平成30年度農林水産商工常任委員会議事録

平成30年10月11日会議録(速報版)

出席者
(9名)
委員長
副委員長
委員

森 雅幹
島谷 龍司
山口 享
上村 忠史
斉木 正一
錦織 陽子
興治 英夫
濵辺 義孝
松田 正

欠席者
(なし)


説明のため出席した者
  吉村商工労働部長、村尾農林水産部長、丸毛企業局長、安本労働委員会事務局長
  ほか各局次長、課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  鳥飼課長補佐  中島課長補佐  有間係長

 


1 開  会   午前9時59分

2  閉  会   午後0時14分

3 司  会    森委員長

4 会議録署名委員     松田委員  興治委員

5 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり

 


会議の概要

                                午前9時59分 開会

◎森委員長
 ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。会議録署名委員は、松田委員と興治委員にお願いします。
 それでは、ただいまから、本委員会に付託されました議案について審査を行います。
 付託議案は日程に記載の10議案であります。
 執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いをいたします。
 まず、付託議案に対する質疑を行っていただきます。
 質疑のある方は、挙手をお願いいたします。
 質疑はないようですので、付託議案に対する討論を行っていただきます。

○錦織委員
 それでは、付託議案についての討論を行います。
 たび重なる大型台風の被害の発生に対しまして、当局の皆さんがいち早く現地に出かけ、昼夜を分かたず対応されてきたということについては、心から敬意と感謝を申し上げます。この議案第26号、27号で、商工の特別融資支援事業はいいと思うのですけれども、原材料や製品、機械の被害など、そういったものにも直接補償ができる制度や、しっかり守る農林基盤交付金の災害枠に林道だとか作業道なども入れる、そうした制度改革、制度改正の検討を要望したいと思います。
 議案第2号、26号、27号は、いずれも賛成です。
 また、議案第17号、18号の指定管理者の指定も賛成します。
 次に、議案第9号、鳥取県林業試験場手数料等徴収条例の一部を改正する条例は、試験場の試験機械の新規導入や更新に伴って、新たにできるようになった試験の手数料や、これまで実際には徴収していた機械器具使用料を条例にこのたび明記するということの部分には賛成ですが、曲げ試験とか圧縮試験など、大幅に引き上げられた手数料もあります。県内事業者の負担増の部分には反対をいたします。
 議案第16号、公の施設の指定管理者の指定(鳥取県立鳥取二十世紀梨記念館)についてであります。事業計画を見ますと、利用料金の減免事項の変更で、現在無料の校外学習の利用者の利用料を、今回県外の利用者は半額減免に変更するということです。減免分は招致活動に力を入れる、そういった経費に充てるためだと聞いておりますが、試算では、半額を負担してもらうこの金額は、梨の試食代相当で4万2,000円程度の増収になるということでした。増収分が招致活動に見合う額かも疑問です。
 そして、一般質問の中でもあったように、関係人口をふやすためには、若いころに鳥取県に来てもらうということが大事だという知事の御答弁もあったわけですが、そう考えると、県外からの校外学習もその一つではないでしょうか。鳥取の梨記念館に来ておいしい梨を食べたという記憶は、案外、外の景色だとか、そういったものよりも強烈に残るものかもしれません。値上げによって県外からの校外学習の機会が減ることも想像され、利用者負担をふやすことには賛成できません。
 また、議案第19号、公の施設の指定管理者の指定(鳥取県立とっとり賀露かにっこ館)についても、今まで無料だった出前かにっこ館を、月2回程度を限度とすることとか、実費程度とはいえ有料化することは、現在よりもサービスが下がるということになります。指定管理者制度は現行のサービス低下にならないことが第一なので、これら16号、19号の議案には反対します。
 企業局の4号、10号には賛成です。

◎森委員長
 確認しますが、9号、16号、19号、2号には……(「賛成です」と呼ぶ者あり)2号賛成ですね。
 9号、16号、19号に反対ということで討論がございました。
 皆さん、ほかにございませんか。
 それでは、出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 採決については、先ほど反対討論のありました付託議案とそれ以外の付託議案に分けて採決することとしてよろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 まず、議案第9号、鳥取県林業試験場手数料等徴収条例の一部を改正する条例、議案第16号、公の施設の指定管理者の指定(鳥取県立鳥取二十世紀梨記念館)について及び議案第19号、公の施設の指定管理者の指定(鳥取県立とっとり賀露かにっこ館)について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。よって、議案第9号、第16号及び第19号は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 続いて、残る議案第2号、平成30年度鳥取県一般会計補正予算(第4号)、議案第4号、平成30年度鳥取県営電気事業会計補正予算(第2号)、議案第10号、鳥取県営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例、議案第17号、公の施設の指定管理者の指定(鳥取県立二十一世紀の森)について、議案第18号、公の施設の指定管理者の指定(鳥取県立とっとり出合いの森)について、議案第26号、専決処分の承認について(1)平成30年度鳥取県一般会計補正予算(第2号)及び議案第27号、平成30年度鳥取県一般会計補正予算(第5号)について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成全員であります。よって、議案第2号、第4号、第10号、第17号、18号、第26号及び第27号は、原案のとおり可決または承認すべきものと決定いたしました。
 次に、報告事項に移ります。
 質疑等については、説明終了後に一括して行うこととします。
 執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いをいたします。
 それでは、報告第1、平成30年台風第24号による県内企業への影響・対策について、説明を求めます。

●谷本企業支援課長
 商工労働部資料の1ページをお願いいたします。台風24号による県内企業への影響・対策について御報告させていただきます。
 台風24号による影響につきましては、発災以来、商工団体を通じた情報収集及び商工労働部職員による企業さんへの直接訪問などをさせていただきまして、先ほど利子補助、制度融資に係る利子補助制度などを提案させていただいたところでございますけれども、この被害の状況について御報告させていただきます。
 まず、被害としまして、床上浸水、床下浸水被害が鳥取市青谷町ほか、そこの表にしておりますけれども、床上浸水で把握しておりますのが19件、床下浸水につきましては9件と県内広い地域で発生しております。主なものは、この浸水によりまして、電気設備なりが水につかってしまって、その復旧まで事業者さんはいろいろ苦労されているというような状況でございます。
 また、浸水以外のところでは、崖崩れによる被害、鳥取市で1件と、大山町のほうで1件発生しておりますし、また旅館ホテル等のキャンセル状況でございますが、2,800名程度のキャンセルが発生しておるようでございます。
 2番でございますけれども、10月1日と2日に商工労働部職員が直接企業様のほうを訪問させていただきました。17社について直接訪問させていただきまして状況を聞き取ったものを聞き取り概要ということでお示ししております。主なものは、先ほど申し上げましたように、設備なりが水につかってすぐ動かない、乾くまで待っている。場合によっては保険で対応できるものもありますし、買いかえも必要なものもあるというようなところでございます。
 3番の対応状況でございますけれども、災害対策の制度融資及び利子補助制度を発動させていただきますとともに、今後も商工団体と一緒になって、被災された企業へのきめ細かいフォローをしていきたいと考えております。
 なお、先週末の台風25号による被害につきましては、特に発生しておるという報告は受けておりません。

◎森委員長
 続いて、報告第2、県内・県外大学の就職状況等について、説明を求めます。

●小林雇用人材局雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事
 資料2ページをお願いいたします。県内・県外大学の就職状況につきまして、大学等の調査結果、それから県内就職の取り組み状況について御報告を申し上げます。
 1枚目の平成30年3月卒業生の県内就職の状況でございますが、まず(1)の県内大学等の状況でございます。済みません、ここで1点御訂正ですが、この(1)の県内入学としていますが、これは県内卒業でございますので、入学を卒業に訂正をお願いいたします。
 この状況でございますが、四角囲いで記載をしております。まず、全体の県内就職率、これはその下に記載をしております鳥取大学等の5校の合計で出した数値でございまして、就職者の列、(C)でございますが、そこの合計値1,622人のうち、Dの列、県内就職者の合計値447人の占める割合でございまして、これが27.6%と前年より0.5ポイント微増しております。
 また、学校別に見ますと、鳥取大学では県外出身者の多い工学部などで県内就職率がふえていることなどから、就職率が22.2%と増加をしております。
 一方で、環境大学につきましては、県内出身者の数が少なかったことが、そのまま就職率に結びついているということで、10%と大きく減少したものと考えております。
 (2)の県外大学等の卒業生の県内就職の状況でございますが、本県出身の県外大学卒業生のUターン率というのは、下に米印で記載をしておりますが、平成30年3月に卒業した学生のうち、鳥取県内に就職した学生の割合でございまして、大学院等に進学された者もこの中に含まれておりますが、そのUターン率は30.9%と前回調査よりも1.9ポイント減少しております。
 また、就職した学生の中で鳥取県内に就職した割合でありますUターン就職率、これは
38.6%と前回調査よりも3.2ポイント減少しております。
 こういった低下の要因でございますが、やはり学生の都会志向とか、大手志向が強まっているということが要因の一つになっていると考えているところでございます。
 一つ、下のほうに文理系別のUターン率の記載をしております。教育を含みます文系につきましては30.6%となっておる一方で、医療・福祉を含みます理系では31.3%と文系よりも高くなっている状況でございます。
 3ページをお願いいたします。学生の県内就職促進の主な取り組みでございますが、1つは、とっとりインターンシップの取り組みをさせていただいておりまして、ごらんのとおり、参加学生、そのうちの県外学生、それから参加企業、県内就職者、いずれも増加をしている傾向でございまして、これは下にも記載していますが、インターンシップフェスティバル等の取り組みの効果と考えております。それから、今年度から長期有償型のインターンシップも導入したところでございます。
 また、(2)に記載しておりますように、保護者、学生に対する企業情報の発信等も取り組んでおりまして、とっとり就活ナビでございますとか、それからマイナビの中に県の特設サイトも設けさせていただいております。また、(3)に記載をしておりますけれども、学生によります県内企業の情報発信も学生目線での紹介記事を作成して発信していくこととしておりまして、こういった取り組みも行っているところでございます。
 また、(3)の県内外の大学との連携でございますが、とっとり就活サポーターによります就活応援交流会の開催でございますとか、大学内における企業説明会の開催、それから県内企業の見学会の実施といった取り組みも行わせていただいております。
 (4)の未来人材育成の奨学金の返還事業も年度別で見ますと、認定者数、就職者数のほうも増加してきているところでございます。
 (5)に今後の予定事業等も記載をしておりますが、インターンシップにつきましては、これから来年の春に向けたインターンシップに取り組むこととしておりまして、11月23日に合同説明会も開催させていただきます。別添でチラシも2枚お配りをしておりますので、また後ほどごらんをいただければと思っております。
 また、学生、保護者のための就活準備セミナー等も開催をすることとしておりますし、12月27日には県外から帰って来られる方を特に中心としました企業紹介フェアの開催、それから県内企業の情報誌の発行等も予定しておりまして、県内就職の促進につきまして引き続き邁進してまいりたいと考えております。

◎森委員長
 報告第3、水力発電コンセッション導入に向けた取組状況について、説明を求めます。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 企業局の報告事項1ページをごらんください。水力発電コンセッション導入に向けた取り組み状況でございますが、実施方針と要求水準書の取りまとめ作業を今現在行っておりまして、この検討状況について御報告をさせていただきます。
 初めに、実施方針、それから要求水準書、改めて説明をさせていただきますと、枠の中にありますとおり、実施方針はPFI法に基づいて定めることになっており、特定事業の選定、あるいは民間事業者の募集及び選定に関する全7項目について、民間事業者の参加の検討の基礎となる情報について定めるというものでございます。定めた後に、実施方針公表後に、民間事業者の反応を確認した上で、正式にPFI事業、特定事業として選定をして、その上で募集条件、方法等の詳細を定めた募集要項の提示を行うということになります。
 要求水準書は業務の内容、あるいは事業条件等の詳細を記載したものということで、募集要項の一部を構成するというものでございます。
 まず、実施方針の検討状況でございます。1番目の(1)事業内容ですが、対象施設は日野川第一発電所を含めた4つということで整理をさせていただきました。それと対象業務ですけれども、大きく義務事業と任意事業に分けておりまして、小鹿第一、第二、それと日野川の3つの発電所の再整備業務、舂米含めた4つの施設に係る運営維持業務、これを義務事業。それと義務事業に関連する範囲の任意事業を対象業務ということにしております。再整備業務につきましては、PFI方式で民間資金を活用してということになりまして、所有権を県のほうに移転した後に、公共施設等運営事業、コンセッションとして運営維持業務を実施していただくという事業方式で考えております。
 (2)番、事業期間でございます。事業者ヒアリングの市場の意見を反映した見直しを行っておりまして、従前、舂米発電所の周期に合わせたもので全てのものの周期を合わせるという御説明をしておりましたが、やはりFITの20年の期間を丸々とってほしいという市場の意見、非常に多数ございましたので、そこを反映した格好で、日野川等、その再整備業務を行うものについては、再整備業務完了後の事業者提案日からFIT適用期間となる20年間ということにさせていただきます。
 それと、オプションの延長に関してですけれども、県と事業者側の条件の合意が得られた場合に行使ができるということで、これも採用していきたいと考えており、オプション延長を含めて最長50年間の運営を可能とする内容にしたいと考えております。
 それと、(3)番、運営権対価でございます。運営権対価は分割金と一括金で構成するということでして、下に図を描いておりますけれども、一括部分については、再整備を行う小鹿第一、第二、それから日野川の再整備業務に係る費用負担相当額、それと舂米発電所、これは県が今整備を行っていまして、起債で財源を確保しており、その起債相当額を想定しておりますけれども、一括金としていただいて、残りの収入に関しては分割金でいただくというぐあいに考えております。運営権対価の最低価格に関しては、これは募集要項のときに一括金、分割金ともに示す予定にしておりますが、その基本的な考え方としまして、引き続き我々が発電事業を実施した場合に得られる利益の見込み額から、事業者が行った場合の経営リスク移転分相当額を控除した額ということで設定をしていきたいと考えております。
 2ページをお願いいたします。(2)民間事業者の募集及び選定に関する事項ということで、募集の方法、選定の方法ですが、民間事業者のノウハウ、創意工夫を総合的に評価したいということですので、公募型プロポーザル方式によって選定を行おうと考えております。
 それと、選定の基本的な考え方ですけれども、最も効率的で適切に発電事業の運営、整備ができるものということで、アからエまで書いておりますけれども、安全かつ確実に実施すること、あるいは再生可能エネルギーの安定供給に資すること、地域経済の発展に資すること、それと県の財政の健全化に資することと、この4点を基本的な視点として選定をしていきたいと考えております。
 (3)番、選定スケジュールでございます。11月議会に実施方針条例を付議、議案提案をしたいと思っております。その議案をもし可決いただきましたら、年明けの1月下旬に実施方針の公表をして説明会を行うというぐあいに考えております。この実施方針に関して事業者のほうから質問をいただいて、我々が回答いたしまして、そこの質問、回答のやりとりで民間事業者の反応を見てということになりますので、そこで大きな問題がなければ、3月中旬にこの事業を特定事業として選定をするという段取りを考えております。3月下旬に募集要項を公表して、5月中旬には一次提案書の提出期限ということで、以降、ごらんのとおりでして、最終的には2020年7月に運営権設定、あるいは契約締結をして公表する流れを考えております。このスケジュール感につきましては、前回お話をさせていただきましたとおり、おおむね当初計画しておったものよりも3カ月後ずれということでお考えいただければと思います。
 (4)番、参加者の応募資格でございます。ここでごらんのとおりなのですけれども、実績要件に関しては、前回お話をさせていただきましたとおり、発電事業の運営維持業務の実績を有するものということを応募者に含まれているという要件を課したいと思っています。あとのものについては、おおむね通常のものと考えております。
 (5)番、審査及び選定手続ですけれども、まず水力発電事業に係る公共施設等事業者選定委員会というものを設置いたしまして、この場で提案の審査を行いたいと考えております。提案の審査方法ですけれども、まず一次審査で3社程度に絞り込みを行い、二次審査で競争的対話を通じて作成された提案書に基づいて優先交渉権者を選定ということでして、選定に関する基本的な考え方を上のほうで御説明しましたが、これに基づく評価方法によって審査を行いたいと考えております。まず当面の一次審査に関しては、ここに記載内容、主なものということで今想定をしておりますものとして、事業の取り組み方針、実施体制でありますとか、安全かつ確実に実施するための方針、あるいは措置内容、再エネの安定供給に向けた再整備の業務の実施方針、あるいは措置内容等々を記載していただきます。審査の着眼点を3ページの上のほうに書いておりますけれども、この事業の理解度、あるいは遂行能力はどうか、それと安全かつ確実に運営する能力があるかどうか、それと再生可能エネルギーの安定供給、効率化に向けた創意工夫がなされているか、あるいは県内事業者の関与度合いはどうかといったことを総合的に審査して、3社程度に絞り込みを行いたいと考えております。
 優先交渉権者選定後の手続ということですが、特別目的会社を設置していただくことが必要となるわけなのですが、この会社は県内に設立をしなければならないという条件を付したいと考えております。
 (3)番、民間事業者の責任の明確化等事業の適正かつ確実な実施の確保に関する事項ということで、事業の前提条件ですが、水利権及びダム使用権については、引き続き県が保有することにしております。河川法に基づくダム設置者としての義務、責任というのは県が引き続き負うということですが、ただ、ダムの水位の観測と発電事業というのは切っても切り離せない事柄でありまして、ダム水位の観測、あるいはその水位観測に基づいたダム操作等は、県の操作規程に基づいて事業者のほうでやっていただくという条件整理にしております。それと、小鹿第一、第二、それから日野川第一発電所ですが、これはFIT制度の新設区分の認定の手続をとれるような再整備を行ってくださいという条件を付したいと思っております。
 リスク分担の考え方ですが、これも事業ヒアリングを踏まえた一部見直しを行っておりまして、従前では自然災害等の不可抗力リスクだけをある程度勘案するとしておりましたが、既存施設の瑕疵リスクというものも、土木構造物がどこまで我々が面倒を見なければいけないのかというような御意見もありまして、そこに関してはちょっと一定程度県が負担をするという整理をしようと考えております。
 (3)番を省略しまして、(4)番ですが、事業継続が困難となった場合の措置でございます。事業の継続性を重視するという観点から、この事業には金融機関が必ず融資をされるという予定になっておりまして、その融資をした金融機関によって事業修復が円滑に進むように、県のほうがその金融機関と直接協定を結んで、もし事業者が経営的に苦しくなってやめざるを得ないということであれば、かわりの事業者を連れてくる等の協議をさせていただくということをこの実施方針の中に盛り込ませていただこうと思っております。
 2、検討中の要求水準書の基本的な考え方及び主な内容ということで、ここからが要求水準書の内容になります。要求水準書のまとめ方としまして、(1)番、基本的な考え方で3つ掲げさせていただいておりますが、安全性確保の観点ということで、先ほどお話ししたことと重複をいたしますけれども、まずはその運営権設定後も、取水設備、あるいはダムを所有するということの河川法上の権利に関しては我々が負いますし、それに伴う責任も引き続き県のほうが負うということを明確に要求水準書に入れさせていただきますが、それとともに、その規則に従って実務的なものを事業者のほうにやっていただくということ、それと県が今やっているローカルルール的なものも引き続いてやっていただいて、安全性に十分配慮したという内容にしたいというのが1点目の基本的な考え方になります。
 2点目、事業者の創意工夫を重視した要求ということで、事業者の発電事業者としての電気事業法上の責任というのは全てこの事業者のほうで負っていただくという前提を立てておりまして、それとあと、FITに適合した施設にしなければならないという、この2つを課すことによりまして、逆にそれを守らなければ収入が十分に得られないというインセンティブが働きますので、それらをきちんと条件づければ、適切な整備、あるいは安全な運転というのはある程度確保できるだろうということですので、極力その運転に関するローカルルールでありますとか、改修箇所の指定といったことはしないで、事業者のノウハウや創意工夫が発揮されるような内容にしたいというのが2点目の大きな考え方になります。
 とはいいましても、3点目ですが、長期使用の観点からということで、FITに適合する施設整備をしていただければ基本的には長寿命化対策はかなうと思っていますが、FITの対象工事とならない取水設備等については、ある程度こちらのほうが指定をしておかないと、長期安定供給の観点で改修が漏れてしまうというようなことがあってはならないと思っておりまして、その辺に関しては長期使用の観点から、一部指定をかけていくと。あるいは、再整備業務期間以外の修繕計画についても、長期使用の観点から、長期使用に関する計画を出させまして、長期使用がかなうというものにしたいというのが3点目の観点でございます。
 4ページをごらんいただきたいと思います。(2)の要求水準書の構成につきましては、ごらんのとおりですので、省略をさせていただきます。
 次に、(3)主な内容のところでございます。
 FIT制度に関する要求ということで、繰り返しになりますけれども、FIT制度の新設区分の適用が可能な整備を求めるという条件をここで明記をしたいと思っております。
 事業者の管理事務所ですけれども、コントロールを行う管理事務所が必要になってまいりますが、それは必ず県内に置いてくださいという条件をつけようと思っております。
 河川法に係る責任ですが、先ほど御説明したとおりですので省略をさせていただきます。
 特定多目的ダム法に係る責任ということで、日野川第一発電所は多目的ダムでして国土交通省が管理するダムでございますけれども、特定多目的ダム法に基づいて、県がダム使用権を得て発電を行っておりまして、そのダム使用権は引き続き県が保有しまして、それに伴う義務も県が負うということですので、河川管理者が行う日々の水位調整については、県の指示を得て事業者のほうが従っていただくという内容にしております。
 電気事業法に係る責任ということで、電気事業法の責任は全て事業者のほうが負っていただくことを明記しようと思っております。
 設備に関する要求ですけれども、既存施設の能力以上の設備の機能、能力を確保してくださいという要求にしておりまして、ここが大きな基本的な考え方の事業者の創意工夫を重視したことで、細かくは指定せずに既存施設と同等なものを整備していただければいいですという要求をしようと思っています。ただ、一方で、4つある発電所の出力に関して、事業者によって増減ということも検討していただくことは可能だとしておりまして、そこは提案次第というぐあいにしたいと思っております。
 5ページ目でございます。調査・設計に関する要求事項ということで、ここは基本的な考え方の3番目のところになりますけれども、FITで改修が必ずしも行われないかもしれない部分に関して、更新または補修の指定を行いたいということで、竹田谷川の取水口制水ゲートということを例示として挙げさせていただいておりますけれども、あらかじめ行いました劣化診断で指摘のあったものに関して、こういったところで指定をかけていきたいと考えております。
 調圧水槽についても、劣化部分の除去、あるいは補修ということもやってくださいという指定をかけようと思っておりまして、これも基本的な考え方の3番目に通ずるものでございます。
 ウは省略をさせていただきまして、監視システムですけれども、監視システムの整備を行うに当たって、第三者による不正操作、あるいは長時間の制御不能状態となることがないような必要な安全対策を行っていただくこととあわせまして、これは新たな対応を求めようと思っておりまして、ダムの水位、発電量については県民が随時閲覧可能なシステムを整備していただくということで、情報共有、あるいは情報の透明性というものをここで確保したいと考えております。
 それと、最後の(3)番、運営維持管理に関する要求事項のア、イは説明を省略させていただきまして、最後のウの異常気象、災害時等の対応のところでございます。大雨警報等の場合、警戒態勢が敷かれたときには、管理事務所に必要な職員を待機させる。それと、ダム放流を行うときにはダム管理棟に職員を常駐させること、その常駐した職員が操作規程に基づいて適切に通報なりゲート操作を行うということをここではっきりさせたいと思っておりますし、それと操作規程にはない、今はローカルルールとなっておりますけれども、放流前に河川沿道を巡回して、警報装置の作動状況の確認、あるいは放流のアナウンスといったようなことも引き続きやっていただきたいということの義務づけをしまして、安全性を確保したいということで、これが大きな1番目の観点から盛り込むものということでございます。
 大体こういった内容で考えておるということでございます。

◎森委員長
 続いて、報告第4、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、説明を求めます。

●小川企業局工務課長
 企業局資料の6ページをお願いいたします。一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、今回変更分が1件でございます。
 工事名は、私都川発電所建設工事(水圧管路外1工区)、契約の相手方は、東洋建設株式会社でございます。この私都川発電所は、現在新規建設を進めております小水力の発電所でございます。本工事におきましては、道路を掘削しまして水圧管路を埋設するという工事でございますけれども、この掘削作業を進めておりましたところ、予定の位置に岩が出てまいりまして、なかなか計画どおりに進まないという状況がございました。周辺を調査しましたところ、道路幅の中で少し埋設する位置を変更しますと、ある程度回避できそうだということがわかりまして、水圧管路の位置ですとか形状につきまして一部変更を行うことといたしまして、92万円余りの増額と、2カ月の工期の延伸が必要となったものでございます。

◎森委員長
 続いて、報告第5、平成30年度上半期取扱事件等の概要について、説明を求めます。

●入江労働委員会事務局次長兼審査調整課長
 労働委員会の資料をお願いいたします。平成30年度上半期労働委員会が取り扱いました事件等について、その概要を御報告申し上げます。
 表紙をおめくりいただきまして、1ページ目をごらんいただきたいと思います。まず最初に、労働組合と使用者との間に関する労使紛争、いわゆる集団的労使紛争につきましては、1番目の不当労働行為救済申立事件についてはございませんでした。
 次に、2番目の労働争議調整事件についてですが、あっせん事件の申請が2件ございました。
 こちらの事件の概要といたしましては、1号事件は、実質的な団体交渉を開催する前に、労働組合が法人の代表者の出席にこだわり、交渉が行われない状況にあるとして、使用者側のほうから団体交渉の開催を調整事項としてあっせんの申請がなされたものでございます。
 あっせんの申請後、事務局と使用者委員による2回の実情調査を実施しましたところ、当事者間の自主的解決の努力が非常に不十分であるということでございましたので、その時点ではあっせんの必要がないと認められたため、あっせん不開始としたものでございます。
 次に、2号事件でございますが、こちらは使用者側が団体交渉の場に相当の権限を持っている者が出席しないため、交渉が進展しないとして、労働組合のほうから団体交渉の促進等を調整事項としてあっせんの申請がなされたものでございます。
 こちらはあっせん申請後、事務局から当事者に実情調査を行いまして、あっせんへの参加を促しましたけれども、非申請者側のほうからあっせん不参加の意思表示がなされましたので、あっせんの手続を打ち切ったものでございます。
 次に、2ページ目から4ページ目をごらんいただきたいと思います。2ページ目から3ページ目は、個別労働関係紛争のあっせん事件の取り扱い状況の表でございます。あっせんは、個人の労働者と事業主との間で生じた紛争について、労働委員等が間に入って自主的な交渉を側面から援助して、民事上の解決、和解に導くものでございます。平成30年度上半期の取扱事件につきましては、ごらんいただいておりますとおり、繰り越しの13件を含めて26件の取り扱いとなっております。
 その状況につきまして、4ページ目に取りまとめておりますが、1点修正をお願いいたします。4ページ目、表のアのところでございます。紛争内容の件数の重複集計が49となってございますが、これは50の誤りでございます。49を50件と訂正をお願いしたいと思います。申しわけございませんでした。
 この重複集計50件の内訳でございますけれども、解雇等の経営または人事に関するものが20件、それから職場の嫌がらせ等職場の人間関係に関するものが13件、時間外勤務等労働条件等に関するものが10件、賃金等に関するものが6件などとなっております。
 次のイの処理状況でございますけれども、実数取扱件数26件のうち、解決したものが11件、申請後にあっせんの継続を希望しなかったことに取り下げられたものが2件、双方の主張に隔たり等があって、あるいはあっせんに参加しなかったことによって打ち切りとなったものが10件などとなっております。
 次に、ウの業種分類でございますが、情報通信、運輸・郵便、それから医療・福祉、サービス、それぞれ6件となってございます。
 処理日数・解決率でございますけれども、上半期に終結いたしました23件の処理日数は平均で75.2日、それから解決率は52.4%となっております。
 次に、4番目の労働相談取り扱い状況でございますが、相談内容につきましては重複集計で240件となっております。このうち時間外勤務等の労働条件に関するものが75件と最も多く、次に嫌がらせ等の職場の人間関係に関するものが56件、さらに賃金等に関するものが52件、解雇等の経営または人事に関するものが46件となっております。
 次に、対応状況でございますけれども、取扱件数の実数156件の対応といたしましては、助言や傾聴によるものが139件、法令等の内容を説明したものが8件、法テラスや労働基準監督署などの他の機関を紹介したものが6件、それからあっせん制度について説明したものが3件などとなっております。
 最後の受け付け件数でございますが、156件のうち、フリーダイヤルなどによる電話によるものが109件、来庁面談によるものが24件、電子メールによるものが23件となっております。
 次に、5ページ目のところでございますが、取扱事件の推移につきましては、近年、集団的労使紛争の不当労働行為事件や調整事件の取り扱いが少なくなっている反面で、個別労働紛争の新規あっせんの取扱件数がふえてきておりまして、今年度上期の13件というのは昨年同期の15件とほぼ同じとなっておりますし、労働相談件数のことしの上半期156件は昨年同期の133件に比べまして23件の増加という状況になってございます。

◎森委員長
 次に、報告第6、農業大学校創立90周年記念事業について、説明を求めます。

●小林農業大学校長
 資料の1ページをごらんください。農業大学校創立90周年記念事業について御説明いたします。
 農業大学校の前身となる山陰国民高等学校が昭和4年に開校されましてから、本年2月22日に創立90周年を迎えました。これを祝し、農業大学校を会場にしまして、12月1日に同窓会と農大主催による90周年記念事業の開催を企画しております。
 記念式典は、セレモニーの後に農大卒業生とモンゴル研修生に現況報告をいただくこととしております。モンゴル中央県とは、平成10年から鳥取県の友好交流の一環として、野菜栽培技術などを学ぶ研修生の受け入れを行ってきております。モンゴル研修生には、モンゴルで野菜の生産や栽培普及などで成果を上げられている取り組みについて御報告いただくこととしております。また、これまでに来校されたモンゴル研修生の10名近くが記念事業に参加したいという意向があるということでして、今、交流推進課に来校の方向で調整いただいたところでございます。
 交歓会は、地元加工グループに農大で収穫した農畜産物や地域の食材を使った料理を提供いただくこととしております。
 農業の根本は人づくりなので、地域のリーダーを育てたいという地域の方々の強い思いからこの学校が発足したと記録されております。90周年記念事業は、同窓会、関係者、本校学生などが一堂に会して、その信念を次につなぎ、さらなる発展させる節目にしようと実行委員会で話し合いながら準備を進めているところでございます。
 常任委員会の皆様には後日御案内文書をお送りすることとしております。お時間の都合がつきましたら、ぜひ御出席いただきますようよろしくお願いいたします。

◎森委員長
 報告第7、台風24号による農林水産業被害について、説明を求めます。

●前田農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
 農林水産部の別紙の資料をお願いいたします。台風24号被害の関係でございます。
 先般の追加提案に係る主要事業説明会におきまして、速報として第1報を御報告したところですけれども、このたび10月10日現在の数字が積み上がりましたので、その御報告をいたします。
 金額の全体像はごらんのとおりでございまして、総額で10億7,600万円余りとなっております。主要事業説明会のときが大体2.8億円ということで御報告をしておりますので、そのときから8億円弱ふえてまいりました。そのほとんどが農地・土地改良の関係でございまして、前回は調査中ということで数字が入っておりませんでしたが、このたび判明をして7億円ほど積み上がっております。
 被害の詳細は2番に書いておりますのでごらんをいただきたいと思いますが、農畜産物の関係は前回とほぼ金額面変わっておりませんで、農地・土地改良が今回469カ所で7億円という被害でございます。大体雨量の多かった県中部を中心に被害が判明をしてきております。
 先ほど予算の採決を頂戴したわけですけれども、災害公共の対策予算につきましては、7月豪雨の大体7割の被害を想定して予算組みをしておりました。7月豪雨の7割といいますと、10億円の規模になりますので、現在の7億円の被害は十分今の予算組みで対応可能と見込んでおるところでございます。林道の関係も同様でございます。
 なお、下のほうに参考としまして、台風25号につきましては、現時点で被害報告というのは上がっておりません。

◎森委員長
 次に、報告第8、主要農産物の生産販売状況について、説明を求めます。

●妹尾農業振興戦略監生産振興課長
 2ページをお願いいたします。主要農産物の生産販売状況で、今回は水稲と梨について御報告いたします。
 最初に、水稲ですが、作柄概況は、6月中旬が低温・寡照ということで、穂数が少なかったものの、1穂当たりのもみ数がやや多くなり、全もみ数は平年並みとなっております。上の表に鳥取県と中国地区、そして全国の状況を取りまとめておりますけれども、鳥取県は出穂期の前後の天候がおおむね順調で、登熟は平年並みと見込まれることから、9月15日に発表された作況指数は99の平年並みとなっております。
 (2)の収穫・品質検査成績の概況でございますが、台風等の長雨で収穫作業のおくれが見られましたが、わせ品種のコシヒカリ、ひとめぼれ等は、10月3日現在で8割程度の収穫が終わっており、さらに先日の連休でほぼ終了されているということでございます。中生品種のきぬむすめにつきましては、9月末から収穫が始まり、10月上・中旬が収穫の最盛期になる見込みです。
 9月30日現在のウルチ玄米の1等米比率につきまして、JAのほうから聞き取りしたところ、5割程度ということで伺っており、前年と同等でございます。検査進度が1割弱ということですので、これから大きく変動する可能性はあります。それから、2等米以下の格付の主な要因につきましては、形質不良、整粒不足ということでした。
 次に、梨でございます。露地の二十世紀梨についてですが、生育状況は7月以降の干ばつで果実がやや小ぶりとなりましたが、高糖度で果皮のきれいな高品質な梨に仕上がりました。販売は8月23日から始まり、9月18日でおおむね終了しました。小雨の影響で販売数量がふえなかったものの、入荷数量が少なくて、終盤まで販売単価はキロ当たり356円と高値で取引されました。輸出は、貿易需要が活発となる中秋節が9月24日と時期はよかったのですが、小玉が多くて出荷量は前年を大きく下回りました。台風、大雨があったものの、梨では大きな被害はありませんでした。
 新甘泉につきましては、生育状況は二十世紀梨と同様で、小ぶりですが品質のよい梨ができております。販売は8月20日から始まり、販売数量は617トン、これは前年比で138%と順調に増加しているところでございます。また、単価もキロ当たり463円と、昨年と同様に安定した高値が続いております。台湾、香港向け等の輸出では、高品質で国内向けの引きが強くて、また数量確保が難しかったということで、昨年の41トンから25トンに減少しております。

◎森委員長
 次に、報告第9、香港、台湾での県産品の販売促進について及び報告第10、首都圏アンテナショップの運営事業者について、説明を求めます。

●鈴木市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 資料の4ページをごらんください。香港、台湾での県産品の販売促進について、まず香港での県産品の販売でございます。
 香港航空が鳥取・岡山両県に就航しているということから、両県へのインバウンド対策、それから両県産品の輸出拡大ということで、3年前からイオン香港で鳥取岡山観光物産展を開催しております。今年度も9月3日から9日の7日間にわたりましてイオンスタイルコーンヒル店で県産品の販売をしております。鳥取県からの出展企業14社、うち9社が実際に渡航しまして店頭での販売促進活動を実施したということでございます。二十世紀梨を中心に、サツマイモですとか健康茶の人気も非常にあり、ことしも盛況のうちに終了しております。
 鳥取和牛のレストランフェアにつきましても3年前から鳥取和牛の香港への輸出ということで、JA全農とっとりが中心となって取り組んでおります。東伯畜産の6頭の牛を熊本で屠畜し、羽田から空輸しております。特に部位としてはロース、ヒレ、肩ロースで680キロを香港に輸出しております。3年前からやっておりますJA全農系列の焼き肉レストラン「和牛焼肉純」に加えまして、今年度初めて現地の広東料理のレストラン「西苑酒家」で同じように鳥取和牛フェアを行っております。非常に人気も高く、フェアメニューの注文も多く入ったと聞いております。
 続きまして、台湾での新甘泉プロモーションでございます。特に新甘泉の生産量がふえてきた中で、国内流通の価格安定という観点からも、JA全農といたしまして新甘泉を台湾に積極的に輸出していこうという方針のもとに、県も協力いたしまして、今年度プロモーションを、初めて現地の新光三越、日系の百貨店で行っております。先ほど生産振興課からの説明の中で、ことしは輸出が非常に少なかったということでございます。特に台湾を初めとする輸出向けの梨というのは、余り糖度が高くないほうが日もちもするということで、ちょうど新甘泉については糖度落ちしたものを輸出に仕向けるということが全体の戦略として効果が高いということで取り組んでいるのですけれども、今年度につきましては糖度落ちが非常に少なかったということで、輸出仕向けが減っているという状況でございます。
 また、現地では宣伝の模様を現地のメディアを中心に30社が集まって情報発信をしております。来年度以降も引き続き、新甘泉の台湾での定着が図られるように取り組んでいきたいと思っております。
 5ページでございます。首都圏アンテナショップの運営事業者についてでございます。
 9月末に委員の皆様には個別に情報提供させていただいたところでございますけれども、首都圏アンテナショップ、平成31年度、来年度以降の物販、飲食の運営事業者を募集、公募いたしまして、9月12日に企画提案の審査会を行ったところでございます。
 審査結果としまして、1階の物販店舗につきましては、3事業者から応募があり、その中で、東京の会社でございますけれども、株式会社フジランドが最優秀提案者に決定したところでございます。フジランドはフジテレビ系列の会社でございまして、高速道路のサービスエリアの物販店舗等の運営の実績がございます。また、メディアを使った情報発信ですとか、それから訪日外国人旅行客への対応に効果的なモバイル決済、そういったような新たな提案も非常によくて、ここが最優秀提案者に決定したということで、こちらとの契約を今月中にまとめるために今調整を進めているところでございます。
 一方、3番でございますけれども、飲食店舗の運営業務の公募に当たりましては、1社から応募がありました。審査委員会の結果、十分にその提案内容が要求水準に達していないということで、最優秀提案者の該当なしということで、再公募をするという方針となりました。
 再公募に当たりまして、応募が1社だったというようなことを踏まえ、条件面の見直しが必要ではないかということで、特に多数の応募の中からよりアピール力の高いメニューを選びたい、企画提案を選びたいということで、条件の見直しを検討しております。
 その中の一つが、店舗業態の制限の緩和でございます。現在のアンテナショップがビストロカフェという業態でやっておりまして、そのノウハウですとか顧客を引き継ぐということで、ビストロカフェという限定での条件を出しておりましたけれども、業態にこだわらず幅広い提案をいただこうということで、例えばイタリアンレストランであったりとか、居酒屋的なものであったりとか、そういったところでも自由に提案していただくということで、制限を緩和したいということでございます。
 運営事業者の収益からの県への納付額でございます。現行は売上高の8%を県に納付していただくことで進めておりますけれども、それが事業者の負担が大きいのではないかという中で、負担感を軽減する対策ということで、売上高の5%、これは物販店舗の運営業務と同じ5%に設定した上で、再募集をしたいと考えております。
 今後のスケジュールとしましては、あす以降に公募の開始をやりまして、企画提案の提出期限を11月27日と設定し、最優秀提案者を決定して、何とか年内に飲食店舗のほうも運営事業者を決定したいと考えているところでございます。

◎森委員長
 続いて、報告第11、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、説明を求めます。

●岡垣農業振興戦略監畜産課長
 農林水産部の資料6ページをごらんください。一定額以上の工事または製造の請負契約の報告についてでございます。
 今回、畜産課からは、新規分2件の報告をさせていただきます。これは平成29年度の国補正分のものでございまして、いずれも東伯郡琴浦町の畜産試験場での建築工事でございます。
 1つは、改良研究棟の新築工事でございます。およそ1億1,800万円余の契約でございます。これはゲノム育種価等の研究をするための研究施設の建築でございます。
 続きまして、直接検定・待機牛舎新築工事でございます。これは1億3,100万円余の契約でございますが、これは若い雄牛を入れるための牛舎で、建築工事でございます。

◎森委員長
 ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。

○島谷委員
 企業局のコンセッションについて、かなりよく県内業者のことを考えていただいて、SPCを県内に設立するという話はかなり前々から我々が言ってきたことを実現してくれたなと思っております。
 1つだけ聞きたいのが、どこだったかな。ちょっと場所がわからなくなってしまったな。また、探します。企業局については後でもう一回聞かせてください。
 農林水産のほうで。台湾の新甘泉。先ほど少し言われていたのだけれども、糖度の関係。新甘泉というのは、やはり僕たちから考えると、糖度を高くして、国内で、みんなにおいしい梨だということで売り出して、それをみんなが受け入れてやっておるのだけれども、その糖度を低くする、低いのを輸出するという、この2つがちょっと相入れない部分があるのだけれども、台湾のほうにもっと出そうとすれば、糖度が低いやつがもっと必要になってくるというようなことになるし、栽培農業者としては糖度の高いやつをつくりたいので、やっぱりそっちのほうに注力していくのだけれども、この台湾に対する輸出で、糖度が高いのが多くなれば輸出量が少なくなるという矛盾点はどういうふうにしようと思っているのか。

●鈴木市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 輸出につきましては、まず船便で出していますので、出してから現地に着くまで1週間程度はかかると。それから通関して店に並んで棚に置かれて買ってもらうということになりますので、収穫してからの日数がどうしてもかなりかかります。そういう面で、二十世紀梨が日もちの観点では非常に有効、強いので、二十世紀梨の輸出がまずメーンであるということです。
 新甘泉につきましては、国内生産量がふえてきますと、ことしのように非常に少ないということもあるのですけれども、どうしてもやっぱり糖度落ちというのが一定量は出てきます。今後ますます生産量がふえてきた中で、その糖度落ちしたものをどうやっていくか、それが国内市場に流れるとおいしくないというような評価にもなってくるということで、その出口をきちんと押さえておくという必要があります。台湾につきましては、そんなに高糖度というのが求められているわけではなくて、やっぱり暑い国ですので、そんなに甘くなくても十分に受け入れられるということがありますし、糖度が高過ぎると日もちがかえってしなくて輸出には向かないということがあります。そういうための安全弁として、今後ますますふえてくるであろう新甘泉の国内価格安定の対応として、台湾での販路というのもしっかりとつくっておきたいということでございます。

○興治委員
 企業局の水力発電コンセッションの件です。5ページのところの一番最後なのですけれども、異常気象、災害時等の対応、ダム操作の業務等ということで、これダム放流を行う場合は、事前の河川沿道の巡回とか警報装置の確認、放流の車両でのアナウンスの実施とかと書いてあるのですけれども、その上のアの運転管理業務、(3)のアの運転管理業務のところは、洪水時、渇水時には県からの要請に基づきダムからの取水の調整に従うこととなっていまして、こういう非常時に県の役割、事業者の役割というのはどう整理されているのでしょうか。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 まず、河川法で国土交通省が今回の河川管理者になりますけれども、その河川管理者からダムの設置者に対しての指示というのがあります。これは誰が受けるかというと、事業者ではなくてダム設置者である県が受けますので、もし河川管理者のほうから、非常に洪水のときで措置をとらなければいけないというような指示があれば、我々が受けて、それに基づいて事業者のほうに必要な指示を与えるということになります。ですので、法的にそういった仕分けをしてやっておりますので、あくまで事業者にやっていただくのは実務面というぐあいにお考えいただければと思っております。

○興治委員
 国交省がダム設置者の県に指示をして、県からこの事業者に指示を出すということですよね。そこにそごがあったりして、いわゆる実務面の責任は事業者ということですよね。(「はい」と呼ぶ者あり)そこでもし何か瑕疵があって下流域に被害が出たということになれば、これはどこが責任を持つというようなことになるのでしょうか。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 まず一義的には県が負うということになりますけれども、ただ、我々と事業者の間で締結した契約に反したことをやっていれば、その部分に関しての損害を県から事業者のほうに求めるという話になると思います。もし何かの損害が起きれば、まずは県のほうがそこの窓口といいますか、表に立つということになると思っております。

○興治委員
 避難の指示は県ですね。市町村になるのかな、指示とか勧告とかというのは。事業者が放流しますよということを伝える役割をするわけですよね。この伝えるというのは事業者だけがするのですか。そこで事業者だけが伝えて、果たして下流域の人にしっかり伝わるのだろうかな。やっぱり県がやるからとか、市がやるから伝わる面もあるのだろうと思うのですけれども、その辺のところはどうですかね。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 まず、避難をするかどうかというものは、これはダム設置者が行うことではありませんで、そこの地元の行政が行うというのがまず1点ありますので、そこはちょっと御理解いただければと思いますが、実務面でいきますと、実際放流をしていくときには、地元の行政であるとか、いろんな関係機関のほうに事前にファクスなり、あるいは電話で確認をしながら流すということを伝えますので、それに基づいて水位等を見ながら必要な避難指示とか、そういったものは地元の行政のほうが出していただくということになります。放流量に伴ってどうなるかという判断があると思いますが、そこは必要な情報を県も引き続き担っていくことは必要だと思っております。この事業を行った上でもですね。

○興治委員
 その放流量は、今は結局県のベテラン職員が、過去の事例とか気象条件だとか降雨量だとかで判断をして調整するわけですよね。県が責任持ってやって、うまくいっているという知事の答弁もありましたし、そこの責任とかはどうなるのでしょうかね。放流などの調整はこの事業者でするわけでしょう。そこを県が責任持って何かやるのかどうなのかという。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 まず、そこの判断がきちんとできるような技術的な継承といいますか、そこは当然しっかりやっていくことを考えておりますので、我々が今やっているものと何らそごがないような技術の継承が行われるというのをまず1点前提で考えております。ただ、その責任に関しては、これは繰り返しになりますけれども、まずはもし何かが起こったときの責任というのは、一義的には県が負うということになりまして、それから先、その操作上、契約に基づいたきちんとした行為がなされていなければ、それに対しての損害を求めていくというのは、県と事業者の間の話という整理をしております。

○興治委員
 一義的な責任は県が負うということで、あとはその技術的な指導などを誤りのないように、きちんとやれるように要請したいと思います。

○島谷委員
 3ページのリスク分担の基本的な考え方のところで、不可抗力リスクや瑕疵リスクは県が一定程度負担するとなっているのですけれども、この一定程度負担するというのは、しっかりとどの部分は負担しますとか、そういう形を明示するということで理解していいのでしょうかね。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 瑕疵までを指定してということは今のところ考えてはおりませんけれども、実はこれは保険との絡みがありまして、土木構造物に対する保険というのが基本的に日本にはないという話がございます。もしそれをやろうと思うと、海外のほうの保険会社まで手を広げて、かなり高い保険料を払っていかなければいけないということもあり、そこが運営権対価との兼ね合いになってくるわけですけれども、土木構造物がもし何らかの形で被害を受けたときに、あるいは引き渡した状態で何か瑕疵があって壊れたといったときに、どちらが責任を負うのかという大まかな考え方ですね。それを金額にするのか、どういう状態だったらというぐあいにするのか、あるいは一定期間とするのか、そこのところはちょっとこれから詰めて考え方を整理していきたいと思っております。

○島谷委員
 構造物の関係はいいのだけれども、さっきのにもちょっと絡むのだけれども、全ての事象について、例えば大規模な自然災害に対する不可抗力リスクとか、そういう形についてもしっかりと明示してするのか、あるいは契約上で協議するというような格好にするのかというのをちょっと教えていただければなと。

●丸毛企業局長
 事業者にとってはこのリスクと責任というところが一番重たい部分でして、これまで事業ヒアリングもしてまいりましたけれども、それらの意見を聞いて、そのリスクはどこからが県、それから責任分担も、この責任は県、それをはっきり明文化して仕分けはもちろんさせていただきます。これはもう少し時間をいただいて。事業者からの意見もいただいておりますので。関空のような事象もございますし、当然向こうが負えないリスクや責任というのもありますので、それは当然県が負うと。仕切りはきちっとしたいと思います。

○島谷委員
 多分事業者もそうやって思うのだろうなというのは、私も素人なのだけれども、こうやって文面を見ると、参入をしようとすればその部分が一番懸念するところかなと思ったので、質問させていただきました。

○錦織委員
 先ほどの3ページのリスク分担の基本的な考え方のところで、私も気になったのですけれども、先ほど、結局所有権は県にあるのですけれども、管理運営とかというのを事業者がやるということなのですが、結局その保険的なものですよね。構造的な、土木構造物の保険というのは日本にはないということなのですけれども、例えばこれ、施設に保険を掛けるということにすると、保険の対象もいろいろあると思うのですけれども、そういう考え方で誰がこの保険の申請者になるのですかね。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 基本的に保険をつけるのは事業者のほうがつけるということになりますので、行政のほうはつけないのですけれども、ただ、そのつけられる範囲をある程度絞るということになります。そこで、土木構造物、先ほど申し上げたとおりですので、なかなかこれに保険をつけるということは正直難しいというのが今の我々の感触でございますので、そこでもし何かが起こったときには、その起こった事象、事業者との話し合いになりますけれども、直した分のお金が必要であれば、そこはまた我々として予算提案をさせていただくことになると思っております。

○錦織委員
 わかりました。それでは、1ページ目の事業期間のことで確認をとりたいのですけれども、舂米発電所の運営権存続期間は、2020年度以降の事業者提案日から2040年3月末ということだから、20年に満たないのですねということと、それから次の小鹿第一、第二、日野川は20年間とすると書いてあるのですけれども、これはFITの適用期間というのは間に合うのでしょうか、20年間ちゃんとできるのでしょうかというのをお聞きします。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 まず、1点目に舂米の件でございますが、今の予定は、県のほうで再整備を行っておりまして、それを31年度中に仕上げるという予定でおりますので、それから実際に運営権を設定するのが、2ページをごらんいただきたいと思いますけれども、7月ごろという想定でおりますので、その3カ月のブランクをずっとFITの時計をとめておくということではなくて、その部分はちゃんと県として直営でやらせていただいて収入を上げていくということが必要と思っております。再整備が終わりましたらFITの時計が回るということで考えておりますので、それが1点目の回答になるかと思います。
 2点目ですけれども、残りのものについて、そのFITに間に合うかどうかということなのですけれども、今の制度は32年度までの単価が示されており、32年度中にFITの認定の申請が取得できれば、その32年度の単価が適用できるということです。これは必ずしも工事が終わらなくてもいいということですので、間に合うとこちらは理解しておりますし、間に合うようにやってくださいという条件づけをするということでございます。

○錦織委員
 それでは、舂米の場合はその運営権が発生するということにかかわらず、7月の予定なのだけれども、それまではもう発生するものは県はいただいておくということですね。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 事業者からいただくということではなくて、県が直接運転をして、今までどおりの形でいただくということでございます。

○錦織委員
 5ページの異常気象、災害等ということで、ここの確認なのですけれども、いろいろ大雨警報が出されたり、震度4の地震が発生した場合には、県の職員を待機させたり、出動させたりということなのですけれども、そのダムの放流を行う場合は、管理棟に県の職員を常駐させて、この操作規程に基づく通報、ゲートの操作などを行うのは事業者のほうですね。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 1点ちょっとそこは私の説明不足かもしれませんが、職員は、これは県の職員ではなくて、事業者が……(「事業者ですか」と呼ぶ者あり)はい、常駐ということでございます。

○錦織委員
 わかりました。一番気になるのが、この事業をコンセッションで自分のところがやりますよというところが今後、何社か出てくるのでしょうけれども、相当な経験のある大きな企業でないと、なかなかこの事業というのは手を挙げられないと思うのです。この間、中国電力も来ておられますかというような話も聞いたのですけれども、大きな東電だとか関西電力だとか、そういうところはいろいろぱっと考えられるのですけれども、ほかにこんなに幾つかのものを同時にできる能力があるところは、言える範囲でどんなところが想定されるのかなというのが疑問なのですよ、私。答えられる範囲でちょっとお聞きしたいと思います。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 まず、このPFI事業というのは、事業マネジメントというのが一つ大きな仕事でして、そういったものにたけているような商社といったところも一つございますし、あと発電事業者のことをおっしゃいましたけれども、いわゆる大手の電力会社以外にも、自分のところの企業の電力供給を行うために発電部門を持っているところも結構ございます。そういったところと組んでやっていこうというようなところもございまして、水力を今回やろうとしていますので、そういったノウハウがあるところがほぼかんできているという印象を持っております。

○斉木委員
 農林の3ページで、新甘泉の関係ですけれども、ここに書いてあるところで説明があったかもしれないけれども、その市場の販売量は前年より38%も多いということなのだけれども、輸出の分が足らなくて大きく下がっているということは、全体量として生産が両方に追いつかないという状況なのか、今後とも生産者が少なくなってきてこういう状況が続くのか、これはどういう現象なのですかね。

●妹尾農業振興戦略監生産振興課長
 まず、生産量ですが、ことしにつきましては、販売状況の下の行に書いておりますが、市場の販売量は617トンで、前年比138%で、前年よりふえております。ことしは小ぶりだったということも含めると、来年以降さらにこれより多いもの、数量を出荷していくことはできると思っております。たまたま今回は非常に糖度が高くて、果皮もきれいな高品質な梨が仕上がって、あえて国外に輸出しなくても国内で高い単価で取引ができるということで、そちらのほうが販売面で優先されたかなと。それと先ほど言ったように、輸出先のほうのニーズとしては、余り甘くないほうが販売しやすいということがあって、そういったものがことしたまたま出なかったということですので、来年以降は通常の生産ができて、出荷量も盛栄になって伸びていく予想がありますので、こういった問題は、特にことしのような異常な状況がなければ解決できるかなと思っております。

○斉木委員
 そうすると、新甘泉は甘いのが売りだから、ある面では戦略的に、では二十世紀のほうにかえていくとか、そういう考え方はないわけですかね。というのは、もう国内で販売するだけの生産しか今はできないというような話もよく聞くので、絶対量が足らないと。とても輸出までできないというような話も聞くので、特に東南アジアを中心にだけれども、世界的にやっぱり求めるものをつくって売っていくという、農家の所得になるような方策を考えなければいけないのですけれども、その所得になるもとの生産者が少なくなってきているのか、どういう影響が今徐々に出つつあるのか。どういう見方をしておられますか。

●妹尾農業振興戦略監生産振興課長
 二十世紀ですが、やはり御指摘があったように、生産者の高齢化等があって、生産者の人数なりは減ってきております。その中で、今までは二十世紀梨の単価がキロ300円を切るような状況だったのですが、それは今、他県も同様な状況で、果実全体の出荷量が少なくなる中で、鳥取県が、減っている中でも努力している分だけ出荷をしていますので、それを評価していただいて、販売単価も高くつけていただいています。今、県のほうでは高齢化で減る部分がふえないように、さらに新甘泉のほうが高単価で取引をされますので、新甘泉の新しい団地を造成するなりということで、新甘泉のような高く取引できる果実が多く生産されるようにという方向性で、今、生産振興を図っているところです。

○斉木委員
 わかります。二十世紀はなかなか、黒斑病とかいろいろ病気があるので、その分は新甘泉のほうがなりにくいという、新しい品種でつくりやすいということが一番ですので、そういう面ではこれからもどんどん新甘泉のほうにシフトしていくという流れだろうと思います。そういう面で、ぜひ農家所得が上がる方策を県としても考えていただきまして、要するに農業後継者が次々続くような施策というものを、これはある面ではムードというのか、その地域の風評的なこともやっぱりありますので、あそこがやめられるなら、もううちもやめるわとかいうような、ぜひともそういう方のないような施策というものが、あるいは風評的なものをなくしていくということが必要だろうと思うので、そのあたりを努力していかなければ、今でこそずんずんずんずん減ってきているわけなので、単年度だけを見て言うのではなくして、ぜひそのあたりを見ていただきたいと思いますが、農林水産部長、どうでしょうか。あなたも専門官だから。

●村尾農林水産部長
 今、新甘泉かなり伸びていまして、先般、新聞記事に大山の果実部の片桐部長が、大山町は梨の生産者が半分に減ったけれども販売額はふえたと。結局は新甘泉に早くから切りかえて高く売っているから、みんなもうかって、非常にムードがいいというお話がありました。いま一つ、二十世紀梨というのは、やはりこれからも徐々に減っていくと思いますけれども、鳥取県の屋台骨として二十世紀という柱というのはやはりいつまでも残ると思います。そういう中で、新甘泉にとにかくかえていって、ある意味、リレー出荷といいますかね。単品でたくさんつくるのではなくて、新甘泉や二十世紀梨や王秋や、いわゆるシリーズ化してもうけていくという動きが今非常に動いていまして、若い人も結構残ってきてくれているということで、やはりこれから鳥取の梨というのは、新甘泉を一つの切り口にしながら、二十世紀も、国内で売りにくい大玉は台湾に出して、うまく値ごろ感のある売りやすいサイズのものを国内で上手に売っていくという戦略を立てながら、両方車の両輪としてやっていきたいなと思います。
 先ほど台湾の新甘泉というお話が出たのですけれども、台湾に出して高く売ってもうけようというよりは、先ほど島谷委員にもお答えしたのですけれども、ブランド戦略として、やはり糖度落ちしたものを国内の市場に出すと、買う人は新甘泉で買いますから、ちょっと外れがあったなということになるとブランドイメージがダウンするということで、なるべくそういうものは国外に出したいなという思いもあり、いろんな戦略の中で、今いい方向に向かっているなと思っています。

○斉木委員
 わかりました。ブランドというのは大事なことでして、そのために糖度のセンサーまで通さなければ新甘泉は売らないという感じですので、そういう面ではしっかりと、国内も初め、外国もそうなのですけれども、新甘泉は間違いないのだというブランドとしてぜひ定着してもらいたいし、今、部長が言われたように、栽培の作業のこともあるし、味のこともあるし、やっぱり暮れの12月、1月まで食べられるような梨のいろんな品種を次々農家がとれる、あるいはつくれるようなシステムを今まで以上にぜひ充実してもらいたいなと思います。いつも統計ばかり見ると、梨農家数が減っていくような数字しか出ていないものだから、何とかしてその地域の方がつくれるような体制をぜひつくっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。

○錦織委員
 それでは、アンテナショップのことについてお尋ねしたいのですが、今回、今までされているところから応募がなかったということで、非常に残念に思います。特に鳥取県のほうにゆかりのあるところでしたので。それで、この公募の結果、全く鳥取県にゆかりのないところが請け負ったとしても、やっぱり鳥取県のアンテナショップなのに県内出身者が一人もいないというのは、何かちょっといかがなものかなと思いますので、その点について、どう思われるかということと、それから飲食、物販のほうはもう決まったわけですけれども、飲食店のほうも、非常に今までも評判がよかったところですが、今回は応募されなかったということで、この見直しによって、もしかしたら今までのところが考え直すということもあるかもしれないのですが、それが今までのところも、新しく公募されたところも、そういう場合に同列に扱って競争をするということになるのかなと。このロイヤリティーを下げればもしかしたら応募していただける可能性があるのかどうかというところも、ちょっとニュアンス的なものになるかもしれないのですけれども、どうなのかということと、それから応募された場合に、何らかのプラスアルファというものは考えられないのかという点で、点数をつけるのにどうなのかということについてお聞きします。

●鈴木市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 物販店舗につきまして、実際の店舗に県内出身者がいなくなることなのですけれども、新体制が具体的にどうなって、その店舗の責任者ですとかスタッフ、今後新たに募集することになるのかどうなのかというところで、現時点で県出身者がいるかどうかということはわからないのですけれども、仮にいないということになった場合も含めてなのですけれども、実際、現状でも店舗の責任者の方とか、何回か鳥取に来ていただいて、一緒に産地を回ったりとか、そういうような取り組みはしておりますので、新しい事業者になった場合も、必ずそういったことは必須だと考えております。鳥取県の事情をしっかりと把握して、産地のことをわかっていただいて売っていただく努力は、県としてもやっていきたいと思っております。
 現在の運営事業者が次期運営事業者には応募されていないわけなのですけれども、この条件を変えることによって応募する可能性は、聞いていないのでわからないのですけれども、多分ないだろうなと思っております。このアンテナショップの経営云々で、例えば経営が今よくないから撤退するとか、そういうような事情ではなくて、本業のほうがあって、そちらのほうに専念したいというようなことで伺っておりますので、恐らくないだろうなと。
 もしあった場合に、インセンティブがあるかということですけれども、これまでの実績を踏まえた提案をいただいて、それが審査委員会で認められれば、ある程度そういうことはあるかもしれないですけれども、基本的にはスタートラインは一緒の中で提案していただいたものを審査するという形になりますので、継続といいますか、これまでやっていたからそれでプラスになるということはございません。

○錦織委員
 わかりました。ぜひ、その物販のほうの店舗におられる店長さんというのか、そういった方には本当に産地をずっと見ていただきたいなと思いますので、これは要望しておきます。
 再公募の飲食店も可能性がないということなので、ちょっと残念なのですけれども、そのことはわかりました。

○興治委員
 アンテナショップです。これは飲食のところの単体での募集ということになるのですけれども、その飲食部分についての家賃とか、光熱水費とか、この事業者の負担になる部分はどんなものなのでしょうか。

●鈴木市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 基本的には、その店自体は県が借り上げてということになりますので、その部分の負担はございませんけれども、通常運営していくに当たっての人件費だったり、光熱費だったり、そういったところは事業者の負担になります。

○興治委員
 家賃は全額、県が負担しているということなのですね。
 この認識が違っていたら言ってもらったらいいと思うのですけれども、最初に鳥取県単体でやっていたときも、今の岡山と一緒になってやっているときも、物販のほうは比較的経営しやすくて、飲食のほうがなかなか利益を出すのが難しいという話を聞いていたような気がするのですけれども、それが合っているかどうなのかも含めてなのですけれどもね。もしそうであるなら、物販と飲食を一緒にやることによって、何とか経営的にも比較的安定的にやれたのではないかなと。ただ、やれなかった面もあるのだと思うのですけれどもね。それを、その飲食単体で募集することによって、さらに厳しくなるのではないかなという気がするのですけれども、そういうことはありませんか。

●鈴木市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 前のアンテナショップのときは、たしか飲食部門は独立採算ということでやっていただいたように記憶しているのですけれども、経営は1階、2階同じでしたけれども、2階部分については独立採算でやってくださいという形だったと思います。そのときに実際2階が厳しかったかどうか、2階の飲食のほうだけが厳しかったかどうかというところは、ちょっと現状承知しておりませんが、現在の運営事業者のほうも、1階と2階と連携しながら、1階の物販の部分でのイベントと2階を連携するとか、あるいは1階で取り扱っている生鮮のものを2階のほうの飲食のほうで活用するとか、そういう相乗効果は確かにあって、同じ事業者でやっていくことのメリットはかなり大きいのではないかなとは思っております。
 ただ、今回、残念ながら1階と2階がほぼ確実に違う事業者になるだろうという中で、いかにそのあたりの1階の物販の部分、その1階の仕入れの部分と、2階のほうの飲食の料理に使う、メニューに使う食材だったりとか、その仕入れとかがうまく連動していくようにしていくかというのは、経営的な面でいっても非常に大きな課題だろうと思いますので、全く違う事業者が入ってそれぞれが運営するというような形ではなくて、やはりそこには鳥取、岡山両県がしっかり入って、その連携をいかに深めていくかというところをやっていきたいと。そういう中で何とかうまく回していくような仕組みがつくれたらいいと思っております。
 ちょっと経営的な部分で、飲食と物販で個別にどうかというところは承知しておりません。

○興治委員
 今まで、一事業者で物販も飲食も両方やっていたから、トータルでの収支といいますか、売り上げ、それとコストというものが出たのだと思うのだけれども、何か飲食だけを単体で見たときに、要するに、物販のほうで補っていた分がなくなってしまうので、より経営するのが難しくなりはしないかなと思うのですよね。今回その売り上げ、納付金について売上高の8%から5%に低減するということなのだけれども、果たしてこれだけで過去の実績等を見たときに十分なのだろうかなと。本当に5%出せるのかなという気がするのですけれども、その辺の根拠というのは何かあるのですか。

●鈴木市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 具体的なその5%を出した数字的な積み上げの根拠というのは、実はございませんが、現行の事業者、運営事業者がやっている今の募集の条件というのが、5年前は飲食部門について3%という条件を付して募集をしました。その結果、県への納付を3%以上という条件を現在の運営事業者がみずから8%という提案をされて、その結果として現状運営されているという、8%だから選んだということではないのですけれども、結果的には8%納付していただくという条件で今運営していただいているという状況でございます。
 他県のアンテナショップの状況を見ましても、本当にさまざまでございます。3.5%があったり、7.5%があったりで、どのあたりが適正かというところは、なかなか決めにくいところなのですけれども、ただ、少なくとも5年前に3%で募集をかけた、公募条件としたというときと比べると、5年間実際に運営された蓄積データとか、顧客だったりとか、ノウハウだったりとかが新しい運営事業者の方には引き継いでいけるところがありますので、5年前と同じように3%にするというのはちょっと下げ過ぎではないかなという議論の中で、5%で募集をしようということを今導き出したというところでございます。

○興治委員
 例えば今の運営事業者が、この飲食部門で、どういう売り上げ、コスト、利益となっているのか、またこの納付金などの実態は把握できますか。もしできるのであれば、その実態にあわせてこの納付率というのを設定したほうがいいのではないかなと思うのですけれどもね。

●鈴木市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 個別のその経営の中身についてまでの県への報告というのはなくて、ちょっとそれに基づいての試算というのは困難だというふうに思います。

○興治委員
 最初が3%だったのだったら、3%に対して8%の提案があったということなので、単体だけでやるので、より経営的には厳しいのではないかなという気もするので、3%でもいいようには思うのだけれどもね。どうなのでしょうかね。うまくいくのでしょうかね。

●森脇市場開拓局長
 以前の委員会でも御説明しておりますけれども、全体の売り上げが年間3億5,000万円ございます。2階だけの売り上げが大体8,700万円ぐらいございます。そこの中で、今、一つの業者がやっているというのが今までの状況でございます。これが別事業者になるというふうな可能性も出てきているというのが、今の現状でございます。そこの中で、恐らくこれは推測なのですけれども、御承知のとおり、今の事業者というのは、いわゆる飲食の経営というのが主な事業でやっていらっしゃって、2階の飲食の部分については自分のところの得意分野だからという思いもあったのではないかなと思っています。
 今回、新しい事業者さんが入ってこられるということになりますけれども、今回8%を5%に下げていって、どういうふうな御提案があるかということをちょっと見守らないといけないと思っていますけれども、実際、違う事業者さんになったとしても、例えば1階のほうでスイカの時期が来れば、2階のほうでスイカの何かジュースを出すとか、いろんな連携というのは県のほうとしてもそこはプロモーションをあわせてやることを一緒になって一生懸命やっていきたいと思っていますので、できるだけ行政としてもアドバイスをしながら、またそこの中でフェアをしながらということで、しっかり支援をして、安定的な運営ができる形でやってまいりたいと思っています。

◎森委員長
 よろしいですか。

○興治委員
 柔軟に考えていただいたらと思います。

◎森委員長
 私のほうから。また企業局の話に戻るのですけれども、オプション契約で、そのリスクが県なのか、事業者なのかという議論もいろいろされ、50年にわたって、一業者がそれを受けるということになるのですけれども、きょうは、ダムの責任とかということについては、一義的には県だという答弁でした。そこで、例えばダムはやはり堆砂の問題が大きな問題になってくると思うのですけれども、この長い50年のスパンの中では、当然そういった堆砂対策みたいなことはやっていかなければいけないと思うのですが、それはやはり事業者がやるのか、県がやるのか、答弁お願いしたい。
 また、50年という長いスパンの中では、先ほど、県が判断するところがあってというようなことがあったのですけれども、これを事業者に渡してしまうことによって、県の職員のノウハウの継承が、ほかの部局でダムを管理しているところがあるのかもわからないのですけれども、企業局としてのダムの管理のノウハウの継承はできるのか、それからまた、よその部局でそれをまたやるということになるのか、その辺のことをお願いします。
 それと、労働委員会の資料ですけれども、きょう資料いただいたのですけれども、打ち切りですね。一応はその労働委員会に助けを求めたけれども、解決したものはいいのですが、打ち切りになったものというのは、どういうことになっていくのか。それから、その後のフォローというか、調査というか、そういったことまでできているのかどうか、教えてください。

●中西企業局経営企画課民間活力導入推進室長
 2点いただいた中のまず1点目の堆砂の問題でございます。おっしゃるとおりで、堆砂がダムに与える影響というのは当然ございます。まず、深浅測量といいまして、ダムの湖内の堆砂の状況を測定するというのは事業者のほうの責任と考えており、実際にしゅんせつすることに関して、いつのタイミングでどれだけの量やらなければいけないのかというのをあらかじめ定めることはちょっと難しいところがございます。ただ、そこをやらないといけないと思っておりますし、民間事業者でやることによるコスト的なメリットも出ると思っていますので、負担は県のほうで負担をするけれども、事業者のほうでやっていただくという考え方で、今整理をしようと思っております。いずれにしても、堆砂に対するしゅんせつというのは必要な手当てだと思っておりますので、その措置は必ずやるということでございます。
 2点目のオプション行使で50年の長期にわたれば県のノウハウがなくなるではないかという御指摘なのですけれども、この事業に関しては、必ずモニタリングがついてまいります。事業者が適切にその業務を執行しているかどうかということを監視するということがございますので、モニタリングをやっていく限りにおいては、そのノウハウというのは当然継承されないとまずいと思っておりますので、その点では大丈夫だと思っておりますし、あと、河川法に関する責任は県だということを申し上げました。ダムに関しては、定期検査を受けることになりまして、3年に一遍あるわけですけれども、その定期検査を受検するのは誰かというと、事業者ではなくて県となりますので、実際に運営をしている事業者にもその検査には同席していただく必要はあるとは思っておりますけれども、その受検時の対応ということもあり、その辺のノウハウというのは継続されると私としては考えておるところでございます。

●入江労働委員会事務局次長兼審査調整課長
 先ほどあっせんが打ち切りになった後についての御質問がございましたが、あっせんで行う場合について集団関係と、個別関係の2つがございます。
 集団の場合は、これは組合と会社ということでございますので、個別の話で仮にあっせんが打ち切りとなった場合でも、会社側と組合との交渉というのは続いてまいることになりますので、場合によっては労使の努力によって正常化するという場合もございますし、必ずしも要件は一致してはおりませんけれども、組合のほうから、資料の1ページでいいますと上の件のほうに入るわけでございますけれども、不当労働行為救済申し立てという手段も残されておりますので、場合によってはそちらのほうで改めて審査するということがございます。
 次に、個別の労働関係のほうでございますけれども、こちらは労働者個人と、使用者側という形になっており、集団みたいに継続するものではなくて、その場限りのものも多いというようなこともあろうかと思います。この場合、打ち切りになってしまいますと、私どもとしては、申し立てられた方にほかの制度として、例えば労働局のあっせんの制度であるとか、それから司法手続でありますけれども、労働審判であるとか、通常の手法での救済の手続などがあるということで、必要であれば労働局であるとか、あるいは弁護士を紹介したりだとかという形をお考えになったらいかがでしょうかというアドバイスをすることはございますが、一旦打ち切りになってしまった後、労働委員会としても民事に関するものでございますので、あっせんの公平性だとか、それから中立性だとか、守秘義務だとか、いろんな問題もございますので、いつまでもその方々にフォローするというわけにもいきませんので、そういった御紹介という形にさせていただいているというのが実情でございます。

◎森委員長
 ダムのしゅんせつという話なのですけれども、砂抜き栓というか、下のほうから抜いて砂をとるみたいなことはないのですかね。変なことを言っていますか。

●小川企業局工務課長
 そんなに事例があるわけではございませんけれども、基本的には砂は上からとるという形でございます。それもやっぱり形状がございますので、とりやすいところですとか、あと実際にとった土砂がきれいなのか、それともほとんどヘドロ状なのかみたいなことにもよりますので、ケース・バイ・ケースでやり方を検討することになります。

◎森委員長
 ほかに皆さん、ありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、以上で報告については終わります。
 閉会中の調査事項についてですが、お諮りします。
 本委員会所管に係る商工業及び農林水産業振興対策並びにその他の主要事業については、閉会中もこれを継続調査することとし、その旨議長に申し出ることに御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、その旨議長に申し出ておきます。
 なお、委員長報告の作成・内容については、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議ないようですので、そのようにさせていただきます。
 次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かございませんか。

○錦織委員
 2点お聞きします。雇用について、先日一般質問で、雇用キャリアアドバイザー、県下17名いるとお話しいただいたのですけれども、これは公立学校だけではなくて私立にも配分がされているのか。そのときに、卒業後のフォローアップができるようになったというお話がありました。よかったなと思うのですけれども、私、キャリアアドバイザーと就職支援相談員とは全く違うものなのか疑問に思うので、その点についてと、以前に私立の高校に行ったときに、そのときの名前は就職支援員だったと思うのですけれども、卒業した後も見たいのだけれども、自分たちの雇用条件は4月から3月となっていて、嘱託と言われたのかな。なかなかフォローアップができないとおっしゃっていたので、そこら辺の雇用条件のことについてお尋ねします。
 企業局については、米子市の河崎でしたか、工業団地のバイオマスですね。あの木質バイオマス発電の事業者を募集しているということで、県はその管を工事するのに予算も立てたのですけれども、その状況がどういうふうになっているかをお尋ねします。

◎森委員長
 では、まず、小林雇用政策課長。

●小林雇用人材局雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事
 雇用アドバイザーにつきましては、県の教育委員会のほうで配置させていただきますので、詳細についてまた後ほど御回答させていただきたいと思います。

◎森委員長
 次、入江経営企画課長。

●入江企業局経営企画課長
 和田浜工業団地のバイオマス発電の件だと思いますが、当初予算で管の工事、機動的な予算ということで予算計上させていただいています。その後、工期の関係、あるいはそのコストの縮減、こういった関係で、いわゆるBT方式というやり方で民間にやっていただいたほうがコストも安く、工期も早くできるのではないかと検討させていただきましたけれども、発電所と工業用水の管ですと、やはり目的なり用途が違うということで、コストメリットがなかなかないということがございます。工期のほうも、当初の事業者の計画が半年程度後ずれし、また、県で十分対応できるということもございまして、この管工事は、県で直接工事を実施するという方向で今進めているところでございます。
 事業者の事業計画ですが、9月にこの事業の投資、それから融資契約を締結され、土地も米子市と仮契約を締結されて、プラントの発注もされているという状況でございまして、工業用水につきましては、33年4月以降にプラントの試運転等を始められるということで、それまでに工事が間に合うように、段階的に工事を発注していこうという方向性で今対応しているところでございます。

○錦織委員
 事業所の計画は半年ぐらいおくれているということなのですけれども、そうすると、県の工事はいつごろからという予測になりますか。

●入江企業局経営企画課長
 県の工事は、道路工事もあわせてされているという兼ね合いもあって、ことし、それから来年、再来年と分けて、3年間に分けて段階的に整備するということで、既に一部はことしから工事に着工しているところでございます。

◎森委員長
 よろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 ほかに。

●小林雇用人材局雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事
 チラシのほうをお手元のほうにお配りしており、1つは、働き方改革セミナーでございますが、10月17日と10月26日に、もう一枚が第2回の外国人活用セミナーでございまして、11月8日と11月9日に、それぞれ東部、西部で行うこととしておりますので、御案内をさせていただきます。詳細はごらんいただければと思います。

●前田農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
 農業に関するチラシを2枚お配りしております。1枚が、JA鳥取いなばで今週末、JA鳥取西部管内は来週末を予定しております。詳細はごらんをいただければと思います。

◎森委員長
 ほかに皆さん、ないですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 では、その他は以上で終わります。
 次に、第1回県外調査を受けて、各委員からの意見を取りまとめた提言をもとに、執行部の皆さんと意見交換をしたいと考えます。
 まず、最初に、私のほうから提言内容について概要を説明したいと思います。
 まず、24時間対応可能な沖縄国際物流ハブの活用についてであります。
 沖縄県の那覇空港は、24時間運用可能な空港であり、24時間対応可能な通関体制も整備されています。これらの特徴や地理的な優位性も生かして、株式会社ANAカーゴ及びヤマト運輸株式会社では、日本各地の農水産品を出荷翌日にアジア各都市まで配送できる輸送プラットホームを構築されていると説明を受けました。
 青森県や熊本県、愛媛県など、少なくとも10県の地方自治体がANAカーゴ等と連携協定を既に結んでおり、農水産品の輸出拡大に向けて取り組んでおります。
 本県においては、各種船便を利用して梨やスイカなどの農水産品の輸出に取り組んでいるところでありますけれども、沖縄国際物流ハブを活用した輸出可能な品目の研究について検討していただきたいということが1点です。
 2点目です。養殖の推進及び人材確保についてであります。
 鹿児島県では、多種の魚の養殖による漁業振興に取り組んでおり、養殖漁業で若者が元気に活動されていると説明を受けました。
 同県内の事例として、「鰤王」のブランドで知られる同県東町漁業協同組合について、組合員400名のうち100名は40代。その要因として、1つは、漁業経営がしっかりしている、未来があるということ。もう1点は、漁協がしっかりみんなを固めて一致団結しているということ。一つ一つが家庭経営なので、子、孫とその魅力に触れているということがあると思うということでございました。
 本県において、漁業で働く方々の高齢化、人材不足等の本県漁業の抱える課題について調査研究を重ね、養殖漁業の可能性及び若者人材の確保に向けた取り組みについて検討していただきたいということです。
 3番目、ファインバブル活用に向けた研究についてであります。
 ファインバブルは、魚や植物の成長促進や鮮魚の鮮度保持、汚れの洗浄など、さまざまな場面での効果が期待され、全国各地で取り組みがなされております。
 兵庫県では、県、公益財団法人新産業創造研究機構、ファインバブル発生装置メーカーが協力して、ファインバブルの現地実証試験を行うなど、ファインバブル活用に向けた取り組みを積極的に実施しておりました。
 今回、イチゴ栽培におけるファインバブル活用試験の状況を調査したところ、収量や個数への影響ははっきりとはしておりませんが、ファインバブルの使用の有無により、草丈、草勢に明らかな違いが見られました。
 本県において、サバやギンザケ等の陸上養殖に取り組んでいるところでありますけれども、水産分野や農業分野においてさらなるファインバブル活用に係る支援や研究についても検討をしていただきたい。以上、3点でございます。
 長々と説明しましたが、委員の皆さんで補足等ありましたらお願いをいたします。(「なし」と呼ぶ者あり)よろしいですか。
 それでは、ただいま説明しました提言内容について、本県の取り組み状況や所感について、まず吉村商工労働部長から御発言をいただきます。

●吉村商工労働部長
 まず、沖縄国際物流ハブでございますが、御提案いただいているものが農水産品で、青森県等の事例をお書きいただいておりますが、お聞きすると、やっぱり水産品とかのようでございます。その辺は多分農林水産部長が詳細をお答えになると思いますが、本県の場合、非食品でございましたら関空から運んでいる例が莫大な企業の数ではございませんが若干ございます。毎日ではなくて、週に1回とか、月に1回とか。送っていらっしゃるのは半導体とか小さくて軽くて飛行機で送ってもある程度コストがかからないもの、それから、送り先でも、国内のように毎日入れながら操業していますので、計画的に送りたいものという、大きな2点で選ばれているとお聞きしております。ですので、そういった意味では、今回関空が閉鎖された関係で、皆さん成田とか羽田とかセントレアに振り分けられていたのですけれども、企業さんはある程度その辺の観点でルートを選ばれている、あくまで現状でございますが、そういう点もございます。
 もう1点のファインバブルでございますけれども、これも水産・農業関係はまた農林水産部長からお話があると思います。産業分野では、もう既にNEXCOのトイレの清掃を空気バブルを入れたものでやるとか、実はもうある程度実用化が進んでいます。本年11月15日に、先般の常任委員会でも御案内しましたけれども、セミナーを米子で開催いたします。これはかなりの企業さん、また関係者が集まられるようでございますが、県内でも実際にアサヒメッキさんが表面処理で実用化されていらっしゃる例もあります。ということで、私ども、いろんなセミナーを重ねながら、既に各社関係者とか、あるいは県の産業技術センターのあたりが一緒になって、あとは米子高専さんが先行していらっしゃいますので、そういったチームとか、ビジネスに発展させられないかということを今御相談させていただいています。来年度まだどうなるかわかりませんが、支援のことも考えられたらなというふうに思っておりますので、産業面については、もう実証、あるいは実際にビジネスの構築分野に入っているのだろうと思っております。

◎森委員長
 それでは、村尾農林水産部長から御発言をいただきたいと思います。

●村尾農林水産部長
 沖縄国際物流を活用したという部分で、航空輸出は海上輸送に比べ時間が短くて済むということから、特に農産物関係では、鮮度が重視される付加価値の高い商品とか、小ロットでコンスタントに取引するようなものが対象となろうかと思います。ちなみに、船便に比べまして航空便は輸送費で5倍から8倍と、やっぱりかなりのコスト高になりまして、今現在の状況を見ますと、例えば鹿児島からブリですとか、青森からホタテ、いずれも養殖で安定供給ができるというもののようです。それから、熊本からイチゴというのがございます。
 本県の場合、今現在、梨とか柿とかスイカとか、コンテナで、船便で送っているわけですけれども、こういうものをいわゆるエアでというのは不向きかなと。本県で、では何が対象になるかなと考えますと、例えば和牛とか、カニとか、ああいったものがその可能性としてあるのかなと思います。
 本県農林水産物の中でも、鮮魚、カニについては既に空輸で香港とかシンガポールに輸出の実績もあり、きょう出せばあしたの夕方には現地のレストランに行くというスピード感です。ちなみに、輸出ルートとしては、輸入商社が指定したルートで出しているという状況であり、この沖縄の国際空港を使ったというふうなルートではありませんけれども、これらのことを考えますと、実施に向けてはやはりいろんな課題もあるかなと思います。他県の担当者とか事業者の方がどういうふうにメリット感を感じておられるとか、聞き取りしながらANAカーゴやヤマト運輸との連携をどうやったらいいのか、研究してみたいというところでございます。
 養殖でございますけれども、確かに養殖漁業といいますのは、船に比べて収益が当てになっているというメリットがございまして、若者の人材活用という面では有効な漁業かなと考えております。
 本県でも美保湾で平成25年から弓ヶ浜水産さんがギンザケとかサバの養殖に取り組んでおられ、お聞きしますと、現在の常時雇用は121名、うち20代が42名、30代が15名で、若者の方の確保というのにはつながっているかなと思います。
 一方、視察された鹿児島の東町は非常に波が穏やかで、日本でも有数の養殖好適地になります。本県の海岸線というのは総じて平たんでありまして、美保湾以外で波が穏やかな部分がなかなかなくて、今現在取り組んでいますのが陸上養殖でございます。平成28年から鳥取林養魚場さんが赤碕港でギンザケのプラントをつくって養殖されていまして、常時雇用4名中、30代が3名で、若い方が中心になってやっておられる実情でありますし、JR西日本が網代でやっておられる「お嬢サバ」も20代の方が1名従事されているという状況であります。
 県としましても、美保湾のようなところでの大規模な沖合養殖システムですとか、漁港内は波が静かですので漁港内養殖という試験も行っておりますし、その養殖技術を県内事業者に普及するための補助制度も新たにつくっており、これを使って林養魚場さんは新たに向かっておられるわけです。今後とも本県養殖業の推進を図るとともに、若い人の確保にも努めていきたいなと思います。
 ちなみに、今申し上げましたのは企業さんの取り組みでありまして、漁協さんの取り組みとなりますと、一つは、ちょっと養殖とは違うのですけれども、定置網という仕組みがございます。県内で今5カ所、5つの漁協さんが取り組んでおられ、ことしから泊漁協さんが定置網を導入され、新たに6名雇用されました。このうち20代が1名、30代が1名ということで、若い方も安定して給料がもらえるからありがたいという声も伺っております。
 また、ソフト的な活動としましては、漁業活動相談員というものを設けまして、青谷高校ですとか境港の総合技術高校、岩美やら鳥取緑風高校をずっと回りまして、その漁業、養殖というものを一つネタにして、若い人にPRしているという状況でございます。
 最後に、ファインバブルですけれども、特に水産分野ではもう実用化段階に入っていまして、例えば境港のトットクラインさん、「お嬢サバ」をやっておられるのですけれども、もうマイクロバブルを使われて、酸素を供給するから魚が元気になって、餌の食いもいいということで、飼育は順調だと聞いておりますし、三光さんもキジハタをやっておられます。こういうふうに既にかなり水産関係では手応えを感じて取り入れておられますし、先ほど言いました林養魚場さんがその隣に日本養魚技術という子会社が中心となられて、今、工場を建設されています。ニジマスを育てる工場を新たに今つくっておられまして、ことしの年末から年明けにかけて完成かなというところで、ここでもファインバブルを使われると伺っております。やはり効果がありますので、こういった技術、今後も希望されるところがあれば、県もお手伝いして普及させたいなと思います。
 一方、農業場面ですけれども、水産に比べまだまだ実用化段階ではないです。ただいま情報を収集中であり、先般、8月29日には米子高専でファインバブルのセミナーがありまして、園芸試験場、中小家畜試験場を含めて勉強に行っておりますし、それから今月30日に兵庫の新産業創造研究機構、鳥取でいいますと産業技術センターのようなところなのですけれども、そこのファインバブル担当の人に勉強させてもらうようにお願いしていまして、結構効果があるようでしたら、園芸試験場でも、まずは葉物、コマツナ、ホウレンソウ、チンゲンサイ等で試してみたいなというところですけれども、その兵庫のほうに、いろいろ聞き取りしましても、なかなか判然としない部分があって、情報を収集して整理したいなと思っています。

◎森委員長
 それでは、お二人の部長のお話があったのですが、委員の皆さんから何かございますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、それぞれ提言をいたしましたので、受けていただいて、対応をお願いしておきます。
 それでは、以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。

                                午後0時14分 閉会

         
 



 

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