手仕事探査隊

第34回 匠のお仕事~郷土玩具編 その四 
 張り子面 顔型の作成と下地作り

 まずは、木型に和紙を貼って顔の型を作る作業から始めます。
 刷毛(はけ)で和紙に布海苔を塗り、貼り合わせます。
 破れにくくするため、繊維が長く柔らかい反故(ほご)紙を間に挟みます。
 次に、貼り合わせた和紙を木型の上に貼っていきます。
 さらに、細くちぎった和紙を貼ることで、お面のふちの型崩れを防ぎ強度を持たせることができます。
 新しい和紙を上に貼り重ねて浮いた和紙の繊維を抑えます。
 和紙を貼り終えたら、木型ごと火鉢のそばで乾燥させます。
 水分がなくなるまで乾燥したら、お面のふち、目、口をメスで切り取り、ヘラでおこして木型から外します。
 
 次に、鼻の穴を火箸で穿ちます。この時、じりじりっと音がし、一瞬、紙の焦げる匂いが部屋に漂いました。
 お湯で薄く溶いたでんぷんのりを細く切った化粧用の和紙に塗り、お面の縁にこれを貼っていって、顔型の作成は完了です。

木型
猩々面の木型

乾燥
炭火で乾燥

 続いて下地作り。
 棒状の膠(にかわ)を鍋の中で煮溶かし、湯でのばして適当な薄さの膠溶液を作ります。
 膠を煮溶かす時に、普段はあまり嗅ぐ機会のない独特の匂いが部屋いっぱいに漂いました。例えて言うなら、肥料の匂い・・・とでも表現するのが近いでしょうか。
 
 この膠溶液と胡粉とを合わせ、滑らかになるまですり鉢とすりこ木を使ってよく混ぜます。
 胡粉が冷めて適度な硬さになったら、刷毛でお面に満遍なく塗っていきます。目や鼻の周りなど細かい部分は、小筆に持ち替えて塗ります。
 下地作りの終わったお面は網の上に並べ、ひと晩置いて自然乾燥させます。
 白い猩々面が並んでこっちを見ている様は、なんだか少し不気味です。

 次回はいよいよクライマックス!彩色と仕上げの工程をレポートします。乞うご期待。

膠溶液

膠の溶液

下地塗り
下地作り


さる豆知識 「胡粉と膠」

胡粉と膠 胡粉(ごふん)は炭酸カルシウムを主成分とする白色の顔料です。カキやハマグリなどの貝殻を天日に晒したものを粉砕機で粉砕して作られます。日本画や日本人形の絵付けなどに用いられます。
 単純に白い絵の具として使うだけでなく、下塗りに使って上に塗る絵の具の発色を良くしたり、他の絵の具に混ぜて色を抑えるなどの使い方もします。
 膠(にかわ)は、古くから使われている接着剤で、日本画などを描く場合に顔料や下地のバインダーとしても用いられます。
 棒状や粒状のものがあり(柳屋さんは棒状のものを使用)、水を加えて煮溶かして使用します。主成分は動物や魚類の皮革、骨髄などに含まれるコラーゲンです。透明な飴色をし、不純物のないものが良質とされています。
更新日:2009年3月10日

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