平成30年度決算審査特別委員会議事録

平成30年12月18日会議録

 

 

 

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出席者
(30名)
委員長
副委員長
委員
 野 坂 道 明   
 興 治 英 夫
 森   雅 幹   福 浜 隆 宏
 市 谷 知 子   錦 織 陽 子
 藤 井 一 博   西 川 憲 雄
 中 島 規 夫   島 谷 龍 司
 浜 田 一 哉   松 田   正
 川 部   洋   濵 辺 義 孝
 伊 藤   保   浜 田 妙 子
 長谷川   稔   内 田 隆 嗣
 福 田 俊 史   山 口   享
 藤 縄 喜 和   上 村 忠 史
 浜 崎 晋 一   広 谷 直 樹
 斉 木 正 一   前 田 八壽彦
 安 田 優 子   横 山 隆 義
 澤   紀 男   銀 杏 泰 利
         
欠席者
(0名)


職務のため出席した事務局職員
 細羽事務局長 中山次長兼総務課長 竹内調査課長 柳楽議事・法務政策課長外関係職員
 

1 開  会   午前10時02分

2 閉  会   午前10時23分

3 司  会   野坂委員長   

4 会議録署名委員   島谷委員  澤委員  

5 付議事件及びその結果
  別紙日程表記載のとおり


会議の概要

午前10時02分 開会

◎野坂委員長
 ただいまから決算審査特別委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 最初に、会議録署名委員を指名します。本日の会議録署名委員は、島谷委員、澤委員にお願いします。
 それでは、議題に入ります。
 議題1、平成29年度決算議案の可否及び認否について、県営事業、病院事業、一般会計等の3つの決算に関する議案が当委員会に付託されております。議案ごとに御意見を伺い、採決したいと思います。
 まず、9月定例会から継続審査となっております議案第24号、平成29年度鳥取県営電気事業会計未処分利益剰余金の処分及び平成29年度鳥取県営企業決算の認定についてですが、御意見はございませんか。

○市谷委員
 この継続議案第24号、企業会計決算は、小鹿第1、第2発電所、舂米発電所の運営の民営化、PFI導入可能性調査を実施し、コンセッション方式の導入を決定しました。また、日野川工業用水道事業もPFI導入の可能性が確認できたとしています。
 でも、このPFI導入というのは、所有権は県に残りますが、運営を民間に任せ、利益が出たら企業の収益にできます。県民の税金でつくった県有財産を県外企業のもうけの道具にし、県有施設の安全や持続的な運営の責任を県が放棄するものであり、賛成できません。

◎野坂委員長
 ほかにはございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 御意見がないようですので、採決いたします。
 議案第24号、平成29年度鳥取県営電気事業会計未処分利益剰余金の処分及び平成29年度鳥取県営企業決算の認定についてを原案のとおり剰余金の処分については可決し、決算については認定することに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数でありますので、原案のとおり可決し、認定すべきものと決定いたしました。
 次に、同じく継続審査となっております議案第25号、平成29年度鳥取県営病院事業決算の認定について、御意見はございませんか。

○市谷委員
 継続議案第25号、病院事業決算は、県立中央病院をせっかく新築いたしましたけれども、給食調理業務を一部民間委託してしまいました。調理業務に当たる職員の退職補充を非正規職員で賄ったため、定着しなかったということが理由のようですけれども、正規雇用をせずに給料が安い非正規職員で対応しようとしたからです。結局、経費削減を優先し、治療の一環である入院給食を民間委託しました。治療と食事を分断することは、県民によい医療を提供する県立病院の質を下げるものです。
 よって、この決算の認定、賛成できません。

◎野坂委員長
 ほかにございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 御意見がないようですので、採決いたします。
 議案第25号、平成29年度鳥取県営病院事業決算の認定についてを原案のとおり認定することに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数でありますので、原案のとおり認定すべきものと決定いたしました。
 次に、一般会計及び企業会計を除く特別会計に係る議案第36号、平成29年度決算の認定について、御意見ございませんか。

○市谷委員
 議案第36号、平成29年度決算の認定について反対の討論をします。
 平井知事は、平井知事のマニフェストに沿った元気チャレンジ70の進捗率が97%と評価していますが、そうでしょうか。子育てでは、合計特殊出生率は1.66に上昇しましたが、子どもの貧困はふえ、出生数は過去最低となりました。保育士が足りず、保育所の待機児童が増加しています。県独自の保育士の処遇改善、子どもの医療費無料化など、もっと踏み込んだ子育て支援をすべきでした。
 医療・介護では、介護保険料はスタート時の2倍以上の月6,433円となり、滞納額は1.3億円です。利用料金は値上がりし、事業所数や介護職員数が減少し、支援の質が低下していますが、県の独自財政支援は一切ありませんでした。国保は年平均国保料は10万円と高く、1割もの滞納世帯があります。国保の県単位化は進みましたが、県独自の財政支援はありませんでした。
 また、障がい者施策は、あいサポーター4万人と支え愛が進みましたが、医療型ショートステイの空床保障の廃止、障がい者の県立鹿野かちみ園、第二鹿野かちみ園、高齢者の皆生尚寿苑を売却、福祉は切り縮められております。また、教育では、全国学力テストが平均点以下になったことを受け、アクティブラーニングに時間をかけ過ぎたと、ドリルの強化が検討され、真の学力向上から遠ざかろうとしています。
 雇用・経済では、企業立地補助金76億円で870人の雇用、正規雇用創出1万人はほぼ達成と言いますけれども、県内雇用の非正規率は35%に上昇してしまいました。外需依存での呼び込みや観光客や外国人誘客などに多額の財政投入をし、空港利用者や外国人観光客はふえていますが、境港の取り扱い貨物量はマイナス、県民所得は回復していません。農林水産業は、農業産出額や漁業所得はふえましたが、耕作放棄地はふえ、販売農家も漁業者も減少しています。農林漁業を壊すTPPやEPAに反対し、価格所得補償の充実で担い手をふやし、食料と農地を守るべきでした。
 移住は目標達成ですが、自然減と転出増で人口は56万人台に減少してしまいました。防災、災害対策は、被災者住宅再建支援制度の一部損壊や石垣支援の復活は評価できますが、落石防止、土砂、山地災害対策、消防局の耐震化や常備消防体制は未達成です。防災対策の強化、消防は一元化より体制強化が必要です。
 また、公共施設関係は、60億円の米子駅南北一体化事業は無駄遣いです。鳥取空港や県立美術館の民営化、PFI導入の決定は、県有財産を県外企業のもうけの道具にし、安全や持続的な施設運営の責任を放棄するものです。
 また、生活環境・エネルギーでは、中電から2度目の寄附金2.6億円を受け取りながら、危険な使用済み核燃料の再利用前提の島根原発1号機の廃炉計画を承認し、中国電力との安全協定はいまだに改定されておりません。そして、住民が反対しているのに淀江産廃処分場計画を強行する平井知事に知事の資格はありません。
 県庁改革は、鳥取市の中核市移行で県職員63人削減、義務でない周辺4町の事務まで鳥取市に委託し、県は広域自治体の責任を放棄しています。県職員は5年で100人削減、5分の1は非正規です。事務の法令違反に当たる指摘や注意は600件以上に上り、個人情報も流出しています。適切に業務遂行できるよう県職員をふやすべきです。
 また、議会は一番の任務である質問質疑時間を総枠制で削減しておきながら、議員報酬5%カットの廃止で議員報酬をふやしています。また、税金を使ってのタイへの海外視察は無駄遣いです。議会改革に逆行です。
 以上の理由から議案第36号、平成29年度決算の認定に反対です。

◎野坂委員長
 ほかに御意見ございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 御意見がないようですので、採決をいたします。
 議案第36号、平成29年度決算の認定について、原案のとおり認定することに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。よって、原案のとおり認定すべきものと決定いたしました。
 次に、議題2、決算審査特別委員会の委員長報告及び口頭指摘事項についてであります。
 あらかじめ各委員に意見照会をさせていただいたところ、3件の御意見がありました。その内容は、お配りしている資料のとおりであります。いただいた御意見を踏まえ、正副委員長、主査会で検討、協議した結果を反映させたものを委員長報告案及び口頭指摘案としてお手元に配付させていただいております。
 なお、皆様に意見照会をさせていただいた時点から趣旨が変わらない範囲で一部言い回しを修正したり、文章の順番を入れかえておりますので御承知ください。
 それでは、提出された意見についての処理状況を各主査から説明をお願いいたします。
 初めに、地域振興県土警察分科会、福田主査からお願いいたします。

○福田主査
 債権回収のあり方についてですが、以下の理由により、原案のとおりといたします。
 現在、複数の担当課間での情報共有を行わずに回収業務を進めており、このことが債権回収が進まず、各所管課が対応に苦慮している大きな原因の一つであると考えております。県に対して複数の債務を抱えている滞納者に対しては、担当課それぞれから督促が行われておりますが、情報共有を行えばそれぞれの債務を合わせて計画的に返済を行うことも検討でき、かえって債務者の保護につながることもあるのではないかと考えております。
 なお、行政の公正、公平性の観点から、しっかりとした徴収体制を構築することは必要なことであり、そのこととプライバシー保護とは別の問題であると考えます。
 あと1点、公益財団法人鳥取県国際交流財団の運営について、以下の理由により、原案のとおりといたします。
 本指摘における国際交流財団が行う事業の整備とは、廃止を求めているものではありません。県内に在住するいろんな立場、国籍の外国出身者がお互いに交流を深めながら日常生活に役立つ日本語を楽しく学べる場として運営する意義は理解をしております。
 一方、現在の日本語クラスは県内企業が受け入れている外国人技能実習生の割合が増加傾向にあり、今後の状況の進展によっては運営スタッフ数などに限りがある中で、本来の目的で日本語クラスを利用したい方々の学びの場を奪うことにもつながりかねません。外国人技能実習生の日本語教育につきましては、一義的には受け入れ企業が日本語教育や生活習慣の習得等の責任を負うのが本来の姿であり、今後、県内の学校法人が日本語学校を開校するなどの動きが出ている中で、受け入れ企業のニーズによってはそれらとの役割分担や対価を求めること等を検討するなど、日本語クラスの運営のあり方を整備すべきと考えております。

◎野坂委員長
 次に、総務教育分科会、松田主査。

○松田主査
 学力向上の取り組みと基本的な生活習慣の定着や意欲、関心の向上について御意見をいただきましたので、回答したいと思います。
 以下4点の理由から原案のとおりとさせていただきたいと思います。
 1つ目、全国学力・学習状況調査は、義務教育の機会均等とその水準の維持、向上の観点から、全国的な児童・生徒の学力や学習状況を把握、分析するとともに、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るなどの目的で実施されたものでありまして、本県の児童・生徒の学力等を的確に把握できる重要な調査であること。
 2つ目に、当該調査結果を見ますと、規範意識が高い、基本的な生活習慣が確立している、また一定の家庭学習等の時間を確保しているなどと回答した児童・生徒は平均正答率が高い傾向にあること。
 3つ目、当該調査結果や難関大学進学者の割合が低下傾向にある要因を含め、県が実施してきた取り組みの検証や総合的な分析を行い、抜本的な立て直しを図る必要性があること。
 そして最後、4つ目、本指摘は学力向上以外の取り組みを何ら否定するものではございませんし、児童・生徒の健全な成長を図れるよう基本的な生活習慣の定着や意欲、関心を向上させる恒常的な取り組みの充実強化を求めることとしておりまして、意見にございますような人間的な成長や生きる力の形成につながるものであること。
 以上をもちまして、原案のとおりとさせていただきたいと思います。

◎野坂委員長
 以上、主査からの説明は終わりました。
 これについて御意見はございませんか。

○市谷委員
 指摘事項に対する指摘は、私たち共産党県議団のほうから出させていただいたものでありました。それで今、いろいろ御説明がありましたけれども、ちょっと納得できません。この指摘事項全体については、福祉や生活向上につながるものも多いのです。指摘しているこの3点について、賛成ができないということを述べておきたいと思います。
 まず、第1に、学力向上について先ほど御説明がありましたけれども、これは文章の中に、規範意識が高い、基本的な生活習慣が確立している、一定の家庭学習等の時間を確保している等の児童・生徒は平均正答率が高い傾向にありますと。規範意識だとか、生活習慣の確立とか家庭学習というのは当然大事なのですけれども、結局それは何の物差しで見ているかというと、全国学力テストの平均正答率で評価しているわけですね。全国学力テストは、ペーパーテストで本当に部分的な学力の評価にすぎないわけで、もっと子供たちの全体の学力だとか生活のことについては、見ていく必要があるのです。この学力テストを評価基準にしているということに問題があるし、こういうことが結局子供を追い詰めて、家庭も追い詰めて、真の学力向上にはつながらないので、この指摘は賛成できません。
 また、債権回収については、いろいろ御説明がありましたけれども、結局、県民の生活苦に寄り添うという立場ではなくて、徴収強化のために各部署の個人情報の名寄せをするということなのです。これは今、各部署でそれぞれの個人情報は名寄せしてはいけないのです。それはプライバシーを保護しなければいけないから。だけれども、それを県民の立場でなく徴収強化のために名寄せするというのはやはりプライバシーの侵害になるというふうに思います。
 困難事例があるということも言われるのですけれども、この間、ずっと努力をして、個人県民税の回収率というのは上昇してきております。今回、債権額がふえたというのは、企業立地補助金の返還金なのです。これは県自身が事業認定するに当たっての見聞きが足りなかったということが原因であって、広く県民に対して徴収強化をすることではありません。
 ですから、この記述については反対です。
 国際交流財団の運営については、日本語教育は管理団体の責任だとして、これまで喜んで参加しておられた外国人技能実習生やその家族を財団の日本語クラスから排除する危険性があるというふうに思っております。日本語クラスを廃止するものではないというふうにおっしゃったのですけれども、結局、外国人労働者の語学学習というのは管理団体の責任なのだということで、これまでこの財団の日本語クラスに喜んで参加しておられた方々が一体どうなるのかということだと思います。
 この財団の日本語クラスというのは、単に語学だけではなくてコミュニケーションの場になっているということで、非常にこの外国人労働者の方から喜ばれております。だから、むしろ今後増加が予想されるわけですから、積極的にこの外国人労働者の方々が参加してもらえるようにしたほうが、私はいいというふうに思っております。
 以上、指摘いたしましたように、全体の指摘事項の中ではよいものもあるのですけれども、以上のような問題点が含まれていることから、指摘事項には反対したいというふうに思います。

◎野坂委員長
 ほかに御意見ございませんか。
 御意見がないようですので、委員長報告及び口頭指摘事項は原案どおりにすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数でありますので、さよう決定いたします。
 次に、議題3、指摘の方法についてであります。
 まず、文書指摘については、12月19日の本会議で委員長報告を行い、議決の後、知事に文書で通知すること、本会議での委員長報告は指摘事項の全文を配付し、概要を朗読すること。次に、口頭指摘については、本委員会終了後、各分科会主査から関係部局長に申し渡しをすること、以上の方法により指摘を行うことでよろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、そのようにさせていただきます。
 なお、指摘事項に対する対応状況並びに来年度予算への反映状況については、今後も継続して調査をすることとし、別途議長に申し出いたしますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、その他の事項で、皆さんから何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 御意見がございませんので、決算審査特別委員会はこれをもって閉会いたします。

午前10時23分 閉会

 

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