学習障がい(LD)

 平成16年1月に文部科学省が発表したガイドライン「小・中学校におけるLD(学習障害)、AD/HD(注意欠陥/多動性障がい)、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)」でのLDの定義は、次のとおりです。

  1. 基本的には全般的な知的発達に遅れはない(IQ71以上)
  2. 聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す
  3. 原因は脳に何らかの障がいがあるためで、視覚障がいや聴覚障がいなどの他の障がいや環境的な要因が直接的な原因ではない

 通常の学級に在籍する児童・生徒のうち、学習面で著しい困難を示す割合は約4.5%(平成14年の文部科学省調べによる)と言われています。
 LDは「勉強ができない」とは全く違います。脳の機能特性により見え方や聞こえ方のかたよりやずれが生じ、学習を妨げている状態です。
 また、勉強だけではなく、生活行動や社会的行為にわたる能力の習得にも困難さが生じる場合もあります。

  

支援の方法

 発達検査等で客観的に評価を行い、得意なところや苦手なところ(認知的なつまづき)を明らかにしていくことが大切です。
 得意なところは自信につなげ、苦手な部分は子どもなりの努力を認めるとともに、得意な部分で苦手な部分をカバーすることを考えます。
 

「聞く」カに困難さを持つ人への支援

聞く
  • 注意を促してから話しかける
  • 音声だけでなく、動作や絵・文字などの視覚情報を同時に出す
  • 難しい言い回しはやめ、簡単で短い文書で ゆっくりと話す

「話す」カに困難さを持つ人への支援

話す
  • 話したいという意欲をなくさせないようにする
    (例 手がかりとなる話題、5W1H『いつ、どこで、誰が、何を、どうした、そのわけは』を示してみる。 大人が話したい内容をまとめてあげる、等 )

「読む」カに困難さを持つ人への支援

読む
  • 文字や絵等の情報の取り入れ方や取り出し方の工夫をし、目で追いやすくする。

  (例 指で押さえながら、文節ごとにラインやスラッシュの区切りをつける/
     読む部分のみが見えるカバーの利用(読む部分の強調)/
     キーワードに注目させる工夫)


「書く」カに困難さを持つ人への支援

書く
  • 書きやすい道具の工夫
    (例 なぞり書き/マス目を大きくする/文字の書き始め、筆順にマークをつける、等)
  • 書きやすい書き方の工夫
    (例 漢字をへんとつくりに分けて教える/書く文章を声に出して書かせる、等 )

「計算する」カに困難さを持つ人への支援

計算する
  • イメージしやすいように具体物や半具体物を使う
  • 文章題は内容を図示する
  • 1枚のプリントの問題数を減らすなどし、1度に計算する量を加減する

「推論する」カに困難さを持つ人への支援

  • ひな形となる項目(始めに、次に、おわりに)を示す
  • 文字や絵で思い出す手がかりを示す
  • 思い出した項目をカードに作り、並び替える
  • 本人が話し終えるまで待ち、その内容を確かめる
  

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