平成25年度議事録

平成25年8月26日~8月28日・所管事項に係る県外調査

1 調査箇所
     平成25年8月26日(月)
    ・愛媛県庁(愛媛県松山市)
   平成25年8月27日(火)
    ・東みよし町立足代小学校(徳島県三好郡東みよし町)
    ・高知県庁(高知県高知市)
   平成25年8月28日(水)
    ・鳴門教育大学予防教育科学センター(徳島県鳴門市)

2 調査委員
   浜崎委員長、広谷副委員長、鉄永委員、斉木委員、内田博長委員、長谷川委員、森岡委員、森委員、谷村委員(9名)

3 随行者
   議会事務局調査課  頼田課長補佐、川口係長

4 調査結果

  今回の調査のテーマは、多岐にわたり、原子力防災対策、ICT教育、アンテナショップ、PRキャンペーン、予防教育。

○原子力防災対策
 本県は島根原子力発電所から最短で17kmの位置にあり、周囲30kmに境港市の全域と米子市の一部が含まれ、関係周辺都道府県に該当している。そのため、地域防災計画原子力災害対策編の見直し、広域住民避難計画の策定などに取り組み、原子力防災に関する県民の関心も高まっていることから、四国電力伊方原子力発電所の立地県である愛媛県の取組を調査した。
 愛媛県でも、地域防災計画の修正、広域避難計画の策定、避難訓練の実施など、国の動向を待つだけでなく、積極的に県民の安全・安心を確保するための取組を行っている。広域避難計画の策定にあたっては、一部が伊方発電所から30km圏内に含まれる山口県、佐田岬半島の対岸に位置する大分県と確認書を交わし、緊急医療も含めて避難される県民に適切に対応してもらうこととしている。また、全国初の取組として、スマートフォン用アプリを作成し、県民が情報を簡単に入手するための取組などを行っている。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故では、避難生活を余儀なくされている方々の問題、汚染水の問題、など今も様々な困難な問題に直面しており、自治体として、地域に暮らす住民の安全安心を確保するため、本県も原子力防災対策に真摯に取り組んでいく必要がある。

○ICTを活用した授業について
 平成22年度から平成24年度まで総務省の「フューチャースクール推進事業」、また、平成23度から今年度にかけて文部科学省の「学びのイノベーション事業」の全国10校の実証校のうちの1校として教育の情報化に向けた取り組みを行っている徳島県東みよし町立足代小学校を調査した。
 足代小学校では、生徒一人一人にタブレット端末を配布し、ICTを活用した先進的な授業の実践を行っている。授業のバリエーションの増加、子どもたちの発表の質の向上、発表回数の増加という効果のほか、どこからでも図書室や他の教室の本が借りられる、体調を崩した児童が他の教室で行事に参加できるなどの効果があるとのことである。一方、ICTの導入にあたっては、教室の照度設定、端末の電源の確保、電気代の増加など、クリアすべき課題がある。また、国の実証実験終了後が課題という説明であった。
 県民の期待に応え、質の高い教育を提供するためには、情報通信技術の活用が不可欠で、本県でも今年度から、学力向上を目指し、ICTを活用した学習環境の研究事業を始めているところだが、まだ、緒についたばかりである。今後も情報通信技術の活用を促してまいりたい。

○アンテナショップ
 本県では、平成20年8月、新橋に公設民営方式にアンテナショップを開設したところであるが、その運営委託契約が来年の3月末で満了することに伴い、そのあり方について議論を行っていることから、平成22年8月にアンテナショップを開設した高知県の状況を調査した。
 高知県においては、知事の方針で、平成21年4月にスタートした高知県産業振興計画に基づき、10年後の成功イメージを目標に県全体の施策を展開している。まるごと高知は地産外商の拠点としてオープン。平成21年8月に設立した高知県地産外商公社が運営。公社は卸機能を持たない仲介・あっせんによる県産品の販路開拓・販売拡大、県情報の発信を基本業務としている。非収益部門も含め1億7千万ぐらいの県負担。飲食部門は好調だが、物販部門が苦戦。プロモーションや外商は成果があがっているので平成25年度に体制を強化し人員を増員。
  調査結果も参考に、本県のアンテナショップのあり方について慎重に審議を行って参りたい。

○自治体のPRキャンペーン
 本県では、執行部が実施した「鳥取県に関するイメージ調査」において、魅力向上に必要な分野として「情報発信」が「交通網の整備」に次いで高く、「情報発信」が課題となっていることから観光面でのリョーマの休日キャンペーンや、県庁自体が舞台となった「県庁おもてなし課」の映画化をきっかけとした取組、「高知家キャンペーン」など、様々な特色のある情報発信を行っている高知県の状況を調査した。
 高知県では産業振興計画で10年後の観光入込客数を435万人以上とし、各種施策を展開。龍馬伝が放送された年の観光入込客数が435万人でその数字が目標。平成18年以降、大河ドラマが2本放送されているが、短期間で4本の博覧会を実施。大河ドラマの放送年の翌年の落ち込みを避けるため、異例の2年連続で博覧会を開催し、過去2番目に多い388万人という成果もあげた。現在の「リョーマの休日キャンペーン」は、地域ごとに季節と組み合わせたエリアキャンペーンを実施している。
 また、「高知家キャンペーン」は、産業振興計画で移住促進策を今年度から抜本的に強化するとしたことがスタートのきっかけ。今年度から取組を抜本的に強化。年間目標を500組に設定。高知県を知らない方々について、高知県のファンになっていただき、最終的に移住定住に結び付けることが目的。高知県を知って、好きになってもらうための取組こそが、この「高知家キャンペーン」である。ホームページのアクセス状況などかなりの反響を得ており、こうした取組を通じて移住定住につなげていきたいとのこと。
 本県でも、魅力的な「情報発信」に務め、県外観光客の誘致、移住定住につなげる必要があると改めて認識した。

○予防教育
 滋賀県大津市でのいじめ問題をきっかけとして、全国的にいじめに対する関心が高まり、国においては「いじめ防止対策推進法」を制定、本県でも、いじめ・不登校対策に係る現場支援の拠点として、県の教育センターに「いじめ・不登校総合対策センター」を設置、教育委員会事務局内に「鳥取県いじめ・不登校対策本部」を設置・相互に情報を共有しながら一体となって、いじめ・不登校対策の充実・強化を図るなどの取組を行っているところである。いじめ問題の対策の知見を得るため、鳴門教育大学の予防教育の取組を調査した。
 予防教育は、文部科学省の概算要求に採択され、平成22年度から始まり、来年度で終結する。予防教育はベース総合教育とオプショナル教育に2大別される。ベース総合教育は小3から中1まで、5年間1年中やれるというような教育で心と体の健康と適応を総合的に育成していく。オプショナル教育はいじめとか不登校、特定の問題を想定して行おうというもの。ベース総合教育では、自律性の育成と対人関係性の育成の2つの大きな特徴を目指す。小3から中1まで、各学年8時間ずつ、32×5学年=160時間の授業がある。
本県でも、いじめは絶対に許さないという取組を引き続き行っていく必要がある。

 

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