日本列島周辺で発生する被害地震
[分類1] プレート境界の巨大地震:海溝と列島の間の海底、海のプレートが陸のプレートの下に潜り込むことにより、潜り込んだ陸のプレートがある時一気に元に戻ろうとする、その時に起こるのがプレート境界の巨大地震です。
[分類2] 内陸地震、陸のプレートが圧縮力を受け地殻上部で発生する地震について、海のプレートが陸のプレートの下に潜り込んで行く運動により、内陸の地殻が歪みを起こし歪みが最大に達したときに地殻の軟弱な部分に断層が出来る、その時に発生するのが内陸地震です。
以下は明治以後で、大災害を引き起こした大地震についてその分類と特徴を示します。
(1) 濃尾大震災(濃尾地震;1891年10月28日6時38分、マグニチュード8.0、岐阜県西部根尾谷)
分類:2.内陸で発生した最大の地震。
地震断層(根尾谷断層(長さ31km、最大ずれ8m)など)が地表面 に現れた。地表面の地震動が強く、死者7,273人、全壊家屋14万戸以上、山崩れ、道路・橋梁の崩壊、堤防損壊など、直接的な原因による被害が多く発生した。
(2) 1896年三陸地震津波(三陸地震;1896年6月15日19時32分、マグニチュード8.5、岩手県沖)
分類:1.日本海溝下の太平洋プレート境界の逆断層型の巨大地震。
地震動はゆるくこれによる震害はなかった。 地震後30分~1時間に東北地方の太平洋沿岸に最大30mに及ぶ津波が襲来し、流出家屋8000戸以上・ 溺死者約22,000人、満潮時と重なったために被害が大きくなった。約40年後にほとんど同じ場所に 三陸地震(1933年3月3日2時30分、マグニチュード8.1、岩手県沖)が発生して、死者・行方不明3,000人以上、流出家屋4000戸以上の同様の大被害を出した。
(3) 関東大震災(関東地震;1923年9月1日11時58分、マグニチュード7.9、相模湾海底下)
分類:1.相模湾下のプレート境界のずれで地震が発生した。
伊豆半島、三浦半島、房総半島で地殻変動が観測され、津波も発生した。被害は関東地方全域で、死者14万人以上、地震動による全壊家屋は12万8千余、半壊は12万6千余、二次災害である火災による焼失家屋は、44万7千余、死者の内10万人以上が焼死者であった。
(4) 南海地震災害(南海地震:1945年12月21日4時19分、マグニチュード8.0、紀伊半島沖)
分類:1.南海トラフ沿いの逆断層型の巨大地震、フィリピン海プレートの沈み込みによる逆断層型地震。
地震動による被害は、家屋の全壊1万1千戸以上、半壊2万3千戸以上で、西日本一帯に及んでいる。津波による流出家屋は約1500戸。室戸岬の地震前の隆起、地震による沈降はプレート境界地震の地殻変動のモデルを確立した。
(5)阪神淡路大震災(兵庫県南部地:1995年1月17日05時45分 マグニチュード7.2、明石海峡付近)
分類:2.都市直下に発生した内陸地震。
地表面に地震断層として野島断層が出現し、震源断層は約50kmの右横ずれ断層で、神戸市・阪神地域に震度7の震災の帯が出現した。6000人以上の人が亡くなり、数万戸の全半壊家屋を出した。高速道路のコンクリート橋脚など鉄筋鉄骨の建造物が崩壊し、都市直下の地震災害の恐ろしさを再認識させた。