平成25年度議員全員協議会会議録

平成25年12月12日会議録

 開催概要、資料はこちらです。
出席者
(31名)
議長
副議長
議員
野田 修
前田 八壽彦
坂野 経三郎、森 雅幹、砂場 隆浩
国岡 智志、市谷 知子、錦織 陽子
内田 隆嗣、福田 俊史、浜崎 晋一
広谷 直樹、長谷川 稔、濵辺 義孝
澤 紀男、興治 英夫、伊藤 保
福間 裕隆、浜田 妙子、森岡 俊夫
横山 隆義、伊藤 美都夫、小谷 茂
山口 享、藤井 省三、稲田 寿久
藤縄 喜和、上村 忠史、斉木 正一
安田 優子、銀杏 泰利
欠席者
(2名)
議員 谷村 悠介、内田 博長
 


説明のため出席した者
  中国電力常務取締役・古林行雄
  中国電力島根原子力本部副本部長・長谷川千晃  外

職務のため出席した事務局職員
   尾坂事務局長、谷口次長外関係職員

1 開会  午後1時00分
2 休憩  午後2時50分
3 再開  午後3時00分
4 閉会  午後3時57分
5 司会  野田議長
6  会議録署名委員  藤井議員、横山議員
7 協議事項
   (1)島根原子力発電所2号機新規制基準に係る安全対策について
   (2)島根原子力発電所2号機の新規制基準適合申請に関する事前報告について
 

午後1時00分 開会

◎野田議長
 ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
 まず、会議録署名議員に、藤井省三議員、横山隆義議員を指名いたします。
 本日の全員協議会を開催することとしましたのは、御存じのとおり、原子炉等規制法の改正に伴い、新規制基準が本年7月に施行され、それに伴い、島根原子力発電所はこの新規制基準への適合性について国の審査を受けなければなりません。このため、中国電力では、島根原子力発電所2号機について適合審査の申請をされるに当たって、鳥取県と結んだ安全協定に基づき、11月21日に事前報告がありました。
 一方、県議会でも、この新規制基準について、9月に原子力規制庁の職員においでいただいて意見交換をしたところであります。また、今月4日には、中国電力主催で県議会議員を対象とした説明会を開催していただき、多くの議員が出席され、さまざまな質問や意見を述べられているところであります。
 本日は、県議会としてこの島根原子力発電所の安全対策について十分議論するため、中国電力株式会社より古林行雄常務取締役においでいただき、説明を受ける機会を設けました。
 古林常務様初め11人の方々には、お忙しいところおいでいただき、ありがとうございます。
 そして、本日の予定でありますが、この後、14時までを中国電力の説明並びに質疑とし、その後に、知事に中国電力からの事前報告についての対応状況の説明を求め、意見交換をすることとしています。
 なお、このたびの中国電力からの事前報告は、新規制基準の適合審査の申請についてのものであり、再稼働についてではありませんので、そのことを踏まえて質問等を行っていただきますようお願いいたします。
 それでは、中国電力から説明を受けますが、質問に際しては、先日の幹事長会議で取り決めたルールによって行ってください。
 では、古林常務、よろしくお願いをいたします。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 中国電力の島根原子力本部長をしております古林でございます。
 鳥取県議会議員の皆様方には、平素から当社事業に対しまして御理解、御協力を賜っておりまして、この場をおかりしまして、厚くお礼を申し上げます。また、議会の大変お忙しい中、本日はこのような説明の機会を頂戴することになりまして、重ねてお礼を申し上げます。
 先ほど、議長様から御紹介を賜りましたように、新しい規制基準の施行に伴いまして、当社は11月21日に事前了解願を島根県松江市に提出させていただきますと同時に、鳥取県の皆様方にも御報告させていただいたところでございます。
 本日は、この報告の安全対策、あるいは新しい規制基準への対応状況等につきまして、お手元の資料で御説明をさせていただきます。
 当社は新しい知見に伴いまして、それに適切に対応するとともに、今後とも安全対策に努めてまいりたいというふうに存じます。今後とも御鞭撻いただきますように、よろしくお願いし上げます。
 それでは、島根原子力本部副本部長の長谷川より御説明を申し上げます。

◎野田議長
 それでは、長谷川島根原子力本部副本部長の説明をお願いします。

●長谷川島根原子力本部副本部長
 お手元の資料に基づきまして御説明いたします。
 きょう御説明しますのは、新規制基準の概要と2号機の申請の概要でございます。
 2ページ目から数ページは、規制庁の資料を使いまして、改めて規制基準の概要について触れたいと思います。
 3ページ目をごらんください。このページは、福島第一原発の教訓が記載されております。 御存じのように、1の地震の発生、外部電源の喪失から、7番目の水素爆発まで、事故は経過いたしました。この中で、右のほうにございます原子炉、特にカプセル状の施設がございます。この中に縦型に並んでおりますのが核燃料でございます。そして、もう一つ、左の上のほうの使用済み燃料プール、ここにも貯蔵中の燃料がございますので、原子力発電所は、仮に停止いたしましても、常にこの燃料を冷却する必要がございます。冷却のシステムといたしましては、まずは真水で冷やし、そして、最終的には熱交換をしまして、海水のほうへ熱を逃がすシステムになっております。左のほうが海水ポンプというもので、バツがついておりますが、ここが海水を使って原子炉を間接的に冷やす重要なポンプでございます。これらのポンプほか、電気機器が多うございますので、電源の供給が欠かせません。
 今回の福島の事故では、上のほうにございます送電線がまず地すべりによって倒れました。これによって、外からの電気が受けられなくなったということでございます。そういう場合に備えて、常々非常用の発電機が何台もございますけれども、こちらも津波の影響で使えなくなったと、こういったところがこのたびの事故の教訓でございます。
 また、もう一つ、フラスコ型の容器、絵の右のほうにございますけれども、これは原子炉格納容器と申します。放射性物質が外へ出るのを防ぐ重要な閉じ込める機能を有しておりますけれども、今後の御説明の中でも、この格納容器がいろいろ出てまいりますので、後ほど触れたいと思います。
 4ページ目をごらんください。既に御説明を受けられているかと思います。左のほうに、今申しました教訓を含めて、そして、中段の緑のところに対策が、右のほうには基準が書かれてございます。
 現在、福島の発電所におきましては地下水が汚染いたしまして、汚染水ということで、社会的に大きな問題となっております。このたびの規制の策定の中におきましては、地下水対策は触れられておりませんが、福島の現状を踏まえまして、現在政府のほうで対策が検討されているところでございます。私どもの発電所も地下水は流れております。しかしながら、それぞれの地形特性もございます。そういったことを踏まえ、また、今申しました国での今後の検討状況を踏まえて、適切な対応を今後進めていくということにしております。
 5ページ目に移ります。こちらは、左側が従来の規制、そして、右側が新しい規制が記載されております。
 右側の黄色い部分、新たに規制として取り込まれましたテロ対策、あるいはシビアアクシデント、こちらは、福島で起きましたような燃料が溶けるといった非常に重たい事故を指しております。こういった対策が規制に新たに取り込まれました。
 また、下の段、青い部分、強化ということになっておりますけれども、地震や津波の対応、そういったものが一段と強められております。
 6ページ目に移ります。この新しい規制基準は7月8日施行されておりまして、私ども電気事業者は、この新規制基準への適合性、準備でき次第、審査を受ける必要がございます。それがきょう御説明いたします申請の内容でございます。
 7ページ目に移ります。その国の審査の進め方が新旧比較されてございます。左の下のほうにございますが、今回国のほうへ申請する必要があるのは赤色の設置変更許可、そして青色の工事計画認可、もう一つが緑色の保安規定認可でございます。このたびはこの3つをそろえて申請する必要がございます。このうち、設置変更許可が現在安全協定に基づく対応をお願いしているものでございますけれども、3件の申請書は互いに密接な関係がございますので、今後他の2つについても的確に御説明なりの対応をしてまいります。
 8ページ目にまいります。現在国内の原子力発電所は全て停止しております。手続が済めば動かせるプラントは50基ございますけれども、このうち、赤丸がついたプラント、7発電所、14基が先行して国のほうの申請を終えた発電所でございます。
 9ページ目からが2号機の適合性申請の概要でございます。
 10ページ目をごらんください。島根原子力発電所は、東のほうから1号機、2号機、そして少し離れたところに3号機がございます。
 11ページ目に移ります。1号機から3号機、3段目にございますけれども、いずれも沸騰水型という型式の原子炉を採用しております。福島原子力発電所と同じ炉型を採用してございます。
 12ページ目に移りたいと思います。改めて私どものこの3基の現状について御説明いたします。
 1号機は、この表にもございますが、運転年数39年が経過しております。このたびの規制におきましては、40年を契機に、より一層強い規制要求がございます。現状、この規制の動向を見きわめながら、今後の1号機をいかに運用していくかを検討中でございます。
 2号機につきましては、申請書が調いましたので、現在各自治体様に対応をお願いしている状況でございます。
 3号機は、建設中とはなっておりますけれども、実際の設備はでき上がっております。あとは使用前検査といいますけれども、国の検査を受けるという段階になっておりますが、2号機と同様に、申請書を今後出す必要がございます。並行して申請書の作成を進めてございますけれども、いましばらく時間がかかりますので、でき上がった際にはまた御相談させていただければと思っております。
 13ページ目が、再度申請書の内訳が記載してございます。左のほうに、申請の区分というふうにございます。原子炉設置変更許可は基本設計が記載されております。工事計画認可はその詳細設計が、そして、保安規定変更認可はその設備を使う我々人であったり、組織であったり、あるいは運転方法、そういったものが記載されているものでございます。
 14ページ目に移ります。これから個別の具体的な対策を御説明いたしますが、左のほうにございますように、大きく2つに分かれております。設計基準対応と重大事故対応でございます。設計基準対応は、地震、津波等を代表しますように、従来の規制を強化したもの、そして、下の重大事故は、基本的には新しく規制要求となったものと御理解いただければと思います。
 15ページ目から、まず設計基準対応を御説明いたします。16ページ目には、地震評価が記載されております。まず、島根原子力発電所に起き得る最大の地震動を設定する必要がございます。現在、右の図面にございますが、発電所南3キロ付近に東西22キロの宍道断層という活断層がございます。私どもはこちらに基づく基準地震動の設定、さらには、福島の事故を踏まえた連動という厳し目の想定を行いました。前面海域に3つの断層がございます。F-3と書いてございます。こちらの連動に伴う地震動も評価の対象としております。また、おととい、10日になりますけれども、左のほうの一番下にございます震源を特定せず策定する地震動、こういったものの評価も国から求められておりますが、国内16区の前例の中で、平成16年に北海道留萌で起きました地震につきましては、10日、電力中央研究所のほうからその地震特性の詳細が明らかになりましたので、私どもは、今後申請までにその検討内容を織り込みまして、先ほどの宍道断層に加えて、新たな基準地震動として評価を進めていくという方向でございます。また、先行プラントの審査の中で指摘のございます敷地内活断層、このページの下に書いてございますが、昨年の秋、当時の保安院から島根の発電所においては、現状そのような問題となるものはないという確認もいただいています。
 17ページ目も耐震の関係でございまして、1,000メーターを超える非常に深いボーリング調査を行い、地震特性の詳細を調査しているところでございます。
 続いて、18ページ目でございます。同じく耐震関係、2号機の排気筒120メーターございますが、耐震補強を現在進めております。
 これ以降の個別の資料におきまして、例えば18ページ目の表題、右端のほうに自主対策というふうに括弧書きがございます。このように、この自主対策が今後も何件か出てまいりますが、これらは規制の要求以上に当社が自主的に取り組むものというふうに御理解いただければと思います。
 19ページ目も同じく地震の対応でございます。蒸気が走る配管についております弁が大きな地震の揺れを感知して、自動的にとまる装置を追加で設置するものでございます。
 20ページ目にまいります。津波です。今回の規制の大きな目玉ということで、強化されてございます。地震と同様に、発電所を襲い得る最大の津波高さを想定する必要がございますが、右下の表のほうにございます。従前は最大が3号機の前面で9.2メーターを想定しておりましたが、このたびの申請では、赤字でありますように9.5メーターにかさ上げを行いました。こちらは、実は鳥取県のほうが防災計画を策定される上で評価された値でございます。その発生源は、秋田沖、日本海東縁部でございます。私どもは近隣の自治体が評価されております厳し目の評価結果についても取り入れることで安全サイドの対応を進めているところでございます。しかしながら、これから御説明しますけれども、島根原子力発電所の津波対策は、福島を襲いました15メーターを想定して進めておりますので、今回の高さの変更が安全に影響を及ぼすものではないというふうに考えております。
 21ページ目からも津波の対策でございます。1.5キロに及びますけれども、1号機から3号機、全部の海域において、高さ15メーターの防波壁の設備が既に完成しております。
 続いて、22ページ目でございます。今御説明した防波壁を万一越えるような海水の浸入があった場合、それぞれの建物、あるいは個別の重要機器が入りました部屋の扉を水密化するというものでございます。
 23ページ目は、今度は引き波の対策でございます。津波は、引き波、押し波、交互に参ります。先ほどの鳥取県の防災計画に基づきまして再評価しましたところ、引き波についてもマイナス7.2メーターということで、より厳しい値が出てまいりました。2号機につきましては、現状の設備では引き波の際、ここに記載してございますが、原子炉補機海水ポンプ、冒頭申しました重要な役割を担います。このポンプの取水が不能になるというふうに想定されますので、右にございますが、ポンプのシャフト部を長くすることで対応することを考えております。
 続いて24ページ、火山でございます。同じく新たに規制で強化されたところでございます。規制の要求としては、発電所の半径160キロ圏内の火山の影響を評価する必要がございます。火砕流につきましては、問題となるようなものはこの鳥取県の大山も含めてないという確認をしておりますが、火山灰については、範囲を広げて評価しております。現状は、韓国領でございますが、鬱陵島からの噴火の際、発電所の中に2センチの火山灰の堆積が想定されます。こういった影響を評価しておりますけれども、プラントの安全に影響はないという結果が出ております。
 続いて25ページ目、竜巻でございます。竜巻についても、日本海沿岸、陸域5キロ、海域5キロにつきまして、発生の可能性を評価しております。その結果、最大風速が69メーター毎秒という想定を行いまして、施設への影響を評価しております。資機材等の固縛をすることによって、問題にはならないという評価結果が得られております。
 続いて、26ページ目が火災・溢水対策でございます。火災は、御承知のように、今回非常に強化された項目でございます。また、溢水というのは、プラントの中にありますタンクであるとか配管とか、そういったところからの水漏れがどのように影響するか、その影響を防ぐ規制要求でございます。火災については、消火栓、さらには火災報知機の強化、また、溢水対策につきましても、先ほど申しました水密扉等の設置によりまして、重要機器が溢水から守られると、そういう対策を進めてございます。
 27ページ目は、電源の強化でございます。外部電源、発電所は一たびとまりますと、今度は外から電気を受ける必要があります。それが送電線となります。この図面の左の上のほう、黄色い枠がございます。66というのが6万6,000ボルトでございます。そして、大きいものは50万ボルトまで、3つの電圧階層から系統を構成しておりますけれども、このうちの6万6,000ボルト、こちらは受電線用です。設備がコンパクトな分、仮に被災しましても復旧が素早くできるというメリットがございますので、今回新たに耐震性を高めることといたしました。赤い線でございます。特に新たに設けます開閉所は高い耐震性を有しておりますので、地震に対する信頼性が大幅に向上するかと思います。
 28ページ目にまいります。先ほど申しました海水ポンプ、重要な設備の地上部に、ごらんのような2メーター高さの囲いをつくったものでございます。この目的は、浸水の防止もございますが、テロ行為等から重要機器を防ぐ目的もございます。
 続いて、30ページ目からは冷却設備の強化でございます。まずは、高圧の冷却設備でございます。原子炉停止直後は、原子炉の圧力がほぼそのまま維持されております。大体70キロぐらいの圧力というふうに御理解いただければと思います。したがいまして、そういった状態で冷却水を注入しようかと思いますと、高圧型のポンプが必要になります。現状でも、この図面の破線部にございます蒸気駆動のポンプがありますけれども、それと同じ能力を持つ外づけのポンプを新たに設置することといたしております。また、この図面の格納容器の中に、アンテナのような部分がございます。これは弁を示しておりますが、この弁をあけることによって高圧の圧力、原子炉の圧力が下がってまいります。そうすると、今度は低圧型の冷却機能が働くということになります。
 31ページ目は、今申しました減圧用の弁、逃がし安全弁と申しておりますが、その駆動系の強化策でございます。
 32ページ目に移ります。減圧後、低圧になりますと、この図面にございますように、いわゆる消防車、給水車での冷却も十分に可能になります。この図面にございます青い部分は、そのために新たに敷設いたしました冷却用の配管でございます。
 33ページ目は、今御案内しましたとおり、給水車の配備でございます。また、その下の半分は、大型の低圧原子炉代替注水設備でございます。地下式の貯槽とポンプから成り立っております。
 続いて34ページ目でございます。海水と真水を熱交換させると申しましたけれども、冷却上重要な熱交換器という設備がございます。それが万一使えなくなった場合は、左の上にございますけれども、トラックに乗せた可動式の熱交換器の配備を既に一部終えております。
 35ページ目は、同じく冷却が必要になります燃料プールでございます。燃料プールの水位を正しく確認する必要がございますが、万一本来の設備が使えなくなった場合、ごらんのパルス式の水位計を新たに追加で設置を進めております。
 36ページ目にまいります。こちらは、格納容器の冷却です。格納容器というのは、放射性物資を閉じ込める上で非常に重要と冒頭申しました。原子炉の中で圧力が上がってまいりますと、どうしても格納容器そのものも圧力が上がり、最終的には気密性が保持できなくなるおそれがございます。そのために、格納容器の冷却系統の設置、左右にございますけれども、大容量の送水車での冷却が可能な施設としております。
 37ページ目がフィルタベントでございます。最近報道等でよくお耳にされているかと思います。もともとベントという設備はございます。右のほうの図面をごらんいただけますでしょうか。再三ごらんいただいております格納容器、こちらから上下、黒い配管が2本出ておりまして、排気筒につながっております。今もこの設備はあります。格納容器の中の圧力が上がってきたときに、早目にこのベント配管、つまりガス抜きを行うことで格納容器の健全性を維持する、それが目的でございます。しかしながら、どうしても放射性物質が外へ排気筒から出てしまいますので、このたびの規制では、そこへフィルタをつけることが要求されております。赤い配管線部が新設のフィルタつきベントでございます。2号機におきましては、右下の写真にございますように、地下式の設備を現在工事を進めております。セシウム137という粒子状の放射性物質の除去効率99.9%、こういった性能を有してございます。
 続いて38ページ目、こちらは格納容器内に通常入っております窒素ガス、先ほどのベント操作によってこの窒素が抜けます。窒素というのは、可燃性のガスの爆発とか燃焼を防ぐために入っております。通常、本来の供給設備がございますけれども、同じく使えなくなったときは、右にございます可搬式の窒素供給設備で対応することにしております。
 39ページ目が水素爆発防止対策です。私どもの発電所は、下半分にございますブローアウトパネル、こちらはもともと別な目的で建物の外壁が開放できるようになっております。こちらを設備しておりましたけれども、このたび、上段にございます触媒式の水素結合器、こういったものも新たに追加することにしております。
 続いて、40ページ目でございます。今まで御説明したような対策がなされた上でも、なおかつ建物に被害が及び、放射性物質が出る可能性がある場合、ごらんの放水砲で放射性物質を洗い落とすというものでございます。当然撃ち落としました放射性物質が地表におりてまいりますので、そういったものが海を汚染しないような対策も並行して進めてまいります。
 41ページ目は気象観測装置でございます。風向、風速の代替式のものを配備いたします。
 42ページ目は、冷却水の確保でございます。上の写真にございます大型の貯槽の耐震性の強化に加えて、新たにタンクを増設いたしまして、冷却水を確保する予定でございます。
 43ページ目は電源の確保でございます。現在進めておりますのは、右上のガスタービン発電機車です。こちらについても追加で配備を進めてございます。
 44ページ目が直流電源の強化でございます。交流電源に加えて、直流電源も制御系ほか重要な位置づけがございますので、ここに記載のとおりの強化策を進めてございます。
 45ページ目、免震重要棟でございます。規制の中で、緊急対策所ということで、地震、津波にも十分耐え得る設計であることが求められております。島根原子力発電所は高台50メーター造成いたしまして、最終的には3階建ての設備を現在工事を進めてございます。
 46ページ目にまいります。この鳥取県様含めまして非常時の通信ネットワークの強化が非常に重要になってまいりますので、あらゆる通信機器を用いた強化策も逐次進めてございます。
 47ページ目、最後のページでございます。2つございます。
 まず、前段の有効性評価、今御説明しましたような施策が果たして機能するのかどうか、そういったものを評価するのが有効性評価でございます。このたびの申請書には、そういった評価結果も記載してございます。
 次が、周辺の方への被曝の影響でございます。まずは、ベント操作、先ほど言いましたけれども、炉心の燃料が壊れていない段階でのベント操作、その際、希ガスという物質、あるいはヨウ素が放出されますが、その影響、敷地境界での被曝線量を検証しております。約1.3ミリシーベルトということで、規制がガイドで求めております5ミリシーベルトを下回っております。
 次が、燃料が壊れた、溶融を起こした後のベント操作でございます。その際は、福島のような状況も危惧されるわけでございますが、長期にわたる避難の支配いたします放射性物質は、半減期が30年と長い、ここにございますセシウム137という物質でございます。その放出量を評価したところ、0.002テラベクレルという値が得られております。テラというのは10の12乗でございます。規制のほうのガイドでは、100テラベクレル以下が要求されておりますので、かなり下回った数字となっております。ちなみに、この100テラベクレルでございますが、福島の放出量の100分の1程度というふうに聞いております。
 以上で説明を終わります。ありがとうございました。

◎野田議長
 長谷川本部長、ありがとうございました。
 それでは、ただいままでの説明に対して、御意見、御質問等があれば、お願いいたします。

○山口議員
 自民党の山口でございます。
 ちょっと残念でございますけれども、実は私はこの資料を見ましたのが初めてでございまして、これは質問ではないですけれども、12月4日に説明会がありましたが、欠席した議員に対してもこういう資料を配っていただいて検討させていただけましたならば、もうちょっと私どもは質問の内容を変えて対応したかったと思いますけれども、それだけが残念でございます。
 実は、私は島根原発より100キロぐらい離れたところに住んでおるわけでございますけれども、この元素というものは本当に目に見えないものでございまして、非常に厄介なものでございます。私どもの生活に非常に役に立ちますものと、場合によっては大きな被害をこうむるものとあるわけでございます。したがって、この目に見えないものをどうやってエネルギーに変えていただいて、しかも事故のないような形で、元素の持つ能力を最大限利用すると、こういうことでございます。
 したがって、一番大きな課題は、エネルギーの供給ということもございますけれども、やはり安心して、安全で、しかも自然環境に大きな影響がないようなエネルギーを供給していただくのが皆様方の使命ではなかろうかと思っておりますので、そういうことを前提にしながら話を進めてまいりたいと思いますけれども、実は、安全基準ができまして、規制庁から私どもは説明を受けました。しかしながら、私どもは全く素人でございまして、なかなか内容がわからない。こういうことで、島根原発に対する申請について私なりに話をさせてもらいたいと思っております。
 先ほども申し上げましたように、自然界に存在する元素でございますけれども、私どもは学生時代に若干インオーガニックケミストリーもやりましたしオーガニックケミストリーもやりましたけれども、当時からいたしますと、この原発というものの恐ろしさも知りましたし、しかも武器としての使用については、本当に人類の存在を危うくするものでございますけれども、エネルギー革命というのがございまして、やはりエネルギーは何らかの形で考えていかなければ、日本の産業であるとか、生活に大きな影響を及ぼすのではなかろうかと、こういう視点がございますので、そういうことを考えながら限られた時間で若干質問させてもらいたいと思いますが、回答はできておるものがありますので、そのあたりもひとつ、ダブったところもありますので、よろしくお願い申し上げたいと思っております。
 この12月4日に、米子市において、県議会議員も含めまして貴社が対応されたと思っておりますので、それは結果的には説明されたということですけれども、きょうは議会全体としての全協でございますので、自民党を代表して話をさせてもらいたいと思いますけれども、まず、第1点目でございますけれども、新規制基準に基づいて島根原子力発電所はどのように改修、改良されたかと。これは今説明がありましたので、説明していただいた限りにおいては、自信を持ってやられたのだと思っておりますけれども、まず、1号機及び3号機については今後どのように対応されるか。これは若干つけ加えて説明されましたけれども、これについてお聞きしたいと思っております。
 2点目でございますけれども、新規制基準は全ての原子力発電所に適用されるわけでありますが、立地の場所によって、地形であるとか、活断層の話もありましたし、津波等も説明がありましたけれども、影響が異なると。こういうことから、それぞれの条件に応じて新規制基準を満たしておられるかどうか、改めてまず聞かせてもらいたいと思います。
 さらに、多種多様で高度な安全性の確保が求められると思いますけれども、中電さんは島根原発に対して、新規制基準の規定にないものも独自でやられたということを今聞きましたけれども、もし規制委員会のほうで対応を求められた場合にはどうされるのかということと、私どもは素人でありますけれども、生活に大きな影響が及びますので、きょう、皆さんから安全対策についてそれぞれ議論があろうかと思いますので、こういうものもしんしゃくされるなら、加えてもらって対応をしてもらいたいと思っております。
 第3点目でございますけれども、新規制基準によって、原子力規制庁と協議されることとなると思いますけれども、審議の過程や再検討を求められた場合には、その内容について、立地県の島根県だけではなくて、鳥取県にも報告していただいて相談されるかどうかということです。また、審査期間でございますけれども、どの程度になると予想されておりますか。それから、その後どのように中電さんは対応されるか。さらに、新規制基準で島根原子力発電所が安全と認められた場合、次の段階に移る。今審査の申請でございますけれども、どういう形で稼働に向けて対応されるのか、そのステップをどういう形にされるかということと、これからどれだけの時間をかけて審査されて、稼働に向けて対応されるのかということもお話をしていただけたらありがたいと思っております。
 第4点目でございますけれども、中電さんからすれば、立地県の島根県及び隣接の鳥取県に新規制基準による島根原子力発電所の安全対策について説明していただいたところでありますけれども、いつの時点で原子力規制庁に適合申請をされるのか。いろいろ意見が出ると思いますけれども、今中電さんの説明について、私どもが危惧したような問題がありますならば、つけ加えてでも対応していただけるかどうかお聞かせ願いたいと思っております。逆に規制庁からどういう対応を求められるかということもあると思いますので、そういうことについても協議を、報告してもらいたいと思っておるところです。
 また、再稼働の申請基準と新規制基準の適合性確認申請の基準はどういう違いがあるのか、これについても説明をしていただきたいと思っております。立地する島根県及び隣接する鳥取県が求めておりますけれども、どういうプロセスを経て規制庁に対して申請されるのかということでございます。
 また、私どもが中電さんに求めている事項を申請につけ加えていただけるような、恐らく今後出ると思いますけれども、あるいは県からも出ると思いますけれども、つけ加えて対応される用意があるかどうかと、こういうことだと思います。
 さらに、本日、鳥取県議会において、また米子市長及び境港市長に対して、適合確認申請に対する意見が報告されたわけでございますけれども、鳥取県知事はこれを総括して中電さんにまとめて申し出があろうかと思いますけれども、これを真摯に受けとめていただいて対応していただきたいと私どもから求めて、私の質問を終わらせていただきます。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 まず、冒頭、資料の関係について、事前にお届けすればもう少し深い質問ができたということで、大変失礼いたしました。おわび申し上げます。
 大きく4点御質問を頂戴いたしております。
 まず、新規制基準に基づいて今回2号機の申請をさせていただいたわけでございますけれども、1号機、3号機についての取り扱いについて、まず御説明をさせていただきます。
 1号機につきましては、次の3月で丸40年になります。37年以上運転しておる全国の原子力発電所につきましては、3年間の猶予を持ちまして、今後どう対処するかということで、国のガイドに基づきまして申請する必要がございます。当社におきましては、この1号機につきましては、これまでの状況を踏まえて、今後どのように対応するかということで現在検討しております。この内容が固まりましたら、御説明をさせていただけるというふうに思っております。
 3号機につきましてでございますけれども、御案内のとおり、3号機につきましてはもともと平成23年の12月で営業運転開始ということで工事を進めてまいっておりました。途中、制御棒のトラブル等もございましたり、福島の事故によりまして、工事が中断し、その後、安全対策をする必要もございました関係から、現在におきましてはこの安全対策の工事を進めておるところでございます。あわせて、申請に必要な書類についても準備を進めてまいっております。2号機と同様、国のほうからは既設の設備と対応は同様だというお話もいただいておりますので、この申請がまとまりましたら、改めて御相談をさせていただければというふうに思っておるところでございます。
 今回の安全対策のうちの独自のものはどのようなものがあるかという御指摘でございました。
 きょう御説明をさせていただいた資料の中で、例えば27ページに書いておりますような自主対策というふうに項目の頭に掲げておるようなものがございます。こういった緊急時の開閉所、これは電源を受けるラインでございますけれども、電源設備は原子炉のような耐震性は持たせておりませんので、いわゆる耐震性を持たせた、すなわち原子炉と同等の地震にも耐えられる開閉所といいまして、電気の受け口、この設備を発電所内につくりまして、万一送電線が切れても、補修をすれば電源が外からもらえるような、そういった設備を増強しているというところでございます。
 このほか、30ページにありますような高圧の原子炉代替貯水ポンプ、それからフィルタベントにつきましても、地下式につきましては当社が一番最初に打ち出したものだというふうに思っておりますし、それから、今回の福島の事故を踏まえますと、電源の重要性が特に指摘をされております。福島第一の5号機、6号機、それから福島第二発電所、こういったところが福島の1Fの1から4号機のような大きな事故にならなかった大きな要因として、電源が確保できたということが上げられておりまして、当社ではこういった電源の重要性を認識した上で幾重にも電源対策を図っておるというところでございます。
 3点目に、審査期間についての見通しについて御質問がございました。
 先行の14の発電所につきましては、早いものは7月8日に申請されておりまして、既に5カ月が経過しておるところでございます。当初、半年から8カ月というふうに漏れ聞いておりましたけれども、現在の進行状況から見ますと、いま少し時間がかかるのではないかというふうに見受けております。
 今回先行の審査のプロセスを見ますと、まず最初に、基準地震動、地震に対する備え、それから津波に対する備え、まずここのところで第一関門をクリアすれば審議が流れていくと、そういった状況にあるように考えております。当社の場合も、恐らくそういった流れで対応していただけるのだろうというふうに考えておるところでございまして、標準的には6カ月程度というふうに聞いておりますけれども、国がこれについては対応されるわけでございますので、当社から何カ月ということは申し上げる立場ではございません。御了解いただきたいと思います。
 審査結果が出て、安全だと、国は安全だという言い方をされずに、規制基準に合致しているかどうかという説明をされるかと思いますけれども、どれほどのその後の時間、スケジュールかということにつきましては、これについても、まだこれから申請をする状況でございますので、我々としては、きょうこういった場をいただいておりますように、まずその状況について内容を御説明し、なおかつ、先ほど申し上げましたような審査が終わった後の御説明も今後また必要だというふうに認識しておりますので、その上でいろいろ御相談をさせていただければというふうに思っておるところでございます。
 それぞれ御意見をいただくということで、鳥取県さんとの安全協定にも、いただいた御意見については真摯に対応すると。もちろん米子市様、境港市様に対しましても同様の協定を結ばせていただいているわけでございます。いただきました御意見については、真摯に対応してまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。

●芦谷中国電力株式会社鳥取支社長
 議員の御質問の中で、審査の過程でいろいろ出てきた追加対策についてはどうするかというお話があったというぐあいに思いますけれども、それにつきましては、私どもは、審査の過程でいろんな提出資料とかを求められるというぐあいに思いますし、追加の対策を求められるというぐあいに、他の電力会社の状況を見ていると思っております。それについては、真摯に対応していくということを考えておりますし、それから、それぞれの自治体様に対しても、それぞれの過程で、こういうことを求められてこういう対策をやっていますというようなことは、その都度お話をさせていただければというぐあいに思っておるところであります。

○森議員
 4点質問したいと思います。
 まず、なぜ急ぐのかということでちょっと御質問したいと思います。
 きょうの資料の3ページになりますけれども、福島第一原発における教訓で今回の規制基準ができたということであります。その規制基準が本当にそれでいいのかというようなことも含めて質問したいと思うのですけれども、先ほど説明があったように、今回鉄塔が倒れたこと、それから地震があって津波が来たということで電源が喪失したということが一番大きな原因だと、そういった分析からいろいろな津波対策やら外部電源対策、二重、三重の電源対策ということがなされてきたと。それと、あとはベントがつけられたと、こういうことだろうと思いますが、はっきり言って、今回の福島原発の事故の全容が解明されていない中にあって、ある研究者は、地震があって津波が来る前に既にメルトダウンしていたのではないか、メルトダウンしていたと、そういうふうに言っている研究者もあって、そういうことを考えると、対策が大きく違うのではないか、そういうふうに思うわけであります。
 そういった中にあって、先ほどの説明にあったように、今回14原子炉ですか、14発電所が申請しているということなのですけれども、なぜそこまで急がれるのかといったことについて質問したいと思います。特に、今もって福島では14万人の方が避難されているのです。そういう中にあって、まだ原子炉にも近づけもしない状態にあって、急がれる理由をお聞きしたい。
 2点目であります。先ほどもベントの話をしましたけれども、このベントで、先ほどセシウムの話は聞きました。99.何%は取れると。ヨウ素についてはどうなのか、それから希ガス対策についてはどうなのか。そのベントをするというのは、ベントだけではなくて、そのときには注水といったこともあるのではないか。きょうの説明は、注水の設備はどうだ、それからベントの設備はどうだというふうに説明を受けたのですけれども、ベントをしなくてはいけないときには、多分注水の設備はどれかが動いていると思うのですね。注水するときには既にベントしなくてはいけない状態だと思うのですけれども、それはどういうふうに絡んでいるのか、お願いいたします。
 3点目です。私は原発の問題の一番の当事者は住民だと思うのです。今も14万人の方が避難していると言いましたけれども、一番の当事者は住民なのです。ところが、今回中国電力の皆さんは、住民に対する説明会というのは最初から予定されていないというようなことでずっと来ていました。でも、安全協定があるからということで、鳥取県にもこうやって事前報告という形はされていますが、本来リスクを受ける住民に対して、こういう説明、こういうふうにやるのですよということをやはりやっていくのが筋ではないかと思うわけですが、その住民説明会についてお答えを願いたい。
 4番目ですが、安全協定の問題です。この安全協定が県が一生懸命中電の皆さんと交渉して、結果的には立地と差のある安全協定になっています。この安全協定について、私は米子市なのですけれども、米子市はかねてから、森田市長の時代から、何度も何度も中国電力さんに向かって安全協定を結びましょうとやってきました。ところが、一切無視をされてきたのですね。法的にそれは必要ないのだと。でも、実際にはこれが起きた。起きたらこうやって安全協定を結ぶということになって、よかったと思うのです。ですが、立地とは明らかに違う状態、これはリスクは同じリスクを受けている。そこからすれば、同じ協定を結ぶべきだと思うのです。このことについて、我々にわかるような説明をしていただきたい。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 4点御質問をいただきました。
 まず、冒頭、なぜこの申請を急ぐのかという御質問でございます。
 今回のこの規制基準が7月8日に施行されて、もう既に14プラントが申請をされたということについては先ほど御報告させていただいたとおりでございます。本来、求められております設置許可、工認、保安規定、従来はシリーズで国に申請をしておったわけでございますけれども、今回は一括でということで、事故が起きた場合のさまざまな運用についても、やはりこういった新たな設備をどう活用していくかということの関連も含めて、今回は概要だけでなくて、設置許可の基本設計だけではなくて、詳細にその内容を記した工事計画認可、あるいは体制等を記入した保安規定、こういったものを一括で申請をさせていただくと、こういうことになりました。
 設置許可というものは、工事を始める前に、こういう方針で物をつくります、こういう考え方で物をつくりますということで申請するのが本来の姿でございます。そういう意味では、申請が遅いと言われるのなら理解できるのですけれども、早いということはあり得ないわけです。 今回の福島の事故の後、我々は国の方針を伺いながら、どういった対策が効果的かということで既に工事を始めておりました。その後、7月8日に新しい規制基準ができた関係で、その施行を踏まえて各社が申請をしたと、こういう流れでございまして、もちろん国の確定した内容で、我々が対応している内容にずれがあれば修正して、あるいはやり直して物をつくっていかなければいけないと、そういう流れでございまして、そういった意味では、決して早過ぎることはないと我々は考えております。
 ベントについての御質問でございます。
 先ほど御指摘のとおり、セシウム、これは長期の避難を余儀なくしている言ってみれば原子炉から放出される元素の中で長期避難に一番かかわっている物質でございます。原子炉の燃料が溶けてしまいますと、原子炉の被覆管に入っている元素が放出されるということになるわけですが、議員御指摘のとおり、ヨウ素でございますとか希ガス物質、こういったものは今回設置しておりますフィルタベントでは――ヨウ素は有機ヨウ素と無機ヨウ素とございまして、粒子状の無機ヨウ素については取れるのですけれども、有機ヨウ素についてはこの設備では取れません。そういった意味では、外部に放出することになるわけでございます。ヨウ素については、そういった意味では、無機ヨウ素は99%取れるのですけれども、有機ヨウ素は取れないということになります。
 しかしながら、ヨウ素、あるいは希ガスにつきましては、基本的に空気中を浮遊するということで、そのときの気象状態にもよりますけれども、気中に拡散して希釈されると。と同時に、半減期も非常に短い、ヨウ素などは8日程度でございますので、短期間で消えてしまうという性状がございます。そういったことから、一時的な避難をお願いするということになる可能性はございますけれども、長期の対応というものは必要ないのではないかというふうに考えております。
 住民の皆さんへの説明会ということでございます。
 今回、我々はこういった形でさまざまな場を利用させていただきながら、活用させていただきながら説明会を実施させていただいております。一部には、住民の方も入っていただいたり、住民の方の御意見を伺う場もございました。基本的には、国の審査を受ける前の段階でございますので、地域の皆様には、国の審査の結果を聞いていただくのがより御判断をいただける内容ではないかというふうに考えておりました。
 安全協定にかかわる立地との差があるではないかというお話でございます。
 御承知のとおり、現在鳥取県様と締結、あるいは米子市様、境港市様と締結させていただいている安全協定につきましては、大きく4つの項目について差があると考えております。すなわち計画等に対する事前了解、これが報告ということになっております。それから、核燃料物質等の輸送計画に対する事前連絡、これが一部鳥取県様にはない。それから、立入調査とそれに伴う適切な措置の要求ということで、立入調査については確認を同時にいただくということになっております。もちろんそのときにいただく御意見については真摯に対応するということで対応させていただいているところでございます。
 23年の12月25日に安全協定の締結をさせていただいたところですが、その後立地自治体と同様の対応をするようにということで、協定を結ぶようにということで申し入れをいただきました。昨年の11月であったと思います。ことしの3月15日に、立地自治体と同様の対応をさせていただきますということで文書で御回答させていただいておりまして、文書は変わっていないのですけれども、まさに立地自治体と同様の対応をさせていただいているというふうに考えておるところでございます。
 この安全協定につきましては、現在国のいろんなところでまださまざまな議論が続けられているところでございまして、我々もその状況をしっかり踏まえた上で対応させていただきたいということで、継続の協議をお願いをさせていただいているところでございます。

○森議員
 私がなぜ急ぐのかと言いましたのは、先ほど触れていただけませんでしたけれども、結局今事故が収束していない。収束したと言った人もありましたけれども、先ほど言いましたように、データから見て津波が来る前に既にメルトダウンしていたと、こういうふうに言っている研究者がいるのですね。そういうことを考えていくと、根本からこの規制基準が合っていないのではないか、こういうようなことにつながることだと思うのですね。私は、そういった意見も聞きながら安全対策をとっていくべきだと思うのです。
 特に当事者は誰かといいましたら、住民なのです。住民は何が怖いのかといったら、福島のあの事件が本当に怖くてしようがないわけです。安心・安全が欲しいのです。
 今の中国電力さんのお話だと、国の規制基準さえ守ればいいのだと。確かに独自に幾つか取り組まれているというのはありました。ですけれども、安心・安全をやっているよという姿をもっともっと地域の住民の皆さんに見せていただければ、住民もまた違うことになってくると思うのですけれども、そういった態度でないということと、もう一つは、なぜ急ぐのかという中に、やはり中国電力の場合は、確かに老朽化している火力発電所とかあるかと思うのですけれども、今回の規制基準に合うようにいろいろ改造されました。物すごく投資をされていると思います。その投資を今の古い火力に持っていかれれば、それでもっと火力が充実したものになっていたのではないか、そういうふうに思うのです。また、今回の投資されたものも総括原価方式でまた全部電気料金にはね返ってくると思うのです。そのことも含めて、火力のほうに投資していれば、その火力で十分できたのではないか、そういったことも含めて、なぜ急ぐのかということについてもう一度お願いしたい。
 あと1点、安全協定なのですけれども、もう一つの文書で同じ取り扱いをしますという文書があります。ですが、そのことができるのだったら文書を変えていただきたい、そのことをもう一回答弁をお願いします。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 福島の事故についてのお話をいただいたところでございますけれども、これまでさまざまな報告書が出されておりますけれども、報告書の中にもございますように、3月11日の14時46分に地震が発生し、その約50分後に津波が押し寄せたと。この間については、安全系は少なくとも稼働し、設備は機能していたというふうに理解をしております。この津波によりまして、いわゆる電源系が全て機能しなくなり、これに伴って、福島第一の1号機の場合は、ICといいまして、冷却系のタンクがあるわけですけれども、このアイソレーションコンデンサーと言われる冷却系のタンクが、本来なら原子炉を冷やす機能を果たす役割を持っておりましたけれども、その後、停電等によりまして電気が供給できなくなったことによって、原子炉とその冷却の復水器を結ぶ配管が遮断されたために冷却ができなくなった。これは途中で原子炉の健全性を確保するために、原子炉の冷却の速度をある一定温度以内に保たないといけない。がんがん冷却をすればいいというわけではないので、そういった運転員の判断があったというふうには聞いておりますけれども、少なくとも原子炉の損傷、燃料の損傷には2時間から3時間かかったというふうに我々は認識をいたしております。
 電力の供給にかかわる火力、原子力の扱いについてもお話をいただきました。
 議員御指摘のとおり、当社は30年を超えるプラントが全体の約半数を占めておりまして、原子力と異なりまして、トラブルがあった後、補修をすると、そういった感覚でこの対応をしてまいっております。そういったことで、この火力については、十分な補修費をかけていないのも事実でございまして、そういった意味では現在安定供給を行うための努力をしているところでございます。原子力と火力、燃料の多様性を確保しながら、安定供給を図っていくということは、今後とも重要な問題だというふうに考えておりまして、原子力を全てやめて火力だけで賄えればそれで済むというふうには考えておりません。バランスのいい電源構成で、安定して低廉な電気をお届けするというのが我々の使命であるというふうに考えておるところでございます。
 安全協定の文言につきましては、繰り返しになりますけれども、こちらの地元の皆様には立地自治体と同様の対応を図らせていただきますということで既に文書でお約束をしております。協定そのものの文書については、全国のそういった議論を踏まえて、今後対応させていただきたいという状況でございます。

○砂場議員
 今回の新基準のキーワードは多分多重化だろうと思うのです。今回報告にもありましたように、代替の注水管ですとか、代替の電源、それから発電機、さまざまな多重化が図られているのですけれども、それが本当に離れているかどうかということです。福島第一原発も、発電機、蓄電器、配電盤が三重の安全だと言われていたのですけれども、実際は並んでいて、津波に遭ってだめになってしまった。多重化しても対角線だとか、十分に離れていて、それぞれが独立で機能するような設計になっていないと、幾ら多重化しても意味がないと思うのです。そういう意味で、そこのところの設計がどうなっているのかというのがまず1点目の質問です。
 今度、新基準で入ったのはテロによる航空機の衝突ということが想定されています。米子空港で一番飛んでいるのはボーイング767ですけれども、これだと総重量が186トンもある大きなものでありますし、燃料だったら2万3,000ガルも燃料を積んでいるわけですよ。そういうものが衝突を起こしたときに、果たして安全が守られると言えるだけの対策がとられているのか。御報告の中では、燃料用消化剤の備蓄とありますけれども、これだけ大量の燃料を積んだ大きなものが果たして建屋、格納容器、そこの間でとまるのか、そのあたりの今回新しく求められた航空機テロに対する対策がどうなっているかということを教えていただきたいと思います。
 3点目は、冒頭、口頭で少し説明がありました地下水対策についてなのですけれども、確かに今回の新基準の中では地下水対策は求められておりませんが、原子力規制庁も多分追加でこの部分については出してくるということでしたので、この前の質問の中でも、現在調査中だったということですけれども、大事なことは、皆さんがどういう想定をされているのか。地下水、雨水、水道、さまざまな水が入ってきて、それがまた出ていくわけですね。そこのところでしっかり収支を見きわめた上で、汚水というものを完全に抑え込むというような想定になっているのかどうかをお聞かせ願いたいと思います。
 4番目は、今森議員も言いましたけれども、危機管理局に聞くと、実は申請書が1冊しか届いていないとおっしゃるのです。皆さんがそれをコピーしてやっているという状況はやはりおかしいと思うのです。私も鳥取支社にお伺いしたとき、コピー代をと言われたから、いいですよと言ったけれども、14万円と言われたらさすがに考えてしまいますし、普通の市民が14万円も出してコピーを手に入れようとは思わないと。ですから、やはり情報を提供するなら、もっときちんとみんなが使えるような形の情報を提供していかないと信頼関係は醸成できないと思うのです。昔と違って、DVDに焼いたって構わないわけだし、ホームページで――ホームページで記載したらどうですかと聞いたら、申請をした後に出させていただきますと、こういう形だったのです。
 実は福島へ行ってきて思ったのは、東京電力の姿勢と同じだと思ったのです。東京電力も情報は後出し後出し後出しとなってくるから、地元の皆さんとの信頼関係がだんだんだんだんなくなっていくわけです。原発の検査は県民はわかっているわけですから、そういう意味で、県民の皆さんに対する信頼の醸成ということであれば、もっと積極的な情報提供があってもしかるべきだと思いますし、我々もこうやってやっているのに、手元にあるのはサマリーがあるだけでして、原本などは見られないわけです。県庁もコピーをしながらやっているという状況を見たときに、本当にパートナーと言えるのだろうかという疑問を持つのです。やはり基本は情報提供だと思うのですけれども、中国電力の皆さんは、そういう情報提供についてどういうふうにお考えなのかお聞かせください。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 4点御質問をいただきました。
 まず、多重化の独立性についての御質問でございます。
 今後審査の中で、多重化の独自性についても審査をいただけるというふうに考えておりますけれども、基本的に、議員御指摘のとおり、せっかく多重化しても、それが同時にダウンしたらアウトでしょうと、こういうことにつきましてはまさに今回の東電の事故というのがそうだったわけでございまして、特にこれについては厳密に審査されるというふうに考えておるところでございます。
 そういった意味では、火災に対する隔離、それから設備の距離ですね、こういったところに着目をしての対応になろうかと思いますけれども、これについても国のほうから基準が示されておりますので、そういったことについては遵守をした申請の内容になっているというふうに考えております。
 航空機のテロにつきましてでございます。
 今回、テロ対策につきましては飛行機の落下ということで評価を実施するということになります。航空機につきましては、国内で飛んでおります大きな航空機もまだございますので、そういった航空機も恐らく対象になっているというふうに考えております。後でちょっと補足をさせていただきます。
 地下水対策につきましての御指摘でございます。
 御案内のとおり、福島におきましては、この地下水対策というのが現下の喫緊の課題ということで取り組んでおられます。国におかれましても、廃炉汚染水対策チームを立ち上げられまして、経済産業大臣がトップに立たれてその対応をされているというふうに理解しております。その中で、既にこの地下水についての基本的な方針も示されております。すなわち原子炉の周りに地下水を近づけない、あるいは地下水が発生したとしたら、原子炉から汚染水が漏れたとすれば、それを外に出さないと、こういった基本的な方針を示されておるわけでございまして、当社もこういった方針に基づいて適切な対応を今後とってまいりたいというふうに考えているところでございます。現在地下水の調査については、継続して実施をしておりますので、そのデータを踏まえて、適切な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
 情報公開に関する御質問でございます。
 現在、当社は設置許可申請書を鳥取県様については2カ所、地元の島根県については4カ所置かせていただきまして、なおかつ、それと同時に、そのときの報道資料も添えて対応させていただいております。当社としては、少しでもわかりやすく御説明をするということで、会場に来ていただいた方には逐一対応させていただいて御説明をする、あるいは御質問をいただいたら本社のほうで答えられるように対応させていただくということで、少しでもわかりやすく御理解いただけるようにというスタンスで対応させていただいているというふうに考えております。

●北野中国電力株式会社専任部長
 航空機落下における火災の御質問がございました。
 お手元の資料40ページをごらんください。放射性物質の放出抑制対策として設置している放水砲の絵がございます。今回の基準は、放射性物質を洗い落とす目的もございますが、この放水砲は航空機落下対策時の火災対策としても配備されております。もともと、のこの放水砲は飛行場の航空機火災もしくはコンビナートにおける火災向けに設計されたものでございまして、泡消化剤とあわせて効果的な消火活動ができるということで、これを配備するとともに、その運用手順をしっかり社内で決めるということが今回の基準でございます。

○砂場議員
 一つだけ追及させていただきますけれども、先ほどわかりやすい説明を心がけていると言われたのですけれども、私は、先ほど説明したように、信頼関係についてはちゃんと情報を出すということで、鳥取県内に2カ所と言われたけれども、実際に県の検討する部署には1冊しかないし、そこに見に行って、コピーをとったらそういう話だったわけですね。14万円だみたいな話になってくると、それが本当にわかりやすい説明なのか。市民の皆さんが疑問を持って行ったときに、14万円をぽんと払ってコピーを下さいと言う人が本当にいるのかと。確かに、素人にわかりやすくつくられた資料だと思いますけれども、やはり原本の確認をしたいというのは普通の感覚だと思うわけです。昔と違って公表できる手段はたくさんあるわけだから、やはりもう一歩進んだことをしないと東京電力と同じようなことになるのではないか。東北に行ったら、本当に誰も東京電力を信用していませんよ。それはやはり、情報を出さない、隠して、出てきたら、汚染水の問題だってことしの7月に初めて認めたと。そういうところにあるので、やはりきちんとやっているということを知って理解してもらわないと、県民も不安でたまらないと思うのですね。やはり安心・安全のためには、もっと進んで情報公開をしていただきたいと思うのですけれども、再度そこのところだけお願いしたいのですけれども、いかがでしょうか。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 申請書の公開のあり方についての御質問を再度いただきました。
 今後設置許可申請、事前了解をいただいた後に公式に申請をするわけでございまして、現在見ていただいております資料は現段階での資料ということで、申請とほぼ同等のものだというふうに思っておりますけれども、私どもとしましては、これを全てそれぞれの皆様に行き渡るような形では到底対応は難しいと思っております。もちろん、先ほど申し上げましたとおり、その内容をかみ砕いて、わかりやすく御説明するということのほうがより重要だというふうに認識をしておりまして、いろいろな御意見をいただきますので、そういったことを踏まえて今後も対応させていただきたいと思います。

○澤議員
 資料にありますように、1号機、2号機、3号機ということで、2号機のことですが、初めに1号機のことも触れておきたいと思います。
 1つは、40年廃炉云々の話が出ておりまして、それに基づけば、私は1号機は廃炉の方向でどうだろうかと考えるのですけれども、そのことを踏まえて、廃炉にした場合の費用というのは一体どのくらいかかるものなのかということもお聞きしたいと思います。
 もう一つは、シビアアクシデント対策ということで、特に先ほどからもフィルタベントの話が出ております。例えば、不幸にしていわゆる原子炉の事故が発生した場合に、このフィルタベントの操作を行うわけですけれども、そのときに、いわゆる関係自治体への同意が必要だと思うのですけれども、その辺のところをどういうふうにお考えなのかということ。
 境港市のほうからも出ておりましたけれども、先ほど汚染水の話が出ておりましたが、いわゆる海洋汚染ということですね。福島のほうでは、海のほうにフェンスみたいな形でやっておりますけれども、島根原発はどういうような対応を考えていらっしゃるのかということをお聞かせ願いたい。
 33ページ、低圧原子炉代替注水ポンプがあります。これについて、一つ気になりますのが、地表よりも地下にあるというような言い方をしていいのでしょうか。そういうところにあるときに、これは給水ポンプですから、これがやられますと冷却されないので圧がどんどん上がっていくのではないかと思うのですけれども、これの信頼度といいますか、完成予定が書いてありますけれども、こういう設備をするにおいて、ほかのほうの増設といいますか、いろんな形のものも追加でやられておるというようなことを仄聞したのですけれども、それによるいわゆる安全論の低下云々というのをどういうふうに考えていらっしゃるのかということをお聞きしたいのですけれども。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 4点御質問をいただきました。
 まず、1号機の廃炉の費用のお話でございます。
 この廃炉対策については、従来の法律に基づいて電力会社は積み立てをやってきております。ちょっと今細かい数字を持ち合わせておりませんけれども、およそ380億円程度であったかというふうに記憶しております。大部分は既に積み立てをしておりますけれども、今後法律が改正されまして、40年以降も10年間で積み立てができるというふうなルールになるというふうに理解をしております。
 フィルタベントについての自治体の同意ということについてのお話をいただきました。
 今回の仕組みというのは、この設置許可申請書全体についての御了解をいただくということになります。したがいまして、このフィルタベントについても、その中の一部だというふうに考えております。
 汚染水に係る海洋への影響ということについてのお話をいただきました。
 もちろん先ほどの放水砲の件にも関連するわけですけれども、汚染が発生した場合に、まずこれを海洋に放出しないようにそういった手だてをする、あるいはタンクにためて一時貯留をすると、そういった対策が考えられます。今後その運用につきましては、設備の準備ができたというときに、その運用につきましても十分検討して対応してまいりたいというふうに考えております。
 地下にある設備の信頼性ということについての御質問でございます。
 それぞれやはり設備の特性はあろうかと思いますけれども、電源の多重化、あるいは電源のバックアップ等によりましてポンプの稼働の信頼性を上げる、あるいは注水量の確保でもって水の冷却の多重化を図る、そういった形でさまざま多重化、多様化と、それから電源の確保ということで、トータルで信頼性を上げるように対応してまいる所存でございます。

○錦織議員
 私は簡単に4点お尋ねしたいと思います。
 まず、2号機の安全審査は、新しい規制基準への適合性を確認するためと言いますが、このまま2号機を廃炉と決定した場合でも、炉がある限り新規制基準で示された対応が必要であるかどうかという点。
 2点目は、新規制基準に適合したら、安全への対策は100%だと思っておられるのかどうか。そして、今回の適合性確認は安全性の審査でもありますが、同時に、再稼働の前提条件となります。当然適合性確認後は再稼働の話も出てくるとは思いますが、これで再稼働しないということで約束ができるのかどうか。
 3点目に、立地県とは同等ですよということを先ほども言っておられましたが、このたびの申請を鳥取県が了承しないのであれば申請をしないのかどうかということを明確に言っていただきたいというふうに思います。
 4点目に、ほかのエネルギーであれば、立地県並びに周辺県はこのように大がかりな避難計画だとか避難訓練などはしなくてもよかったわけです。一部国から予算も出ますけれども、財政が厳しい状況の中で、時間や自治体の職員体制とか、専門家の招聘、その他さまざまなことで多大なコストが今現在でもかかっているわけです。今回の安全申請に関するこういうさまざまな会議だとか資料づくりだとか、そういうことに関してもそうですし、こういったことに対して電気事業者としてどういうふうに考えておられるのかということをお尋ねします。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 4点について御質問いただきました。
 まず、2号機の安全審査、廃炉にする場合はどうするのかという御質問でございます。
 2号機は、御承知のとおり平成元年に営業運転を開始いたしまして、現在25年というプラントでございまして、設備については、これまでの定期検査等におきまして適切に手入れをしておるプラントでございます。まだ廃炉にするプラントではないというふうに考えております。
 安全対策は100%かという御質問でございます。
 今回の規制基準の中にもその精神が盛り込まれておるわけでございますけれども、いわゆるさまざまな対策をとりますけれども、前段否定、後段否定ということで、さまざまとりますけれども、この対策以外には効かないかもしれないというふうな非常に保守的な考え方で準備をいたしております。当然のことながら、ヒューマンエラーですとか、そういったことも考えながら対応していくわけでございまして、さまざま訓練をすることによって、そういったことも少しでもカバーをすると、そういったソフト、ハード面での総合的な対策で、少しでも安全のレベルを上げるということで、今後もそういう姿勢で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 安全協定にかかわる御質問でございます。
 申請についての関連でございますけれども、これまでも安全協定につきましては鳥取県様と御相談もさせていただきながら対応させていただいてまいっております。この協定に基づきまして、今後も真摯に対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 避難、あるいは専門家の育成等で、自治体の皆さんは大変コストをかけていただいているということについての事業者の考え方はいかにということでございました。
 今回のUPZ、いわゆる避難準備をしなくてはいけない区域が30キロ圏に広がったということで、防災上の観点から多大な御心配、御負担をおかけしておりますことにつきまして、事業者として大変申しわけなく思っております。我々としては、安全のレベルを上げて、少しでも御安心をいただく、あるいは訓練の中でそういった安心感を醸成していただく。我々としては、その訓練に対して、可能な限りの対応をさせていただくというスタンスで対応させていただいておるところでございます。

○錦織議員
 答弁漏れがあったのですけれども、それはもういいです。
 今の答弁で、安全対策については、100%でないというふうに考えておられるということはわかりました。
 それで、最後のほかのエネルギーであればということで質問したのですけれども、申しわけなく思っているというふうにおっしゃっていますが、安全第一だと言いながら、やはり利益優先が会社の方針になっていると思うのですね。今、廃炉を決定すべきだし、それから中国電力の社会的責任は大きく、廃炉は中国電力が今できる最善の選択だというふうに私は思います。
 ほかのエネルギー事故とは違って異質な危険性があるから、このような会議も開かれているわけですが、こんな原発が動いていなくても、近くにあるだけで本当に住民は日々不安な気持ちで過ごしていると。中国電力さんに島根原発がある限り、住民に大きな不安を与えているということでありますが、私はもっと中国電力さんに住民に喜ばれる仕事をしてもらいたいと思うのですけれども、その点もう一度聞きたいと思います。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 利益優先というお話をいただきました。
 企業の姿勢として、地域の皆様に安心して喜んでいただける企業でありたいというふうに常に考えております。そのためには、国のエネルギーのあり方として、やはりバランスのとれた電源供給であり、低廉で安定ある質のいい電気をお届けするということが最大の使命であるというふうに考えております。
 近くにあることで不安だという方が多くいらっしゃるという御意見もいただきました。原子力があるということで不安だということでございますけれども、少しでも安心していただけるように、さまざま御説明なり対応をして、今後も努力してまいる所存でございます。

○長谷川議員
 原子力発電所が1基ごとに事情とか、あるいは条件が異なるのに、このたびの適合基準は、これを一様のものとしてガイドラインを示し、それから性能基準のほうが重視されて、国民の安心・安全を守るという観点が私は弱いように思うところをまず危惧をいたします。
 今回、既に7原発、14基申請されておりますが、これらは、柏崎刈羽を除いては全部加圧型であります。それだけに、今回中電2号機が初めて柏崎刈羽と並んでBWRで申請するというのは、よほど慎重に中身を整えるといいますか、それは書類ではなくて、実態を本当に整備したものをできるだけ出していくということが求められていると思います。なぜなら、今申請をしている柏崎刈羽のいわゆる沸騰水型の分が今一番慎重を極めているということが伝わっているからであります。
 そして、いわゆるBWRの場合は、フィルタつきベントの義務づけが、即座に整備することが義務づけられているわけであります。よしんばそれが整備されても、さき方御報告のありました99.9%除去ができるということでありますが、その場合の放出の際の前提となる状態というものをどういうところに置くかということで、これもまた変わってくるわけであります。福島の場合は、格納容器といいますか、それ以上にフィルタベントの総出量というものが炉心損傷の被曝だけでなくて、燃料の溶融、それから汚染蒸気、格納容器の噴出というもので出ておりますから、この前提をどう置くかということでうんと変わってきて、住民への影響というものもそれによってまた考えなくてはならないということになってくると思います。このあたりはどうなっておるでありましょうか。
 また、福島の事故の前に、これは今回の廃炉作業の中で明らかになったわけでありますが、損傷燃料、破損燃料と言われるものの存在が明らかになってまいりました。これについては、今それを格納容器に入れるいわゆる資機材といいますか、そういうものもまだ開発がされておりませんし、ましてや輸送ができないとされているわけであります。この損傷燃料、あるいは破損燃料とも言われます存在というのは中電の場合はいかがでありましょうか。
 あわせて、幾ら適合審査といっても、原子力発電所の使用済み核燃料の最終処理体制がまだ確立をしておりません。また、その実現の見通しが立っておりません。ここにやはり一番大きな不安を持つわけでありまして、これは国が考えることだということではなくて、中電としてもこのような見通しを持っていると。その中にあって考えているということがなければ、幾ら適合審査だと言っても、住民からすれば不安が消せないわけであります。
 そして最後に、住民への説明会は、適合審査の結果を受けて行うというところまでもなかったかと思いますけれども、それからというようなことがありましたが、私はぜひ今の段階でやっていただきたいと思います。
 あわせて、島根原発、今回は2号機でありますが我々が非常に注視しておりますのは、ほぼ完成に近づいたと言われている3号機の存在。仮にこれが稼働するということになると、福島原発以後全国初の出来事になるわけであります。だから、今回の適合審査は一件審査でなければいけないと思うのです。準備が整ったら、2号機審査の結果も待たないうちに、もう準備をしているのだというのは、私はよろいの下から本体が見え隠れしているというのがうかがえますので、やはり一件審査だと。この2号機がどうであるかということを受けて、それについての対策、さらには他の3号機などのことを考えていくということの順序になりはしないでしょうか。ぜひこれは強く主張したいと思います。よろしくお願いいたします。

●古林中国電力株式会社常務取締役
 幾つか御質問賜りましたけれども、国のガイドラインの判断ということについては、国がお考えになられることですので、我々から申し上げることはございません。
 柏崎刈羽を除いてBWRの申請であって、Bの申請ということについては、当社だけでなくて他社についても進められているというふうに理解をしております。もちろん、最後の質問にも関連するのですけれども、まずは、中身を整えて審査をしていただく、判断をしていただくということが何よりも重要だと思っております。
 フィルタつきベントにかかわる判断基準といいますか、住民の方への影響ということの御質問をいただきました。
 もちろんフィルタベントを使う前段で、きょうお示ししましたような原子炉を損傷させない対策が十分機能すれば、フィルタベントを使う必要はないというふうに考えております。そういった意味では、こういった対応を充実させることがまずは重要だと思います。最後の手段として、格納容器の損傷のおそれがある場合にこの判断をするということになります。
 格納容器の損傷のおそれが出てくるのはどういう場合かということになりますけれども、炉心が損傷して、その炉心の蒸気が格納容器に漏れ出す。さらに、その格納容器で温度、圧力が上がって、格納容器が耐えられなくなると、こういった状況を想定するわけです。今回の東京電力さんの福島第二発電所でも、格納容器の圧力がどんどん上がって、800キロパスカル前後になって、最後にその圧力がどんと落ちたという事象もございましたけれども、この格納容器の損傷によって、周辺の皆さんへの放射能の放出の影響というのは非常に大きなものが出るおそれがあります。そういった意味で、格納容器を守ることが住民の皆さんの被曝低減につながるというふうに考えております。そういった意味では、オフサイトセンター、自治体の方、あるいは国の皆さんと連携を密にして、こういったことが起こらないように、我々としては最善の対応をしてまいりたいというふうに考えております。
 説明会についてのお話をいただきました。
 実は、地元におきましては、今週末から来週にかけて3回、出雲、安来、雲南で地元の皆さんへの説明会を予定しておるところでございます。今後、皆さん方と意見交換をさせていただきながら、適切にこの辺は対応してまいりたいというふうに考えております。
 冒頭申し上げましたとおり、国の審査を受けた後、より精密にといいますか、細かく御説明させていただくことが地域の皆さんの安心につながるのではないかというふうな考え方も持っております。
 損傷した場合の使用済み燃料ということでの御質問も頂戴いたしました。
 もちろん事故後のお話だというふうに理解しております。島根におきましては、これまで40年間運転をして、燃料の破損は一体も出ておりません。そういった意味で、燃料に対するケアというのは非常に高いレベルで対応してきておるというふうに考えております。
 万一の事故時に燃料がどうなるかということについては、事故の状況によって全く状況が変わりますので、東京電力さんのように、中間貯蔵施設といいまして原子炉の建屋とは別に燃料を貯蔵する設備は当社は保有しておりません。これは、現状、燃料の保有数量が1号機、2号機を合わせて全体の49%という状況もございまして、今後6カ所の施設が順調に稼働すれば、こちらに燃料を輸送することで中間施設はまだ当分要らないという認識で対応している状況によるものでございます。
 3号機の位置づけでございます。3号機につきましては、2号機の審査が終わってからでいいではないかということで、2号機は認めていただける発言もあったと理解しますけれども、3号機については、2号機と同様に、きちんとやはり内容を、既設と同様だというふうに国のほうもお話をいただいております。そういった意味では、現在、原子炉に燃料は入れておりませんけれども、稼働した場合に、どういうふうな状況になるかということで、これはきちんと申請の資料が整備できた段階で国に申請すべきものというふうに考えております。
 先ほど議員からお話がございましたように、先行の電力は、併設した原子炉で既に何基も申請がなされておりますので、そういった状況からも御理解いただけるものと考えます。

○長谷川議員
 正確に受けとめてください。このたびの申請は新規制基準に対する適合審査であり、少なくとも一件審査であるべきだと。さっきのような受けとめ方をされますから、政治の世界で、再稼働はよくて新設はだめだなどということはあり得ませんねなどという論がまことしやかにひとり歩きするのです。そういうことを許してはいけません。一件一件の審査ですよ。そのことをだめ押しさせていただきまして私の発言としたいと思います。

◎野田議長
 議論も出尽くしたと思います。
 以上で、中国電力からの説明を終わります。
 古林常務さん初め、皆様方にはお忙しいところ、懇切丁寧な説明を賜りまして、心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 暫時休憩いたします。再開は10分後といたします。

午後2時50分 休憩
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午後3時00分 再開

◎野田議長
 再開いたします。
 島根原子力発電所2号機に係る新規制基準の適合性確認審査の申請についての中国電力株式会社からの事前報告への対応状況について、知事に説明を求めます。

●平井知事
 皆様、こんにちは。
 先ほど来、原子力発電所の課題につきまして真剣に御審議を賜っておりますことに敬意を表したいと思います。また、昨日までの一般質問におきまして、議員各位、各会派からさまざまな御意見をいただき、この課題につきまして、私どもの導くべき方向性を出しつつあること、本当に感謝を申し上げたいと思います。
 原子力発電所の稼働を目指してということではないかと思いますが、適合性申請が11月21日付で鳥取県にその事前報告が来たところでございます。これにつきましては、本会議におきまして幾度となく御審議をいただいたところでございます。
 それに基づきまして、鳥取県として意見を出すタイミングに差しかかってまいりました。これは、島根県議会でも同時並行の形で議論が続けられてございます。島根県におきましては、この適合性申請につきまして、提出することを了承すると。それで、また後日、改めて最終的な見解を出すと、こういうことを柱にしました御意見で今取りまとめが進んでいまして、これは皆様も報道等で御承知のとおりかと思います。
 また、昨日は米子市、境港市の両市長とテレビ会議方式で意見交換をさせていただきました。そこで両市の取りまとめの方向性につきましてお話がございました。現実に、米子市議会におきましては、きょうの午前中全員協議会が開催をされまして、そこで市長の方針が了承されたと伺っております。
 両市からの話、あるいは島根県からの話の詳細は後ほど危機管理局長のほうからその様子を御報告を申し上げたいと思いますが、概要は、境港市長からは、今回これについて提出に了承することは粛々とやってよいのではないかというお話がありました。また、汚染水問題につきまして、福島原発の今の状況もございまして、これについては意見を出すべきだというお話がございました。
 また、米子市長のほうからは、これは法律に基づく手続であるので、これに対して了承を与えることは可としたいということでございました。ただ、その際に、これからいろんな手続があるでしょうけれども、立地並みに扱うということを島根原発について中国電力に対し求めるべきだという強いお話もございました。また、島根県から幾つかいろんな論点が示されていますが、おおむねそれは当方でも了解できるということでございまして、そうしたことも含めた意見提出について、米子市の野坂市長の話がありました。
 私のほうは、これまで議会に御説明を申し上げていたとおりでございますが、両市の意見をきょう承りましたので、それを盛り込む形で意見を取りまとめるべきだと考えます。それについて、県議会側にもお諮りを申し上げたいというふうにお話をさせていただきました。なお、同様の手続が島根県側の市のほうでも進んでおりまして、同様の話が今動いているところでございます。
 ぜひとも皆様にも御審議をいただきまして、可能であれば、きょう方向性が出ればと思いますし、ぜひ皆様の御意見もいただきたいと思います。
 これまで一般質問の議論、また代表質問での議論がございました。それを私なりに拝聴しておりました。それから、先ほどの古林本部長のここでのさまざまなやりとりについて、危機管理局からブリーフィングを聞いたところでございます。
 この手続は今後まだ進展していく可能性があるものでありますので、私は慎重に進めるべきだというふうに思います。また、鳥取県に対する意見照会をこの後やるとか、どれほど周辺の扱いを立地と同等に扱っていくのか、この辺はまだまだ我々としても詰めていくといいますか、追及をしていかなければいけない部分が残っていようかと思います。ですから、基本的には、今回この適合性申請についてでありますが、境港市長もおっしゃっていますけれども、国の規制委員会の審査に付することで、それが今回の安全管理が行き届くものになるかどうかの重要なステップなのでそれはさせたほうがいいというお話がございましたが、私も原子力規制委員会が審査を行うことはむしろ安全に資する面はあるのではないかとは思います。
 ただ、最終結論をこの段階で中国電力に申し上げるのがいいかどうか、これについては若干ちゅうちょがございます。したがいまして、最終的な可否についての意見は留保し、それで、後日審査を規制委員会のほうで行う、その説明を受ける、原子力関係の県の専門委員会の意見も聞く、もちろん県議会や両市の意見も聞く、そうやって改めてこれについては意見提出をさせていただくと、そういうような断り方といいますか、申し入れの仕方を基本的にはしてはどうかなというような考えを持っております。今までの代表質問や一般質問のさまざまなお立場の御意見を伺いまして、そういうようなスタンスでどうだろうかというのが一つの考え方です。
 あと、境港市長、また米子市長もおっしゃっていたことでありますが、汚染水問題等、重要な論点についてはこの際意見提出すべきだと思います。適切な対応をとるべし、それについて私どものほうにも今後十分な説明もするべしと、そうしたことを例えば断層の問題であるとか、さらにフィルタつきベントの問題であるとか、さまざまな論点があります。そうしたことにつきまして、主要なものを意見としても盛り込む必要があるのではないかというふうに考えているところであります。それが米子市、境港市、両市の意見も踏まえて、包括団体である県として提出すべき意見の方向性ではないかというふうに考えているところでありますが、議員各位のお考えや御質問などをぜひいただきたいというふうに思います。
 詳細の今までの経緯等につきまして、城平のほうから申し上げたいと思います。

◎野田議長
 危機管理局長に詳細説明を求めます。

●城平危機管理局長
 昨日の米子市長さん、境港市長さんを含めまして、知事と意見交換をされました。その状況につきましての要旨を報告させていただきます。
 お配りをしております資料をごらんいただければと思います。
 境港市長様のほうからは、今回の審査につきましては、法律に基づくものであるということで、粛々と手続を行っていただきたいということがございました。その上、最終的な判断については、今後の審査結果を見てから改めて考えたいということでございました。そして、境港は漁業のまちであるということを言われた上で、福島第一原発では、地下水が流れ込んで放射能汚水として海などに流出していることを踏まえて、汚染水対策に万全を期していただきたいということを言っていこうということがございました。そして、島根原子力発電所の再稼働に当たっては、立地自治体と同様の対応を行っていただきたいということがコメントとしてございました。
 次に、米子市長様のコメントですけれども、中国電力の申請については、原子炉等規制法の改正によって許可をとらないといけないということで、新規制基準への適合性について、国の審査を受ける必要があることから行われるものだと理解をしていると。そのようなことから、原子力規制委員会には専門的な立場から規制基準への適合性を審査していただいた上で、その結果についてきちんと説明していただいて、最終的な判断をしたいというふうに考えていると。米子市としては、このたびの申請を了解をしたいということでございました。そして、島根県のほうが、中国電力や原子力規制委員会へ要請しようとしていることについては、7項目ございますけれども、適当なものだと考えるので、両者に対して述べる意見の中に入れてはどうかということがございました。そして、一番最後のところでございますけれども、安全協定の運用について、今後も立地自治体と同様の対応を行うことの要請を行ってはどうかということがございました。
 このような内容の両市の方針が示されたところでございまして、先ほど知事からも申し上げましたとおり、米子市のほうでは、きょうの午前中に全員協議会でこの方針について了解が得られたというふうに伺っております。
 次に、もう一つの資料のほうをごらんいただければと思います。島根県のほうから来たものでございますが、これについては、島根県の防災部長から私宛てに来たものでございます。
 これは、島根県のほうでは総務委員会のほうに県の考え方を取りまとめて報告されたということで、報告した内容のお知らせが来たというものでございます。この総務委員会に報告をされたものにつきましては、最終日の13日に委員長報告をされて、議会のほうの何らかの決定がなされるのではないかということでございますが、そのような手続を踏んだ上で、後日、鳥取県に対する正式な意見の照会があるということでございました。
 おはぐりいただきまして、1ページをお願いいたします。1ページの1番の項目で、事前了解に対する2段階の了解ということで、申請については了解をすると。安全協定6条の最終的な了解については、原子力規制委員会からの審査結果などを受けて、県議会などと相談をした上で総合的に判断されるということでございます。
 2番目の大きな項目の周辺自治体との関係でございますけれども、周辺自治体との関係では、鳥取県などと交わしました覚書に基づいて中国電力や原子力規制委員会に伝えられるということで、中国電力への回答は、全ての関係自治体の意見が出そろった後にされるということでございます。
 2ページ目をごらんいただければと思います。中国電力株式会社への申し入れ。先ほどの米子市長様の申し入れ7項目というのがこれに当たりますけれども、規制委員会の適合審査の状況などについて、適切に関係自治体のほうに説明するように。関係自治体などに対して丁寧な情報提供を行うこと。それから、宍道断層の評価など、地震、津波の想定については適切に行うこと。フィルタベントや汚染水対策などのシビアアクシデント対策については、適切に実施するとともに、その説明を関係自治体に特に丁寧に行うこと。5番目では、安全対策については、教育や訓練などの人的な対応についても不断の努力をするようにということ。6番目の項目としては、安全性向上のために自主的かつ主体的に行うこと。7番目には、原子力発生時における防災対策の構築に当たっては、平時から関係自治体と緊密な連携を図ることということでございます。
 原子力規制委員会への申し入れについては、それに対して国のほうで審査をしてきちんとしてもらうとか、フィルタベント、汚染水対策などについて丁寧に審査をすることというような、先ほどの中国電力へのものに対応するような内容7項目を申し入れしようというような考え方が示されているところでございます。

◎野田議長
 ただいまの説明に対して、御意見、御質疑等があれば、お願いいたします。

○山口議員
 今知事からいろいろ話がございましたけれども、米子市と境港市の回答も出ておるわけでございまして、あるいは県議会の質問の内容であるとか、そういうものを考慮して知事が判断されるということですので、まず、知事の考え方をまとめてもらってそれに対応する必要があるのではなかろうかと思っておりますけれども、私どもは今聞きました内容については、立地県並みというのが出ましたけれども、これは適性審査とは関係ないことでしょう。ですから、適性審査の内容、それから立地県並みのことについては時点がちょっと違いますので、それをセパレートして対応してもらうことが必要ではないかと思いますけれども、今聞く範囲では、私どもが考えておった以上のことを中電側は対応しておられるということですけれども、議員の皆さんから出たのは、やはり立地県並みということでございます。それから、もう一つ、中電側は安全基準以上の事故対応をしておられるという印象を私どもは受けたわけでございますので、今具体的にはそれ以上のことは中電のほうに申し入れておりますので、議事録にも残っておりますので、そういうものをしんしゃくしてもらって、知事の考え方をまとめていただくことがいいのではないかと思いますけれども、議長どうでしょうか。

◎野田議長
 ただいま知事の考え方を聞いたところでありますので、それらについて、全員協議会として了とするか否かということであります。山口議員のおっしゃるように、立地県並みであったり、安全基準等についても、これらも含めながら、まず……。

○山口議員
 議長、私が言いますのは、中電側から適合申請についての問題と、それから規制庁に立地県並みというのは関係のないことですから、こういうものはやはりセパレートして知事の考え方をまとめてもらって検討すると、こういう形のほうがいいのではないのでしょうか、どうでしょうか。

●平井知事
 山口議員のほうからお話がございました件でありますけれども、セパレートという御趣旨がいろいろと思いはあるのだろうと思いますが、今私たちは何方向かに意見を出さなければいけません。1つは中国電力に対して、1つは覚書に基づく島根県に対して、また、国の規制庁、あるいは経産省に対して、それぞれに意見を同時に出していく必要があると思います。それで、中国電力に対して、立地県並みに取り扱うということを我々は強く求めなければなりませんし、また、国に対して、新しいシステムとして、立地と周辺と同等に扱って、周辺の意見も入れた上で地方の声に耳を傾ける、それで再稼働についての判断をする、そういう仕組みをつくってくれと、これを改めて申し入れなければいけないと思います。
 実は、11月15日に私も経済産業省を訪ねまして、今議員がおっしゃるような趣旨を申し上げました。まずは、規制委員会のほうで審査をしてもらう。その結果が出た後は地方の声を聞きながら判断していくことになるということを経済産業省は言っていました。その際に、周辺のこともちゃんと取り込んでやってもらうということをあわせて国には言わなければいけないのだと思います。そして、中国電力なり、あるいは島根県を通して中国電力なりのところでは、先ほど申しましたように、今の現状では、例えば最終的責任を持って了解というのはどうかなという気がいたしまして、現状では留保だけれども、せめて例えば住民説明会を今後やれよとか、あるいは汚染水対策をきちんとやれよとか、そうした幾つか、議会だとか、米子市、境港市で論点となったようなことを意見に書いて同時に出すというのがよいのではないかということで申し上げました。そういう意味で、セパレートしながら、整理をしながら、方向性を考えて出していきたいと思います。

○山口議員
 そういうことです。整理をしてもらってということで。

○市谷議員
 このたび、文面上は島根県にはこの申請について事前了解と。鳥取県は事前報告ということになっておりますけれども、同等に対応するというのは、私たち鳥取県にも同等の決定権を与えられているかどうかということが非常に重要だというふうに思います。ですから、結論から申し上げますと、きょうの中電の説明を聞きましたけれども、中国電力を審査させていただきましたけれども、私はとてもではありませんけれども申請を認めるに値するような説明ではなかったと。申請は認められないということをまず申し上げておきたいというふうに思います。
 どういう点が認められないかということですけれども、基本的に安全な原発はございません。まずそういう前提に立たなければならないのに、今回の申請の内容についても、いろいろやってきて、申請が遅いくらいだったというふうな話がございましたけれども、では、今の対策についてどうかというと、不十分な点がきょうでも指摘されているわけです。指摘されたのなら、それを改善してから申請するというのが本来の姿ではないでしょうか。問題点が指摘されているのに、直しもしないで申請するということはあり得ないです。私はこの姿勢は本当に許せないというふうに思いました。
 フィルタつきベントについては、かねてから指摘もされ、きょうもセシウムについては99%除去できますと。ただ、放射性ヨウ素については除去できないと。住民の皆さんは避難してくださいとおっしゃいましたけれども、避難計画ができていないところもあります。それから、鳥取県の避難計画だって完全ではないですよ。ところが、この間、4日に行われた説明会では、この中電の安全対策と避難計画は別だとおっしゃるのです。これは前提ではないというふうに思うのですけれども、ヨウ素があふれます、逃げてくださいと。避難計画が十分ではないのに、どうして安全だと言えるのでしょうか。これは認められません。
 事故後の対策、汚染水対策、これも不十分だと出ています。できていなければ、対策をとってから申請すべきではないでしょうか。こんな姿勢はないと思います。
 住民説明もされていない。私も4日に行きましたけれども、住民の皆さんはただの傍聴者扱いですよ。私もいっぱい質問したので、本当に申しわけなかったと思いますけれども、住民の皆さんの意見を聞くような機会もないようなものをもって、説明会をやりましたなどということが通じるのでしょうか。これが真摯に応えるということでしょうか。私はこういう中国電力の今の姿勢でもって、不十分さがわかりながら申請を認めるということにはならないというふうに思います。
 もう1点、島根県並みというのは、先ほどから知事の説明を聞いていますと、手続は同等かもしれません。けれども、決定的なのは、私たちに決定権が与えられているかどうか、ここだというふうに思うのです。鳥取県がだめだと言ったら中国電力は申請をやめるのですかと何度聞いても、真摯に応えますと。答えがないのですよ。それから安全協定は当然同等のものを求めたいと思いますけれども、今みたいに、こんなはぐらかされている対応の中で、同等の権限が与えられているというふうには、私はきょう聞いていてとてもではないですけれども思えませんでした。何の保障もありません。この状態で申請を認めるなどということは、とてもではないですけれどもできません。
 先ほどと重なりますけれども住民説明、きのう知事は一般質問の中で、米子や境港の皆さんが住民説明を求めるのであれば求めたいということもおっしゃいまして、それはこれからなのですよ。住民の皆さんがまだきちんと説明も聞いていないのに、申請を認めるということがあってはならないというふうに思います。
 ここは全協ですので、意思決定ということにならないかもしれませんけれども、鳥取県の意見を言うというのであれば、少なくとも全ての会派が申請は認めるという意思が表明されない限りは、一つの会派でも、一人の議員でも申請は認められないと言えば、知事は認めないということを言っていただきたいというふうに私は思うのです。どうでしょうか。

●平井知事
 中国電力の先ほどの説明の中にいろいろあったのだと思いますが、市谷議員のほうからも厳しく同等かどうかだとか、そうした問いただしがあったのだろうというふうに思います。
 これは、多分プロセスで続いていくのですね。順次これからいろんなことが起きてくる、手続が進んでくるのだと思います。私も本会議で申し上げましたように、これは法律上、適合性申請ですから、いずれにせよどの炉でもいつかはやらなければいけないというようなものでありますので、これ自体は法に基づくプロセスだと。だから、米子市長や境港市長はそういう意味で粛々と進めざるを得ないのではないかということをきのうもおっしゃっていたのですけれども、私は、きょうのところは申請を認めるという言い方よりは、あえて留保させてもらおうと。その上で、言うべきことは意見として出しますよと、こういうように言っているわけであります。それは、これまでの代表質問、一般質問の皆様の御議論を聞いていても、最大公約数でまとめていかなければいけないと思いますので、私はそういう言い方をさっきあえてさせていただいたわけでございます。
 その中で、例えば住民説明の機会とか、そういうのも今後は求めていくべきだと思いますし、その場は中国電力も拒否したわけではなかったのだと思いますが、これからそのような場も我々も必要に応じて求めていく必要があるのではないかというふうに思います。
 実は、これはとにかく立ちどまればいいというものではないというふうにも思います。と申しますのは、私たちは苦労して、今までこうして交渉を重ねて、ようやく安全協定上の地位を得るに至りました。意見を出せるのです。その意見を出すということをやはりまとめるのであれば、今まとめなければ誰も聞いてくれなくなります。そうすると、鳥取県の安全対策について、結局捨象されてしまいかねないわけでありまして、言うべきことを適時適切に言っていく、こういう姿勢でなるべく最大公約数のコンセンサスを得る努力をしたいということでございます。
 その意味で、きょうのきょうまで自分の最後の考えは申し上げませんでしたけれども、米子市や境港市、あるいは今までの議員の真摯な御意見を一つにまとめるとしたら、こういうところかなと先ほどちょっとアイデアを申し上げたところでありますので、御理解をいただきたいと思います。

○福間議員
 私は、結論的に言いますと、知事の示された考え方でいいだろうと賛意を表明したいと思っています。
 再稼働に向けての一里塚であることは残念ながら明白なのですね。ここの議場でもいろいろ意見も出ていますように、原子力発電そのものに即廃止をしたいという思いの人もいらっしゃると思います。あるいは原子力は容認せざるを得ないのではないかという考えの人もいるかもしれません。いろいろな意見があると思いますけれども、極めて危険であることの共通認識は皆が同じだと思うのですね。
 そういう中で、先ほど知事からお話がありましたように、法の改正に基づく申請行為についてはやはりやむを得ないだろうと。このことについては、再稼働の一里塚であるけれども、残念ながら認めざるを得ない。しかし、再稼働容認ということとは別段階という捉まえ方をしなければならないと思うのです。再稼働とは絶対別なものであると。なぜかというと、もう一つは、いずれにせよ、今そこに1号機、2号機、3号機が、稼働中ではないけれどもある現実もあるわけですね。この安全性もやはり私たちは押さえていかなければならないだろう、そのことも私はあると思います。そういう意味で、知事の思いとして提起のあった内容については私は了としたい、理解をしたい。
 ただ、お話がありますように、一番不安を感じているのは私どもではないのです。境港市の人であったり米子市の人であったり、県内の米子、境港を中心とする周辺住民の皆さんが一番不安を感じていらっしゃるのです。議員が話を聞いたからオーケーだということにはならないと僕は思うのです。そういう意味では、今知事もおっしゃいましたけれども、住民説明会をどう開催して皆さんに理解を得るのかというのは、やはり中電さんももう一度本気で向き合わなければいけないのではないでしょうか。行政サイドとしても、知事が呼びかけられて、鳥取、米子、境港で住民説明会を中電が出かけてせざるを得ないような組み立てというのはできるのではないですか。そういう仕組みをしながら、電力を使っていく住民の皆さん、しかも原発と背中合わせで毎日を生きている住民の皆さんに対するやはり行政責務が私はあるように思うのです。だから、そういう意味では住民説明会を何としてもやるということが一つの了とする条件にしてもいいと。
 もう一つは、やはり安全協定は根本的に見直してもらわなければいけない。こんなばかな話はないですよ。立地自治体と隣接自治体とで電力料金に差がついているのですか。私はそう思いたくなるのです。そういう意味では、皆さん方の大変な御苦労があって安全協定の締結までこぎつけられた。その内容に基づく申請が今回出てきているわけですから、そういう意味では、この安全規定の根本的な見直し、少なくともやはり立地自治体と同等の権限を持つ安全協定を強く要請すべきだというぐあいに申し上げておきたいと思います。

●平井知事
 福間県議から最終的には了とするというお話も含めて、非常に厳しい御指摘をいただきました。
 私たちはこの原子力発電という文明のいわゆる成果なのかもしれませんけれども、ただ、文明というのは、もろ刃のやいばという面もございます。それに現実に真摯に向き合わなければならないことを改めて痛感をさせられました。
 その意味で、地元の住民の方に対する説明会をきちんとやるとこなど、これにとどまらず、中国電力が今まで、この安全協定の議論を我々が提起する以前には、正直申し上げまして一切なかったです。それが今こうして議場にも出てくるようになって、大分さま変わりはしてきたのですけれども、住民の皆様への、例えば町内会へ出かけて説明をするとか、そうした姿勢にはまだまだ欠けているのではないかと私も思います。ですから、先ほどの市谷議員の御意見もございましたけれども、きょうのこの厳しい県民代表の言葉を改めて中電側にもぶつけることにしたいと思いますし、提示する意見の中にも、そうした説明会の開催等を入れる必要があると思います。
 また、立地並みに扱うということ、これも当然ながら提出する意見の中に入れる必要があると思いますし、粘り強く、立地と同等の権限の原子力安全協定へ改定するように、これは今協議がさしかけになっていますが、働きかけを一層やっていく必要があると思います。
 大切なのは、現実にもうプロセスは動き始めているのです。ですから、今回、私たちは意見を出します。その意見に対して、向こうがちゃんとやるかどうか、これを見たいのです。それで、最終的に鳥取県が言ったとおりになるかどうか、そこを今度は力で押していかなければいけないわけであります。そのときに、立地と我々鳥取県との差がつくようだったら猛然と抗議しなければなりません。それが安全協定を結んだ以上の責任だというふうに思います。ですから、皆様のお気持ちも実は共有しておりますので、基本的に立地と同じだと向こうも言っているのですから、中身がそうなるように追求してまいりたいと思います。

○山口議員
 一つ、住民説明会ですけれども、先ほど中電側は島根県で3カ所ほどやるということでしたから、行政がリーダーとなってやるのではないと感じましたけれども。

●平井知事
 原発を稼働させようと考えておられるのは電力会社であります。ですから、電力会社が責任を持ってその事業について理解を得るべき立場で、我々は代弁者ではないです。第三者、あるいはむしろ住民の立場の存在だというふうに思います。
 ちなみに、午前中の米子市議会の話を一つだけ御報告させていただきますと、米子市議会の全協の中でやはり住民説明会の議論が出ましたが、米子市は了解という言葉を使っていますから、申請は了解をした上で、その後住民説明会を開くように中電に求めてくれと、そういう意見を昼ごろ鳥取県側によこしています。これが米子市全協の結果の一つであります。

○森岡議員
 ただいまの知事のこの問題に対する決意というのですか、そういう対応を聞いて、私も安心しております。
 先月、福島原発の近くまで行きまして、20キロ圏内の人たちの生活を見ました。もし島根原発で同じ事故が起きれば、当然境港市は人っ子一人いません。それから、米子市も弓浜半島からはいなくなります。絶対にそういうことがあってはならないという思いであります。現地の漁協の皆さん、漁連の皆さんに聞いても、東京電力を全く信用しておりません。というのも、ことしの7月になって初めて汚染水が漏れているということを認めた。全く情報が伝わっていないということから、住民も東京電力に対しては全く信用していません。今回の問題も、性悪説といいますか、そういう思いで我々は取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
 この汚染水問題、一たび漏れると山陰沖漁業は壊滅です。鳥取県の水産業、島根県の水産業、鳥取県の産業からは水産業という言葉は消えてしまいます。絶対にあってはなりません。
 島根に聞きますと、毎日800トンの汚染水を処理しております。実際400トンの地下水が漏れて、汚染水となって800トンになると。あとの400トンは循環させているのですという説明がありましたが、実際はそれ以上漏れているというお話を聞いております。ですから、ここにありますとおり、汚染水対策も大事なのですが、地下水脈、こういった知見をしっかりと鳥取県としては重ねるように、そしてまた中電にも申し入れをしていただきたいというふうに思います。
 先ほどシビアアクシデント、航空機の話がありました。中電側の説明では、火災に対する対応ということでありましたが、同僚の砂場議員の767が衝突したときはどうなるのだということで、一番懸念されるのは使用済み核燃料であります。そのプールが破壊される、そういった状況が一番の問題点であろうかと思います。そういった点も含めて、このシビアアクシデント対策、どういうものが想定されるのか、鳥取県側としてしっかりと中電側に申し入れをしていただきたいと思っております。

●平井知事
 ただいま汚染水対策とシビアアクシデント対策につきましてお話がございました。
 汚染水問題は、11月25日に同じ古林本部長に御来庁いただき、そこで私どものほうからも申し上げました。その際に、古林本部長は、先ほどどういう説明をされたか、そこまでは確認しておりませんが、地下水脈の調査が必要であると彼自身も言っていました。そういうことをしながら、有効な汚染水対策というのを考えなければならない。それについては検討するという言い方をしていました。今回我々のほうでは、その汚染水対策をやりなさいと、条件づけとして意見に書くことで担保をとっていきたいというふうに思います。
 シビアアクシデント対策もおっしゃるとおりでございまして、これもいろんなことが想定されて、どれをやればというのがなかなか見出しにくいところもありますけれども、そういうシビアアクシデント対策をいろんな可能性に備えで十分とるように、これも意見として強く申し述べる必要があると思います。

○錦織議員
 知事は、安全審査をいつかはやらなければいけないと、これは一つのプロセス、もう進んでいるからというふうにおっしゃっていますけれども、先ほどもるる皆さんがおっしゃっているように、汚染水対策とかシビアアクシデント対策が非常に不十分というか、まだやられていないということ、そして技術的に不十分だということがいろいろ出てきているわけです。ですから、そういうことがわかっているのに、今出さなくても、それができてからということも考えられるのではないかと。島根県が結論を一応出されたので、知事や米子市、境港市が、なぜそれに合わせるかのようにやられなければいけないのか一つ疑問です。
 それと、知事は先ほど自分は中電の立場でなく住民の立場だと。それだったら、全て決まった後で住民説明会を開くのではなくて、私は島根の場合だって本当にひどいと思いますよ。あしたもう決めるという、それから後に住民説明会を開くなどということ、こんな話は普通はありませんよ。鳥取県だって、知事が本当に住民第一と考えるのだったら、県議もある意味住民の代表ということもあるかもしれないですけれども、今は本当に大事なときなので、広く住民の意見を聞く、そのことが終わってから、本当ならこういう全協を開いてやるべきだというふうに私は思いますし、ちょっと時期尚早ではないかというふうに。もちろん私は反対の立場ですけれども、それにしてもです。

●平井知事
 錦織議員からお尋ねをいただきました。
 だからこそ、了解というふうに言うつもりがないということです。留保ということできょうは申し上げたいということなのです。それは、私どもは専門家会議をせっかく設置しましたので、そういうところでもこれからまだまだ十分審査をしたいし、ただ米子や境港の市長がおっしゃることもよくわかるのです。また、島根県が言っている趣旨もわかるのは、結局一番のブレーンが原子力規制委員会にいるというのは残念ながら現実なのです。その原子力規制委員会がそこでかなりの尽力と気力を回しまして審査をするというのは、安全のフィルターをかけるという意味では有効性はあるだろうと思います。それが十分かどうか、例えば汚染水問題がまだまだ入っていないではないかとか、我々は規制委員会のほうにちゃんと基準を入れろと言っているわけでありますが、そういうようなことはあるにしても、今のゼロの状態から、安全の担保を得るためにフィルターを通していくということは、それはあってもいいのではないかということでは理解できるわけです。
 ただ、了解したということではなくて、これからまだ住民の皆さんのいろんな御意見も出てくるかもしれませんし、事情の変更もあるかもしれない。汚染水対策がどれほど進むのか、それもみんな見たいところでありますし、ですから、我々としては、最終的な可否についての意見は留保すると。それで、規制委員会の審査が終わり、我々のほうでもいろんな知見を総合した上で改めて最終的な意見を出しますよと、そういうような取りまとめをしてはどうかと言っているわけでございまして、御理解を賜りたいと思います。

○興治議員
 知事の説明はわかりますし、私も福間議員とか森岡議員と同等の意見ではあります。
 ただ、2点質問なのですけれども、2点とも今後の申請に対する了解の手続と意味の部分なのですけれども、きょう配付されている島根の資料を見ますと、事前了解願に対しては、2段階の了解をするのだということです。中国電力から島根県に対して、安全協定の第6条に基づいて事前了解願が出ていますと。これは適合性確認申請書を出すための事前了解だと思うのですね。それに対して、島根県は、今回確認申請することについては了解すると。ただし、安全協定第6条の最終的な了解は総合的に今後判断するのだということになっているのですね。今回、その申請については了解するのだけれども、最終的な了解は今後総合的な判断するということはどういう意味なのでしょうか。ちょっとそこを教えてください。
 今回適合性確認のために申請されるのが3つの許可申請だと聞きました。原子炉設置の変更許可、工事計画の認可、保安規定変更の認可ということで、今後これに基づいていろいろやりとりがあって、原子力規制委員会のほうからいろんな修正も求められて、それに対して中国電力がさらに反応して応じていくということになるのだろうと思うのですけれども、それら総体が明らかになってから総合的に最終判断するということなのかと思うのですけれども、そこのところを教えてくださいということと、もう1点、今回鳥取県が回答しようとしているのは、先ほど知事の説明で、意見は留保すると。だから、今回の申請の可否についての意見は留保するということですね。ということは、島根県は申請だけは了解しますよということなのだけれども、鳥取県はそうでもないと。そのことについての可否の意見も留保するのだということだから、島根県の回答のあり方と違うのかなと思うのですけれども、その辺の説明もお願いしたいと思います。

●平井知事
 興治議員から、手続上のことにつきましてお話がございました。
 実は私どもの原子力安全協定は、第6条というのがございまして、ここに、設置変更許可をするときには事前に我々のところに報告に来るということであります。ここに、今回工事計画認可とか、保安規定認可が一緒に来ているということでございます。いずれにせよ、これに対して事前報告があったということです。これに対して意見を出す権限を我々はかち取ったわけであります。ただ、その意見を出す時期は、協定上厳格には規定されていません。例えば2週間以内だとか1カ月以内と書いてあるわけではありません。
 ただ、世間の情勢を見ていますと、島根県であれ、もう動き始めておりまして、では工事認可申請を出すということで、規制委員会の審査を受けるということをされるわけでありますが、それはそれで、やってもらっても安全度を高める方向には働くので、それはいいのかなと。ただ、これに対する返事としての意見は後で言いますよ、我々はちゃんと中身ができているかどうか、また、各原発サイドも時間がかかっていますのは、正直いろんな差し戻しなりなんなりがあるのだそうです。こういうような設備が足りないだとか、こういうふうにすべきだとか、いろんなことがあったり、あるいは地震でいえば断層調査をやらなければいけないといって、今美浜だとかがやっているわけです。ああいうようなことが今各所で起こっていまして、そういうようなところの状況もやはり見なければいけないわけであります。我々としてはそれを全部伺った上で総合的に判断したいと、それが最終的な意見を提出するということであります。
 ですから、イメージとしては、島根県のペーパーでいきますと、1の(2)に当たる段階で、それまで住民説明会だ何だということも中電にやってもらって、いろんな意見が出尽くしたところで我々としては判断をしていくということでいいのではないかと。この段階に至るまで、多分半年だとか、かなり長い時間がかかりますので、その間に我々としてもしっかりと体制を整えたいということです。

○興治議員
 島根は、今回申請することについては了解するけれども、最終的な了解は後々総合的に判断するということですね。鳥取県は……。

●平井知事
 先ほど申しましたように、6条で言われているのは、この設置変更許可ということについて意見を出してくれと今言われているわけであります。ですから、申請を出す出さないということだけで限定して意見を出す必要もないというふうに思います。むしろこの設置変更許可の中身となるような具体的な施設がどうなってくるのか、また、施設の変更に至るための審査の状況はどうなのか、それを総括した上で返事をしようということです。
 もう少し厳密に申しますと、実は、私はまだもう一回あるのではないかと思っているのです。今のこの島根県の書き方で見ますと、とりあえず適合性申請ということでキャッチボールを今回やっていますが、最終的なところは、その審査が終わった後でやることになります。この後にもう一回あるのではないかと思うのですね。その後が、今度は再稼働するかどうか、そこの段階まで含めて、我々としては立地と同等に扱えということを言っていくべきでありまして、今のところは島根と同じ時期に同じように我々のところに意見照会が来る、その時期に我々も答えていく、こういうことを想定してこのような書き方をさせていただきたいと思います。

○小谷議員
 私は、今知事が県民の立場、住民の立場を貫くと言われて、大変心強く思った次第でございますし、要は法による検査でございますので、これは受けざるを得ないと。米子市長が一番最初に言っておられるような状況だと私は思っています。間違えられると困りますので、私は小泉さんに賛成ですので。しかしながら、すぐ廃止ということになれば、大変だと思いますので、これを稼働しながら。
 なぜかといいますと、今の会議とはちょっとかけ離れていますけれども、いずれは使用済み核燃料とかの最終処分場が決まっていない。トータルとしてコストはどうなるかということも考えながら国にやっていただかなければならない。これを余り言うとまた叱られます。これと今の会議とは違うと言われますけれども、そういうような状況で、私が質問しようと思ったことですけれども、中国電力はよくぞこのような概要の説明書を出したものだなと。恐らく規制庁もこれではとてもではないが、先ほど言われたように地震、あるいは破砕帯とか、あるいはそのような状況の中、そしてまた地下水の問題、何も回答がないようなこのようなものを出されたと。恐らく規制庁もこんなことで許可するわけはない。恐らく二転三転して、あるいは戻して、返して、戻して、返して、改善命令等々が多々あると思っていますので、知事が言われるように、今後何回も展開があるのではないかと私は思いますので、また住民説明を求めながらやっていただければと思っています。
 知事の話の中で安心したところですので、再度言いますけれども、あくまでも小泉さんの言うとおりだと私は思っていますので、それを言えばほかのことを言わなくてもいいと思いますので。
○市谷議員
 それで、この申請を許していいかどうかという権限をせっかく同等に与えられたのに、私は知事が言われることはわかりますけれども、せっかく申請を許すかどうかという権限を与えられているのに、留保しますね。中国電力が申請しますよ。それは中国電力の申請を認めるということですよ。だから、認められないなら認められないということを言う権限があるのですから、行使するということが大事ではないでしょうか。ただ、実態としては、鳥取は認めないということなのだと思いますけれども、だって申請してしまうではないですか。我々は意見を言う権限があるわけですから、申請を認めないというふうに言わなければとめられないのではないですか。どう思われますか、その点について。

○山口議員
 申請と再稼働の問題とごちゃまぜになっているので、はっきり……。

○市谷議員
 なっていません。

○山口議員
 なっております。そのあたりをきちんと整理されて対応されたらいいと思います。

●平井知事
 今、市谷議員、山口議員からもお話がございましたけれども、先ほど来繰り返しておりますように、これは一連の手続の中で進みます。我々は、権限を得たものを行使したい。ですから、最終的には審査が規制委員会で行われたときに、全部の材料が初めて出そろうわけです。そこでぱんと我々としての最終的な意見を出すということでございます。ですから、今回留保したことで、我々として、中身が安全対策ができ上がったよというわけではないですよという警鐘を鳴らすことにもなろうかと思います。
 ですから、そういう意味で先ほどのような言い方をしていることを御理解をいただきたいと思いますし、市谷議員が御心配なさっているような権限の放棄にはならない。最後にちゃんと縛りをつけて出口でとめることになりますので、せきとめるときには、せきとめられ得るという立場であります。

○藤井議員
 自民党は、山口議員を代表にして意見を述べさせていただきましたけれども、ただいままでの意見を聞きながら、党として、知事の意見について、必要にして十分な意見だというふうに考えています。松江市にしても、米子市にしても、境港市にしても、たくさんの未解決の課題を抱えておりますので、そういうものを一つ一つ整理して今後対応していただきたいと、このように申し上げて自民党の意見とさせていただきます。

●平井知事
 藤井県議のほうから、境港、米子市ともよく相談をして取りまとめろということでございます。最終的には、文章にして意見書を出すことになりますが、中国電力、規制庁側、経産省側、また島根県側によく内容を調整した上で、今までの議論を総括をして提出をさせていただければと思います。

◎野田議長
 御意見も尽きたようであります。
 ただいまの知事の説明で、考え方はよくわかりました。よって、この全員協議会としては、知事の考え方を認めることとして、よろしいでしょうか。(「認めません、ここは議決機関ではありません、認めません」、「認めます」と呼ぶ者あり)
 以上で全員協議会を閉会いたします。

午後3時57分 閉会

 

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