身元調査お断り運動

身元調査しないさせない許さないロゴ

 鳥取県では、平成8年に鳥取県人権尊重の社会づくり条例を制定し、差別と偏見のない人権が尊重される社会を目指して取組を行っています。

 その取組の一つとして、人権侵害や差別行為につながる差別意識や偏見に基づく身元調査をなくすため、「身元調査お断り運動」を県民運動として推進し、毎年9月を「身元調査お断り運動推進強調月間」としています。

 平成29年度は、部落差別解消法が施行されて初めて迎える月間であることから、初日の9月1日に鳥取駅前、倉吉駅前、米子駅前にて、県、市、鳥取県人権文化センター、鳥取県人権教育推進協議会が啓発ティッシュを配りながら、差別意識や偏見に基づく身元調査は人権侵害や差別行為につながることを呼びかける街頭啓発を行いました。

【街頭啓発の様子(倉吉駅前)】
倉吉駅前での街頭啓発の様子写真 

 また、9月6日には、鳥取県中小企業団体中央会、鳥取県商工会連合会、鳥取県商工会議所連合会を訪問し、「身元調査お断り運動」の周知について、鳥取県同和対策協議会会長とともに依頼を行いました。

【依頼訪問の様子】
 企業団体依頼訪問の様子写真

  

身元調査お断り運動リーフレット

 

身元調査お断り運動のリーフレット(A4版2つ折)です。

部落解放月間啓発リーフレット(表面・裏面)のダウンロードへリーフレット「身元調査をしない させない 許さない!」のダウンロード(PDF:1,706KB)


身元調査とは

 身元調査には、結婚や就職の際に行う調査、商行為上における契約の相手方の信用調査、あるいは消費貸借における借主の資力調査など、さまざまなものがあります。
 この「身元調査お断り運動」では、身元調査の中でも、差別意識や偏見に基づいて行われる身元調査、特に結婚や就職に関する身元調査をこの運動の最重点対象とし、運動を推進することとします。
 人生の重要な門出となる結婚や就職に際し、本人の知らないところで、その人の経歴、思想・信条や、家柄、家庭環境、資産等を、昔から行われているいわゆる“聞き合わせ”や、興信所等の民間調査機関によって行われる身元調査は、多くの場合、重大な人権侵害であり、差別行為になります。
 身元調査を依頼したり、引き受けることは、人間の尊厳を無視した差別意識や偏見に基づく行為であり、決して許されるものではありません。
 特に注意しなければならないのは、差別意識や偏見がなくても、調査する側の巧みな言葉によって、つい第三者のことをあれこれ話してしまい、結果として、身元調査に協力してしまう場合です。調査の目的等をよく把握し、人権を侵害し、差別行為につながる調査には協力しないようにすることが大切です。


身元調査をめぐる現状

 多くの人々や行政が、今日まで身元調査をなくす取組に関わってきました。その成果は、戸籍法の改正や公正採用選考の推進に見ることができます。しかし、次の(1)、(2)のような現実があることも確かです。

(1)平成26年5月に行った鳥取県人権意識調査で、親の立場から子どもの結婚相手に対する身元調査はやむを得ないと思うかの問いに対し、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した方が32.3%ありました。逆に、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」と身元調査に否定的な回答は48.4%でした。
 詳細は人権意識調査(平成26年5月調査)の報告書の問38をご覧ください。
(2)平成23年に東京の法務事務所の実質経営者らが、全国の市町村から戸籍の謄抄本や住民票の写し等を1万枚以上不正に取得し、犯罪などに利用されていた事件が発覚しました。
 この事件では、鳥取県の自治体からも35件の住民票の写し等が取得されていました。

身元調査についてのQ&A

Q:人には知る権利があるので、何を調べても自由なのでは?
A:人権侵害や差別をする自由はありません。「知る権利」とは、公共性・社会性のある情報で、明らかにすることによって社会に役立つ情報を得ることができる権利のことです。

Q:親として、子どもの幸せを願って身元調査をすることがなぜいけないのか?
A:結婚は本人同士の合意により成立します。幸せかどうかは子ども自身が決めることです。子どもを思う親の気持ちが、身元調査の不当性や差別性を正当化するものではありません。

Q:「聞き合わせ」があっても、良いことばかりいってあげればよいのでは?
A:「聞き合わせ」という行為自体がプライバシーの侵害です。また、良いことか悪いことかを、他人が勝手に判断するべきではないでしょう。

Q:家と家との釣り合いは大切なことなのでは?
A:「家柄」とは、具体的に何なのでしょうか。個人よりも家を重視する考えそのものに問題があるのではないでしょうか。大切なのは人と人とのつながりです。

Q:みんなが調べているから良いのでは?
A:差別的な慣習を無意識に受け入れることには問題があります。それを変えていくことこそが、一人ひとりの幸せにつながるのではないでしょうか。

Q:相手が嘘をついていたらどうするのか。調べなくていいのか?
A:信頼関係が成り立ってはじめて結婚するのです。言動を含めて、責任は本人同士にあります。相手が嘘をついているかどうか疑いながら、本当の信頼関係が築けるのでしょうか。

Q:学歴や思想など、本人に責任があることは調べてもいいのでは?
A:人権侵害や差別をする自由はありません。本人に責任があってもなくても、本人の知らないところで調べることは、プライバシーの侵害になります。