令和4年度総務教育常任委員会議事録

令和4年10月12日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです
出席者
(8名)
委員長
副委員長
委員
常田 賢二
語堂 正範
福浜 隆宏
森  雅幹
興治 英夫
浜崎 晋一
西川 憲雄
澤  紀男

欠席者
(なし)


 説明のため出席した者
   松田総務部長、足羽教育長ほか

 職務のため出席した事務局職員
   田中(恭)課長補佐、友定係長、田中(慶)課長補佐


 1 開会   午前10時00分

 2 休憩   午前10時08分 / 午後10時21分

 3 再開   午前10時12分 / 午後10時23分

 4 閉会   午前11時30分

 5 司会   常田賢二委員長

 6 会議録署名委員  浜崎委員  森委員

 7 付議案件及びその結果
    別紙日程及び下記会議概要のとおり

会議の概要

午前10時00分 開会

◎常田委員長
 ただいまから総務教育常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 なお、今回の常任委員会は、執行部の入替えを行うこととし、最初に付託議案及び請願・陳情の審査を行い、執行部の入替えの後、報告について総務部、次に教育委員会の順に行うものとします。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、浜崎委員と森委員にお願いいたします。
 それでは、本委員会に付託されました議案について審査を行います。
 まず、付託議案については、日程に記載の4議案であります。
 これから付託議案に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問とマイクのスイッチの切替えをお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。(「なし」と呼ぶ者あり)
 質疑がないようですので、付託議案に対する討論を行っていただきます。(「なし」と呼ぶ者あり)
 討論がないようですので、これより採決に入ります。
 採決については一括して採決するのがよろしいかお諮りいたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、御異議がないようですので、付託議案を一括して採決いたします。
 なお、本委員会に付託された議案は、議案第2号、第13号、第17号及び第18号であります。
 原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成全員であります。したがいまして、本委員会に付託されました全ての議案については、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上で付託議案の審査は終了いたしました。
 なお、委員長報告の作成、内容については、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 続いて、請願・陳情の審査を行います。
 今回は、新規分の陳情2件の審査を行います。
 まず、陳情4年総務第18号、政教分離原則の徹底について審査を行います。
 御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたします。

○森委員
 不採択を主張いたします。
 この中には、つまり議員が宗教団体から寄附金を受けると、政治献金を受けるというようなことを書いてあるのですが、これはもともと議員が団体から政治献金を受けることはできません。一方で、宗教団体、宗教に属している方が議員を、あるいは政党組織を応援するということについては、これは憲法上、保障されていることであります。したがって、これについては不採択をすべきものだと考えます。

○語堂委員
 私も不採択が妥当と考えます。
 理由といたしまして、宗教団体であることを理由に政治活動を禁止する規定はないものの、活動等の結果として特権を受けることなどについては、日本国憲法第20条第1項において禁じられております。県議会から国に意見書を提出するには及ばないと考えることから、不採択が妥当と考えます。

◎常田委員長
 そのほかよろしいでしょうか。
 意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 確認いたします。御意見は、不採択のみです。
 それでは、不採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成全員であります。したがいまして、陳情4年総務第18号については、不採択と決定いたしました。
 次に、陳情4年総務第19号、県庁に送信される電子メールの適切な管理について審査を行います。
 御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたします。

○澤委員
 これにつきましては、陳情にありますように、鳥取県の庁内各部局に対してメールボックスや迷惑メールボックスを定期的にチェックし、県民の方からのメールへの回答漏れが生じないようにすることを求める、こういう陳情となっております。県においてはメールの不受信が発生しないようにポップアップの導入や、全職員への注意喚起、発生した事案の概要を共有するなどのほか、メールボックスの容量の管理の徹底とか、業務に必要なメールの受信に気づくのが遅れることのないように全職員に周知しておりますが、陳情のこの願意、これは理解できるとこはあると思いますので、趣旨採択を主張したいと思います。

○語堂委員
 私は、不採択が妥当と考えます。
 理由といたしまして、メールボックスの容量超過によるメールの受信漏れや自動振り分け機能による受信確認漏れなどの防止に向けた注意喚起を職員に対して常に実施しており、今後も注意喚起を行うということでありますので、不採択が妥当であると考えます。

◎常田委員長
 そのほかございますでしょうか。

○森委員
 私も不採択を主張いたします。
 先ほど澤委員から、願意が理解できることから趣旨採択をという話があって、ちょっと揺らぎましたが、この陳情はたまたまこういった、いっぱいになって受け付けられなかったというようなことを取り上げての陳情になっていますが、県庁内ではこのメールについて非常に慎重に、かなり手厚くやってきております。そういった意味で、今回、願意は確かに理解できるものの、意見を捉まえてということについて、ちょっと違うのではないかという立場で不採択ということを主張いたします。

◎常田委員長
 そのほかよろしいでしょうか。
 意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 確認いたします、御意見は趣旨採択、不採択です。
 それでは、まず、趣旨採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成少数であります。
 次に、不採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。
 したがいまして、陳情4年総務第19号については、不採択と決定いたしました。
 以上で付託案件の審査は終了いたしました。
 なお、委員長報告の作成、内容については、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 それでは、執行部の入替えを行いますので、暫時休憩いたします。再開は10時15分とさせていただきます。

午前10時08分 休憩
午前10時12分 再開

◎常田委員長
 再開します。
 それでは、総務部の報告事項に移ります。
 執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
 なお、質疑等については、説明終了後、一括して行うこととします。
 報告1、産業廃棄物処分場税の適用期間の延長について、吉川税務課長の説明を求めます。

●吉川税務課長
 産業廃棄物処分場税の適用期間の延長について御説明いたします。
 令和5年3月31日に適用期間が終了する産業廃棄物処分場税について、現行の税制及び税収使途を維持して、適用期間を5年間延長する県税条例改正案を次の定例会に提案する方向で作業を進めています。
 税制度の概要ですが、目的につきましては、産業廃棄物処理施設の設置の促進及び産業廃棄物の発生抑制、再生その他適正な処理に関する施策に要する費用に充てることとしています。
 納税義務者は、最終処分場に廃棄物を搬入する排出事業者、または中間処理業者でございまして、実際は最終処分場業者がその税を預かって県への払込みを行うという形を取っております。
 課税対象につきましては、県内の最終処分場への産業廃棄物の搬入で、搬入する産業廃棄物1トンにつき1,000円となっております。これまで、平成15年の創設以来、3次にわたって延長を行ってきております。
 適用期間を延長する理由についてですが、産業廃棄物処理施設の設置促進に要する費用に充てるために、県内の最終処分場に搬入される産業廃棄物に税を課しています。この税の目的及び当該税収による施策の実施の必要性に鑑みまして、適用期間を5年間延長したいと考えております。
 なお、税収1億1,000万円余につきましては、鳥取県産業廃棄物適正処理基金に積み立てているところでございます。
 改正を検討するに当たりまして、事前に関係団体、鳥取商工会議所連合会、鳥取県商工会連合会、鳥取県中小企業団体中央会、鳥取県産業資源循環協会に見直しについて意見を聴取しましたが、特段の意見はございませんでした。
 今後のスケジュールにつきましては、次の定例会に県税条例の改正案を議会に提案することといたしております。その後、法定外目的税の変更に係る総務省協議を経まして、4月に条例の施行を考えております。
 参考に掲げておりますが、27都道府県で産業廃棄物税制が導入されており、特定の県に産業廃棄物が集中することがないように、近隣各県と連携を取りながら、税率につきましては、いずれも1トン1,000円という形で徴収しております。

◎常田委員長
 ただいまの説明について、質疑等はありませんか。

○森委員
 ちょっと私も条例はよくよく読んでいませんが、これは延長することができるみたいな感じで書いてあると思うのです。この税ではないですが、森林環境保全税については、国の森林環境税と重複するということもあったので、審議会みたいなものを開いて、意見を聞きながらどうするかみたいな。どういった手続でこれを延長するという手続に至ったのかということをちょっと教えていただきたい。内部の検討だけでこういったことになっているのかどうなのか、そしてまた、新たに県が関与する最終処分場ができたときにはそれはどうしていくのか、そういったこともちょっと含めて、どういった状況かを教えてください。

●吉川税務課長
 森林環境保全税につきましては、検討会等を設置して検討しているところでございますが、これにつきましては前回の改正のときに国の税制等の動向を見ながら必要な検討を行うことという規定がありましたので、これに基づきまして検討をしているところでございます。
 産業廃棄物処分場税につきましては、税の仕組みが全県民から徴収するという形とはちょっと異なります。産業廃棄物の処分場、処分業者から徴収すると、納税義務者が特定されているということもございまして、関係団体等からの意見聴取、それから、特定納税義務者からの法律に基づく手続として意見聴取をするという仕組みがございますので、これを通じまして意見を聴取いたしまして、改正、延長の是非について検討してまいりたいと考えております。
 もう1点、ちょっと私が数字を読み誤っておりまして、税収につきまして、1億1,000万円と読んでしまいましたが、1,100万円余でございますので、訂正させていただきます。申し訳ありませんでした。

○森委員
 さっきもお話しした、県が関与する最終処分場ができた後の税の考え方というのはどうなのかをお願いします。

●吉川税務課長
 産業廃棄物の処分場の設置というのも税の目的でございますが、目的には発生抑制とか再生、その他の適正な処理に関する施策等もございますので、各県等と協議を進めまして、産業廃棄物の適正処理についてどのようなことを行っていく必要があるのか、それを検討しながら、税制を維持するかどうかということについて検討してまいりたいと考えております。

◎常田委員長
 そのほかはございますでしょうか。

○興治委員
 今、第4回延長時になっていると思うのですが、この第4回延長時においてこの税の使途、主なものはどんなことだったのでしょうか。

●吉川税務課長
 具体的な使途という形では、今、設置について議論が進められているところでございますので、その結論を待って、産業廃棄物設置の関係の事業に充てていくという形になるとは考えております。

○興治委員
 いやいや、これまでどんなことに使ってきたのですかという意味、この第4回に入って。

●吉川税務課長
 産業廃棄物の設置について、いろいろな御議論がございまして、事業が今のところ具体的に進んでないところもございます。税収につきましては、適正処理基金に今現在は積み立てておりまして、その方向性が固まり次第、そちらの事業のほうに個別に充当していくと考えております。

○興治委員
 この徴収した税の執行は、大体、生活環境部の何課で執行するようにしているのですか。

●吉川税務課長
 循環型社会推進課になります。

○興治委員
 はい、分かりました。

◎常田委員長
 そのほか。

●松田総務部長
 ちょっと補足させていただきますと、まず、この税収で受けたものについては、産業廃棄物適正処理基金というものに積み立てるということにしておりまして、今度その基金からお金を使うという場合は、これを予算化した上でこの循環型社会推進課が予算要求をした上で使うというような流れになります。

◎常田委員長
 そのほかございますでしょうか。
 意見が尽きたようですので、次のその他ですが、総務部につきまして、執行部委員の方で何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見がないようですので、その部分につきましては以上で終わります。
 執行部の入替えを行いますので、暫時休憩いたします。再開は10時25分といたします。

午前10時21分 休憩
午前10時23分 再開

◎常田委員長
 再開いたします。
 それでは、教育委員会の報告事項に移ります。
 執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
 なお、質疑等については、説明終了後、一括して行うこととします。
 報告2、倉吉東高校の国際バカロレア ディプロマ・プログラムの認定について、酒井参事監兼高等学校課長の説明を求めます。

●酒井参事監兼高等学校課長
 資料2ページを御覧ください。倉吉東高校の国際バカロレア ディプロマ・プログラムの認定につきまして、9月23日付で認定校に認定されましたので、報告させていただきます。
 1の倉吉東高校における国際バカロレア教育導入につきましては、倉吉東高校の主体的な学習者の育成、あるいは、21世紀をリードする人材の育成というビジョンと、国際バカロレア教育の理念との親和性が高いということで、倉吉東高校に導入いたしました。倉吉東高校では、国際バカロレアでの学びを希望する生徒を対象に、2年生からこのプログラムを実施し、高校3年生の11月に世界共通テストを受けることになります。プログラムの6科目中外国語と数学の2科目につきましては、全て英語で授業が行われます。
 2の認定までのプロセスにつきましては、令和元年度に倉吉東高校が関心校を表明して、令和2年度に候補校、国際バカロレア機構のコンサルタントの指導の下、準備を進めてまいりまして、今年8月末に国際バカロレア機構の確認訪問を経まして、9月に認定となりました。
 3の今後のスケジュールにつきましては、この後、11月20日の日曜日に、倉吉未来中心にてフォーラムを開催し、広く中学生や県民の皆様にPRしていきたいと考えております。
 4のその他につきましては御覧のとおりですが、今年6月末の時点で公立高校での認定校は全国10校です。また、最後、国際バカロレアを学んだ生徒の進路につきましては、海外の大学の受験資格ができるとともに、国内でも東京大学ですとか岡山大学をはじめ多くの大学が国際バカロレアの資格が利用できる入試を行っているところでございます。

◎常田委員長
 報告3、鳥取県教育審議会生涯学習分科会兼社会教育委員会議の建議書の提出について、西尾社会教育課長の説明を求めます。

●西尾社会教育課長
 3ページを御覧ください。このたび、鳥取県教育審議会生涯学習分科会兼社会教育委員会議から建議書を頂戴いたしました。生涯学習分科会兼社会教育審議会ですが、主に社会教育に関わる事項、生涯学習、青少年教育、文化芸術振興を所掌している分科会でございます。主な事務局は私ども社会教育課が担っております。
 このたび頂戴いたしました建議書は、「地域の特性を生かした持続可能なコミュニティ・スクールと地域学校協働活動に向けて」という題名で頂いておりまして、委員の皆様方が今回の任期、令和2年10月から県内各地で小学校、中学校、高等学校、義務教育学校、養護学校などを視察し、委員さんと意見を交換したりなどして検討を進めてこられたものをまとめたものでございます。
 主な内容といたしましては、1の(2)を御覧ください。地域と学校の連携・協働推進に向けた国の動向をまとめたもの、県内におけるコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進に向けた現状と課題をまとめたもの、県教委の県立学校設置者としての取組ですとか、市町村教委への支援の状況についてまとめたもの。それを受けまして、課題として、まだ制度が、教育委員会の努力義務化、コミュニティ・スクールの導入が努力義務化されたのが平成29年であったり、地域と学校が協働して行う活動が社会教育法に位置づけられましたのも同じく平成29年度で5年ほどですが、制度の理解が不足している、あるいは、次代につなげて末永く活動を継続していくための人材確保、もっと円滑に運営していけないかというようなことが課題として上げられております。また、視察などを通して県内の特性を生かした活動を大切にしたいですとか、次世代、何代にもわたって、人が替わっても持続可能な活動としていけるようにしてはどうかというような考え方を頂戴しております。
 この建議を受けまして、県教委といたしましては、今後も引き続きコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進について進めてまいりたいと思います。県立学校として学校教育課の皆さんと一緒に地域社会の方の活動が盛んになるような取組ですとか、市町村教委の活動が円滑に行われるような財政支援、伴走支援、あるいは人材育成のための研修などに地道に取り組んでいき、末永く続く活動として育成していきたいと考えております。
 なお、建議の内容につきましては、次の4ページ、5ページに概要版、それから別冊で建議そのものをおつけしておりますので、後ほど御覧いただければと存じます。

◎常田委員長
 報告4、鳥取県人権教育基本方針第3次改訂(案)に係るパブリックコメントの実施について、土山人権教育課長の説明を求めます。

●土山人権教育課長
 資料の6ページをお願いいたします。鳥取県人権教育基本方針第3次改訂(案)に係るパブリックコメントの実施についてでございます。
 鳥取県人権教育基本方針の第3次改訂につきましては、これまで外部の有識者に入っていただきまして編集委員会を開催し、御意見をいただきながら改訂作業を進めてまいりました。編集委員からは、子どもたちに自らが権利を持つ主体であるという意識を育てていくことが大切であるとか、これからはメディアリテラシーも必要になってくるなどといった御意見がございました。編集委員会の御意見等を踏まえまして、素案を作成いたしましたので、今回、パブリックコメントを開始したいと考えております。素案の概要につきましては、8ページ、9ページに記載しております。そして、お手元に別冊として素案を添付しておりますので、皆様にも御一読願えたらと存じます。
 募集期間につきましては、10月17日から11月11日まででございます。
 今後もパブリックコメントに加え、県議会の皆様の御意見も伺いながら、今年度中に公表したいと考えております。

◎常田委員長
 報告5、鳥取県立博物館 開館50周年記念 企画展「すべてみせます!収蔵庫の資料たち」の開催について、漆原博物館長の説明を求めます。

●漆原博物館長
 資料の10ページをお願いいたします。また、本日はチラシも配付させていただいております。50周年の秋の企画展「すべてみせます!収蔵庫の資料たち」ということで報告させていただきます。
 博物館は、概要欄に記載しておりますが、前身の科学館の資料でありますとか、県立図書館の鳥取藩の資料、こういうものを引き継いで、昭和47年に、当初5万点の資料で開館いたしたところでございます。
 今回の企画展では、この50年間の活動の成果によりまして、現時点で約20万点となった収集、保管された資料そのものに視点を当てた内容で開催したいと考えているところでございます。
 これまでの企画展では、作品を学芸員の調査研究の成果として展示開設等を交えて、また、そもそも企画展でのストーリー等を考えながら展示していくというのが一般的と思うのですが、今回は、例えば鳥取藩資料、これを棚ごと展示ケースの中に入れて、収蔵全体の様子を見ていただけるようにしたり、考古資料、出土品は、非常に貴重なのですが、なかなか出土地域が不詳で常設展示しにくいというようなものがございます。こういうものも今回はお見せしたいと考えております。それから、企画展のストーリーというようなことでいえば、最近、刀剣寄贈を受けたわけでございますが、これは国宝の作者の作品で、非常に貴重なものみたいです。最近研磨が完了したということで、本来であれば次の企画展ということで、展示されるべき企画展までは収蔵庫に眠らせておく必要があったわけですが、今回そういうストーリーに関係なく公開させていただこうと。あるいは、美術分野でいえば、作品の修復前と修復後の様子も見ていただきたいというようなことで、これまでの企画展示のイメージではない展示というところにチャレンジしていこうと、そして、会期中の土日は各部屋、各分野ごとに担当の学芸員が常駐して、来場者の皆様方と資料の前で直接やり取りをさせていただくと、そういう企画展をやっていきたいと考えております。
 これは博物館の活動の在り方ということも、今、大きく変化してきているのだろうと思います。これまでの学芸員の調査研究の成果としての展示というのも当然必要だと思いますが、この50年を一つの区切りとして、来館者が主役となるような展示というものにチャレンジ、あるいは模索していきたいという考えに基づくものでございます。
 少しイメージが分かりにくい説明で申し訳ございませんでしたが、ぜひ企画展に足を運んでいただきまして、実際に見ていただきまして、様々な観点で御指導いただければと考えております。

◎常田委員長
 ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。

○浜崎委員
 4ページの生涯学習、地域コミュニティーのところ。コミュニティ・スクールと地域学校協働活動ということで、一体的推進に向けた取組の課題ということがあるが、ここの中に、1、制度、課題のところ、制度・活動への理解促進ということが記載をされている。地域の関わりが前提となるコミュニティ・スクールであったり地域学校協働活動、そもそも地域の認知度はどれぐらいか。そこのところがまずスタートラインの確認と思うのです。感覚的なところで結構ですので、確認も含めてお聞かせいただけたらと、よろしいでしょうか。

●西尾社会教育課長
 今現に、学校に子どもさんが通っておられる保護者の方だとか、活動に関わっている方、このように議会で詳しく勉強してくださっている議員の皆様には一定程度の認知度がもう出てきたのではないかと考えております。社会一般でいいますとまだまだで、知っている方は、全体でいえば5%に満たないかもしれないなと個人的には思っております。これから活動を継続していくこと、あるいは広報を啓発していくことで認知度を上げていき、活動を持続的なものにしていくための人がたくさん集まるような仕組みにしていく必要があると考えているところです。

○浜崎委員
 課長が今おっしゃったように、特に社会的には認知度は低いと思うのです。担当者の認知度はもちろん高くないと駄目なわけで、問題は社会がどうかということです。だってそうでしょう、コミュニティーということですから。
 そうなると、当然、県の取組姿勢を打ち出していかなくてはいけないが、しっかりとした取組への機運づくり、そういうものが必要と思う。いきなりぽおんと出してもなかなか人はそこの認知、認識、または理解というのは薄いと思う。いろんな地域がありますから、いろんなやり方があると思います。可能性として、いろんなやり方があるというのはプラスに捉えてもらっていいと思うのですが、こういった機運づくりが必要ではないかなと思います。
 そこから、市町村の教育委員会だったり現場の教員さんの声も踏まえつつ、資料を見ていると、着実に進める取組を検討していくような方法もあると思う。その辺について、課長、どう思っておられるのか。

●西尾社会教育課長
 おっしゃられる御意見、まさに自分の課題意識と一致するところです。やってくださる方は、いい活動で携わっていきたいという熱意がある方が多いのですが、広がりとか、今の方がもし御高齢になられたり、御事情があって活動をやめられた後に続く方をどのようにして育成していけばいいのか、確保していけばいいのかというところが大変課題と思っております。広報関係といたしましては、今、導入された市町村さんでは公民館だよりですとか、市町村報などにコーナーを設けて広報活動をしてくださっているところもあります。また、私どもでも研修にちょっと親しみやすいような動画を作り始めたりしているところでして、そういう気軽に見ていただけるもの、あるいは広く人の手に行き渡るもので実際に活動していただける方が増えていけばとは思うのですが、なかなか、1回やればこれというようなことは難しいので、諦めずにずっとやっていかないといけないな、市町村さんと一緒にやっていかないといけないなと思っているところでございます。

○浜崎委員
 先ほどの話の中で継続、啓発ということをおっしゃっていたので、まさにそのとおりだと思います。地域を巻き込んでいくということでは、皆さんは御存じと思うが、この間、我々が津和野高校とか日野高校に伺った。何のコンセプトで行ったかといえば、高校魅力化です。だから、そういった取組にも共通する視点と私は思うのです。県の取組以外の連携も大いに期待したいと思いますが、その手前の話、中身について何かコメントがあればお願いしたいと思います。

●西尾社会教育課長
 高校の魅力化、津和野高校の視察の話は大変興味深く伺ったところですが、審議会で県内の高校、岩美高校さんに委員の皆様と視察に行かせていただきました。そういたしましたところ、岩美高校では、魅力化にも熱心に取り組んでおられることを学校運営協議会の場で説明もございましたし、すてきな動画を作られているものとかを拝見いたしました。また、参加しておられる商工会の代表の方などだったり、生徒さんが実習に行かれる介護施設の方も委員でおられたのですが、そういった方々と一緒に学校教育を支援するだけではなくて、観光ポスターを作ったりだとか、特産品開発に取り組んだりということを進めておられて、非常にうまくいくのではないかという印象を各委員さんが持って帰っておられます。生徒さんはもちろんですが、地域の方もそうやって活動することによってメリットがあったり、楽しい、これは自分の学びにもなるというような活動が県内で展開していかれるといいなと建議書でも言っていただいておりまして、そういう活動が進められるように、事例の紹介などもしていければと思っているところでございます。

●足羽教育長
 このコミュニティ・スクール、そして地域学校協働活動については、本議会一般質問で福浜委員さんの質問に絡めながら、私もちょっと触れたところでございます。まだスタートして日が浅いものの、今、浜崎委員から御指摘のあった、この制度のよさは何だろうかということ、翻って考えると、本議会でもちょっと言いましたが、かつては、地域コミュニティーがもう制度がなくても家庭、そして地域の大人、それが地域の子どもたちを育てるという意識の醸成があって進んできたものが、どんどん核家族化、少子化が進む中で、そうしたコミュニティーがどんどん薄らいでいく。もう一度そうした家庭を中心とした地域の力を学校、そして地元の子どもたちを育てようという考え方でこの制度が生まれ、そして今、進められているところ。原点回帰といいますか、そういう仕組みで地域の力を最大限、子どもたちの成長に生かそうという、そういう趣旨で取組を進めているところでございます。
 本県で導入しようとした際、私は次長としてこのスタートにも関わってきました。小学校、中学校はそういう地域が明確になっていますが、高校になったときに、これは全県下で動いていく、高校の魅力化という観点で生かせないだろうか。言うなれば、高校の場合は全県下が地域だと、進学先もあれば就職先、そしてまた関連する企業や上級学校、そういったものも全て含めた形でこの高校に期待することという形で魅力化につなげていく、そういう観点で進めればいいということを学んだことをよく覚えております。
 今御指摘いただいたとおり、そして、岩美高校の例も課長が出しましたが、高校の魅力化にもこれは十分資するもの、そういう制度の在り方や関わり方がどんなふうに関わることができるのかをぜひ地域の方、企業の方、あるいは関係者により周知していくということが今後必要だろうと課題として思っているところであり、今回の建議書をその意味でしっかり受け止めて、今後の施策に生かしてまいりたいと思います。

◎常田委員長
 そのほか。

○森委員
 先ほどからので、魅力化についてもその中で議論をしていく話があって、大変うれしく思いました。この制度が平成29年ということだったと思うのですが、まだまだ認知度がないということ。私が問題と思っているのは、この運営協議会は何をする、何の権限を持って何ができるのかということが非常に曖昧で、単なる校長の諮問機関だけになっているのか、要するに学校運営全体に対して、運営協議会でいろんなことを議論して、それが前に行くとか、校長でぎゅっとつまんで、幾ら議論したってそこで全て終わりというようなことになるのかならないのかといったところが、私はこれが本当にどんどん動いていくかどうかのポイントと思っています。特に、校長としては、自分がやりたい学校運営について、外からごちゃごちゃ言われるのは嫌なわけです。例えば、PTAにしても、どんどんどんどん活動して、PTAが学校の運営に対してごちゃごちゃ言うのはうるさいから、教頭についてはその手綱をちゃんとやるというのが教頭の仕事になっているような形で、学校運営協議会も外れないように、何かそうやって手綱を持ってやっている状況をつくっていくようなスタイルでは、私は駄目と思う。
 特に、学校というのは、地域と離れてしまっていることが今問題で、そのためにコミュニティ・スクールといったものが出てきたと私は思っています。そのためには、学校の先生もどんどんどんどん地域に出かけていって、自分の住んでいる地域での地域貢献が始まって、その地域の中での学校のありようについて、意見をどんどんどんどん出せて、それがまた変わっていく、学校運営協議会が提言をしたことによって学校が変わっていく姿というのがないといけないのではないかと思う。うちの地域の小学校、中学校では、通学路の安全だけはとにかく地域の皆さんにお願いしますというようなことがなされていると思いますが、あと、学校の運営自体については口を出してほしくないといったようなことが大きな流れではないかと思っています。その辺りを本当に今後どうしていくのか、現状どうなっているのかといったことをちょっとお教え願いたいです。

●西尾社会教育課長
 全ての学校を視察したり様子を把握しているわけではないのですが、委員がおっしゃられるような状況の学校もまだあると思います。一方で、視察した学校の中で、ちょっと今思い出せないところもあるのですが、会議の中で学校の今の困り事などを率直に話して、地域のほうに協力を求められて、地域の方もすぐにそれに応えていかれるような取組をしておられる学校もございます。あるいは、鳥取市の例で、長く取組をしておられる湖南学園では、義務教育学校ですので、1年から9年までをかけて地域の方と一緒に取り組む授業というのも、既に特別の授業としてカリキュラム化をされていまして、いろんな、まちの探検から、最終的に中学3年生の年代の9年生では特産品作りみたいなことまでやって、地域のコミュニティー施設で販売会をするというところまで体系的に学んでいかれて、地域と一体に取り組まれているというようところもございます。委員の方で地域に愛されない学校はこれから立ちゆかないと繰り返し言われた方がありましたが、そういった考え方が広く浸透していくように努めてまいりたいと思います。

○森委員
 さっきもちょっと言ったのですが、学校運営協議会のその役割、その権限、そういったところはどういうふうに具体的に定められていて、学校運営協議会で話し合ったことがどのように権限になっていくのか。校長との関係で、その辺りの話を教えていただけますか。

●西尾社会教育課長
 学校運営協議会の権限というのは、法律や各設置している自治体の規則等で定められるのですが、基本的には学校の教育の基本方針について校長のほうが諮りまして、それについて毎年度、学校運営協議会のほうで承認するということが一つの柱になります。また、学校教育の重要事項ですとか、先生の配置などについても意見が言えるというふうになっておりまして、そういうことを話し合われた結果を広く広報したり地域で取り組んだり学校で取り組んだりしていくというのが大まかに言うと学校運営協議会の仕組みということになります。制度を導入されるところでは、そういったことを説明して取り組まれている準備委員会などで、広く町民の方の意見などを聞きながら進められていると承知しています。

○森委員
 学校が地域の社会から離れてしまっている現状から、この学校運営協議会の委員の選び方にしても、あまり教育に関心がない人たち、いわゆる各層各界から委員を集めたという形にはなっているが、別に教育委員でなくとも、意見を持っていない人たちを集めて一応その意見を聞きました、そのとおりでしたというようなことに私は危惧しています。本当に活性化して、地域の中にある学校になるような形を、ぜひ、この建議を基に追及していただきたいと思います。今、本当に過渡期と思います。地域に本当に近くになっているのか、もうこのまま地域と離れていくのかというような過渡期で、この制度が本当に進展していくかどうかという分岐点に立っているのではないかと思っています。その辺りの意気込みみたいなことをちょっと教育長に。

●足羽教育長
 建設的な御意見だと受け止めております。おっしゃるとおり、学校と地域の距離感が今、非常に微妙な距離感にあって、今後どんどん子どもの数が少なくなる、それから、小学校でも統廃合、合併が進む中にあって、本当に地域の中で学校の存在、そして子どもたちの存在を地域全体が見守る体制づくりにこれが資するような仕組みになっていかなければならないと思っております。御指摘いただいたとおり、導入当初、導入前、一番危惧されたのは、地域の声で学校運営がままならないのではないか、時には人事権を地域の人が持つなどということはどうなのだとか、そんな懸念もありました。ただ、この制度の仕組みが決してそうではなく、特に小学校、中学校でいえば、この米子市のこの校区の中の子どもたちをどんなふうに育てたいのか、何を大切にしてほしいのかを、今まではある意味、学校だけが決めて、学校教育目標を決めていろんな取組をしてきたわけですが、そこに地域を巻き込んで、一緒に子どもたちをこんなふうに成長を期待しましょう、育てましょうという理念を共有する場がこのコミュニティ・スクールの学校運営協議会という場です。そういう意味では、校長が主体的にこうしたいと思うが、皆さんはいかがでしょう、そのことに大きな間違いは決してないわけで、そこに賛同を得る、そういう仕組みになっていくこと、していくことが必要だろうと思っております。
 御指摘は、形をつくるのが決して目的ではないこと、本当に子どもたちのためにどうすることが必要なのかを地域ぐるみ、学校と地域が一体となって推進していくという貴重な御意見だと受け止めておりますので、その点に力点を置いて取組を進めてまいります。

○西川委員
 50周年の企画展をちょっと教えていただきたい。50年という時の中でされるにしては、ちょっと期間が短いというような気もしました。特に、土日が2回あるので何とかなるかなと考えたのですが、11月はどこも文化祭などがむちゃくちゃあって、多分ここら辺はなかなか見に行きにくいだろうと思うのです。これ読ませていただきますと、収蔵品の展示が主なのですが、文書の中では、資料収集と調査研究の50年を紹介すると書いてあって、主体はどちらを考えておられるのか、品物を展示することが主体なのか、今までの50年間、歩みを紹介されるのが主体なのか、「すべてみせます!」と書いてあるので。品物は全て見られないでしょうから、どちらかなと思って、そこをまず答えていただきたい。

●漆原博物館長
 最初、御指摘いただきました期間の問題、土日が少ないのに、あるいは、文化祭等があってなかなかというようなお話だったと思います。現在、小学校や何かの訪問や何かも結構受けているような状況もございます。引き続きそういう小学校、中学校等を中心に、また案内をさせていただいて、より多くの方々に見ていただけるようにしていきたいと考えているところでございます。
 説明の中でも申されましたが、作品の資料収集と調査研究ということを主体ということでお話しさせていただきました。どちらがということで、品物なのか、あるいは歩みなのかということでございます。なかなかこちらということはお答えしにくい、品物をとおして歩みを紹介するみたいな、また分かったようで分からないような返答で申し訳ないですが。品物を展示という形で一つ一つをぱんと見せて、それにキャプションをつけてしっかり見ていただくということではなくて、大ざっぱな形で陳列させていただいて、全体としてこういうものですという歩みの説明を最後に加えさせていただきながらというようなことで、加えて申し上げますと、全てを見せますと言いながらも、場所の関係で全ては見せられません、正直。そこはキャプションとかストーリーの中で全体像をお示しさせていただきながら、作品、歩みを現物で見ていただきたいという思いで構成させていただいております。
 ちょっと説明が十分ではございません。ぜひ御来場いただきまして、また御意見いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○西川委員
 半分分かりました。これは変な話ですが、先ほど言われたように美術などでも1万点を全部というわけではないが、例えば資料の記録みたいなものが多分あると思うのです。ああいうのは、例えばタブレットで見るとか、そういうのはしていないのですか。もしそういうのがあれば、例えばそこで展示して、こういうものがまだありますよとか、多分できると思うのです。それなら全て展示できなくてもと思うのですが。

●漆原博物館長
 このチラシの裏面に第1展示室、第2展示室、第3展示室ということで展示内容を掲げております。その中に第2特別展示室に資料管理、データベースというところがございまして、この中でとっとりデジタルコレクションということで、博物館のコレクション、これをデータベースで管理しておって、見ていただけるような環境のものでございます。これも展覧会の中で御自由に見ていただける環境は用意しておりますので、先ほど申しましたとおり、なかなか本物を見ていただくということは限界がございますが、こういうものも活用させていただきながら、できる限り多くのものを見ていただくようにということに努めていきたいと思っています。

○西川委員
 分かりました。そういうのが用意してあれば、よりいいと思います。ただ、50年という大きな節目の記念なので、もう少し期間があってもよかったというのは個人的な考えです。

○福浜委員
 ちょっと話を戻させていただいて、学校協働活動、地域の関係です。さっき岩美町の紹介をいただきまして、日野町の日野高校にも行ってお話を聞いたので、八頭高もそうだと思うのですが、何となく、ああいう町みたいなところのイメージが湧くのです。例えば米子とか鳥取みたいな大きなまちの中には複数高校がある。その中でこの地域学校協働活動というのは、なかなかちょっと具体的にイメージが湧かなくて、その辺で何か進めるのが難しいのではないかと思うのです。商工会ではなくて商工会議所ですが、いろんな高校がそこと連携していくというのも、受けるほうも大変だろうと思ったりするのですけれども、その辺は課題ではないのでしょうか。

●西尾社会教育課長
 町村部ですとか、エリアが比較的コンパクトなところの学校と、広いところから、あるいは都市部にある学校は違うのではないかというお尋ねだったと思うのですが……。

○福浜委員
 違うという言い方ではなくて、作りにくいのではないかなという。

●西尾社会教育課長
 その辺の立地条件の違いとかも考えながら取り組むということは建議の中で言及されているところです。ひょっとしたらまた別でお答えいただけるかもしれないですが、探求型の学習ですとか、例えば県の施策に提案してくださる市部の学校もあったりで、それはいろいろな、その高校、その高校に合ったやり方、あるいはその地域、あるいは全県1区だという場合は全県1区で考えられる地域としてできることを、一律ではなく、取り組んでいくということになると思います。なので、ある特定の団体に負荷がかかるかどうかと言われれば、ひょっとしたらそういうこともあるかもしれませんが、その学校で取り組まれる、その関係者の方で取り組まれるということはある程度多様性があるかと想定しております。

●酒井参事監兼高等学校課長
 失礼します。補足しまして、県立高校の場合ですが、今おっしゃられたとおり、特に都市部の高校、全県下から、その地域から、いろんな地域から集まってくるような高校につきましても、先ほど来、話がありましたとおり、このコミュニティ・スクールの中で、学校運営協議会の中でその学校の教育目標、学校自己評価の中にあります、教育目標とかを共有していくという大きなミッションがございます。そうすると、例えば委員を決める際も、地域といって地域の方ばかりではなく、例えば研究者の方、あるいは大学の先生等を入れて、生徒の進路に結びつけて、有意義な情報等を得たり、学校の方向性がこれでいいのかということを検証したり、あるいは、就職する生徒が多い学校ですと、地元の企業の代表の方ですとかそういう方にも入っていただいて、就職に向けてのこういう学びが高校では必要ではないかということを協議させていただいたりする中で行っておりますので、当然、地域の学校としての存在意義というのは非常に大きくて、ただこれは中山間地の高校と市部の高校では若干捉え方は違うと考えております。

○福浜委員
 分かりました、ありがとうございます。
 この前の一般質問で、僕自身は、この言葉を初めて知ったというところで、本当に逆に言えば申し訳ないという気もするのです。建議書の中の9ページに、これは高校ではないのですが、桜ヶ丘中学校の取組が上のほうに書いてあって、これ面白いと思ったのは、校区別生徒会というのがあるということをここで初めて知りました。今、例えばうちの地区を例に挙げると、なかなか中学校に対して物が言いにくいというか、要するに情報交換できる場がないのです。それがさっき言われた地域、学校、活動のほうにも絡んでくるのかな、そういう組織があればもっとコミュニケーションが、要するに、理念、報告を決めるのがコミュニティ・スクールの全体であって、それを具現化するのがもう1個できた新しいものなのかなというイメージで僕は捉えている。そこがないと、逆になかなか難しいだろうなと思っているのですが、その理解で間違いないでしょうか。

●西尾社会教育課長
 今おっしゃられたように、学校の会議体である学校運営協議会では、学校の教育目標であるとか、共通の育てたい子ども像であったり目的を共有する、話し合うというようなことが中心になってくるんですけども、委員がおっしゃられたとおり、それを地域の活動として実施していくときには、地域の皆さんにその情報が伝わり、活動していかれるための仕組みだったり組織だったりということが必要になってまいります。それにつきましては、文科省のほうでは地域学校協働本部という名称で呼んでいるのですが、必ずしも決まった組織体でなくても、必要な人が集まって、今度、学校の会議でこんな話があったので、こういうことをやっていきませんかというようなことを話し合って行っていくための仕組み、その地域地域に合った仕組みというのをつくっていくことが同時に必要となってきているところです。学校運営協議会の導入は、相当程度、県内進んでまいりましたが、継続してその活動を行っていくための仕組み、あるいは組織体というものをつくるほうは、実はまだ県内ではそれほどは進んでいないところです。ただ、うまくいっているところではそういったものを継続的に行われているところがありまして、そういったことについては、建議を受けて、これから普及に努めてまいりたいと思っているところでございます。

○福浜委員
 協働本部という言葉も出て、そういう組織があればもう少し具体化できていくし、さっき言われた探究なども、もっともっと積極的に地域のほうからもこんなことできるのではないかとか、逆にアプローチできるのではないかと思っている。今すごく課題に感じているのは、学校は忙しいというイメージがあって、なかなか地域のほうから物が言いにくいというのが現実にあるということはちょっと認識しておいてほしいと思います。以前は、例えば地域祭りとか納涼祭りで中学生に1つぼんとサイトを用意して、ここで好きなことをやっていいよといって、お金はこちらが出すからといってぽんと投げるのですが、以前は生徒会が中心にやってくれていました。自分たちで射的コーナーをつくったり、子どもたちにお金を取って、そこで実際、運営をしてくれていたりするのですが、でもだんだん何か重荷になっていくと、誰が重荷かというと先生が重荷になってきて、どうなったかというと、地域がやっている焼きそばコーナー、何とかコーナーに生徒を手伝わせる形にしてくださいと、自主的に生徒が1つのサイトを運営するというのは無理というような感じになってしまったのです。こちらとしては、手伝いもいいのだが、そこで失敗してもいいからトライしてほしかった。分かりますかね、意味が。だから、そういうことがこれからの教育には必要なのではないかというのが、僕のこの前の一般質問の背景にもあるのです。学校のできないことを地域でやる、当然失敗はある、でも先生が一生懸命に関わるから結局失敗しないことになってしまう。そうではなくて、現場に来て、失敗して、学んで、次の後輩たちに伝えるという、まさにそういうことがどんどん仕掛けていけるのではないかということです。だけれども、結局そういうふうに、生徒会の先生が大変だからということで、駄目になってしまった。
 そのときから比べても、さらにちょっと厳しい状況にあって、なかなか地域活動のほうに、こちらから積極的に声が出せないという環境。働き方改革と叫ばれている以上、こちらも遠慮するし、その中にあって、これが本当に具現化するのかというのは、まさに校長先生の意識改革と言われましたが、ただ文科省から言われたからやるのではなくて、何でこれが必要なのかということをもっともっとはっきりと打ち出さないと、絵に描いた餅に終わってしまうのではないかと思うのです。その辺の意識って、言葉は悪いですが、強烈に持っておられるのでしょうか。

●中田教育次長
 今日は地域学校協働活動と、それから学校運営協議会の話、かなり議論をさせていただいているところ、御意見をいただいているところです。委員おっしゃったとおり、学校の意識というのは、まだまだ昔のままの意識であったり、それから、働き方改革ということが言われていますので、できるだけ教員の負担をなくしていこうというような、そういう雰囲気というのもあります。ただ、今この学習指導要領の改訂があって、社会に開かれた教育課程が大切と言われ、そして学校というのはこれから社会と地域と一緒にやっていかないと立ちゆかない時代が来ているということは、もう国としても前面に出しているところです。そうなってくると、学校の教育課程自体をしっかり考え直していく必要があると思います。地域に学校が全て関わりながら出ていく、何かをしていくというようなことではなくて、学校と地域が一緒になって子どもたちを育てていくのだったら、例えば先ほどのお祭りの話にしても、地域の方に子どもたちを預けて、それまでのいろいろなやり取りはするのですが、土曜日なり日曜日なりそろっていただくような、そういう教育課程を組んでいくということもできると思うのです。それを、では、どんな形でうちの校区はしていくかというのをしっかり熟議するのが学校運営協議会の場だと思います。今、建議を頂いたのですが、そういうことが大切ということがいろんな場面で書いてありますので、しっかり教育委員会といたしましても学校の校長先生方、それから地域の皆様にもこのシステム、この仕組みというのを広報していきながら、学校を変えていく、そういう取組を進めていきたいと思っております。

◎常田委員長
 そのほかはございますでしょうか。

○興治委員
 倉吉東高のバカロレアについてですが、先日、新聞にこの認定を受けましたということで、校長先生が教育長のところに報告に来られたという記事がありました。それを読んで、多分ここにあるディプロマ・プログラムに基づいた学習をする子どもたちだろうと思うのですが、20数名という数字が出ていました。あと、ここにもありますが、高校3年の11月に世界共通テストを受験すると、そういう子どもたちの数なのかなと思ったのですが、そういうことでいいのかどうなのか。それと、このディプロマ・プログラムを通じて育成していく能力というのは、できれば広く普及したほうがいいことと思うので、いろんな質の違いというのはあるとは思うのですが、これを学校に全体化していくというようなことについて、どのように考えられているのかというあたりをちょっと説明いただけたらと思う。

●酒井参事監兼高等学校課長
 まず、この国際バカロレアを学ぶ生徒の数ですが、最大20人を想定しています。これはなかなか20いかないかもしれません。先ほど申しましたとおり、2つの科目は全て英語で授業を行って、レポートも英語で書きますので、そういうあたり、語学力も必要になってくると考えております。
 学校でもそうなのですが、このバカロレアの考え方を広く普及し、倉吉東高校の場合、倉吉東高校での学びの質を上げたいと考えております。この国際バカロレア自体が学び方を学ぶとうたっておりまして、思考のスキルですとかコミュニケーションのスキル、あるいはリサーチ、調べることのスキル、自己管理をするスキル、こういう細かい学び方というのが、バカロレアを教えることができる教員には身につけられるようになっております。そこをきちんと生徒に伝えますので、担当する倉吉東高校の教員は、バカロレアを学ぶ生徒だけでなくて、ほかの生徒にもそれは伝わっていくということになります。倉吉東高校の場合、そういう授業等を他校に公開すると言ってくださっておりますので、他校の先生方、授業等を参観したり、今はICTで授業も参観できますので、移動の時間もないです。そういう中で学んでいって、全県的にも広げていきたい。
 もう1点、地域との関係も強化していきたいということで、この国際バカロレアの科目の中にCASといって、創造性、活動、奉仕とそこに書かせていただきましたが、そういう学びもございます。これは、ボランティア等が中心ですが、決められたボランティアをするのではなく、まさに先ほどから話があります、生徒が主体的に計画して、自ら実行していく、そういう時間もきちんと確保するようになっており、このこともそのほかの生徒にもいい影響を及ぼすのではないかと考えているところでございます。

○興治委員
 分かりました。ぜひそういう展開を、県の教育委員会としても後押しをしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。

◎常田委員長
 そのほかございますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ちょっと、私も1点いいですか。すみません。
 50周年博物館、すごくいい企画と思います。ただ、期間の問題も先ほど言われましたが、私は県民の方がたくさんこれを見ていただけたら。実際、今回のチラシを見てもコアな方というか、そういう方が来られるかと思いますが、広く県民の方にもっと何かアプローチする手段があればと思うのです。ホームページとかでもこういう作品が展示されますとか、そういうことはあると思うのですが、何か広く県民の方にPRすることというのは考えておられるのか、教えていただきたい。

●漆原博物館長
 私もこの企画展を紹介する中で、結構、興味を持っておられる方々がおられるのだなと印象を持ちました。これを広く一般の方々という言い方はちょっとおかしいですが、広く周知していきたいと思っておりまして、例えばSNSであるとか、そういうもので上手に発信していきたいと。あるいは、先ほども申し上げましたが、期間が短い分だけは、その期間に多くの方々に来ていただけるように、小学校、中学校等にまた改めてちゃんとお願いをしてみたりとか、近くになったからこそ、見学に行けるようになるというようなこともあろうかと思いますので、その辺、御指摘を踏まえまして、再度、検討していきたいと思っております。

◎常田委員長
 よろしくお願いします。
 そのほか、よろしいでしょうか。

●足羽教育長
 私のほうから。今日、報告させていただいた中で、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の点についてたくさん御意見いただきました。最後、福浜委員からもありましたが、学校運営協議会だけではなく、もう一方である地域学校協働活動が一体となってこそ、この子どもたちを育てていくという考え方が進めていかれます。その考え方をコンパクトにまとめた資料がございますので、また委員の皆様に後ほどお配りして、非常に分かりやすくまとめていると思いますので、そこが両者一体、両輪となって、子どもたちが中心に座って、育ちを支援していくという、そういう資料をまたお配りしたいと思います。
 もう1点、博物館についてもたくさん御意見をいただきました。ティラノサウルス展で本当に盛大な反響というか、観覧者にお越しいただいて、本当に感謝を申し上げます。今回の50年もこの歩みというのをしっかりPRしていくことで、鳥取にはこの博物館が県の誇る財産としてあること、そして、中部で今、建設が進んでいます新美術館についても同時にPRしていけるような企画、これは浜崎委員からアイデアをいただきました。ちょっと今、建造物もだんだんと見える化になってきていますから、そんな部分と、それから、将来こんな姿だというのが博物館でも映像でちょっと見えるような仕掛けをちょっと考えて、PRしたいと思っております。浜崎委員からはすてきなアイデアをいただき、それも併せ持って、来場者の方にはこの50年の歩みと、そして美術館に向けてのPRも重ねて進めてまいりたいと思っております。

◎常田委員長
 そのほかよろしいでしょうか。
 次に、閉会中の調査事項についてお諮りいたします。
 本委員会所管に係る本県の行財政運営、学校教育の諸課題、その他の主要事業については、閉会中もこれを継続調査することとし、その旨、議長に申し出ることについて御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、その旨、議長に申し出ておきます。
 次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かございますか。

○西川委員
 これは半分要望になるのですが、新聞報道で美術館の今回の収蔵品の説明会をやられたというので、いろんな御意見があったというようにお聞きしました。本当は今日その報告があるのかと思って待っていたのですがなかったので、一言ちょっとお伺いしたい。議会もいろいろここで協議させていただいて、いろんな問題点なども指摘したりしてやっていると思います。それで、よりよい、いいものをつくろうと思ったら、やはり理解してもらう努力がもっと要るのではないかなと。批判は批判で受け止めて、やはりここで説明されたことをもっと真摯に説明するということが、僕は新聞報道でしか知りませんが、もうちょっとそういう理解を得ていかないと、県民の美術館ということにならない。ぜひとも、もう少し今以上に努力をしていただきたいというのをお願いしようと思ったら今日おられませんので、ぜひとも教育長からお伝え願えたらと思います。

●足羽教育長
 美術館の作品購入については、この常任委員会でも本当に議論いただき、御理解いただき、前面に出したわけですが、反響が大きかったというのが実際のところでございます。その意味で、今までは淡々と購入して、それを展示という形でしてきましたが、新しい美術館ができるに当たって収集方針の考え方や、また、今回購入したその作品自体についても各地区で丁寧に説明をしていくこととしております。当初は3地区だけ、東中西でしたが、東部のほうで声があったことがありますので、岩美町でも同じような説明会を開催したいと思っておりますし、御要望があればそういうところに出かけていってでも、今回のことだけではなく、全体の新しい美術館建設に向けた作品収集の方向性、考え方、しっかりと理解が得られるように丁寧に誠実に説明をしてまいりたいと思います。

◎常田委員長
 そのほか。

○森委員
 ちょっと話は替わるのですが、5月1日の時点で教員が足りないという状況が起きて、そこについては教科外の先生が教える臨時免許というのですが、そんなことをやっているところももしかしたらあるのかなと。そういった実態が分かれば教えていただきたいですし、それから、特に芸術教科、美術をはじめ音楽、書道、こういったところに非常勤の先生ばかりなどという話を聞いたのですが、どういう状況になっているのか、もし分かったら教えてください。分からなかったら、また後で資料をください。今どうでも答えろということではありません。

●中田教育次長
 詳細については、今手元にございませんので、また改めて御報告させていただきますが、芸術等の教科について全て非常勤というようなことはございませんので、その辺りの数も改めて御報告をさせていただきます。

◎常田委員長
 そのほかございますでしょうか。

○森委員
 では、あともう1個だけ。
 前に鳥取県は朝読ということで、朝、小中学校全校で、高校でもやっていますみたいな状態だったのですが、大分たってちょっと状況が変わってきているのではないかと思う。私は、朝読は完璧によくて、どうでもやれなどというそういう立場ではなくて、今どんな状況になっているかというのが、ざっくりと分かればちょっと教えていただきたいです。

●中田教育次長
 この朝読は、鳥取県ですごく力を入れてきておりました。現在でも、学校に来てからの子どもたちのスタートというのを、落ち着いた状況でスタートしたいというようなこと、それから、朝だけではなくて、朝取り組んでいなかったら昼のかかりだとか、そういうところも含めて、学校の中が全部静寂であるような、そういう時間を取り入れようという学校はたくさんございます。データとしても、毎年、朝読なり取り組んでいますかということを義務教育のほうが聞いておりますので、またこれについても併せて御報告させていただきます。

●酒井参事監兼高等学校課長
 高校ですが、以前はほぼ全ての高校で朝読を行っていたのですが、最近はやや減ってきている印象があります。朝の時間の使い方は各学校でいろいろ工夫していますので、その辺の状況も含めて、また報告させていただきます。

◎常田委員長
 そのほかよろしいでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見が尽きたようですので、委員の皆様に御連絡いたします。
 次回の常任委員会は11月21日月曜日、午前10時から開催の予定でありますので、よろしくお願いいたします。
 以上をもちまして総務教育常任委員会を閉会いたします。

午前11時30分 閉会

 

 

 


 

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