令和2年度議員全員協議会議事録

令和2年6月9日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです
出席者
(35名)
委員

        市 谷 知 子        尾 崎   薫
        銀 杏 泰 利        坂 野 経三郎
        島 谷 龍 司        常 田 賢 二
        中 島 規 夫        浜 崎 晋 一
        濵 辺 義 孝        福 浜 隆 宏
        藤 縄 喜 和        山 口 雅 志
        内 田 隆 嗣        斉 木 正 一
        澤   紀 男        西 村 弥 子
        野 坂 道 明        浜 田 妙 子
        松 田   正        森   雅 幹
        山 川 智 帆        興 治 英 夫
        川 部   洋        由 田   隆
        浜 田 一 哉        安 田 由 毅
        広 谷 直 樹        西 川 憲 雄
        福 田 俊 史        伊 藤   保
        語 堂 正 範        藤 井 一 博
        鹿 島   功        福 間 裕 隆
        内 田 博 長


欠席者
(0名)

なし

説明のため出席した者  平井知事、野川副知事、小林統轄監、亀井総務部長
            井上令和新時代創造本部長、山本教育委員会教育長
            中林病院事業管理者、津田警察本部長
職務のため出席した事務局職員  寺口事務局長外


開  会     午前10時13分
閉  会     午前10時51分
会議録署名議員  斉木議員  福間議員
司  会     藤縄議長
協議事項     別紙協議事項のとおり


 

会議の概要

午前10時13分 開会

◎藤縄議長
 ただいまから議員全員協議会を開会します。
 まず、会議録署名議員に、斉木正一議員、福間裕隆議員を指名します。
 本日の議題、令和3年度国の施策等に関する提案・要望の概要について、知事に説明を求めます。

●平井知事
 皆様、こんにちは。
 本会議に引き続き、ただいま私どもが直面している課題について、政府、国の政策、そういう諸事項について御協議を申し上げたいと存じます。
 詳しい内容は井上本部長から申し上げますが、今回、中心となりますのは、新型コロナウイルス対策がまずそのトップに来ると思います。この新型コロナウイルスは非常に厄介なものでして、私どもも1月以来対策を続けてまいりましたが、見えない敵であるばかりでなく、5人の方と会っても1人にしかうつさないという、そういう意味で、言わば忍者型で広がっていくという形です。そういう中、クラスターが発生しますと爆発的に広がっていく、そういう意味で、三密を防ぐという特殊な対策が求められています。やはりこれが経済社会にも影響を与える要因にもなったと思います。
 本県としては、現在、322の病床を確保しています。さらにホテルを700室余り確保しました。実働700ぐらいは使えると見込んでいます。そういう中で大体計1,000ぐらいの病床確保はできたところですし、PCR検査の体制も今1日に196検体を可能でして、東部、中部、西部の病院でさらに200増やすように、今、予算の提案をさせていただいたところです。
 ただ、これで十分かというと、まだまだその数量を得ていないところもあります。私どもは、今まで3人に抑えてきたことの逆として、免疫が広がっていないということにもなります。そういう意味で、しっかりと対策を取っていかないと急激に患者数が増えるおそれがあります。クラスターの分析等々をこれからも進めていかなければならない。医療提供体制、これには防護体制のことも含めて国に対してしっかりと要求して、その予算確保や、あるいは装備の確保について協力を求めることが、まず第一に大切です。
 それと併せて、経済、社会、雇用に甚大な影響を与えているわけです。それらを回復していく上で、今、政府のほうでは昨日から審議入りをして予算審議がなされているところであり、今週中にも成立するのではないかと言われているところですが、こういう内容を含めて機動的な対策を求めていく必要があります。これは、例えば教育についても、eラーニングをはじめとした様々な手法も求めていかなければならないわけです。このように、各般にわたる対策が必要な新型コロナウイルス対策の要請が非常に大きなウエートを占めることとなります。
 また、これと併せて地方創生あるいは地方分権、こうした昨今のテーマ、さらには産業や雇用の確保、また人づくり、あるいは人権の問題、それから防災対策、これは原子力防災も含め、そうした諸事項について例年のような要請活動もしていかなければなりません。
 例えば地方創生でいえば、コロナウイルスが広がってきたこともあり、逆に言えば地方都市等の魅力がクローズアップされてきたとも言えます。感染が広がったのは大都市であり、やはり地方都市のほうが、ソーシャルディスタンスを保ったり、また大いなる自然の中で伸び伸びと暮らしながら、感染対策と同時に経済活動やあるいは子育てなど、そうしたことを思い切りできるという魅力が見直されるだろう。そんな意味で、地方創生などはこれからも新しくクローズアップされ得るテーマとなったと思います。
 そんなことなども含めた要請活動をしていかなければなりません。ただ、あらかじめ申し上げなければいけませんが、政府の受入れ体制も、こういう状況下ですので通年どおりとはいかないと思います。ですから、情勢を見極めながら議会終了後に要望活動を行うタイミングを見たり、やり方を考えなければならないと思います。現状では、テレビ会議方式あるいは郵送という要望しか国では受け付けていないわけでして、その辺は従来と違うところがありますが、地方六団体そろって要望を求めてまいりたいと考えていますので、皆様の格別の御指導を賜ればと思います。
 詳細については井上本部長から申し上げます。

◎藤縄議長
 続いて、詳細説明を求めます。

●井上令和新時代創造本部長
 私から、令和3年度国の施策等に関する提案・要望項目について御説明を申し上げます。
 今回は、全部で10分野101項目の要望を予定しています。本日御説明させていただき、議会の皆様からの御意見をいただいた後、市長会、町村会等とも調整して要望活動をしていきたいと考えています。
 なお、先ほど知事からも申し上げましたとおり、本年度については、国の予算編成のスケジュールが例年に比べて1か月遅れとなっていますし、また、今後の新型コロナウイルス感染症も勘案する必要があるかということで、具体的な要望活動の時期あるいは手法については、六団体で改めて協議して行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、各項目について御説明します。恐縮ですが、以降、着座にて説明します。
 まず、要望項目の1、新型コロナウイルス感染症対策です。まず、検査・医療提供体制の構築で、今回、国の1次補正、また2次補正で緊急包括支援交付金という国からの交付金が設けられています。こちらの柔軟かつ弾力的な活用、あるいは今後の状況を踏まえた増額、こういったものを要望するとともに、(2)ですけれども、特効薬・ワクチンの実用化、医療資器材の安定供給、医療体制、検査体制の確立、こういったことを要望するものです。
 続いて、経済・雇用対策については、1次補正と2次補正で計上された地方創生臨時交付金ですが、今後の中長期的な対応という観点から、今後の経済状況を踏まえた増額ですとか、あるいは来年度以降の制度の継続、こういったことについての要望を考えています。
 また、(4)にありますように、雇用調整助成金をはじめ、国から各種の給付金等が設けられていますが、これの迅速な給付とか、あわせて、現在の雇用の状況等を踏まえまして、リーマンショック時にありました緊急雇用創出事業の雇用の受皿の確保のための制度の創設、それから次は商工業、観光、交通、農林水産業、各般にわたり影響が出ていますので、こういったそれぞれの分野に対するきめ細かな対策を求めるものです。
 2ページの冒頭、教育・若者への支援等です。学校の臨時休業による今年度のカリキュラムの見直し、また、受験生の皆さんが大変心配しておられる来年の入試の取扱いについて、早期に国としての方針を示すこと。また、例年、少人数学級の拡充や教職員定数の改善等を要望してまいりましたが、今年度については、特に学校における3つの密の解消ですとか新しい生活様式の実現、こういった観点からも、この実現について強く要望するものです。
 続いて、2地方創生・地域づくりの推進です。先ほど知事からも御説明しました、東京一極集中が新型コロナウイルスの感染拡大につながった面を踏まえまして、地方への新たな人の流れを生み出す地方創生の一層の強化。また、(5)にあります過疎法が今年度末で期限切れということになりますので、新たな法律の制定、また、(6)にあります地域交通に関して、今般、国会で地域公共交通活性化再生法が成立したことも踏まえて、バス以外にもタクシーですとか、あるいは共助交通等も含めた地域の多様な輸送資源に対する財政支援の実現を求めるなど6項目です。
 続いて、3地方分権の推進と地方税財源の拡充です。(1)で、引き続き抜本的な合区の解消を求めるとともに、(2)にありますように、新型コロナの関係で地方税あるいは交付税原資となる国税収入の減少が見込まれますので、来年度の地方財政対策におきまして、一般財源総額あるいは地方交付税の総額の確保を求めるなどの項目です。
 4防災・減災対策と社会基盤の整備です。こちらについては、西日本豪雨を契機として国土強靱化のための3か年緊急対策が行われていますが、これは今年度末までとなっています。ただ、引き続き対策を講じる必要がありますので、後継の対策を策定し、予算、財源を安定的に確保することなど、防災対策の各項目。それから、(8)にあります米子-境港間の高速道路の早期事業化をはじめとした社会基盤の整備、こういったことについて、合計12項目を要望するものです。
 5子育て支援・少子化対策です。昨年10月から幼児教育・保育の無償化がスタートしていますが、森のようちえん等、一部対象から外れているものもありまして、こういったものについて引き続き対象とするように要望するほか、(3)にありますように、保育士についての処遇改善、あるいは設置基準の改善等について引き続き要望を行うものです。
 続いて、6社会保障の充実です。(2)にありますように、地域医療構想の推進に当たって、先般、加藤厚生労働大臣から、本年9月までと言われていました、いわゆる病院の再編・統合の議論の取りまとめについて、これの先送りを容認すると会見で表明がございましたけれども、今般の新型コロナウイルス感染症によって全国的に公立・公的病院の果たす役割の重要性が再認識されたということもありますので、そもそも期限設定することなく、こうした議論に当たっては地域の実情によって行うということも要望してまいりたいと考えています。また、(3)にありますように、医師不足あるいは医師偏在の解消といったこともありまして、医学部の臨時定員による地域枠の措置の継続、こういうことについても要望を考えているというところです。
 5ページの中ほどの7観光、経済・産業対策、働き方改革の推進です。(1)にありますように、訪日誘客支援空港の制度化、これが今年度末ということですので、これの継続、あるいは、現在、米子空港のみですけれども、支援対象になる空港の拡大。あるいは(3)にありますように、働き方改革の関係で中小企業への同一労働同一賃金の導入が来年いっぱいということですので、こういったことに対する対策等、あるいは農林水産業の確保についての要望について、全部で12項目ということです。
 6ページ、8人材育成ですけれども、先ほど冒頭申し上げました少人数学級、あるいは教職員定数の改善に加えて、小学校の専科教諭の加配ですとか、あるいはスクールサポートスタッフ、部活動指導員、あるいは養護教諭、看護師、理学療法士の専門スタッフ等、働き方改革あるいは教育の質の向上という観点からの学校におけるスタッフの増員等についての要望など、全部で9項目です。
 9原子力発電所の安全確保については、従来から引き続きですけれども、安全協定を立地自治体と同等なものにすること、あるいは稼働の判断に当たっての安全性の厳格な審査、それから周辺自治体における人件費等の経費負担に対する適切な措置等、4項目を要望するものです。
 最後に、10くらし、人権尊重のまちづくりです。拉致被害者全員の即時帰国、あるいはインターネットを利用した差別表現に対する対策等を引き続き要請するとともに、性暴力被害者支援センターへの交付金の充実、あるいは、この7月からレジ袋の有料化がスタートしますけれども、レジ袋以外のプラスチック製品の削減の法制化、あるいは(7)にありますように、今年1月に発生した風力発電施設の事故の原因解明、あるいは様々な許認可手続等における地元意見の適切な反映等、全部で14項目を要望するものです。

◎藤縄議長
 ただいままでの説明に対して御意見、質疑等があればお願いします。
 なお、発言される議員の元に職員がマイクをお持ちしますので、自席にて発言をお願いします。

○市谷議員
 すみません、幾つかありますので、全て言いたいと思います。
 まず、1ページのGoToキャンペーンの関係なのですけれども、今、国において、委託費、委託の在り方が問題になっているのですけれども、そのことは国としてただしていただくと同時に、やはりこういう観光関係というのは地方が考えて使いやすい制度になるようにむしろ改善を求めて、使いやすい制度への改善ということを基本として求めていただきたいと思います。
 2ページの新型コロナウイルス感染症対策の(17)番なのですけれども、ホテルなどを自然災害と感染症対策で活用とあるのですけれども、記述の中で、2行目のホテルなどの民間施設等の借り上げや再稼働への支援とあります。この再稼働というのはどういう意味なのか説明いただきたいと思います。
 2ページの一番下の3の地方分権なのですけれども、(1)の合区解消はいいのですけれども、憲法改正についてはいろいろ議論が分かれるところですので、この憲法改正の記述は取っていただけないかなと思います。
 3ページ、これも地方分権の関係の(6)なのですけれども、最後に地方分権特区を制度化することというのがあるのですけれども、財源が来なければ県がこれを特区にしてもらっても意味はないわけです。どういうイメージで提案されているのか御説明いただきたいなと思います。
 ないものなのですけれども人権に関わることで、性同一性障害の方などが性転換などの手術など治療する際に保険が適用されないことが問題になっています。保険適用をという要求を、県もこの問題については結構積極的に取り組んでいるので、ぜひ入れていただけたらなと思います。
 4ページの下の社会保障のところで(2)地域医療構想がありますけれども、今、感染症対策として病床を増やしておられるということが厚生労働省からも言われているわけで、感染症対策を含んだ病床の数の在り方をぜひ検討していただくように求める必要があるのではないかと思います。

◎藤縄議長
 順次答弁願います。

●平井知事
 詳細はまた担当の井上本部長からお話を申し上げたいと思いますけれども、まず、GoToキャンペーンについては、これについては今わかってきたのですね。国会でもまさに予算審議が行われているところですが、全国知事会としても、地域での観光施策等とよく連動させるようにという要望活動をこれまでも行ってまいりました。そういう意味で、今回の要望の中にも地域の実情に即したという言葉を入れているのは、そうした地域でのやり方というのを検討してもらいたいという趣旨です。
 また、ホテルについては、表現として再稼働という言葉が適切かどうかということで、これは落としてもいいかなと思います。要はホテルと、今、協定を結び、いざというとき軽症者を受け入れていただくといった体制づくりをしていただいているのですけれども、一旦ここでお休みされるということです。再びお願いする時期が来たら、協定に基づいて入居といいますか、入所を認めていただくという、こういうことをやっていくわけですが、それには結構な財政措置が必要です。これまでの交渉状況では、例えばお一人入るのであっても1棟丸ごと借りないとホテル側としては受け入れられないことになります。ですから、そうした意味での財政措置をきちんと求めたいという趣旨でして、表現についてはまた的確なものに、今後、直させていただきたいと思います。
 また、そのほかGoToのことや人権のことや性同一性障害のこと等ありましたが、詳細はまた担当から申し上げたいと思います。あと地域医療構想に基づく点については、改めて私どもで、今回コロナという問題が発生して、中核的な役割を担う公立・公的病院のその意義が見直されたことを加藤厚生労働大臣などにも申し上げてまいりました。その結果として、取りあえず現行のスキームについては先送りという趣旨と理解しており、そういう発言もあったところです。そのことをよく今後も確認してまいりたいと思いますし、今後の第二波、第三波と言われる次の感染の波の際に公立・公的病院がしっかりと活躍できるように、そのバックアップを国に求めてまいりたいと思います。

●井上令和新時代創造本部長
 私から、引き続き、補足の答弁を申し上げます。
 まず、合区の解消に当たっての憲法改正の表現です。こちらについては、様々御意見があろうかと思いますので、また議会の御意見を踏まえましてよい表現を考えさせていただきたいと考えています。
 続いて、(6)の地方分権特区についてです。こちらの趣旨ですけれども、地方分権に関しては、今現在、提案募集制度で様々な地方団体から提案して、それを受けて国で議論をするということですけれども、ものによってはなかなか進まないもの、提案をずっと続けているのですけれどもなかなか進まないというものがあります。こういったものの一つの突破口として、提案に対して、これは全国での制度改正ではなくて、特定の区域である種実験的にそういったことをやってみる。もう本当に、国は、その分権に当たって、地方に分権して権限を渡すと様々な弊害が起こるということをできない理由として言うわけですけれども、では本当にそういったことが生じるのかどうかということについて、地域的に限ってやってみるというやり方も、分権を進める手法としてあるのではないかということで、知事会で提案しているものでして、そういった趣旨のもの。ある種ハローワークの地方移譲に関しまして、特区的に進めたことをイメージしていただければいいのではないかと考えています。
 5番目に、性同一性障害の関係については、今年から御要望をということだと思いますので、御意見踏まえましてまた改めて検討したいと考えています。
 最後、地域医療構想について、先ほど知事からも申し上げましたけれども、今の報告の中で、新型コロナウイルス感染症を踏まえてというところがまさに今回影響してきまして、今までとはある意味、いろいろと医療の前提条件が大きく変わったということですので、こういったことをしっかり踏まえて今後を進めていくという趣旨の要望と御理解をいただけたらと思います。

○福間議員
 2点質問したいと思います。あと1点は愚痴になるかもしれませんけれども合区問題について、先ほどの市谷議員と同じような趣旨になるかもしれませんが、合わせて3点です。
 1ページの(8)番、交通政策基本法ができて地域の交通政策は劇的に変わるという大きな期待を持っていたけれども、残念ながらどうしようもない状況に追い込まれてしまっている、そのことを国が分かっているのかどうなのか非常に大きな疑問を持つわけです。だから交通政策の具現化ということ、それに伴う財政支援の在り方ということにやはりもう一遍根本的にメスを入れる必要があるのではないかと、こういう具合に思っている。そこら辺の御検討をお願いできたら。これが1点。
 2点目は、2ページの合区問題なのです。憲法改正等を含めてとあります。場合によればそれもありかなという気がしますが、ただ、合区をするのに憲法改正をせずにできているのに、合区を解消するのになぜ憲法改正をしなければできないのかという疑問が、私にはずっと付きまとっている。鳥取県議会として国要望を出すならば、国会議員の議員削減、国会議員定数の見直しに国会議員がもっと本腰を入れてくれないなら、そうすれば合区解消ということにもう少しやりようがあるのではないのかなという思いが、どうしても浮いたり消えたりするわけです。そこら辺、もしできればコメントがいただければと思っています。
 5ページ、6番、7番、8番、ここら辺について、私は、鳥取県は、そうはいっても第一次産業を基軸とする農業県であると思っているのです。このことを忘れてはならないだろう。食料自給率が全国的に40%を切って今37%になってしまっている。だとするなら、私は食料自給率の向上ということを、しっかりとした農業政策を確立しなさいということをやはり国に強く訴えるべきではないのかなと思います。効率性を否定するものではありませんし、ここにある課題は、もちろんそれはそれで必要な課題だと思いますけれども、その前段としてやはり食料自給率の向上を、少なくとも60%、70%を目指すべきだという論調の要請が必要ではないのかなと思います。

●平井知事
 福間議員から御質問、御意見をいただきました。
 まず、交通についてです。これは非常に深刻な事態に入っていると思っています。実は私ども全国知事会でもこうした要望を国に申し上げていますが、私自身も今、知事会を取りまとめる立場にあり、毎回、要請活動を西村大臣等にさせていただいています。その中でも、例えば離島航路が隠岐にあるわけですね。そうしたところなどは本当に深刻な状況ですし、県内でも、バス路線あるいはタクシー事業者等から、お客さんが急減しているということへの重大な懸念が上がっています。そういう意味で、政府にはこれまでも、ここにも書いてありますけれども、こうした形で、地域交通は国の責務だと。議員も今、交通基本法のお話をおっしゃいましたけれども、住民の足を確保するということは社会政策にかかわらないわけです。今回の新型コロナ対策で外出を自粛する、移動自粛をすることが、まさに交通遮断に等しいものでして、そういう要請を政府がしたわけですから、国が責任を持ってやっていただくというふうに今回も要望したいと思います。
 議員もおっしゃるように、そうした財政支援が不可欠でして、要請の結果、今回の2次補正予算の中で一部、要望に基づくものと思われる支援事業が上がってきています。これは分析してみなければいけませんが、私どもとしても国の予算も出していろいろな形で多角的に御支援をしていく必要があると思いますし、政府に要望しながら、我々としても状況を今後フォローして、対策を機動的に展開してまいりたいと思います。
 次に、合区問題についてお話がございました。先ほども同じような趣旨のお話がありましたけれども、憲法改正というのは、これは最高裁判所で、鳥取選挙区、島根選挙区を分けることは憲法に違反するとなったのです。これは、これまで鳥取県選挙区、島根県選挙区という存在、都道府県が政治的、社会的、経済的ユニットとして果たす意義が歴史的に認められていた。実体的にも認められていた。したがって、これを選挙区とすることは合理的だと。これまでの昭和58年の最高裁大法廷判決等で、きちんとした先例からの解釈論で確立したわけです。ところが近年は、それに逆行する最高裁判断がなされるようになり、こうした鳥取県選挙区、島根県選挙区を設定するようでは人口比例の原則が満たされない、したがって違憲であるということになってしまったわけです。
 したがいまして、今、解釈論として、こういうものの解釈と調和する形での現行法での対処は一定程度可能ではあろうかと思いますが、根本論としては、憲法の価値観の中に地域代表としてのものが十分に組み込まれていないということになります。したがって、各党各会派で、今国会でこうした議論が闘わされているところでもありますけれども、そうした観点から憲法論も必要ではないかと、こういう党派の議論もあるということでして、私どもとしてもその議論の状況を書かせていただきました。
 先ほど本部長から申し上げましたように、これからも議会を通じて各会派の御議論をいろいろと賜った上で、最終的に文案を相談させていただきたいと思います。
 あと農業については、これも御要望として承らせていただき、また本会議中、各会派の議論を見定めさせていただきたいと思います。今ここに書かれている要望は、中山間地の農業を守ること、それから今の畜産を守ること、そういうことでして、議員がおっしゃる食料自給率を上げることにも、気持ちとしては通じているものでありますが、その表現や、あるいは別項目をつくるかどうかなど、今後の皆様の御意見をまちたいと思います。

○尾崎議員
 1点だけお伺いします。何ページということはないのです。どこにもないですね。私の要望したいことは、文化芸術関係者が非常に大打撃を受けていて、持続化給付金とかいろいろありますけれども、劇場とかコンサート、楽団。鳥取の楽団というのはそんなにないのですけれども、いろんな美術関係者、音楽関係者、本当に先行きがどうなるのだろうということを考えています。国もアーティストの支援とか、それから鳥取県もいち早く約束されました。本当に感謝されていると思いますが、それでは生き残れない。まだまだ抜本的なものが必要だと思っています。そのところを少し加えてくれないかなと思いますので、お願いします。

●平井知事
 結論から申し上げれば、また各会派の御議論を伺った上で、最終的にまた文案として相談させていただきたいと思います。現在、鳥取県としても全国に先導して文化芸術活動を支援する新型コロナ対策を打ち出し、これを適用して無観客公演を行っている団体なども出てきています。各県で同じような事業が今広がっているところでもありますし、政府にもこうした活動支援を求めたところ、今回の予算等において、そうした文化芸術に携わる方々への個人的な支給であるとか、また今後、GoToEventキャンペーンというのが展開される予定ですが、そうしたところでのチケット支援等も予定されていくこととなってきています。
 このような形で大分織り込まれつつあるところですが、産業、雇用の関係の要望と併せて文化芸術という名前も入れることについて、最終的に検討させていただこうと思います。

○山口議員
 1ページの(8)、バス、タクシーに関するところに、強力な支援措置とあります。先ほど知事が言われたように、例えば売上げの激減によって、ランニングコストといいますか、運転資金が枯渇している。県内に2業者ありますけれども、主力である高速だったり、航空だったり、これらがゼロに近い状況で、今、これらが経営を支えている現状の中で、経営自体が危ないと。ごめんなさい、結論から言いますと、補助事業に関する支援の緩和。例えば、年度末に出る資金が例えば中間で出るとか分割で出るとか、そういったランニングを確保する支援策であるとか、来年度補助を受ける対象事業の緩和策、これは物すごく必要なところだと思いますが、この要望も入っているのかどうか、考えをお聞きしたいということがまず1点。
 2点目は、5ページの(8)、農業施策で、着実に十分な予算を確保するとあります。議会で私も何度か質問しているのですけれども、例えばその支給に係る条件緩和も十分な予算を確保するということの中に意味合いとして入っているのかどうか。この条件がきつくて、負担が多いために農業従事者がどんどん減っているという実態があります。知事もお話しいただいている支給に係る条件緩和、これについて知事のお言葉をお願いできたらと思います。

●平井知事
 今、山口議員から、バス等について2点お話がございました。基本的には今のことは盛り込んだ上でというふうに受け止めてはいたのですけれども、表現ぶりについて、なお明確になるのかどうか検討させていただけたらと思います。例えばバスでいえば、既存の補助事業の弾力的な運用ということも、それはそういう趣旨で書かせていただいています。
 いずれにしましても、先ほども御議論がありましたように、地域交通についてはかなりの打撃があります。現在、県の無利子制度融資等もありますので、その融資で取りあえずつなげているというのが実情ですが、何せ売り上げが立っていませんし、片方で定時運行はしなければならないという責務が法律により課されている関係で、経営的には非常に厳しくなってまいりました。今後、よくフォローアップをしてまいりたいと思いますし、農業のほうについても、その状況をよくよくフォローアップしてまいりたいと思います。

◎藤縄議長
 御意見は尽きたようです。
 本件については、各会派等において協議の上、御意見があれば6月16日までに議長に御提出願います。その後、意見を取りまとめて執行部にお返しすることとしたいと思いますが、御異議ございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、そのように取り扱うこととします。
 以上をもちまして本日の議員全員協議会を閉会します。

午前10時51分 閉会


 

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