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手仕事探査隊

第3回 ちょっと「民芸」しませんか? その3

前回に引き続き、鳥取民藝美術舘にて開催されている企画展「鳥取民藝運動の軌跡」の今回の展示会の見どころを当美術館学芸員 尾崎麻理子氏から紹介していただきます。
今回は木工品です。
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鳥取民藝美術舘 企画展「鳥取民藝運動の軌跡」から その2
 
○木工品 
鳥取民藝美術舘では新作民藝の木工家具を展示しつつ、ご来館の皆様にご利用いただいています。英国の椅子をもとに日本人の体型を想定して出来た椅子はすわり心地が良く、うたた寝されるお客様をしばしばお見受けします。
制作者は虎尾政次氏、辰己熊蔵氏(辰己木工)、福田祥(ふくだあきら)氏など(現在は故人)で、吉田璋也(よしだしょうや)が考案した家具類を試行錯誤を繰り返しつつ目指す形へと作り上げた方々です。
今回の展示では試作はされましたが、商品化されなかった家具の写真や、製品の記録帳の展示も行っています。

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商品化されなかった家具の写真と製品の記録帳

 平成16年度鳥取県収蔵品調査活用支援事業として調査させていただいた成果として、茶筒、棗、硯箱、煙草入れ、パン切り台、木皿、状差しなど約40点から、選りすぐったものを展示しています。

 中でも注目すべきものは硯箱と煙草入れの存在です。

麻の葉と紗綾形の彫の入った硯箱は、板画家・故長谷川富三郎氏(鳥取県出身)が愛用したことでも知られています。雑誌『工藝』には、これを模した芹沢の小間絵が掲載されるなど、民藝運動の同人にも評価の高かったことが伺われます。これを制作した虎尾政次は、鳥取民藝運動の草創期を木工部門で支えた人物でした。彫りの仕事がうまく、細部にわたって決め細やかな配慮がいきわたった製品を手掛けています。

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麻の葉と紗綾形の彫の入った硯箱(虎尾政次氏作)

 煙草入れは、原型のろくろ引きは茗荷定治(みょうがさだじ)氏。現在は「とっとりの匠」に認定されている茗荷氏の若き日の仕事です。彫りは虎尾氏。昭和6年10月17日付の『鳥取新報』に灰皿や煙草盆と共に掲載されており、非常に早くから作られていたようです。これは柳宗悦が愛蔵した「唐草彫刻煙草入」(柳宗悦旧蔵・現在は日本民藝館所蔵)を模倣していますが、古典に学ぶことを職人に教えた璋也らしい発想であり、いかに柳を敬愛していたかがわかる品でもあります。
(次回は陶磁器です。つづく)

更新日:2008年2月21日

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