「鳥取県支え愛交通安全条例」が制定されました

条例の目的

 この条例は、障がい者、高齢者及び子ども並びに自転車利用者の交通安全の確保に関し、配慮し、又は遵守すべき事項を定めるとともに、交通安全教育に係る県、学校等、事業者及び県民の責務並びに交通環境の整備に係る県の責務を明らかにすることにより、交通安全の確保に向けた取組を進める機運の醸成を図り、交通事故のない鳥取県の実現を目指すものです。

公布・施行日

平成28年10月14日

鳥取県支え愛交通安全条例に関するQ&A

Q1 障がい者の安全な通行の確保では「それぞれの障がいの特性に応じた配慮」とありますが、何をすればよいのですか?

 障がいのある方への配慮や手助けを行うため、「障がいを知ること」が大切です。条例第3条では、障がいのある方への安全な通行を確保するための取組として「障がいのある方への『声かけ』などの配慮」を規定しました。障がいのある方への声かけや道路を安全に横断するための誘導など、障がいのある方が求める補助をその場の交通状況に応じて安全に行うことに努めましょう。 

 県では、障がいのある方も暮らしやすい社会を実現するため、様々な障がいを正しく理解し、障がいのある方への配慮や手助けを行う「あいサポーター(障がい者サポーター)」制度を平成21年11月28日に創設しています。障がいを知り、障がいのある方への配慮が推進されることにより、「障がいの有無にかかわらず誰もが安心して暮らせる共生社会」の実現を目指しましょう。

 あいサポート運動の取組と「障がいを知ること」については、下記のとりネット・障がい福祉課ページで紹介しています。(http://www.pref.tottori.lg.jp/aisupport/

◎ 知っていますか?「白杖SOSシグナル」

  視覚障がい者の方が白杖(はくじょう)を頭上50cm程度に掲げることで助けを求める意
 思表示を行い、周りの人から手助けしてもらう「白杖SOS運動」。助けを求める視覚障がい
 者を見かけたら、すすんで声をかけましょう。

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 障がい者に関するマーク http://www8.cao.go.jp/shougai/mark/mark.html

Q2 「車両接近通報装置」とは、どのような装置ですか?

 「車両接近通報装置」とは、自動車の存在または接近を音声その他の方法で周囲の方に知らせる装置をいいます。バスやトラックなど、車体の構造上、後方の視認性の確保が難しい自動車の後退時の安全を確保するために搭載・使用されています。

 平成27年10月、徳島県において、車両接近通報装置を使用していなかったため、後退中のトラックが視覚障がい者と盲導犬に衝突する交通死亡事故が発生しました。また、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)、燃料電池車の普及が進む中、これらの車がモーターで走る際の走行音が静かすぎるとして、その接近に気づかず、危険であるとの不安の声が高まっています。

 県では、徳島県で発生した交通死亡事故を重く受け止め、車両接近通報装置が搭載可能な自動車を購入する際には搭載していただくこと、また、車両接近通報装置を搭載している自動車を使用するときは、適切に使用していただくよう啓発を行っていくこととしました。車両接近通報装置の重要性について理解を深め、適切な使用に努めるようお願いします。

(※国(国土交通省)では、平成30年3月以降の新型車に車両接近通報装置の搭載を義務付けることとされました。)

Q3 自転車損害賠償保険等(自転車の利用に係る交通事故により生じた損害を賠償するための保険または共済)について教えてください。

 自転車は、気軽に利用できる乗り物として、子どもから高齢者まで利用されていますが、道路交通法では「車両のなかま」として「軽車両」に分類されています。
 自転車で事故を起こし、その相手方や第三者に損害を与えた場合には、その被害の大きさによって高額の損害賠償金を支払わなければならない場合があります。この賠償責任は、未成年者であっても責任を免れることはできません。
 このため、自転車損害賠償責任保険等に加入し、万が一の事態に備えることが大切です。自転車事故による損害を賠償するための備えとしては、次のようなものがあります。既に加入している保険等で対応できる場合がありますので、補償内容を今一度確認してみましょう。

 

<日常生活での賠償責任保険等> 

 自転車保険の種類

保険の概要 

 個人賠償責任保険    自転車向け保険 

自転車事故に備えた保険

 自動車保険の特約     自動車保険の特約で付帯した保険 
 火災保険の特約  火災保険の特約で付帯した保険
 傷害保険の特約  傷害保険の特約で付帯した保険
 共済  全労済、その他共済など
 団体保険  企業の団体保険  団体の構成員向けの保険
 PTAの保険  PTAや学校が窓口の保険 
 TSマーク付帯保険  自転車安全整備士が点検整備した
自転車に付帯した保険

<事業者用の賠償責任保険> 

自転車保険の種類 

保険の概要 

施設所有(管理)者賠償責任保険   業務活動中の事故に備えた保険   
TSマーク付帯保険  自転車安全整備士が点検整備した
自転車に付帯した保険 

○業務で自転車を運転中に事故を起こして損害を与えた場合、個人で加入する個人賠償責任保険では補償がなされません。事業主が事業用の賠償責任保険に加入する必要があります。
○TSマーク付帯保険は、点検整備を受けた自転車そのものに付帯する保険です。業務中・私用を問わず補償される保険となっています。最寄りの自転車販売店にお問い合わせください。

Q4 「自転車を利用する際に乗車用ヘルメットをかぶるなどの安全対策に努めること」とありますが、ヘルメット着用にはどのような効果があるのですか?

 自転車利用中の交通事故事例を基にした調査研究によりますと、自転車利用中の致命傷として、頭部損傷の割合が高いことがあげられています。例えば、自転車利用中に自動車と衝突した場合、自転車の乗員は自動車のフロントガラスやボディに衝突することとなり、 その衝突時の速度が高ければ高いほど衝撃は強くなります。乗車用ヘルメットをかぶっていない場合は、割れたガラスによって頭に切り傷を負ったり、骨折や脳に損傷を与える場合もあります。また、その後に道路上に投げ出されると、アスファルトに頭を打ち付けるなど、さらなるけがにもつながりかねません。乗車用ヘルメットは、このような場合に頭部の損傷を軽減する効果があります。

 また、道路交通法では、児童や幼児に自転車を利用させる保護者に対し、児童等に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努める規定がなされています。

 なお、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)では、自転車同士の出会い頭事故について検証を行い、その結果をホームページにて公開しています。ヘルメットの効能や重要性を認識できる動画もありますので是非ご覧ください。

  テスト結果:JAFユーザーテスト(自転車同士の出会い頭衝突)

   資料編:http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/bicycle02/detail3.htm   

Q5 「家庭や事業所における交通安全教育」とは、何をすればよいのですか? 

 交通事故は、一瞬にしてかけがえのない命を奪ってしまいます。交通事故のない社会は、全ての人の願いです。そのために、一人ひとりが交通安全意識の高揚を図り、交通事故の根絶に向けて一丸となった取組を推進していくことが重要です。

 交通安全教育は、円滑な交通と安全を確保するために必要なルールを実践すること、また、思いやりを含めたマナーを身に付けるために大切な取組です。家庭、職場、地域の活動等あらゆる機会を活用して交通安全について考えていただき、「交通安全について意識する習慣付け」を図っていただくようお願いします。 

条例の構成・各章の概要

第1章 総則(第1条・第2条)

 第1章では、条例の目的、条例における用語の定義について規定しており、この条例では、「子ども」は「満18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者」と定義しています。

第2章 障がい者の交通安全(第3条~第5条)

 第2章では、障がい者の交通安全を確保していくための県民及び事業者(以下「県民等」という。)の取組を規定しています。

  • 道路を通行する全ての障がい者の安全な通行を妨げないようにするとともに、通行への危険又は支障があると認めるときは、声かけなど障がいの特性に応じた方法で危険の存在を知らせ、誘導、介助その他の補助を必要としているかを尋ねるなどの配慮を行い、必要に応じて、誘導、介助するなどの補助を行うよう努めること

  • 車両接近通報装置の搭載が可能な場合は搭載すること、又、同装置を搭載している自動車を運転するときは適切な使用に努めること

  • 身体障害者標識及び聴覚障害者標識を表示している車両に対する思いやり運転に努めること 

第3章 高齢者の交通安全(第6条~第9条)

 第3章では、高齢者の交通安全を確保していくための取組を規定しています。

  • 道路を通行する全ての高齢者の安全な通行を妨げないようにするとともに、通行への危険又は支障があると認めるときは、危険があることを知らせるために声をかけ、誘導、介助その他の補助を必要としているかを尋ねるなどの配慮を行い、必要に応じて、誘導、介助するなどの補助を行うよう努めること

  • 高齢運転者標識を表示している車両に対する思いやり運転に努めること

  • 高齢者は、夜間に歩行するときは、歩行者用反射材用品を着用するよう努めること

  • 高齢者は、自らの身体機能又は認知機能の状態を把握するとともに、必要に応じて、医療関係者等から交通安全を確保するために注意すべきことについて助言を受けること 

第4章 子どもの交通安全(第10条・第11条)

 第4章では、子どもの交通安全を確保していくための取組を規定しています。

  • 道路を通行する全ての子どもの安全な通行を妨げないようにするとともに、通行への危険又は支障があると認めるときは、危険があることを知らせるために声をかけ、必要に応じて、誘導、注意を促すなどの配慮を行うよう努めること

  • 通学路等の道路管理者、教育機関、保護者、地域住民、警察署長は、連携して通学路等の交通安全を確保するために必要な措置を講ずるよう努めること

第5章 自転車の交通安全(第12条~第17条)

 第5章では、自転車を安全に利用していくための取組を規定しています。

  • 自転車利用者は、自転車の利用に関する法令を遵守するとともに、歩行者、他の自転車利用者又は自動車の安全な通行に支障を及ぼすことのないよう努めること

  • 自転車利用者は、自転車の利用に係る交通事故により生じた損害を賠償するための保険又は共済(以下「自転車損害賠償保険等」という。)に加入するよう努めること

  • 事業活動において従業員に自転車を利用させる事業者は、当該利用にかかる自転車損害賠償保険等の加入に努めること

  • 自転車の貸付業者は、客に自転車を利用させるために貸し付けるときは、自転車損害賠償保険等の加入に努めること

  • 自転車利用者は、乗車用ヘルメットをかぶるなど、自転車を利用する際の安全対策に努めること 

第6章 交通安全教育の推進(第18条)

 第6章では、学校、家庭、事業所における交通安全教育の推進について規定しています。

  • 学校を設置し、又は管理する者は、児童等の成長段階に応じた交通安全教育を実施するとともに、児童等が地域における交通安全に関する活動に参加できるよう努めること

  • 家庭又は事業所における交通安全教育に努めるとともに、地域における交通安全に関する活動に参加し、又は配慮するよう努めること 

第7章 交通環境の整備等(第19条~第22条)

 第7章では、県の責務について規定しました。

  • 市町村及び国と連携して道路及び交通安全施設の整備等必要な措置を講ずるよう努めること
  • 高齢者、障がい者の移動等円滑化が推進されるよう努めること。
  • 自動車の安全な運転の支援又は交通事故発生時における被害の軽減に資する技術に関する研究開発の成果の啓発に努めること
  • 交通安全に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めること 

 

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