このたび、鳥取県議会議長選挙に県議会自由民主党の候補として立候補いたしました、福田俊史です。議長選挙に当たりまして、一言所信を申し上げます。
昨年の東京都知事選挙や兵庫県知事選挙を振り返りますと、他の候補を応援するいわゆる「二馬力選挙」といった、選挙の公平性を損ない、民主主義と地方自治の存立を危うくする行為が見られました。
こうした事態に対し、平井知事も「民主主義の土台である選挙が崩れようとしている」と危機感をあらわにし、いち早く全国初の条例を制定されたことからも、民主主義は、我々ひとりひとりが努力して守り抜かなければならないものと改めて感じています。
国外においても、自由の国とも言われるアメリカでは、連邦議会議事堂が武力で制圧されるという事件が発生しただけでなく、大統領に対する批判的な言論はフェイクニュースと指弾され、封じ込めようとされています。
このように、国内外において、民主主義の存立が危うくなる中、「民主主義の学校」といわれる地方自治において、二元代表制の一翼を担う県議会の果たす役割はますます重要になっていると考えています。
ゆえに、我々は、自らの信念に従い、県民の幸福と地域の更なる発展を目指して、それぞれの立場から、互いに議論を戦わせ、希望のある未来を紡ぎ出していかなければならないと改めて考えています。
その一方で、現状を顧みるとどうでしょうか。
我々、鳥取県議会には、歴代の議長のリーダーシップのもと、政策立案機能の強化や情報公開の徹底など、議会改革を積極的に推進してきた歴史があります。早稲田大学マニフェスト研究所による議会改革度ランキングでは、常に上位に位置し、今では政務活動費に係る領収書まですべて公開されるのが当然となりました。我々の先輩議員は、わが身を律しつつ、県民から信頼される鳥取県議会を追求してきたわけであります。
しかし、こうした歴史と伝統にも関わらず、この2年間を振り返ってみれば、残念ながら様々な不祥事が露見(ろけん)し、ついには逮捕された議員も出たわけであります。
こうしたことも影響してか、先月の県議会議員米子市選挙区補欠選挙の投票率がわずか25%にとどまるなど、県議会に対する県民の期待や関心が低下している現状に対して、我々県議会議員として強い危機感を抱かざるを得ません。
我々、鳥取県議会を取り巻くこうした厳しい現実を踏まえ、私が議長となりましたら、次の3つの点を念頭に置いて、尽力していきたいと考えています。
まず、第一に、県民からの関心と信頼の回復に取り組んでまいります。
我々、鳥取県議会には、県民から信頼を得るべく情報公開に取り組んできた歴史があります。いま、損なわれた信頼を回復するため、会派を超えて、県議会議員全員の御協力を得ながら、率先して信頼回復に努めてまいりたいと考えております。先代の浜崎議長も、議長の立場から、事態への対処と信頼の回復に、一生懸命に取り組んでこられてきたわけですが、そうした浜崎前議長の姿勢を引き継ぎ、先頭に立って取り組む所存であります。
そして、第二に、政策立案機能の強化に引き続き取り組んでまいります。
地方の存続に関わる人口減少問題などの様々な課題に対しては、石破政権が進める「地方創生2.0」に呼応し、県民の英知を結集し、地域の実情に即した創意工夫を図りつつ、県民が真に豊かさを実感できる政策を推進し、ここ鳥取から新たな地方創生の実現に向けて日本を変えるべく邁進しなければなりません。
二元代表制を担う議会本来の役割として、県民の多様な意見を把握し、県民の立場に立って厳格に県政に対してチェックを行い、足らざる点は積極的に提言していく必要があります。
このため、委員会活動の活性化とともに、超党派の議員で組織される議員連盟による議員が主体となった調査活動を活発化させ、議会の政策立案機能をさらに高めていくべきであると考えています。
そして、第三に、若者や女性の声に耳を傾ける議会でありたいと考えます。
真に県民生活の向上につながる議論を活発化させていくためには、やはり、県民から寄せられる多様な意見を反映させることが必要と考えます。若者や女性にも選ばれる地方になるためにも、若手議員や女性議員をはじめとして、議員が自由闊達に議論しあえる議会風土を作り上げ、県民の様々な意見、提案を反映させるべく、知事と切磋琢磨していく議会となるよう取り組んでまいります。
以上、縷々(るる)申し上げましたが、我々は、公正な選挙により選ばれた代表者であり、議会制民主主義を担う重責を負っていることを改めて自覚し、県民の声を聞き、県民から教わり、県民から信頼されながら、鳥取県の未来の姿を描く鳥取県議会を目指さねばなりません。
そして、県民の幸福と地域の更なる発展を追求するべく、人口減少といったこれからの時代の難題にも果敢に提言していく日本一の地方議会となるべきではないでしょうか。そして、自由と民主主義、そして地方自治を守り抜くべく、鳥取県議会一丸となって取り組んでまいろうではありませんか。
以上、所信を申し上げましたが、議員各位のご支持を心よりお願い申し上げ、立候補のご挨拶といたします。
令和7年6月9日
鳥取県議会議員 福田 俊史