中海の自然環境

湿地の概要


 中海は島根県東部から鳥取県西部に位置し、上流部は大橋川を介して宍道湖とつながり、下流部は境水道を介して日本海へとつながる「斐伊川水系」に属する面積が約92平方キロメートルの日本で5番目の大きさの塩分濃度が海水の半分程度の汽水湖です。
 この汽水という特殊な環境の恩恵を受けて多くの魚介類や水草が生息・生育するとともに、毎年75,000羽以上のガンカモ類が渡来し、日本で最大級の渡り鳥の渡来地となっており、特にコハクチョウの集団渡来地の南限となっています。
 また、中海一帯ではガンカモ類をはじめ、シギ・チドリ類等の47科、約260種の鳥類の生息が確認されており、この中には環境省レッドデータブック掲載種も含まれています。
 

湿地の利用状況

 1974年から国指定鳥獣保護区となっている一方で、農業生産の立場から干拓・淡水化事業が1963年から始まり、以来、干拓地の造成や淡水化施設の建設が行われてきましたが、国の減反政策や住民運動により2000年に干拓の中止、2002年には淡水化が中止、さらに2004年からは淡水化施設の撤去が開始されるなど、近年の中海をめぐる情勢は激変しました。
 
 このような背景の中で、米子市の彦名干拓地の東側にできた池に多くの水鳥が集まるようになり、この野鳥の生息地を保護するとともに市民が自然と触れ合えるよう米子市が1995年に水鳥公園として整備し、自然観察や環境教育の場として利用されるようになりました。
 

湿地の保全活動

 最近では、住民や各種団体、企業による実行委員会が「泳げる中海」を取り戻すため水環境保全に向けた住民意識を盛り上げようという「体験クルージング」を実施しています。また、ジュニアヨットクラブを母体とした中海クリーンクラブに自治会や公民館が協力し、月1回の清掃を実施するなど、保全活動の輪は沿岸各地に広がっています。
 さらに、中海自然再生協議会が2008年11月に「中海自然再生全体構想」を策定するなど、中海の自然再生に向けた取組が進みつつあります。
 1988年に湖沼法の指定湖沼に指定され、鳥取・島根の両県で2019年に第7期湖沼水質保全計画を策定するなど総合的な浄化施策を推進しています。
 
  

最後に本ページの担当課
   鳥取県 生活環境部 自然共生社会局 水環境保全課
   住所  〒680-8570
             鳥取県鳥取市東町1丁目220
   電話  0857-26-74000857-26-7400    
   ファクシミリ  0857-26-7561
    E-mail  mizukankyouhozen@pref.tottori.lg.jp

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000