令和3年度議員全員協議会議事録

令和3年11月30日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです

出席者
(35名)

委員

市 谷 知 子        尾 崎   薫
銀 杏 泰 利        坂 野 経三郎
島 谷 龍 司        常 田 賢 二
中 島 規 夫        浜 崎 晋 一
濵 辺 義 孝        福 浜 隆 宏
藤 縄 喜 和        山 口 雅 志
内 田 隆 嗣        斉 木 正 一
澤   紀 男        西 村 弥 子
野 坂 道 明        浜 田 妙 子
松 田   正        森   雅 幹
山 川 智 帆        興 治 英 夫
川 部   洋        由 田   隆
浜 田 一 哉        安 田 由 毅
広 谷 直 樹        西 川 憲 雄
福 田 俊 史        伊 藤   保
語 堂 正 範        藤 井 一 博
鹿 島   功        福 間 裕 隆
内 田 博 長

欠席者
(なし)



説明のため出席した者  平井知事、亀井副知事、西尾総務部長、水中危機管理局長

職務のため出席した事務局職員  寺口事務局長


開  会     午前11時15分

閉  会     午後 0時41分

会議録署名議員  斉木議員  福間議員

司  会     内田(博)議長

協議事項     別紙協議事項のとおり


会議の概要

 

午前1115分 開会

 

◎内田(博)議長

 ただいまから議員全員協議会を開会いたします。

 まず、会議録署名議員に斉木正一議員、福間裕隆議員を指名いたします。

 本日の議員全員協議会の議題は、島根原子力発電所に係る鳥取県民の安全確保等に関する協定の改定等についてであります。

 島根原発に関する安全協定については、立地自治体と文言が一部異なることから、議会から県に対し立地自治体と同等の安全協定を改定するよう求めており、これを受けて、県は度重ねて中国電力に対し申入れをされてきました。今年9月に島根原発2号機が新規制基準適合性審査に合格した後、県と中国電力との間で安全協定の改定に係る協議会が再開され、これまで3回にわたる協議会が開催されました。また、新規制基準適合性審査についても、原子力安全対策顧問から検証結果について県に報告があったとのことであります。

 こうした状況を踏まえ、本議会として理解を深めるため、本件について説明を受けたいと思います。

 なお、執行部の説明等に当たっては、自席で着座にて、マスク着用のまま御発言いただくようお願いをいたします。

 それでは、知事に説明を求めます。

 

●平井知事

 皆様、こんにちは。本日より11月定例県議会が開会となりました。また、皆様、県民の代表として、様々な御指導をいただければと思います。

 この機会に全員協議会をお願いいたしましたのは、かねて県議会で議論の際に申し上げましたとおり、私どもが結んでおります中国電力との安全協定につきまして、その改定の交渉の状況について皆様に御説明、御報告すると、それで、最終的にはそれを了とするかどうか、その御判断を仰ぐことになりますというふうに申し上げておりました。したがいまして、今日、この機会に、半ば進展がございましたので、その状況について御説明を申し上げたいと思います。

 また、あわせまして、今日に至るまでの地元での様々な説明会や安全顧問の皆様の審査の状況等もその後の推移がございますので、皆様に併せて御説明しようというものであります。

 詳細につきましては、局長の水中から御説明を申し上げたいと思いますが、安全協定につきましては、大きく4項目、交渉を重ねてまいりました。そのうち立ち入っての調査につきましての考え方、それからまた、核燃料物質の輸送についての情報の提供、こうした2点につきまして、顕著な進展がございました。また、あわせまして、我々、費用負担を地元のほうに求められるのはおかしいと、少なくとも原因者負担ではないか、国の制度改正も当然要求していますけれども、中国電力としても原因者としての負担を明確化すべきだということも求めておりました。この県議会での議論に基づく交渉につきましても一定の進展が見られましたので、併せて御報告をしようと思うものでございます。

 詳細につきまして、局長から御説明を申し上げます。

 

◎内田(博)議長

 それでは、水中危機管理局長に詳細説明を求めます。

 

●水中危機管理局長兼原子力安全対策監

 それでは、私のほうから詳細説明をさせていただきます。

 資料につきましては、お手元の協定の改定等についてと別冊の資料、この2つを使って丁寧に御説明させていただくようにいたします。

 それでは、改定等についてのほうの資料をおめくりください。説明については、協定の改定状況と合格後の県、市の対応ということ、大きく2つで説明させていただきます。

 まず、1つ目ですが、1ページにございますように、「島根原子力発電所に係る鳥取県民の安全確保等に関する協定」改定に係る中国電力との協議状況でございます。

 これにつきましては、別冊の資料1と併せて説明させていただきます。1ページをおめくりください。鳥取県の協定と立地自治体の安全協定については、大きく4つの項目が違います。別冊の1ページを見ていただきますと、まず、鳥取県の協定では「事前報告」となっておりますが、立地自治体のほうでは「事前了解」となっております。ただし、鳥取県のほうを見ていただきますように、これについては、発電所の増設、それから原子炉施設の重要な変更について意見を述べることができる。協定の20条のほうで、それについては誠意を持って対応すると。さらに、運営要綱のほうでは、事前に計画概要の報告があれば、検討期間を考慮して、中国電力、県等と協議を行った上で、意見を踏まえ適切に報告するということで、実質的に事前了解と同じというふうなつくりになっております。

 2つ目の違いが立入調査でございます。県のほうでは「現地確認」となっておりますが、立地自治体のほうでは「立入調査」となっております。これは、1ページの下段にございますように、現地確認と立入調査と、文言が完全に違うということでございます。

 別冊2ページでございますが、鳥取県の協定では「意見表明」となっておりますが、立地のほうでは「措置要求」となっております。県のほうにつきましては、現地確認の中の3項で、現地確認したら相互に意見を述べられるというふうになっておって、それについては、意見があった場合は相互に誠意を持って対応するとなっております。立地自治体の協定のほうでは「適切な措置の要求」という言葉が使われておりまして、適切な措置(原子炉の運転停止を含む。)まで講ずることを求めることができるという規定になっているところでございます。

 4つ目の違いが、核燃料物質等の輸送計画の事前連絡の項目です。これは協定の7条で連絡を事前に受けるようになっているのでございますが、運営要綱のほうで鳥取県の場合は輸送日時とか輸送経路等の詳細な情報は核物質防護の観点から除くとなっております。立地のほうはこのような情報についても連絡を受けますが、公表しないとなっていると。この4点について違いがあるというものでございます。

 続きまして、別冊の資料3ページでございますが、これらの協定の改定につきましては、平成24年11月1日に、資料2にございますように、中国電力に対して改定の申入れを行いました。

 続いて、別冊4ページを御覧ください。それに対して、改定協議会を行っておりまして、その途中で中国電力から4ページの資料3にございますような途中回答をいただきました。その中で、安全協定の目的は立地自治体と同じものであり、安全協定の運用におきましては、立地自治体と貴県と同様の対応を行ってまいりますということで、文書でこの協定が立地自治体と運用上同じであるということを確認しております。先ほど申しましたつくりと、それから運用上同じと、この面でも確認したところでございます。

 続きまして、別冊5ページ、資料4でございますが、改定協議会につきましては、今年10月5日から改定協議を再開いたしました。第1回を10月5日に、第2回を1022日に開催いたしました。第2回の開催に当たりましては、中国電力にこれまで改定が長期間行われなかった理由について質問して、中国電力の回答といたしましては、これは5ページの下段のほうに書いておりますが、国策として原発を受け入れ、発電所に最も近いことで様々な心配をかけてきた立地自治体への配慮により時間を要しているというふうな回答を受けました。さらに、事前了解権が立地自治体の固有の規定というふうな中国電力の発言がございました。これについても確認いたしましたところ、立地自治体には公有水面埋立て等の許認可や用地取得などの施設設置の手続において包括的に理解をいただいた経緯があるという事情を踏まえた発言だというふうにございました。さらに、それに重ねまして、安全上には差がないということを県と市から中国電力に確認したところでございます。

 おめくりいただいて、別冊資料の6ページですが、第3回の改定協議会を11月4日に行いました。そこで、本編のほうの資料1ページにお戻りいただきたいのですけれども、四角で囲んでおる先ほどの4項目のうち、2番と4番について回答を得ました。

 2番については、「現地確認」を「立入調査」に改めるということで、これは原災法で立入検査できると規定されているところに倣って、鳥取県についても立入調査に改定するということでした。さらに、米子市、境港市も発電所に立ち入り確認いただけると、それから、鳥取県の原子力安全顧問についても立入調査を実施いただくこととするという回答があったところで、これについては改定するという返事があったところです。

 2つ目の回答については、核燃料物質の輸送計画ですが、これは全く立地自治体の協定と同じく、先ほどの輸送経路等の詳細な情報についても鳥取県にお伝えすると。ただし、公表はしないというふうに、立地自治体と同じような文言に改定するという回答があったところでございます。

 これと付け加えまして、別冊資料の7ページにお戻りいただきたいのですけれども、資料5になります。あわせまして、原子力防災対策に係る恒久的な財源措置についても中国電力の回答を得ました。これまでは単発的な寄附金ということで、特に人件費について寄附金を頂いておりましたが、恒久的な財源措置を求めておりました。その結果、真ん中の四角にございますように、中国電力からは、一定の継続性を持った仕組みとする方向、これについてはきちんと協定を結ぶと。それから、金額の規模感としては、これまでの寄附実績を一つの目安とするという回答を得たところで、一定の継続性を持つ方向について確認できたというところでございます。

 続きまして、8ページ、資料6を御覧ください。これまでの寄附金の受入れにつきましては、平成26年に申し入れて、2712月に鳥取県原子力防災対策基金をつくりまして、その中に受け入れてきたところで、2番にございますように、27年から現在までに11.8億円受け入れてきました。主に何に使ったかといいますと、職員人件費と2市への交付金ということで、これまで原子力防災に係るものに限って使ってきたところでございます。

 次に、本編のほうの2ページにお戻りいただけますでしょうか。資料2ということで、島根原発2号機の合格後の対応でございます。これについては、令和3年9月15日に報告を受けて、これまで住民説明会等を行っているところでございます。これまでの経緯としましては、別冊資料の9ページの資料7にありますように、平成25年の1121日に安全協定に基づいて、2号機の新規制基準適合性審査に係る事前報告がございました。10ページの資料8でございます。この事前報告に対しましては、平成2512月に鳥取県のほうから7つの項目を回答したところでございます。1つ目は、今回最終的な意見を留保し、当該事項に関する最終的な意見は、原子力規制委員会及び中国電力株式会社から審査結果について説明を受け、県議会あるいは原子力顧問、米子市、境港市の意見を聞いた上で提出すると回答してあったところでございます。それ以外にも、下の6つの項目で、例えば審査状況を分かりやすく説明してくださいとか、汚染水対策を適切に行ってください、それから宍道断層の評価等を適切に行ってくださいとか、周辺自治体の防災対策への協力を求めてきたところでございます。

 元の資料に戻っていただきまして、2ページでございます。合格後の県、市の対応でございますが、先ほど申しましたように、9月15日に審査合格の報告がございました。その後、同日に鳥取県知事、米子市長、境港市長でプロジェクトチーム会議を開きまして、審査内容の説明を受けました。今後の対応についても確認いたしまして、中国電力に審査結果について説明するように、それから、安全協定の改定協議を再開すると、それから、県と市で再稼働判断については住民及び県原子力安全顧問の意見をよく聞き、議会とも協議し、県、市が緊密に連携を取り対応していくということを確認したところでございます。

 9月16日は、資源エネルギー庁長官からも説明がありました。これについては、全国で初めて、周辺自治体に対して国のほうから政府方針について、資源エネルギー庁、いわゆる経済産業省から説明があったところでございます。中身につきましては、別冊資料の12ページ、資料10になりますが、このようなペーパーで説明を受けました。その中で、資源エネルギー庁からは、エネルギー基本計画に基づいて、原発については重要なベースロード電源で、世界で最も厳しい規制基準に認められた場合には再稼働を進めていくという政府方針が伝えられて、県、市に対しまして、国の対応について理解と協力を賜るようお願い申し上げたいというふうな説明を受けたところです。

 さらに、同じ資料の13ページ、14ページに国の方針があります。その中で、14ページの5番になりますが、再稼働後についても、政府は関係法令に基づき責任を持って対処していくというふうに述べられたところでございます。また、上の4番について、避難計画、地域防災計画については、政府として継続して支援していくということについても説明を受けたところでございます。

 元の資料に戻っていただきまして、3ページでございますが、その後、知事、両市長は原発を視察して、安全対策の実施状況等について確認いたしました。

 次、5番、原子力安全顧問による確認も受けました。原子力安全顧問からは、平成25年以降、約7年9か月にわたりまして、顧問会議12回、ワーキンググループ11回、現地視察を3回行っていただきまして、各顧問から専門的、技術的に抽出した論点について確認いただいたところでございます。

 その結果については、1117日に原子力安全顧問会議を開催いたしまして、県に報告をいただきました。その内容については、3ページの中段に書いてございます。かいつまんで説明させていただきますと、原子力規制委員会による最新の知見に基づく厳正な審査が行われて、島根原発2号機については、安全性確保に必要な対策が講じられているということを確認したという御意見でございました。

 例えば分野別でいきますと、地震・津波では、宍道断層と鳥取沖西部断層には連動がないこと、あるいは基準地震動の大きさ、それから津波・火山対策の有効性についても確認いただきました。プラントにつきましては、自然災害により設備の安全機能が損なわれない、あるいは航空機落下にも対応できるということが確認できた。汚染水対策については、これは特に境港市から求められているものでございまして、新規制基準にないものではございますが、中国電力が自主的に対策を行っていること、またその有効性を確認していただきました。次に、発電所内外の対応でございますが、放射線管理とか原子力防災訓練、あるいは組織、原子力安全文化の醸成等について、適切であることを確認していただきました。総括といたしましては、専門的観点から抽出した論点に対する適切な措置が講じられているということを確認いただいたところでございます。

 その結果、本文の4ページでございます。顧問会議意見ということでコンパクトにまとめておりますが、厳正な審査が行われ、顧問が専門的観点から抽出した論点について適切に対策が講じられ、中国電力の自主的な安全対策により2号炉の安全性確保に必要な対策が講じられていることを確認したと。ただ、中国電力に対しては、引き続き最新の知見を取り入れて安全性向上に努めることと人材育成に努めること、さらに、協力会社を含めて一人一人が安全を考えると。それから、地域の住民に安心していただけるよう、住民へ分かりやすい説明と積極的な情報公開をするべきだという御意見をいただいたところでございます。

 6番でございます。行政職員のほうにつきましても、県と市の行政職員で以下のとおり中国電力あるいは資源エネルギー庁から聞き取りも行いました。

 7番、住民への説明でございます。これは県と市のほうから中国電力及び国に対して丁寧に説明するように求めていたもので、これまで島根2号機の審査結果については原子力規制庁、原子力防災の取組については内閣府の原子力防災、それから国のエネルギー政策には資源エネルギー庁、島根原発の概要と必要性については中国電力、避難計画については県と市から、このような内容について、それぞれここに示しますように5回ほど住民説明会を開催させていただいたところでございます。このほかにも、県のほうは中国電力にきちんと説明するようにと申しておりましたので、境港市と米子市でそれぞれ説明会を中国電力に開催していただいております。

 8番、米子市と境港市の原子力発電所環境安全対策協議会です。これは原発の周辺環境への影響とか安全対策を確認して、市民の安全と健康を確保するために設置された協議会でございます。米子と境港の安全対策協議会の現地視察も行われましたし、県も入りまして、合同対策会議を11月8日に行いまして、中国電力と国から住民説明会と同じような内容を聞き取りました。1122日には、この協議会の委員を含めまして、顧問から顧問会議の意見の説明を受けたところでございます。

 次に、改定協議会でございますが、これまで3回しましたが、先ほど説明したとおりですので、これについては省略させていただきます。

 

◎内田(博)議長

 それでは、質疑に入ります。議員の皆様には、中央のスタンドマイクまで移動の上、マスク着用のまま御発言をいただきたいと思います。

 また、質問に当たっては、事前の取決めにより行っていただきます。

 ただいままでの説明に対して、御意見、御質問があればお願いをいたします。

 

○野坂議員

 まずは丁寧な御説明ありがとうございます。

 顧問会議の意見も伺いました。その上で、初めに、このたびの新規制基準は世界で一番厳しいと言われております。それはどういうことかといいますと、原子力規制委員会による極めて高度な最新科学と専門的知見に基づく総合的な判断だと私は理解しました。この点について、どうでしょうか。

 次に、安全協定の内容につきましてお尋ねします。

 立地自治体以外では日本で初めて締結した協定で、当時大きく報道されたことは私の記憶にも新しく、このことについては、平井知事の粘り強い交渉の成果だと私は評価をしているところであります。立地自治体の安全協定とは一部文言上の違いがありますが、中国電力から運用上同じであることを文書で確認されており、現状においても十分法的拘束力を持っているものだと理解しておりますが、いかがでしょうか。

 次に、このたびの改定協議では、4項目について文言の修正を求めて、現在までに2項目について、立地自治体と同じ文言にするとの回答を得ております。これもちなみに周辺自治体では初めて、日本で初めてということを伺っております。残り2項目につきましても、中国電力としっかり協議をしてもらいたいと思っておりますが、特に措置要求については、これは仮に原発が再稼働しても、原子炉の停止を求めることができるという非常に重要な項目となると思います。私はこの点の交渉の見通しは厳しいのではないかなと、このように理解はしておりますが、可能なところで結構でございますが、見通しはどのように持っておられるのかお尋ねします。

 一方で、実質的な安全確保の成果とは別にして、立地自治体への配慮は、私は必要だと考えております。立地自治体は40年近くにわたって国策としての原発を受け入れ、日本のエネル

ギー政策、経済成長にも大きく貢献したこと、これについては周辺自治体としても敬意を表すべきだと、このように思っております。溝口知事時代から平井知事と協議を重ねてこられましたが、鳥取県に対する島根県の配慮にも鑑み、協定上、一定の文言の差異については、私はこだわるべきではないと思います。むしろ実質的な安全確保の観点から今後の協議はなされるべきだと、このように思いますが、知事の御所見を伺います。

 最後に、財源についてお尋ねいたします。

 一連の原子力防災費用は周辺自治体においても立地自治体と同じだけ発生しております。そのような中で、全国の周辺自治体では、唯一鳥取県が中国電力から財源協力を引き出しております。名目の議論がありますけれども、そんなことはどうであれ、交渉の成果として、私は大いに評価しているところであります。

 しかしながら、本来はこれについては国が措置するものだと考えております。必要な法改正、制度改正も含めて、原子力防災に係る財源措置は今後も強く国に求めていくべきだと考えますが、知事の御所見を伺います。

 

◎内田(博)議長

 答弁を求めます。

 

●平井知事

 野坂議員の御質問にお答え申し上げます。大きく3項目につきましてお話がありました。

 まず、新規制基準についてお尋ねがございました。

 これにつきましては、議員が今おっしゃられたように、最新の科学あるいは専門的知見を結集したものだと考えております。とりわけ原子力規制庁ができた経緯、それから規制委員会のそもそもの発足の成り立ち、そうしたことから、福島原発事故を再発させないという、そこに重きを置いた抜本的な見直しが図られたものだと承知いたしております。そういう意味で、万が一のテロ対策、あるいは重大事象、またベントの問題であるとか、かなり包括的にプラントや様々な問題にアプローチをしていると思います。したがいまして、新規制基準は一定程度そうした信頼性のあるものと理解してよいのではないかと思いますし、現実にもここに至るまで中国電力も度重ねて規制委員会のほうから基準に合っていないということではねつけられながら、それをまたもう一度改め改めして今日に来たものと理解いたしております。

 2点目といたしまして、安全協定につきまして何点かお尋ねがございました。

 まず、法的拘束力が現状でもあるのかどうかということでありますが、これについては、現状でもあるものと思います。これは民法によるいわゆる無名契約と言われるような自由な考え方に基づく協定であり、両者の意思の合致をもって成立をしたものでありまして、裁判所に持っていけば、司法の力で実現していただけるものになっていると思います。その内容につきましては、度重ねて中国電力側と確認をしておりまして、先ほども局長のほうから実際の書面も示させていただきましたが、中国電力からは、立地と変わらない同様な対応をするという趣旨の協定であるという内容の回答を得ています。こういう回答の文書自体も契約の解釈に係るものでありまして、裁判所に持っていった場合の判断に影響するものだと理解をいたしております。

 措置要求につきましてお尋ねがございました。先ほど局長のほうから御説明申し上げたうちの3番目の項目でありますけれども、これは正直、平成23年に交渉するときも難航したものの一つでございます。それは、議員が今おっしゃったように、立入調査をしまして、それに基づいて、ここについてはこういう措置をしろと、最終的には原子炉を止めるということも含めて措置の要求をするという条文なのでありますけれども、これについては、お互いに誠実に対応するという中で、立ち入って現地確認をした上での意見を申し入れて、それに誠実に対応するという中で、実質的に同じことを考えますよというのが当時の中国電力側の言い方でありました。

 正直申し上げて、この措置要求は、この安全協定の中でも最も強い発動措置になると思います。この点については、同じ表現を取れるかどうか、今、中国電力側で真摯に検討されておられると思います。かなりハードな交渉を重ねてきているところであることを申し添えたいと思います。

 立地に配慮すべきではないか、実質的な考え方でこの協定の交渉をすべきではないかというお話であります。

 議員がおっしゃったように、我が国のエネルギー政策あるいは産業の問題でも、やはり立地自治体は一定の負担を負っているということは、率直に我々は隣県として認める必要はあると思います。現実には溝口知事、それから今の丸山知事と折に触れてこの原子力発電所の問題も非常に率直に話合いをさせていただいておりますけれども、本県が周辺として影響を受ける立場にあることについては十分に御理解をいただくようになったと思いますし、今、こうして中国電力と安全協定の改定作業を進めていることも、現在の丸山知事、あるいはその前の溝口知事のほうで私どもに対する一定の理解があったからこそだと思います。そういうことは我々も感じているところでございまして、やはり立地が一番被害は大きくなるだろうということは蓋然性があるわけでありまして、やはり立地の考え方というのはある程度は配慮されるべきであろうかと思います。

 ただ、さはさりながら、我々も被害を受け得る、影響を受け得る地域でありますので、やはり同様に扱っていただく必要があるのではないか、それを文言上しっかりと明確にしろというのが本県議会の意思であると我々は受け止めておりまして、皆様の御意見に基づき、今、交渉しているところであります。実質的に同じような中身だというふうに判断できるかどうか、これについては、まだ交渉半ばでありますので、最終段階で県議会の御判断を仰ぐ機会を取りたいと思います。

 最後に、財源につきましてお話がありました。

 これにつきましては、国のほうでしっかりと財源措置をするような法的あるいは予算的措置をすべきではないかというのは全く同感でありまして、今後もこれについては求めてまいりたいと思います。

 

○浜田(一)議員

 県議会自由民主党の浜田でございます。時間もありませんので、2点に絞って知事にお伺いをいたします。

 平成23年、県民の安全確保及び環境の保全を図ることを目的として、島根原発に関して周辺地域として全国初の安全協定を締結して以降、知事は様々な機会を捉え、度重ね中国電力に対して立地自治体と同等の協定となるよう申し入れてこられました。その結果、先ほども御説明のありましたように、安全協定の改定に係る協議会の再開に至り、現段階で4項目のうち2項目とはいえ、改定の見通しが見えてきたということで、改めまして平井知事の交渉姿勢に敬意を表したいと思いますし、あわせて、中国電力に対しても、本当に真摯に対応してくださっていることを評価いたします。

 中国電力の回答の中では、鳥取県は立入調査に改定し、米子市及び境港市は発電所に立ち入り確認いただくこととするとされています。なぜ県と両市の表現が異なるのか、実態として現場で県と両市で実施する内容が異なるのか、また、両市はこの差異についてどのように考えているのかお尋ねします。

 最後に、中国電力からの回答のありました核燃料物質等の輸送計画に対する事前連絡についてお尋ねをいたします。

 マスコミ等は事前了解権ばかり注目されますが、実は4つの協議項目のうち立地自治体と周辺自治体で実質的な取扱いが異なるのは、この核燃料物質等の輸送計画の事前連絡であると思っています。これまで周辺自治体である鳥取県が教えてもらえなかった輸送日時等の詳細情報について、中国電力から事前に連絡が来るようになるわけであります。県民の安全確保の観点から、この核燃料物質等の輸送計画の事前連絡の意義について、そしてこれまでの安全協定の改定協議の成果に対する認識について、平井知事にお尋ねします。

 以上2点、よろしくお願いいたします。

 

●平井知事

 浜田一哉議員からお尋ねをいただきました。

 まず、1点目は、立入調査への改定案についてであります。

 立入検査と立入調査という言葉の違いは法律と私どもの協定との違いでありまして、島根県も同様の違いがあります。法律では、32条によりまして、法の定める原子力安全対策が適正に行われているかどうか、こういう範囲内での立入りの検査でございます。したがいまして、これは限定的に解釈をされていまして、それ以外の場合には行使できないというふうに解釈をされています。私どもが今結ぼうとしている立入調査というのはそれよりも広範な規定でございまして、この立入調査によりまして、例えば具合がおかしいとか、ちょっと怪しいのではないかとか、そういうときも含めて入って調べるということができるとなります。

 これにつきましては、従来、現地確認ということも我々は認められておりました。それと実質的には変わらないという説明を中国電力からはいただいておりますけれども、立地自治体である島根県と同じ文言になることで、その趣旨はより明確になるのではないかと思います。

 また、周辺2市、米子市、境港市については、現地確認という言葉のままということの今交渉になっていますが、これにつきましては、実は法律の32条のほうでは、もともと立入検査という言葉の使い方なのですけれども、立地の県、それから立地の市、そして周辺の県までが立入検査となっています。実はそういう意味で少し言葉の使い方に違いがありました。しかし、従来から私ども鳥取県が入るときに米子、境港両市も一緒に立ち入っている。これを運用として認めさせてきています。この点におきまして、別に不都合はないのではないかと見ております。現実にもこの案が示されまして、両市と事務的に下話をさせていただいておりますが、この点については、鳥取県に立入調査というものが認められれば、それに付随して両市が入っていくので、実質的にはこの文言で差し支えないのではないか、こういう今の内々の感触を伝えていただいております。

 輸送計画につきましてお話がありました。

 核燃料物質の輸送について、これは最初の協定を結ぶ平成23年のときも精力的に同じ条文を要求したところでありますが、ここは電力側からかたくなに拒否されたところであります。理由はテロであります。テロによって核燃料物質が狙われないか、その情報が立地以外に流れることを懸念したものであります。

 今回、先方が考え方を改めまして、これを当方に知らせてくるように改定してもよいということになりまして、これは大きな前進だと思います。これによりまして、核燃料物質がどういうふうに動くのか、場合によっては県内を動くのか、こういうことも事前に知ることができますし、対策を取ることができます。そういう意味で前進したと考えております。

 

○森議員

 それでは、まず、知事、今日は、題名でいきますと、原子力発電所の安全協定等に関することについてということです。現在の段階では4項目追加で安全協定の改定の申入れをしているのですけれども、中電からは2項目しか返ってきていない状況です。あわせて、原発の2号機については、新規制基準に適合したということで、審査合格ということを受けて、いろんな手続、説明会等をやってきたということの説明を受けているのですが、本日の全員協議会の位置づけについて、この全員協議会が終わるとどういう段階になるのかというようなことも知事の中にはあるのか、その辺りを最初にお願いします。

 

●平井知事

 一問一答ですかね。分かりました。

 本日の全員協議会は、今、森議員がまさにおっしゃったとおり、安全協定の改定などにつきまして御報告をするものであります。したがいまして、本日こうしてお集まりをいただいておりますが、結論を皆様に求めるものではございません。というのは、残念ながらまだ安全協定の改定、今議会に間に合えばよかったのですが、正直、全部の改定交渉がまとまっていないという状況であります。しかし、森議員も含めて、かねてこの安全協定については強調されておられましたし、私どもにこれはやはり改定させるべきだという御意見がございました。そういう宿題で我々は動いておりますので、議会にその状況を御報告しようというものであります。

 先ほど申しましたように、4項目のうちの2項目について進展がございましたし、あと、費用負担につきましても明確な意思表示がありまして、これも前進したと考えております。そのほか、今、この時点で議会に報告すべき最近の、例えば住民説明会だとか、様々な検討状況につきまして、併せて御報告をさせていただくこととしたものであります。これから県議会が進みまして、様々な御意見等もまた出るかと思います。そうしたものも含めて、今後も誠実に中国電力との交渉に当たってまいりたいと思いますし、また、安全確保を第一義として、周辺の意見を尊重した対応の中で、島根第2号炉の再稼働問題については慎重に判断をしていきたいと思いますが、ただ、その判断に当たりましては、必ず改めてこのように議会と相談させていただきたいと思います。

 

○森議員

 位置づけを今、知事に確認をいたしました。今日は限られた時間ということで、制限がある中でのルールをつくって、こうやっているのですけれども、私もこれは昨日の夕方でしょうか、ファクスが届いていたようです。今朝になってから知って、それを確認したのですけれども、非常に重要なことなのですよね。あらかじめ私としてもこの資料を頂いて、限られた時間で質問するということになると、やはり準備をして有効に使いたいという思いがあるわけです。その意味で、今後もあるでしょうから、ぜひとも資料の早期の提出をお願いしたいということだけまず述べておきます。

 また、議長には、今後の取扱いについての、こういう限られたということではなくて、県民に対しては非常に重要な事柄ですので、ぜひ十分な時間を取っていただいてということをお願いしておきたいと思います。

 それでは、中に入るのですけれども、いろんな御意見があったりして、私のほうからは、まず、安全協定の問題についての立入調査です。先ほども浜田議員から確認があったところですが、米子市、境港市は現地確認だということ。そこで、知事からは、県と一緒に行くので、実際には立入調査ということで、米子市、境港市は了解の方向であるような雰囲気を感じているというお話でありました。

 私は米子市の元職員で、思い返しますと、亡くなった森田市長が、平成8年だったと思うのですけれども、市長になられてすぐ、中電に安全協定締結の申入れをされました。みんながびっくりして、何だ市長はみたいな感じのこと、それから、当時の助役も県から来ておられましたので、どうやって市長を止めるのかみたいなことまでいろいろやられた経過があったと思います。結果的に米子市がやっているのではなくて、市長だけが個人的にやっているというような位置づけにされてしまいましたけれども、森田市長はこの安全協定の締結を毎年求められておりました。それが周辺の自治体、鳥取県、境港市、米子市を含めてこうやって前に進んでいるということは、天の上で非常に喜んでおられると私は思います。

 そういった中で、例えばこうやって県と一緒に立入調査はできるのですけれども、県と米子市で考え方が違って、県は立入調査しなくてもいいと考えるけれども、米子市あるいは境港市は単独ででもここは立入調査しなければいけないのだというときがあったときには、これは調査ができない、そういうような分限であるのではないかなと思うのですよね。そういったところはどういう形になっているのか、知事にお尋ねをいたします。

 

●平井知事

 資料につきましては、また今後、議会側ともよく相談をさせていただき、適時にお示しをさせていただくように工夫をいたしたいと思います。

 立入調査あるいは安全協定につきましてお話がございました。

 森田市長は非常に独創的な発想をお持ちの方でいらっしゃいまして、この原発問題にも取り組んでおられたわけでございます。今、いみじくもお話がありましたが、当時は周辺とすら認めてもらっていない、全く相手にされていないという状態であります。私も就任して東日本大震災があるまでは同様の状況であったと思います。しかしながら、その後、立地である溝口知事などの理解もこれありでございまして、私どものほうでも率直に交渉を進めることができたのではないかと拝察をさせていただいておりますが、相当大きな抵抗がある中で、平成23年5月から思い切った交渉を始めさせていただきました。言わば全国の切り込み隊長のような形だったと思います。そういう意味で、周辺としての権限を勝ち取ってきた、それも協定という法律的拘束力のあるものとして勝ち取ってきたところでありまして、これは議会と共に得た成果ではないかと思っております。

 立入調査ないしは現地確認もその一つのツールでありまして、これは大切に運用していかなければならないと思います。仮に両市もこれでいいということに最終的になって、立入調査については私どものほうに書かれ、現地確認については両市に書かれているとなった場合、法的には現地確認であっても法的な拘束力がありますので、両市が求めることは可能だと思います。先ほど申しましたように、現地確認と立入調査につきまして、もともとは違いはないと中電側は言っておりますので、実際にどこを見せてくれるかとか、そうしたことにおいても大きな差はないと思っています。したがいまして、両市における単独の権限行使はぎりぎり可能だと思います。

 その上で、今日も御指摘がございますので、両市とは誠意を持って今後も話合いをさせていただいて、両市が求めるときには県も同行したり、現地の調査をこうした立入調査という形式においても全うできるように、今後、運用上工夫できるのではないかと思っておりますし、そういう話合いをしてまいりたいと思います。

 

○森議員

 文言上で両市が現地確認にとどまるということであれば、どちらかがそうやって調査をしたいということには、県がそれの意見を聞いてやっていくという形が取れるということであれば、ぜひそういった形をやっていただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。

 あと何点かお話をしたいのですけれども、財源の問題も先ほど議論がありました。中電からは取りあえずはということになっているのですけれども、これはやはり本来国が措置すべき内容で、これを毎年知事が国要望としてやっているわけですけれども、これの対応が、一体どんな回答が返ってきているのか。そこで県選出の国会議員さんもたくさんおられて、どういった形でそういった方々と一緒になってやられているのか。それからまた、周辺県がたくさんあると思うのですけれども、周辺県もみんな同じ問題を抱えているわけですね。知事は知事会長になられて、知事会の中に周辺県連合みたいな形をつくっていただけるのが私は一番いいと思うのですけれども、そういったところでやはり国に対して圧をかけてこの財源を確保していくということが必要ではないかと思うのです。その辺りについて、知事の見解をお聞かせください。

 次に、事前了解の問題ですけれども、中国電力から立地の固有の権利だというような発言があったと。そのことについて、一応釈明をしたということで資料は出ていますが、本心なのかどうか。これは中電の本心ではないのかなと私は思うのですよね。周辺には一切こういったことを出さないぞということを言っているのか、それとも例えば松江市が何かすれば、これについてもいいよというふうな考え方があるのか。その辺りについてお聞かせ願いたいと思います。

 あわせて、今度は審査合格の件です。安全顧問会議が1117日、審査合格については妥当だろうという結論を出されたというお話でした。規制委員会の専門家と、そしてこの顧問会議の専門家が、どちらが上かみたいな感じもするのですけれども、私は例えば顧問会議の人たちも規制委員会の審査に批判的な人たちの声を聞いてみる必要があるのではないか。そういったことが私は必要だと思うのですけれども、その辺について、知事はどのようにお考えか、伺いたいと思います。

 また、この顧問会議の結論を出された17日、顧問会議のメンバーで、顧問会議を欠席して、同じ日の同じ時間帯に鳥取県の要請によって、これはリモートですけれども、講師として原子力防災専門研修をやっておられます。梅本さんという委員です。この人は地域防災学、原子力防災の専門家ということで、いわゆる審査の問題については門外漢なのかなという感じはしないでもないのですけれども、危機管理局の依頼を受けて、顧問会議で重要な結論を出す日に顧問会議を欠席してまで原子力防災専門研修の講師となってやっておられます。これもすごく私は違和感があるのです。大事なことを決めるときに委員が欠席をしてやっているということに、またそれを同じ知事の命令でやっていると。これも本当におかしな話だなと思っていますが、この経緯についても説明をいただきたいです。

 

●平井知事

 まず、財源についてでありますが、国への要望等につきましては、度重ねて関係機関のほうに私自身も要望していますし、担当部局のほうでも行っているところであります。また、全国知事会での動き等では、原子力安全対策の委員会がございまして、こちらのほうで国要望をさせていただいております。ここに周辺としての意向も盛り込んで、こういう財源措置につきましても近年は記載してもらうようにいたしました。したがいまして、立地と周辺の対立というよりは、むしろ周辺も含めた財源措置が必要だというところで全国的にはまとめていくのが多分一番近道ではないかと思っております。今、そういうような交渉方針でやっているところであります。

 事前了解権につきましては、私も先方の意思は正直よく分かりません。何が本音で何が建前なのかということはよく分からないところでございますが、いずれにいたしましても、この議場で度々議員の皆様が示されておられますように、被害を受ける可能性があるということであるならば、やはりそうした事前了解、ないしは先ほどお話がありました措置要求といったようなこと、こういうような重要な権限についても立地のみならず周辺についても与えられて当然ではないかと、こういうことは今後もしっかりと主張してまいりたいと思います。交渉はまだ結構ハードなところでやっているところでございまして、先方も真摯に検討されていると思いますので、次の向こうの動きを見て、また御報告させていただきたいと思います。

 また、原子力安全顧問会議についてのお尋ねが何点かございました。この点につきましては、危機管理局長のほうからお答え申し上げます。

 

●水中危機管理局長兼原子力安全対策監

 原子力安全顧問会議の件について御質問いただきました。

 梅本委員は原子力防災の専門家で、原子力顧問をやっていただいております。当日につきましては、原子力防災専門研修といいまして、避難の実効性を上げるためにはやはり行政職員の能力向上というところが大事ですので、数か月前から先生にお願いしまして、その専門研修をやってもらうようにしておりました。その後、原子力安全顧問会議と重なってしまいましたので、先生のほうから県のほうにどのようにしたらいいだろうという御相談を受けました。先生も顧問会議の重要性は非常に認識しておられましたので、先生から、先生がこれまでずっと確認されてこられました原子力防災、県の避難計画等についての今までの確認結果についてコメントをいただきまして、当日、そのコメントをこの顧問会議では事務局のほうから発表させていただいたというところでございます。次の合同会議で原子力顧問会議の意見を説明するときにつきましては、先生も参加していただいているところでございます。そういう経緯でございます。

 

◎内田(博)議長

 時間です。

 

○森議員

 安全協定についてはもういいではないかという議論があるのですけれども、やはり文字が違うということは違うということが前提だと思いますので、ぜひ知事には安全協定改定に向けて頑張っていただきたいということを申し上げて、終わります。

 

○澤議員

 それでは、今まで知事のお答えになった中で、1点、確認をさせてもらいたいことがあります。

 先ほど話の中で、4番目の核物質等の輸送計画の事前連絡、これについて、詳細な情報をしっかりと事前にお知らせをするということで、これは今までなかったことができたということは非常に大きな成果だと思います。これはもう本当に理解はします。

 そこで、今までなかったことなのですけれども、例えば仮に、そういう核物質の輸送が鳥取県内を通るというようなことがあった場合に、事前連絡を受けた後の対応としては、どういうような対策を取ることが考えられるかということを確認させていただきたいと思います。

 

●平井知事

 澤議員から核燃料物質の輸送等につきましてのお話がございました。

 これにつきましては、我々も受けたことがないので想定しかねるところがございます。ただ、内容によっては、我々の意見を述べることは多分できるので、これはこうしたほうがいいではないかというような意見を述べながら、核燃料輸送につきまして、先方に適切な処置を求めることは多分可能になるのではないかと思います。

 また、場合によってはセキュリティー上の大きな課題があるときは、当然ながら警察等々、そうした関係機関とも共同していく必要があるかと思います。

 いずれにいたしましても、それがどこを通るかというのは分からないものでありますから、本県を通らなければ本県としての対策とはならないと思います。

 ただ、これまで一番課題となっておりましたのは、テロの問題がございまして、テロ等があるということで、本県には示さないという安全協定でありましたけれども、今回、示すということである以上は、その情報については公表しないという扱いを協定上盛り込まなければいけないのかなと思います。これについては島根県でも同様の対応をされているわけでありますし、テロ防止には我々も協力しなければならないと考えております。

 

○山川議員

 無所属の山川です。先ほど森議員から本日の全員協議会の位置づけという話があったのですけれども、私も住民の方に、今日、全員協議会があるのですよということを伝えましたら、何でこの時期に、誰に対して、何を話し合うのというふうに言われたのですね。先ほど知事から安全協定改定状況の報告で、結論を求めるものではないですよというふうに言われたのですけれども、やはり住民からしたら、今、中国電力の回答待ちであって、回答が全部出そろって、議会との質疑を踏まえてから執行部とどういうふうにするのかという全員協議会があるのではないかと言われました。今の段階ですと、安全協定改定が出そろっていない中の全員協議会ですが、ただ、この全員協議会は傍聴が可能ですから、中国電力さんも関心は高いと思います。見ておられると思います。中国電力さんもこの全員協議会を踏まえて、何らかのアクションなり意見を言われると思います。要は、この全員協議会は大事な協議会なのです。なので、先ほども森議員が前日の夕方に配付されたのでと言われたのですけれども、やはり入念な準備が要る。適時資料提供されますよというふうに言われたのですけれども、せめて2~3日前までには資料提供いただきたいと思います。

 あと、同時にですが、本日の全員協議会というのはネット中継されないと伺いました。住民やマスコミの方から、肝心の県西部の住民が聞けないというのはどうしたものだということで言われていましたので、極力オープンにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

●平井知事

 山川県議から全協につきましてお話がございました。

 先ほども申し上げましたとおり、本全協は報告をさせていただくことでお願いをしたものです。議場でのやり取りは、山川議員も御存じのとおりだと思いますが、皆さん安全協定は重要だとおっしゃられていましたので、私もお約束させていただき、安全協定の改定については随時御報告しますと。そのために今日開催をいたしたものであります。

 資料の扱いにつきましては、先ほど申しましたとおり、適時に御報告申し上げるように、これについてはまた工夫をさせていただきたいと思います。今日の御意見は参考にさせていただきたいと思います。

 また、ネット中継のことにつきましては、議長の判断のものだろうと思います。そうしたことなどについては、議会の議員の皆様でお話合いいただければと思います。

 

○山川議員

 資料提供及びネット中継は取り計らいのほどをまたよろしくお願いします。

 本題に入りたいと思います。資料1の安全協定です。4つあるうちの2つが今回変わってきたよ、進捗があるよということなのですけれども、これについてはやはり粘り強く長年された経緯があってのことだと思いますので、お礼申し上げます。

 今回、11条、鳥取県の立入調査なのですけれども、これは原災法の立入検査がベースになったというふうにおっしゃられていました。ただ、この立入調査とセットなのがやはり措置要求だと思います。原災法では立地自治体、周辺自治体にも措置要求というのはありません。法律的な根拠はありません。これは立地自治体並みに約束されていて、原子炉の停止を求める要求ができるものです。ハードな交渉と先ほどもおっしゃられていましたが、鳥取県も立入調査した上で、停止を求める措置要求、これはやはり確保する必要があると思います。意見を述べるだけであって、回答、レスポンスがあるという明文はありません。いかがでしょうか。

 

●平井知事

 この点につきましては、今、現地確認という条文で、第11条で現地確認において相互に意見を述べるというふうになり、その相互に意見を述べた場合に、第20条第2項で誠意を持って対応するとあります。これの解釈で、中国電力側は立地でやっているものと変わりませんよということをおっしゃっておられまして、ここから実は進め切れていないところがございました。私どもはそれを逆手に取って、だからちゃんと言うことを聞いてねということを我々は言うのですけれども、ただ、議会側として、これまでお話があったのは、こういうところの違いが実際の運用に関わってくるのではないかと、こういうことから文言を一緒にすべきだというお話があったわけであります。それで今、交渉をしているところであります。

 山川議員がおっしゃるように、立地と同じ措置要求というのは、ひょっとすると事前了解以上に重要なことかもしれません。何かがあった場合に原子炉の停止も含めて要求できるという権能でございまして、立地は当然それを持っておられるのだろうと思いますけれども、我々周辺にもそういうものが与えられるように、これはまだハードな交渉でありますが、交渉を続けさせていただきたいと思います。

 

○山川議員

 やはり知事も、事前了解と同様に、この措置要求というのは重要な文言であるという御認識です。文言で、11条の現地確認する際に誠意に対応するということは、やはり解釈が分かれるのです。レスポンスがある、回答を確実に得られるという担保がないのです。島根県は停止を含めた要求ができ、それに対して、要求に対して応じますという明文があります。ですから引き続き求めていただきたいと思います。

 そして、資料1の1項目めの事前了解、これもハードなものと言われた。中国電力側は、立地自治体同様の対応と回答され、知事は、事前了解権を担保されたのではないかと言っておられる。しかし、中国電力側は、立地自治体固有の権利で、周辺に拡大するのはあるべき姿ではないと公言されています。この考えを否定されてもいません。知事も中国電力側の本音や建前は分かりませんというふうにおっしゃられています。分からないからこそ、明文、文言で表示する必要があると思います。事前了解というのが立地固有の権利であるとおっしゃられるのであったら、なぜ周辺自治体が避難計画の作成も義務づけられて、そして避難計画の不備があったらその責任を自治体が負わされるのか。立地自治体、周辺自治体にかかわらず影響を受けますので、やはりここが矛盾すると思います。リスク管理の点からも、文言を同じにしていただき、対応の差が生じないように引き続き協議いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

●平井知事

 山川県議から重ねてのお尋ねがございました。

 まず、念のため立入調査の後の措置要求につきまして、1点付言をさせていただきますと、今、議員のほうで、措置要求をしたら、立地の場合はそれをするということになっているということなのですが、実は文言上、島根県の協定でも誠意を持って対応するという書き方になっています。したがいまして、そこの誠意を持って対応するというところは、本県の現在の安全協定と同じレベルでございます。

 あと、事前了解のお話がございました。これについても度重ねて議場でも議論されているところでありますが、実質上は同じ手続で今進んでいるように思えます。現にこれまで皆様も度重ねて、例えば1号炉の問題だとか、2号炉あるいは3号炉のこと、全て立地と同じように我々のところに協議が来て、その回答を待って動いているということでありますので、運用上は確かに先方がおっしゃっているように同じように動いているようにも見えます。ただ、それを担保するために、できる限り同じような文言に近づけていくべきだということだと思います。これもハードではありますけれども、どういう文言改定を引き出せるのか、今後、精力的に当たってまいりたいと思います。

 

○山川議員

 知事に確認したいのですけれども、安全協定、4つあるのですけれども、この4つの改定が出そろわないと2号機の稼働の判断はされない、この理解でよろしいですかね。ここを聞かせてください。

 

●平井知事

 これも重ねて今まで申し上げているとおりでありますが、実は安全協定の改定は、議会側から私ども執行部に宿題が出されたものでございます。したがいまして、執行部としては議会側に協定改定の最終的な状況についていずれ御報告をさせていただき、それを皆様が了とされるのかどうか、そういうことで、その後の再稼働判断に影響してくるというものだと考えております。

 

○山川議員

 知事は反対の人の声も聞くよと、周辺の方の意見も尊重すると言っておられます。実際、地元の境港市は、議会で安全協定改定の決議文が出されました。境港市と米子市では住民投票に向けた動きが始まっています。これらの周辺の方の意見もやはり踏まえながら、知事も反対の意見を聞いて、県は中立ですよとおっしゃられていますから、今まで議会も資源エネルギー庁、内閣府などの推進派の意見は聞いたのですけれども、客観的な専門家の中立的な立場の声も聞きたいという住民の声がありますので、その機会も検討いただきたいと思います。そして、何度も知事が言われていますように、慎重に、そして丁寧に、かつ根気強く協定を改定いただけますよう、よろしくお願いします。

 

◎内田(博)議長

 答弁はいいですね。

 

○市谷議員

 日本共産党の市谷知子です。幾つか確認、質問させていただきます。

 この安全協定の改定について、先ほど文言の差にこだわるべきではないというような意見もありましたけれども、境港市議会でも陳情も採択されておりますので、あくまで立地自治体の島根県と同じ協定へと改定を求めていくということに変わりはないかということを最初に確認したいと思います。

 

●平井知事

 これについては、度重ねて申し上げておりますとおり、できる限りそろえるべきだというのが議会の意思だと我々は受け止めておりますので、議会の皆様にもその成果をいずれは見せさせていただきたいと思います。

 

○市谷議員

 そうしましたら、協定改定の協議の在り方についてなのですけれども、日本原子力発電株式会社が東海第二原発について新安全協定を結んでおりまして、立地の東海村と周辺の自治体5市に対しても実質的な事前了解権を与えているという協定になっております。その際、立地の東海村の村長が、周辺の自治体にも事前了解権は広げるべきだという立場に立ったということが大きかったというふうに聞いておりまして、島根県や松江市に対しても、周辺の自治体にも事前了解権を与えるべきだということを島根県側にもぜひ知事のほうから働きかけしていただきたいのですけれども、どうでしょうか。

 

●平井知事

 これについては、丸山知事とは率直に本県の議会での議論の状況などもお伝えをしておりまして、丸山知事御自身もそうした状況については御理解をいただいている。特に安全協定のことが重要な課題として議会で捉えているということは理解をされていると思います。それをどこまでやるかということは最終的にはあるのだろうと思うのですけれども、交渉事というのは、やはり相手方が今、中国電力でありますので、中国電力をターゲットとして交渉をするのが最も近道であり、多分それがベターな選択ではないかと思っております。

 

○市谷議員

 中国電力がターゲットではあるのですけれども、立地のことを気にしていて、なかなか協定改定に踏み切れないというところがありますので、立地の側からやはり周辺自治体にも事前了解権をという理解が得られて発していただけば、理解も進んで、協定改定に結びつくのではないかと私は思っております。

 さっき山川議員が言われましたが、島根原発2号機の再稼働の判断にこの協定改定は影響を与えるということを知事が繰り返し言われます。つまり安全協定が改定されるまで、再稼働の手続は止まると考えていいのでしょうか。中国電力とはそういう約束になっているということでいいのでしょうか。

 

●平井知事

 まず、前段についてでありますけれども、市谷議員もちょっと想像していただければと思うのですが、立地には立地の立場が多分あります。これについては配慮すべきという議論も今日はございました。立地の立場がいろいろとある以上、果たして本当に周辺も安全協定を同じ文言にしろと言えるかどうかということであります。結局そこを要求すると、立地と周辺の対立になってしまって、安全協定改定で何の成果も得られなくなってしまう危険があります。つまり一番影響されるのは立地の意向でありまして、中国電力がそれに影響され得る以上は、私はいたずらに立地を刺激するのが得策とは思いません。したがいまして、ターゲットは中国電力に絞ってやったほうがいいと思いますし、その交渉状況については、丸山知事に日頃お話をしているということです。

 また、再稼働判断の時期でありますが、今、皆様のほうでこういう改定状況、さらに頑張れというお話が中心としてございまして、これを精力的に私どもとしては続けていきたいと思います。この文言については、我々はかなりこれまで勝ち取ったつもりでおりました。議会側から文言を合わせろというお話が続いたので、交渉しているということであります。したがいまして、議会側で文言上ももうこれで了とするかどうかというのをいずれは御判断いただきたいと思います。コピーではありませんので、どうしても文言はいろいろと違いが出てくるはずでありまして、それを了とするかどうかを最終的には議会に御判断をいただきたいと思います。そのことをもって再稼働判断の前提が取れてくるということになると思います。

 

○市谷議員

 つまり協定のこの改定の議論を続けている間はこちら側からも再稼働の返事はしないわけですし、その判断については止まっていくということと解釈させていただきました。

 協定の事前報告とか事前了解権の範囲について確認したいのです。重要な変更について、安全協定で中国電力が自治体に事前報告とか事前了解を求めているのですが、それが何を指しているのかと。いろいろ手続があります。設置変更の許可についてなのか、設計及び工事計画の許可についてなのか、保安規定の変更認可についてなのか、再稼働前の検査についてなのか、再稼働についてなのか、いろいろ今後手続があるのですけれども、一つ一つを重要な変更だということで、ばらばらで1つずつをそのたびごとに我々に事前報告なり事前了解が求められるのか、まとめてになってしまうのか、その辺について確認させてください。

 

●平井知事

 詳細につきましては、局長の水中からお答えを申し上げたいと思いますが、この安全協定の運用につきましては、全国で確立した実務のようになっています。したがいまして、その実務の中でこの安全協定が運用され、再稼働判断についての協議を求めてくるということになろうかと思います。基本的には、設置変更の許可等、そうしたものがこの協定の対象でありまして、それが一義的には対象になります。実は再稼働自体は協定の範疇外でありますが、現実には、皆様御案内のとおり、再稼働に当たっては議会も含めた同意を求めてくるというのが全国の立地の状況でありまして、協定以上にそこは補って解釈されているのではないかと思います。詳細は局長からお願いします。

 

●水中危機管理局長兼原子力安全対策監

 事前了解の範囲についてでございます。今、知事からございましたように、島根原発の再稼働について、新規制基準といたしましては、設置変更許可、工事計画認可の変更、それから保安規定でございますが、これまでの通例でいきますと、設置変更許可ということで、これが事前了解の対象となっております。そのほかにつきましても、各種のものが対象になりますが、ただ、安全協定の中で県民の安全に係るものは除くということになっておりまして、重要なものだけ事前了解の対象になっております。また、対象になるかならないかについても協議の対象となっております。

 

○市谷議員

 最後に意見ですけれども、協定上は設置変更の許可で、イコール再稼働ではないわけなのですけれども、私たちはやはり工事だとか設置変更許可だけではなくて、再稼働についても我々には事前に了解権を求めるべきだということを述べさせていただきまして、終わります。

 

◎内田(博)議長

 答弁はいいですね。

 予定していました質疑は終了いたしました。

 以上で全員協議会を閉会いたします。

 

午後0時41分 閉会

 

 

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