお二方の委員さんの御意見と同じ方向を向いて理解しています。事業承継が問題になりましたのは今に始まったことではなくて、もう何年にもなります。それで、商工会とか中小企業連合会の皆さん方とかもちろん銀行さんも併せて伴走型の支援もやって、しかもそれをまちづくりという形で位置づけて事業承継を探るということがあったので、これまで日常的に伴走型をやってきて蓄積された情報はかなり集まっていると思っているわけです。それをどういうふうに分析して、コンサル、コーディネート、マネジメントを高いレベルでやっていくのか。
 厳しいことを言うようですが、日本初の三者の締結というのも私はちょっと不思議に思っています。特に鳥取県の場合は地域が見えやすい県ですので、もう既に地域の中の分析だとか状況だとか、そこの中で政策をどんどん打っていくようなレベルに今なっていなければいけないはずだと思っているわけです。それがこれからというような雰囲気を感じたものですから、ちょっと驚いています。特に116社も第三者承継を必要とする方々、企業さんがいらっしゃる割には、48社しか希望する企業さんがないというこの数字の少なさ、何ゆえにこんなふうになってしまっているのか、ちょっと納得できない気がしているのです。しかもこれまでの情報収集とか取組だとか、横串を刺さないといけないですよね。市町村、県、商工会、それから専門家の皆さん方、相当連携もしていらっしゃるのではないかと思うのですが、これまでの成果についてどんなふうに分析なさっているのか、もし分かれば教えてください。

●池田商工労働部長
 これまで事業引継ぎ支援センターを置いてしっかり事業承継を進めてきているのは間違いないです。ただ、先ほどもお話ししたのですが、事業承継の中身は経営に関することですので、基本明らかにならないのですね。どの企業とどの企業がマッチングできて、どうなったかという個別の事情は基本的にはなかなか知り得ない情報なのです。ですので、アンケートや一定の定点観測されたデータのみでやっていく。
 それで、これまではやはり相談があって、その相談をいかにひもといて解決していくかという、基本的には親族内承継の解決、マッチングが元から始まっていまして、そこが第三者承継も支援していく流れに今なってきています。決してこれまでの取組が遅れているとは思ってはいませんが、今年度から始めている商工会連合会への支援はプッシュ型でやっていこうという一つのある意味実験的、モデル的な取組ということで踏み出したものと理解しています。今回の協定は、政策金融公庫と商工会連合会と協定を結ぶ中で、そういったなかなか明らかになってこない我々が知り得なかった情報も得て、データを活用、分析して次につなげていく。そういう大きな意味合いもあるのではないかと思っていますので、委員のおっしゃることはもっともな部分もございます。我々もこの取組を加速して、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

○浜田(妙)委員
 情報が共有されない、公開されないところに大きなネックがあると何となく分かりました。そこを共有するために今回の協定を締結して、やっていく。そこに狙いがあると判断させていただきました。ぜひ進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

◎松田委員長
 そのほかよろしいでしょうか。

○由田委員
 最近温めていたものなのですが、関金地区は今約4,000人の住民が暮らしています。以前、倉吉市と合併したときには5,500人……(「何に対して」と呼ぶ者あり)事業承継。関金宿に農協のスーパーがずっとあって、近年は各集落にぽつんぽつんあったお店も閉鎖をして、関金地区では主には農協のスーパーしかない。実はそのスーパーが今年6月をもって閉店するというのを今年になって地域の人に伝え、今、倉吉市関金でいえば困ったことだということをお聞きしました。
 何が言いたいかというと、今の事業承継、親族でもないし、この取組が企業に対してはどういう効力があるのか。これでいえば、地域住民の生活の糧が、6キロも離れているような倉吉市内のスーパーしかないような状況です。これは2月議会でもテーマの一つにしたいと思っていますが、今のこの事業承継のことで県が果たす役割はあるのかないのか。いや、しなければならないと思うのだけれども、どういう取組になるのか。いかがでしょうか。

●池田商工労働部長
 関金の農協のスーパーのお話でした。詳細は私のほうも承知しておりませんが、当然農協のスーパーとなるとJAさんの管轄ですので、まずはそういうお話が事実であるにしろないにしろ、基本的にはまず残す残さないということが議論になると思います。そうではない展開になるようなときに様々な考え方はあると思いますが、基本的にいわゆる民民の話だけでいくと、利益が出る出ないという部分が当然大きな観点になりますけれども、やはり生活の拠点となりますと地域としてどう考えるのかが一番大きな柱になるだろうと思います。なくなれば、買物難民が発生することも当然出てくるのだろうと思います。そこは商工労働部の守備範囲だけで解決できるようなものではありませんので、事業主体である管轄の農林水産部や、中山間地ですので地域づくり推進部、そして一番の主体となるべき地元市町村としっかりと事実を把握しながらどのような対策が打てるかということになろうかと思います。状況は確認しながら見守ってまいりたいと思います。

○由田委員
 では状況によって、県も傍観者にはならずに、今、農林水産部ということも出ましたが、商工労働部も含めて対応するという方向性は確認できるのですね。当然市町村、倉吉市も含めて、この事業も含めて県の役割がそこに見いだせるという認識でいいのですか。

●池田商工労働部長
 委員がおっしゃるこの事案の具体の状況が私自身も分かりかねますので、県がどこまでバックアップ支援ができるかはその状況、事案によって変わってくると思います。現時点でしっかりと申し上げることはできませんので、その事態の推移を見守りたいというか、よく確認をしてみたいと思います。

○由田委員
 分かりました。僕ももう少し状況を把握しながら対応していきたいと思いますが、ただ言いたいことは、今回の事業承継の事業、要は地域から必要とされる事業者がなくなることを防ぐために親族内や第三者継承になるわけでしょう。だとしたら、これだけ生活に密着したようなことについて、関係自治体、関係者が地域、住民のためにやはりもっと関心を持って乗り出すべきと僕は思っていますので、これはもう少し調査をした上で2月定例会の中で一つの項目にしていきたいと思います。またレクチャーを受けながら進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

◎松田委員長
 そのほかよろしいでしょうか。

○西村委員
 すみません、3点お願いします。
 まず、2ページの事業継承の3、現在の取組状況の(2)「起業型」事業承継推進モデル構築事業です。民間のオープンネーム型プラットフォームRelay(リレイ)に鳥取県の特設ページを開設して募集などやっておられるということですが、この具体的な掲載の条件はどうなっているのか。企業さんがそこに出やすい状況になっているのか。いろんな委員さんのお話を今までお伺いして、私もすごく同意するところがあります。こういう起業型の事業継承を進めていかないと多分なかなか増えていかないのではないかと考えていますので、ここについて1点です。
 3ページ、とっとり企業紹介フェアは、参加学生が157名、企業さんも鳥取、米子を合わせると200社で、皆さんかなり積極的に集まっていただいたのではないかと思いました。参加学生さんの声や企業さんの声がありますが、いいお声ばかり見えるので、もっとこうしてほしいとかこういうところを変えていったらいいのではないかみたいな要望や改善のお声があればお聞かせいただきたいです。
 あと私は、たしか前回の常任委員会だったかな、学生間での交流ができるようにしたらいいのではないかという提案をした記憶がありますが、そういった学生間の交流やそういう機会があったのかどうかを教えてください。
 最後に5ページのリスキリングですが、やはり(5)参加者の感想の中でのベテラン職員のリスキリングが企業さんにとっても一番肝、課題なのではないかと思います。従業員のほうからしても、50歳過ぎて60歳定年の間に会社の事業が変わっていく。どうやって自分の雇用を守っていけるのかが一番不安な点です。例えば新しいスキルをどうやってつけて残りの10年足らずの企業生活をそのまま続けていけるのか、企業側、経営側も……。

◎松田委員長
 まとめて。

○西村委員
 すみません、とても重要なことなので、ここを充実させないことにはこのDX時代のリスキリングは始まらないと思うのです。なので、ここについてもう少し詳しく、今後の方針だとかあればぜひ教えてください。この3点でお願いします。

◎松田委員長
 では順番にいきます。よろしいですか。

●岩田企業支援課長
 オープンネーム型のプラットフォームの掲載の仕方がどうなのかという御質問を受けました。これは後継者不在企業の名前や経営状況だけをオープンにするのではなくて、経営者の引き継ぎたい思いをこのホームページを通じて伝えるという仕組み、やり方です。そこはホームページの開設者と経営者が、どういうふうに公表していくかというようなことを調整して経営者の意向を酌みながらやっています。

●河野雇用政策課長
 とっとり企業紹介フェアで2点御質問をいただきました。
 まず、要望、改善点についてですが、非常に新型コロナがはやっていた、ピークを迎えていたときでしたので、オンラインでも開催があればよかったという声は企業、学生の方からいただいています。
 また、企業さんからは、企業さんの知名度とかそういったものでブースに来る学生さんが特定の企業に集中したような傾向がどうしてもあったので、もう少し進行側で、いろんな企業を回っていただけるような配慮、工夫があればよかったかなという声をいただいています。
 また、進行としては25分の4回セットでやっていたのですが、それとは別に学生さんが自由に回れるフリータイム的な時間があってもよかったといった声を学生さんからいただきました。
 2点目の御質問の学生間の交流です。先ほど申し上げたとおりコロナがピークのときでしたので、進行側から表立って大きな声でなかなか呼びかけにくいところはあったのですが、企業のブースを置いているのが大きな部屋で、セミナーは小さい部屋で行っていました。そのセミナーの部屋はセミナーを終わった後どなたでも使っていただけるようにしていたので、ブースを回る中で、同じブースになった学生さん同士でお話ししたりといったシーンはあったと認識しています。学生間の交流も対策を取りながらやられていたかと思います。

●谷口産業人材課長
 ベテラン職員のリスキリングについて御質問いただいたかと思います。
 DXを進める上でベテラン職員の方の経営に対するノウハウはやはり非常に重要だと思います。デジタルのスキルだけあればDXができるものではありません。やはりデジタルのスキルとその会社のことをよく知っていて、どう見直していったらいいか戦略的に進めていくこの2つが必要になってくるかと思います。そういう意味で、ベテラン職員の方は非常に重要かと思います。
 その上で、今ベテランの職員の方のデジタルスキルが足りていないのは少し弱点になっているということであろうかと思います。まずはそういった方に入り口の体験をしていただいたりということが必要なのではないかと考えており、当初予算においてもその辺りを考えてみたいと思っているところです。

○西村委員
 最初の事業承継です。思いを伝えることが大前提で、企業さんとそのサイトでいろいろコンタクトを取っていただいているということですが、西部に上代というどぶろくの会社があって、遠藤みさとさんが若い社長として、若手と、立ち上げた地元の長老の方々と一緒になって事業承継で頑張っておられるといういろんなお話を私も伺ってきました。こういうのはもっとオープン型というか、いろんな若いチャレンジしたい方々が集まれるよう、魅力を発信していくのがやはり大事なのではと思っています。もちろんこういうプラットフォーム、サイトだけで全てが解決するわけではなくて、当然いろんな方々のマッチングやお力が必要になってくると思いますが、やはり入り口のところでたくさんの方に注目してもらって集まってもらうことがまず大前提だと思いますので、ぜひ力を入れていっていただきたいと思います。要望です。
 企業フェアです。学生さんからや企業さん側の声を今伺ったのですが、まさにこれが次にやってほしいことだと思いました。企業さんの知名度が低いところは、例えば小規模でも成長の可能性があるとかいう会社さんだけを集めて、そこのブースに特化して集まってくれる学生さんを数は少なくても集中、注目してもらうようにするとか、工夫はまだいろいろできると思います。コロナ禍で大変な状況だと思いますが、3月にはもっと具体的な考えや思いを持って学生さんも集まってくると思うので、ぜひこの12月の分を動員に結びつけていただきたいし、12月よりも3月のほうがもっと充実したフェアになっているということも学生さんにもっともっと発信していただきたいと思います。このブースはこう、このブースはこの狙いみたいな特化した感じでやったらいいのではないかと思いますので、要望としてお伝えします。
 最後、リスキリングです。ベテランの職員の方にデジタルスキルをということですが、そうですよね。やはりベテラン職員の方々が希望を持ってできるようにぜひ進めていっていただきたいのです。ただ全然やったことのないことにゼロから移りなさいということではなくて、今までのいろんな人間関係や会社のことを知っているのを生かせるのだということを大前提にして、希望を持ってできるようにしていくのが、ベテランの方々がへこたれないというか、思いを持ってできることだと思います。ぜひ県もそうしたところを配慮して進めていっていただきたいと思います。要望です。

◎松田委員長
 答弁ありますか。

●荒田雇用人材局長
 企業紹介フェアのことでいろいろ御提案いただきましてありがとうございます。
 ブースが特定の企業に集中するというところもあるのですが、今年8月にも就職フェアを対面で久しぶりに開催して、今回12月の企業紹介フェアも2年ぶりの対面で、実は学生の参加がかなり減っています。県主催のものだけではなく、民間企業のものも含めてやはりそういう傾向は全国的に課題として出ています。企業は対面でのイベントを求めているのですが、学生は圧倒的にリモートを今求めています。その傾向や分析も必要ですが、学生はタイムパフォーマンスを相当重視している傾向も感じています。時間をかけてわざわざ対面でやってきて、通常のホームページで見られるような情報とか、そういうものだけの説明であれば来た価値がないと判断すると思っています。先ほど委員から御意見いただいたテーマを明確にすることも一つやっていきたいと思いますし、今回私も米子会場へ行きましたが、説明の仕方といったところにもまだまだ改善の余地があると思っています。主催者側で感じている課題について企業にしっかりとフィードバックした上で、よりよい付加価値のある企業説明会になるようにしていきたいと思います。

◎松田委員長
 では、よろしいでしょうか。
 では、次のその他に移ります。商工労働部に関して執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。

●金澤産業未来創造課長
 皆様にチラシをお配りしています。ネクスト・イノベーター・サミットのイベントについて御紹介させていただきます。
 これは鳥取県の地域において、新たな商品や新たなサービスを生まれ続けていくようなイノベーション創出の好循環の実現を目指して起業、新事業創出の機運醸成、社内改革の人材育成を狙いとして開催するものです。
 御覧のとおり内容は二部構成になっています。第1部は「人口最少県に見る地方の未来」というテーマで、数多くメディアに出演されておられます落合陽一さんにオンラインですが御参加、講演いただく内容となっています。引き続き、第2部では新たなビジネス創出に実際に取り組んでおられます本県ゆかりの起業家4名の方に御参加いただき、「地域からイノベーションを生み出すには?」と題してパネルディスカッションを行っていただく内容になっています。県内の企業の経営者の皆様をはじめ、また起業や創業に関心のある方は御参加いただきたいと思っています。また、会場参加以外にもオンライン参加も受け付けていますので、広い方々が参加いただけるように2月15日の開催に向けて周知していきたいと思っています。現在応募を受付中ですので、委員の皆様におかれましてもお知り合いの方に御案内いただけたらと思っているところです。

◎松田委員長
 そのほかございませんか。
 ではないようでございますので、商工労働部につきましては以上で終わります。
 暫時休憩いたします。再開は10時50分といたします。

午前10時48分 休憩
午前10時50分 再開

◎松田委員長
 再開いたします。
 引き続き農林水産部について報告をお願いしたいと思います。
 質疑等については、説明終了後に一括して行うことといたします。
 報告は5点です。
 では、まず、報告4、県内で発生した高病原性鳥インフルエンザの防疫対応の状況について、寺坂畜産課家畜衛生・防疫対策室長の説明を求めます。

●寺坂畜産課家畜衛生・防疫対策室長
 令和4年12月1日に鳥取市内で発生した高病原性鳥インフルエンザの防疫対応の状況について御報告します。
 発生農場は鳥取市内の採卵鶏を飼っておられる農家です。飼育羽数は10万5,505羽です。経過としては、11月30日の朝、その農場から鳥取家畜保健衛生所に死亡する鶏が増えているという通報がございまして、家畜保健所が農場の立入検査を行いました。10時28分に簡易検査で13羽検査したところ、全羽で陽性を確認しました。その後、翌日の午前2時に精密検査により鳥インフルエンザウイルスのH5亜型遺伝子を確認し、午前5時に農林水産省が高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜と判定しました。12月5日にはこのウイルスがH5N1の亜型と判明しました。今シーズン全国で流行している型です。
 本県の対応状況です。
 まず、11月30日の午後2時に鳥取県高病原性鳥インフルエンザの対策本部を設置して本部会議を開催しました。12月1日、疑似患畜の確定と同時に陸上自衛隊に派遣を要請し、同時に殺処分の防疫措置を開始しました。市内に消毒ポイント5か所を設置して、午後7時からは処分鶏の焼却を始めました。殺処分は12月3日の午後1時25分に終わり、農場の清掃消毒、防疫措置は12月5日の午後5時に終わりました。その後、12月7日に県内のほかの78の養鶏場について緊急消毒命令を行って消毒を行っています。処分鶏の焼却処分が12月14日に終わり、12月16日には半径3キロから10キロにかけていた搬出制限と消毒ポイントの4か所を廃止しています。さらに12月27日の午前0時には移動制限も解除し、残っていた1か所の消毒ポイントを廃止して鳥取県の鳥インフルエンザ対策本部を解散しました。
 今回の防疫作業の従事者は、県職員が2,226名、鳥取市から457名、JAグループから101名、建設業協会から63名の協力をいただいています。また国から16名、自衛隊は520名の協力をいただいています。
 今後の対応です。現在、殺処分した処分鶏の手当金の支払いの手続を進めています。また、農場の再開に向けた相談の対応を行っています。それから農場の鶏ふんや餌、卵は40日間シートで覆っており、現在ウイルスの分離検査で陰性を確認しているところです。農場の再開に向けて、鳥取大学の協力により鶏舎の野生動物の侵入対策や、再開前には各鶏舎にモニター鶏、おとりの鶏を入れてウイルスが陰性であることを確認してから再開することにしています。
 県内のほかの農場については、小動物の侵入防止対策の点検を家畜保健衛生所が行っています。また、ウイルスの侵入防止対策を強化するために、12月補正でお認めいただきました予算に基づいて動力噴霧器や消石灰の散布機の整備を支援する手続を進めています。
 また、万が一の今後の発生に備えて今回使用した防疫資材の再補充を行って、こちらは完了しています。県内の野鳥の監視は引き続き継続をしており、異常は認められていません。
 最後に、今シーズンの全国における高病原性鳥インフルエンザの発生状況です。17日現在、24道県で60事例が発生し、約1,107万羽が処分されています。過去最多でした令和2年のシーズンをもう既に上回っている状況です。

◎松田委員長
 続いて、報告5、公益財団法人鳥取県造林公社経営改革プランの改定(案)について、濱江林政企画課長の説明を求めます。

●濱江林政企画課長
 3ページ、4ページの資料と、経営改革プランの冊子を使いまして御説明させていただきたいと思います。
 鳥取県造林公社の経営改革プランは平成25年度に作成し、第1期計画期間は10年で、それが今回この令和4年度で終わる。次期、現在第2期計画期間も10年ですが、それ以降のプランの見直しを行っており、このたびプランの改定(案)について皆様に御報告するものです。
 1、改定内容等の検討・協議の状況です。県内の17市町に対して意見交換をやってまいりました。あと評価委員会を4名の有識者により設置して、昨年の6月、9月、今月1月、3回開催しました。
 2の主な見直しの方針です。点線囲いで書いてある4項目があるかと思います。SDGsの理念に基づく新たな取組を盛り込む。市町村林務職員の負担軽減、そして市町村における森林環境譲与税の有効活用による森林整備をより推進するため、公社と県が連携して市町村を支援する取組を導入する。新たにレーザー航測を実施して、その結果に基づく詳細な森林資源量を踏まえた事業計画を見直す。そして最後ですが、本体事業である分収林事業に加えて様々な経営リスクに備えるためのさらなる経営努力として事業外収入の確保によって公社のより安定的経営の実現を目指すという、4つの見直し方針で改革プランを作成しました。
 1の分収林事業についての見直しですが、SDGsの理念に基づく持続可能な森林経営や、特に最近地球温暖化対策等の観点から公社が皆伐箇所の再造林に取り組みます。現在、再造林につきましては、公社は一旦契約が満了したらそこからは再造林をしないという計画になっていますが、持続可能な森林経営ということで再造林に取り組みます。その財源として、花粉発生源対策補助金、造林補助金等、再造林に当たっての国庫補助金等を最大限活用し、再造林や花粉症対策といった社会的課題への対応に貢献しつつ、公社にとっての増収につなげたいと思っています。
 また、主伐の早期実施です。現在、造林公社は60年契約のものを80年契約に延長契約していましたが、その中でもまだ60年で契約が所有者の方となっているところもございます。そういったところにおいては主伐を前倒しすることによって収入減少の影響を緩和して、新規借入枠の増加を抑制したいと思っています。
 あと、今回新たに考えましたのが事業外の収入の確保です。新たな森林管理システム推進センターが今、鳥取県森林組合連合会に今年で3年目ですが、この機能を造林公社に移転したいと思っています。市町村における森林経営管理制度の推進や、森林環境譲与税の活用促進――市町村で大体6億円がこれから配分されていきますので、その使い道を、県と公社が連携することによって、マンパワーが少ないとか林務専門職員がいない市町村のサポート体制を構築して、市町村ニーズに合った動きのできる公社に変えていきたいというものです。
 (2)市町村業務の受託は、一部の町では既に実際にやっていますが、森林経営管理制度の推進や市町村有林の管理といったものも造林公社のノウハウを使って受託していく事業外収入という格好で、ウィン・ウィンの形でやっていきたいと思っています。
 4ページ目、一番上にJ-クレジットの販売がございます。昨今、企業等の関心の高まりを踏まえてJ-クレジットが結構売れていますが、公社においても公社分収林におけるJ-クレジットの積極的な創出、販売を実施していくものです。
 最後、こういった改革を基にした長期収支の見通しですが、以下の表のとおりです。
 まず、レーザー航測調査の結果、間伐面積、主伐面積が当初よりも減少しました。これは今までは材積表などを使って造林公社のある山を全て同じ基準でやっていたものを、レーザー航測で正確に森林資源の把握ができたことで、あるところないところ、育っているところ育っていないところといったものが明確に分かるようになり、逆にやりやすくなっている。木も立木本数が少ないところは逆に材積が大きくなって、主伐材積が増加していることも実際に分かりました。ということで実際間伐による収入が立木本数の減少によって減り、そのことによって事業収入は減少しますが、補助金収入が増えて直接事業費も事業収入と同時に減少することで、間伐収入も減るけれども、それと同時に経費も減っていく。
 では事業外収入はどのくらい得ることができるのだということで、まず市町村受託事業で4.9億円、そしてJ-クレジットの販売で3.9億円と試算しています。また、主伐を前倒しますが、令和15年からになると推測しています。間伐収入の減少に対応するため、主伐を前倒すことによって収益が得られるものと考えています。
 あと、県からずっとお金を借りていますが、県への償還も令和16年度頃から開始することができます。間伐収入の減少によるものであり、主伐前倒しによってこの遅れを緩和させていきたい。実際にはもっと早く償還できるプランでしたが、間伐が減って主伐をすることで若干5年ぐらい遅れますけれども、返していける試算です。
 この結果、現行プランの最終収支は10億円でしたが、プランを見直すことにより、まず本体の事業、分収林事業で最終収支が12億円、さらに上積みとして事業外収入で市町村から受託を受けていただく最終収支が17億円、さらにJ-クレジットはどんどん増えていく可能性がありますが、それを足して約21億円で、現行プランの2倍以上の最終収支を考えています。
 詳細は、先ほど申し上げたように改革プランを添付していますので御覧いただければと思っています。このプラン見直しを基に、社会情勢の変化に敏感に対応しながら持続可能な森林経営を実施して、今以上に県民のために森林の公益機能を十分に発揮させる重要な団体組織造林公社として体制強化を県としても図ってまいりたいと考えています。

◎松田委員長
 それでは、続いて、報告6、漁業権の切替えに係る漁場計画(素案)について、氏漁業調整課長の説明を求めます。

●氏漁業調整課長
 漁業権切替えに係る漁場計画(素案)について御報告申し上げます。
 現在の漁業権は、令和5年8月31日をもちまして存続期間が満了するということで、現在次期漁業権の具体的な免許内容等を定める漁場計画の素案をまとめています。その報告をするものです。
 漁場計画の素案は、これまで漁業関係者への聞き取り調査を行い、海区漁業調整委員会や内水面漁場管理委員会で方針を協議して、市町村の方々からも御意見を伺いながら作成してまいりました。
 今後のスケジュールとしては、今年の2月から3月にかけてパブリックコメントを実施します。その後、委員会に諮問し、答申を経て5月の末には漁場計画として公示します。最終的には令和5年9月1日付で免許という流れとなっています。
 次に、ごく簡単に漁場計画の素案概要を説明させていただきます。
 まず、海面、第一種共同漁業権です。こちらは採貝採藻漁業に関係するもので、18魚種ございます。表に丸やバツが書いてありますが、丸は現在の漁業権の魚種です。バツは今回除外するものです。二重丸は今回新規に設定するもの、三角は漁協さん等から要望はございましたが今回設定しないものです。
 変更のあったところだけ簡単に説明させていただきます。
 まず、今回除外するものは、海共第6号、米子市と日吉津村のテングサ。それから、今回新規に設定するものは、海共第3号、鳥取市青谷町、湯梨浜町、北栄町が漁場となるクロモ。それから、海共第8号、境港市は、沖の防波堤が延伸され、そちらが漁業権の区域内に入ってくることで、磯の資源の漁場となる可能性があるということでアワビ、サザエ、イガイ、カキの4魚種を設定するものです。それ以外にクロモは、6月にも漁獲があるということで漁業の時期を1か月延長して6月30日までとすることとしています。また、ハマグリは、正式名称がコタマガイという貝です。そういったことでトラブルが生じた経緯が過去にございますので、正式名称のコタマガイに変更するということです。そのほかハマグリ、カメノテも各地区から要望がございましたが、漁獲実態がない、あるいは水揚げ金額が少額ということで設定しないことにしています。
 6ページが第一種区画漁業権、こちらは養殖関連の漁業権になります。現在、ワカメ、イワガキ、ノリ、魚類ということで15の漁業権を免許しています。
 変更点は、青谷のワカメ養殖です。こちらは、利用がありませんし、今後も利用する見込みがないと伺っていますので、除外することとしています。その代わりと言ってはおかしいですが、同じ場所に魚類の小割り式養殖業を新規に設定しています。こちらは県の栽培漁業センターと連携して漁港内で実施していたアジの養殖試験が実用化の見込みがあるということで、新たに設定するものです。それから、その下、淀江のノリ養殖です。こちらは、長い間続けてこられましたが、近年は利用がない。今後も利用する見込みがないということで除外させていただきます。そのほか、名称の変更や垂下養殖は、漁業権の時期を統一するということで、終わりの時期を長いものに合わせて統一しています。
 続きまして、定置漁業です。定置漁業は、御来屋支所の1地区が該当します。こちらは、適切かつ有効な利用が確認されていますので、設定することとしています。その他の地区から新規の定置網の要望はございませんでした。
 続きまして、7ページに移ります。内水面は、第一種共同漁業権、第五種共同漁業権がございます。
 変更点は、まず東郷池。こちらは第一種の共同漁業権に当たるゴカイが釣り餌として漁獲されていたのですが、近年は市場ニーズが低くなったことで利用されていない。また、今後も利用される見込みがないということで除外するものです。それから千代川漁協のブラウントラウトは、現在は駆除の対象となっています。今後遊魚者が増える可能性があるということで新規の設定を要望されてはいましたが、このブラウントラウトが水産分野における産業管理外来種で、生態系に被害を及ぼすおそれがあるので今回は設定しないことにしています。それから湖山池のボラ、スズキです。こちらも遊魚者が近年増えてきて、釣り具が網漁具に絡まるなどして漁業に影響が出ているとか、シジミだけでない漁業の振興を図りたいということで要望があったものです。ただ、調べてみますと出荷量はそれほど多くないですし、漁業生産上、現在の重要性は低いこと、それから増殖行為についてもその手法の検討がまだなされていないことから、今回は設定しないことにしています。また、湖山池は、塩分導入の関係がございまして5年間の短期免許としていましたが、これは引き続き短期免許としています。

◎松田委員長
 続いて、報告7、首都圏アンテナショップ継続にかかる検討状況について、上月販路拡大・輸出促進課長の説明を求めます。

●上月販路拡大・輸出促進課長
 8ページをお願いします。首都圏アンテナショップ継続にかかる検討状況について御報告させていただきます。
 令和5年度末に入居建物の賃貸借契約期間が満了予定の首都圏アンテナショップにつきましては、令和6年度以降の運営状況について1のとおり両県の商品が豊富にそろい旬の商品を切れ目なくアピールできるなど、ここに記載している理由などにより、現所在地で鳥取、岡山両県の共同運営を5年間継続する方向で検討させていただいています。
 また、施設も、1階の物販店舗の販売機能の強化、2階の飲食店舗の魅力度向上、オンライン対応多目的スペースの設置など現在の運営形態や運営方法を基本に機能充実を図るよう改修の検討も行っているところです。
 2のとおり、建物所有者との賃貸借契約の交渉につきましては、ここにある項目で現在提示を受けており、交渉中の状況です。
 3、今後のスケジュールです。2月定例会へ当初予算案ということで賃借料の債務負担行為を提出させていただき、5月には次期運営事業者の公募を開始、8月頃に事業者を決定という予定にしています。そして令和6年4月末にはリニューアルオープンの予定です。

◎松田委員長
 続いて、報告8、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告については、資料に記載のとおりでありますので、説明は省略いたします。
 それでは、今までの説明について質疑等はありませんでしょうか。

○由田委員
 まず森林の関係です。J-クレジットの今後というところで、具体的に金額も定められていますが、どういう見通しでこの3.9億円だったか、積算根拠をもう少し教えてください。
 今さら聞けないこととして、これが今後クレジットとしてもっと有効に――企業等の見込みというか、そういうところも教えてください。

●濱江林政企画課長
 委員のおっしゃったJ-クレジットについてお答えします。
 昨今、J-クレジットの風が流れています。造林公社に対しても、企業名は申し上げられませんが、商社や石油関係の会社といった日本全国いろいろなところが関心を持っているのは間違いないです。滋賀県林業公社でも、東京証券取引所でJ-クレジットの取引を入札でするのかといったようなことも試しで国がやっています。流れとしてはそういう方向に向かっているということです。
 当造林公社においても、そういった相手方がいらっしゃることが分かっていますので、そういったところと今、実際に交渉業務をやっているところです。最終的に長期契約の方向で確実に最低保障が得られる契約ができないのかというようなことで今動いています。
 実際に長期契約をすると、市場の価格がどんどん上がったときに固定化すると相差が出てきますので、市場が上がれば当然、造林公社が頂けるお金も付随して高くなるような契約で、確実にJ-クレジットでお金を確保するという方向で流れています。

○由田委員
 この金額の算出根拠的な部分はどう出されたのでしょうか。

●濱江林政企画課長
 今、実際に造林公社は1万4,000ヘクタールの森林を持っています。1万4,000ヘクタールの中で実際に間伐を行ったところに関してJ-クレジットが認定申請できるわけですが、そのときに、ただ切っただけではなくて履歴があるとかどこを切ったといった証拠となるものが必要です。今それが確実にできるものを過去から全部洗っていかないといけませんので、6,000ヘクタールぐらいで、大体25億トンになるかと思います。それに単価、年数を掛けてはじいていくと、大体8年、9年ぐらいで3億円とはいきませんが、億単位、2億円以上のお金になる試算です。

○由田委員
 分かりました。
 事業外収入の見通しは、右肩上がりに行って平たんになって下がっています。どういう理由からこうなっているのか教えてください。

●濱江林政企画課長
 2050年のカーボンニュートラルがある中で、当然政府もそういった吸収源に対してこれからどういうふうにやっていくかと動いています。やはり企業にとってもこれからどうなっていくのか、その吸収源で稼いだものを森林に対して求めているところがあるかと思います。実際にそのキャップが取れたりすると、企業にとってそれは義務になってきますので、そういった先を見越した企業がどんどん出てきていらっしゃるということだと思います。そうすると、やはり追随していろんな会社がやってくるのではないかという推測はしています。

○由田委員
 分収造林や皆伐再造林が根拠にないといけないわけでしょう。それが計画どおりにいってこの積算が理解できることになると思うのだけれども、そことの関係はどうなっていますか。だからこの図の根拠。例えば東中西で森林組合等あるわけですが、そこの経営戦略というか、そことの整合性も要るのでしょう。そこはどうなのでしょう。

●濱江林政企画課長
 まず、造林公社におきましては、やはり先ほども説明で申し上げましたように本体の事業でまず黒字を出すというところは一番の条件だと思います。その中でプラスアルファとしてJ-クレジット、今後多分もっと動いてくるとは思いますが、やはりある意味未知数です。そういった部分ではやはり事業外収入ということで確保していくような格好で、本体の事業でできるけれどもそれも上積みで経営をしていく。県内の森林組合においても本体の事業はちゃんとやって、その中にプラスアルファとしてJ-クレジットを入れていくこともこれからやっていかれるべきではないかとは思います。

○由田委員
 いや、それではなく、具体的に東中西の森林組合がどういう事業計画で、この図、曲線というか、これがどう整合するのかを聞いています。右肩上がりに行って平たんになって下がっている。そこを説明してくれれば分かることなので。

●池内森林・林業振興局長
 今、由田委員が御覧になっているのは18ページの収支の見通しだと思います。森林組合さんとの調整というお話ですと15ページを御覧いただければと思います。15ページに間伐と主伐の事業量、面積が載っています。それで今、現行のプランは非常に実行が難しいというのが1点ございます。実はこの点線が現行のプランです。これからどんどん間伐が増えていって、ピークになりますと年間1,000ヘクタールを間伐するというプランですが、5年10年前になりますと民間でそこまで収入間伐が活発になっていなかったので、各事業体の皆さんのは余力がありました。ですので、こういったものも可能だろうという推測だったのですが、今、県内で収入間伐が非常に盛んに行われていますので、実際問題この300ヘクタールから400ヘクタールぐらいでなければ造林公社に民間が参画してもらえないのではないか。実際そういう声も出ています。その数字をベースに、逆にこの間伐をある程度平準化させる数量――御覧になってのとおりもともと破線のピークになったものが下は大体終了に向かってほぼ平準化しているのですが、より具体的に実効性のある計画数量を見込み、これで計画を再計算したものです。
 ただ、後半で主伐がかなり増えますが、間伐と違い主伐は効率がいいので、今の間伐よりもある程度面積が増えてもいけるだろうと考えています。事業体からもそういう声を伺っています。ですので、より実効性のある、組合さん等の意見も踏まえた実効性のある計画にできたのではないかと考えています。

○由田委員
 後でもう一回教えて。

●池内森林・林業振興局長
 分かりました。

◎松田委員長
 そのほかよろしいでしょうか。
 それではその他でございますが、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見がないようでございますので、以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。

午前11時25分 閉会



 

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