保管場所の確保に関する法律違反の交通切符(特例)の適用ならびに作成要領の制定について(例規)

保管場所の確保に関する法律違反の交通切符(特例)の適用ならびに作成要領の制定について(例規)

昭和48年10月24日
鳥交指発第727号

 対号 昭47.10.9付鳥交指発第347号「交通切符(反則)の様式ならびに告知および交通反則告知書等の作成要領の一部改正について」(例規)
 交通切符(反則)の作成要領については、対号例規により処理されてきたところであるが、昭和48年3月31日「保管場所の確保に関する法律」(昭和37年法律第145号)の一部が改正され、市部においては、同年6月1日その他の地域(福部、佐治、泊村を除く)においては、同年12月1日に施行適用されることとなり、これに伴い同法違反について7月1日から交通切符が適用されることとなった。
 自動車の保管場所の確保等に関する法律違反に適用する切符様式および作成要領は、次のとおりであるので、部下職員に対する指導教養の徹底をはかり、これが適切な運用に遺憾のないようされたい。
                     記 
1 交通切符制度のの適用範囲
  交通切符制度が適用される自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和37年法律145号。以下「保管場所法」という。)違反事件は、同法第11条第2項違反事件であるが、身柄を拘束した事案等で、この制度によって処理することが適当でない違反事件については、適用されないことは、現行の交通切符制度と同様である。
2 交通切符の様式
 ⑴ 保管場所法第11条第2項違反事件専用の「自動車の保管場所の確保等に関する法律違反事件、迅速処理のための共用書式」が定められたことにより、交通切符様式は、現行の「道路交通法違反事件、迅速処理のための共用書式」と併せ2種類となった。
   保管場所法違反を処理する切符は保管場所法第11条第2項違反事件専用であり、その他の違反には適用できない。
   また、保管場所法違反の処理には、従来の交通切符を使用することはできない。
 ⑵ 切符の大きさ、構成、各様の色等については、従来使用している交通切符と同様とするが切符最下部に横太線一条を入れ従来の交通切符と区別している。
3 違反事件の処理
 ⑴ 長時間駐車の認定にあたっての当該車両の移動の有無の確認措置、所要事項の記録、事務引継ぎの要領等について十分検討してその取扱い要領を具体的に示し、誤りのないようにすること。
 ⑵ 日没、日出の時刻は、最寄りの天文台、気象台等から、管内における暦象年表を取寄せるなど、その確認に誤りのないようにすること。
 ⑶ 道路交通法第44条、第45条、第47条または第49条の2第1項の規定に違反して駐車している自動車を認めたときは、保管場所法第11条第2項違反の成立を待つことなくすみやかに道路交通法違反事件として措置すること。
 ⑷ 保管場所法第11条第2項違反事件であって、同時に同法第11条第1項違反が成立する場合は、同法第11条第1項の処理手続に従って処理し、交通切符による処理はしないこと。
4 保管場所法違反事件に係る交通切符制度の運用要領
  保管場所法第11条第2項違反事件にかかる交通切符制度の運用については、対号例規の従来の「交通切符制度の運用要領」によるほか、次のとおりとする。
 ⑴ 違反事実の立証要領
   自動車を同一場所に長時間(引き続き12時間以上、または夜間においては8時間以上。以下同じ。)駐車させた行為の立証要領は、次のとおりとする。
  ア 容疑車両を発見した警察官は、登録(車両)番号等によりその自動車を特定するとともにつとめて走行距離計を確認のうえ、現認状況を記録し、当該自動車の移動の有無が容易に識別できるよう当該自動車のタイヤと路面の接地部にチョークで印をし、または当該自動車が移動すれば接地するタイヤ部分に紙片をはり付けるなどの措置をとる。その後、当該車両が長時間駐車している事実を確認したときは、出頭日時、場所を指定した書面(駐車違反ステッカー等)をはり付け、交通切符を作成するのに必要な違反車両、違反日時、違反場所、違反事項、罰条、現場の見取図等を記録し、違反者の出頭をまって、交通切符を作成する。
    長時間駐車の認定にあたって、容疑車両の発見者と長時間駐車事実の確認者が異なるときは、その事務引継ぎを確実に行うこと。
    なお、長時間駐車の認定は、当該自動車の移動の有無が容易に識別できるような措置をとった場合にあっては、その始期と終期の2回の現認によるものとする。
  イ 違反事実を確認したときは、交通切符2枚目の捜査報告書中に、次の事項を明らかにする。
  (ア)保管場所法第11条の適用について、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令(昭和37年政令第239号)第4条の適用除外事由のないこと
  (イ)夜間8時間以上駐車した違反については、日没および日出を確認した方法
  (ウ)長時間駐車事実の始期と終期の確認者と確認方法
  ウ 前記⑴の場合において、長時間駐車の途中、当該自動車を若干移動しているが、なお同一場所に駐車していると認められる場合であって、走行距離計の確認等により、自動車を運行した事実がないと認められるときは、「報告書:続」欄にその状況を明らかにしておくほか、被疑者等の取調べを行い、規格用紙を使用して供述調書を作成するなどして、違反事実を明らかにしておくものとする。
  エ 夜間8時間以上駐車した違反における日没および日出の時刻は、天文台暦象年表、または最寄りの天文台、海洋気象台の照会等で確認するものとする。
  オ 違反事実の立証上特に必要がある場合は、規格用紙を使用して、参考人または被疑者の供述調書、捜査報告書等を作成して添付する。
 ⑵ 違反行為が競合する場合の取扱い
   交通切符制度を適用する保管場所法第11条第2項違反の行為が、交通切符制度を適用する道路交通法違反の行為または反則者の反則行為と競合する場合は、それが併合罪の関係にあるときは、各別の交通切符または交通反則切符を用いて処理し、観念的競合・けん連犯の関係にあるときは、次の要領による。
  ア 交通切符制度を適用する道路交通法違反の行為と競合し、ともに立件するときは、通常の書式で処理する。
  イ 反則者の反則行為と競合するときは、運用上、保管場所法第11条第2項違反のみを立件する。
 ⑶ 出頭の告知
   三者(警察、検察、裁判)または二者(警察、検察)による即日処理方式によるための出頭の告知は、交通切符制度を適用する道路交通法違反事件と同様に取り扱うものとする。
   なお、交通切符の1枚目の「出頭」欄には、あらかじめ、出頭場所を印刷しておくものとする。
 ⑷ 免許証の取扱い
   保管場所法第11条第2項違反事件については、免許証の保管はできないが、違反の告知にあたっては、免許証を確認するものとする。
6 保管場所法違反事件に係る交通切符の作成要領
  保管場所法違反事件に係る交通切符の作成については、対号例規「交通切符の作成要領」によるほか、次のとおりとする。
 ⑴ 「⑶違反日時」欄
   違反日時は、確認した違反事実につき、その始期と終期を記入すること。
 ⑵ 「⑸違反事項・罰条」欄
   「違反事項・罰条」欄は、印刷されている「違反事項・罰条」の該当□印を○で囲み、《 》内に確認した駐車時間を「《8時50分間》」のように記入すること。 
   なお、夜間8時間以上に係る違反については、同欄の
      日没 月 日午後 時 分
   〔            〕内の空白部分に、当該違反事実に係る日の日
    日出 月 日午後 時 分
  没および日出の時刻を記入すること。
 ⑶ 「出頭」欄
   「出頭」欄は、即日処理方式によるための出頭を指定した場合に、あらかじめ印刷してある出頭の文言の「昭和 年 月 日午 時」内の空白部分に、指定した出頭の年月日時を記入し、出頭場所を表示すること。
 ⑷ 交通事件原票の捜査報告書等
  ア 報告者
    報告者は、当該違反事実の現認者とし、当該違反事実の最初の現認者と最終の現認者が異なるときは、その最初および最終の現認者が連署すること。
    なお、違反事実の現認者以外に違反者の供述署の作成に立会し、または違反者の弁解等を聴取した者がある場合には、の者も連署すること。
  イ 「捜査報告書」欄および「報告書:続」欄
    「報告書:続」欄の左上の余白部分に違反現場の略図を記入し、「捜査報告書」欄および「報告書:続」欄に不動文字で印刷した当該事項の□印を○で囲み、空白部分がある面については、次の要領で補充すること。
    なお、必要に応じて、不動文字で印刷した文言を加除訂正し、現場付近および違反の状況を記入すること。
  ウ 「特記事項」欄
  (ア)弁解の用紙、違反の動機、情状その他特記すべき事項を記入すること。
     なお、報告者が複数の場合において、違反者の弁解の要旨等を記入するときは、弁解を聞いた警察官を明示すること。
  (イ)保管場所法第11条第2項違反事件と併合罪の関係にある道路交通法違反事件を同時に立件した場合は、他の交通切符または交通反則切符を作成した当該違反行為または反則行為の違反(反則)事項・罰条を記入しておくこと。
  (ウ)違反者が少年の場合には、当該車両の保有者のうち、現実にその車両を使用管理してる者の住居、氏名(法人の場合は会社名等)を記入すること。
7 その他留意事項
 ⑴ 併合罪の関係にある違反を「保管場所法違反切符」「交通切符」「交通反則切符」で処理した場合は、それぞれの切符特記事項欄に他の切符を作成した当該違反(反則)行為を明記するほか、「違反競合事件送付書」により、関係書類をまとめて所属長に報告すること。
 ⑵ 保管場所法第11条第2項違反事件にかかる交通切符の作成に当たっては、関係者の取調べ免許証の確認を行う等、違反者の特定について誤りのないよう特に留意すること。
 ⑶ 保管場所法第11条第2項違反事実を確認した結果、その違反行為が法人または人の業務に関してなされた保管場所法第18条の両罰規定の適用事件であるときは、懲罰規定を積極的に適用すること。 
  

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