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臓器の移植に関する法律第6条第2項に規定する脳死した者の身体の取扱い等について(例規通達)

平成9年10月15日
鳥捜一例規第7号外
改正  平成22年鳥捜一例規第18号外、平成24年鳥捜一例規第9号外、平成25年鳥務例規第4号、鳥捜一例規第6号外

対号 昭和53年5月30日鳥捜一例規第3号、鳥鑑例規第2号 変死体等措置要綱の制定について(例規通達)
 平成9年6月17日、第140回国会において臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号。以下「法」という。)が成立し、同年10月16日から施行されることとなった。法第6条第2項に規定する脳死した者の身体に対する取扱いについては、下記のとおりとするので、各位にあたってはその運用に誤りのないようにされたい。

1 警察における取扱対象としての死体の範囲
 法においては、脳死した者の身体(法第6条第2項の規定による判定(以下「脳死判定」という。)がなされた者の身体をいう。以下同じ。)を死体に含めるものとされていることから(法第6条第1項)、警察としては、心臓の停止を中心に考える三徴候(1)呼吸の停止、2)心拍の停止、3)瞳孔の散大と対光反射の消失)による死の判定がなされた死体に加え、脳死した者の身体を死体として取り扱うこと。
 検視、実況見分、検証、死体調査(警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律(平成24年法律第34号)第4条第2項に規定する死体の調査をいう。)、鑑定処分許可状を得て行われる解剖(以下「司法解剖」という。)等の死体に対する警察活動(以下「検視等」という。)は、このことを踏まえて行うこと。
2 脳死した者の身体に対する適正な取扱い
 法においては、医師は、移植のために死体から臓器を摘出しようとする場合において当該死体について検視等の犯罪捜査に関する手続が行われるときは、当該手続が終了した後でなければ臓器を摘出してはならないこととされ(法第7条)、犯罪捜査に関する活動が臓器の摘出に優先することとされている
 この趣旨を踏まえ、脳死した者の身体に対して検視等を行うに際しては、臓器移植の円滑な実施に配慮する必要のあるものの、これにより検視等を十分に行うことなく、犯罪を見逃すことがないようよう、適正な死体取扱いに努めること。
3 脳死した者の身体の取扱要領
 警察としては、脳死した者の身体に対する検視等に際しては、臓器移植の円滑な実施に配意しつつ、検視等を迅速かつ適正に行うため、医師、医療機関等と連携し、下記の措置を採ること。
(1) 検視等の準備
 警察が医師から脳死判定に係る連絡を受けた場合において、脳死した者の身体に対する検視等を行う必要があるときは、その旨を医師に連絡し、脳死判定後速やかに検視等が実施できるよう、脳死判定前に必要な調査又は捜査を行うとともに、必要に応じ脳死判定前に医療機関に臨場して検視等に必要な体制を確保するなど脳死判定後速やかに検視等を開始できる措置を講ずること。
 あわせて、あらかじめ、医師に対し、脳死判定日時等の連絡を求めるとともに、検視等の場所(警察官等が待機する場所を含む。)の提供、医師の立会い、補助その他の協力を要請しておくこと。
(2) 検視等の開始時期
 脳死した者の身体に対する検視等は、脳死判定後速やかに開始すること(「脳死した者」の死亡日時は脳死判定日時となるが、これは臓器の移植に関する法律施行規則(平成9年厚生省令第78号)第2条第2項に規定する2回目の確認時とされている。)。ただし、司法解剖にあっては、従来どおり心臓停止後に行うこと。
 なお、脳死した者の身体に対する検視等に際しては、必ず医師から、本人が脳死判定に従う意思を書面により表示している場合においては当該書面、臓器を提供する意思を書面により表示している場合においては当該書面、家族が脳死判定を行うこと及び臓器を摘出することを拒まないこと又は承諾することを記載した脳死判定承諾書及び臓器摘出承諾書、医師による法第6条第5項に規定する判定が的確に行われたことを証する書面、死亡診断書等を確認するとともに、その各写しの交付を求め、脳死判定及び死亡の事実を確認すること。
(3) 検視官等の臨場
 脳死した者の身体に対する検視等に際しては、刑事部上席検視官又は刑事部捜査第一課検視官(以下「検視官等」という。)が臨場すること。
(4) 医師の立会い、補助
 脳死した者の身体に対する検視等に際しては、医師(当該脳死した者の身体から臓器を摘出し、又は当該臓器を使用した移植術を行うこととなる医師を除く。)の立会い、補助その他の必要な協力を得てこれを行うこと。
(5) 司法解剖要否の判断
 司法解剖については、遺族感情からも、あるいは技術的な面からも心臓の停止を持って行わざるを得ず、また、司法解剖と同時に臓器の摘出を行うことはできないことから(法第7条)、これを行うこととした場合、脳死段階での臓器摘出ができなくなるので、その要否の判断は迅速かつ的確に行うよう努めること。
 なお、司法解剖を行う場合には、速やかに医師にその旨の連絡をするとともに、当該解剖の対象となる者の心臓が停止した時点での連絡を要請しておくこと。
(6) 終了時の措置
 検視等の犯罪捜査に関する手続が終了した旨の医師への連絡については、検視官等が行うこと。
(7) 検察官との連携
 警察署長は、犯罪捜査に関する活動に支障を生ずることなく臓器の移植が円滑に実施されるよう、脳死判定に係る医師からの連絡を受けた場合には速やかにその旨を検察官に連絡するなど、検察官と相互に協力すること。
(8) 脳死した者の身体から臓器摘出が行われない場合の措置
 脳死判定が行われても移植のため臓器摘出が行われないことが判明した場合は、心臓の停止を持って検視等の手続を行うこと。
4 医師、医療機関との連携
 医師、医療機関に対し、あらかじめ医師の協力、検視等の場所の提供等脳死した者の身体に対して行う検視等に支障が生ずることがないようにするために必要な事項について説明するとともに、平素から医療機関と緊密な連絡体制を確立するよう努めること。
 また、虐待が行われた疑いがある児童(18歳未満の者をいう。)が脳死・心臓死の区別にかかわらず死亡し、司法解剖を行うなど捜査の必要性が判断されたときは、速やかに医師に対し、当該死体から臓器の摘出はできない旨を連絡すること。
5 刑事部門と交通部門の連携
 脳死した者の身体に対する検視等については、刑事部門と交通部門とが緊密に連携し、検視官等の適切な運用に努めるとともに、医師、医療機関との連絡等に齟齬(そご)が生じないよう刑事部門及び交通部門の連携体制の強化等所要の体制を整備すること。
6 都道府県警察官の協力
 脳死判定の対象者が、その原因となった事案の発生地から極めて遠く離れた医療機関に収容されたことにより、調査又は捜査を行う場所と脳死した者の身体に対する検視等を行う場所とが複数の都道府県間にまたがることとなる場合には、当該事案を主管とする刑事部捜査第一課又は交通部交通指導課(以下「主管課」という。)は、当該関係都道府県警察と緊密に連携し、必要な措置を採ること。
7 報告
 脳死判定が行われる事案を認知した場合には、当該事案に応じ速やかに主管課の長を通じて警察本部長に報告すること。 
  

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