第160号(H30.2.15)


  とっとり教育メルマガ-第160号 
平成30年2月15日(水)

 鳥取県教育委員会  http://www.pref.tottori.lg.jp/kyouiku


●心とからだ いきいきキャンペーン●
      ~はじめよう!明日につながる生活リズム~

【キャンペーンの6つの柱】
・しっかり朝食を食べよう  ・じっくり本を読もう  ・外で元気に遊ぼう
・たっぷり寝よう ・長時間テレビを見るのはやめよう ・服装を整えよう
http://www.pref.tottori.lg.jp/ikiiki/


【内容】
 1 巻頭コラム     教育委員会委員 若原 道昭   
 2 イベント情報      むきばんだ史跡公園、船上山少年自然の家、
            大山青年の家             


1 巻頭コラム 教育委員会委員 若原 道昭

「長瀬村利七(ながせむらりしち)漂流談」

 幕末期に日本近海で遭難・漂流し外国船に救助されて、当時の鎖国下の日本人には見聞する機会のなかった諸外国の状況に図らずも接し、そこで得た経験や知識、語学力を持ち帰り、日本の近代化に貢献した人々があった。そうした数少ない人の中でも土佐出身の漁師「ジョン万次郎」(中濱萬次郎 1827-1898)や播州出身の船乗り「ジョセフ彦太郎」(濱田彦蔵 1837-1897)がよく知られている。万次郎の場合はアメリカで学校教育を受け、帰国後は薩摩藩や土佐藩や幕府の教育機関の教師、日米修好通商条約の遣米使節団員、明治政府の開成学校教授などを歴任した。
 彦太郎もアメリカで学校教育を受け、初めてアメリカの市民権を得た日本人、リンカーン大統領に会った唯一の日本人、と言われている。また領事館通訳や貿易商としても活躍し、日本で最初の新聞『新聞誌』(のちに『海外新聞』に改名)を発刊している。
 その彦太郎と同じ船に乗り組んでいた漂流民17人の中に、一人の鳥取藩出身者がいたことはあまり知られていないようだ。現在の東伯郡湯梨浜町はわい長瀬出身の船乗り「利七(りしち)」(1829-1869)がその人であり、彼の生涯については1979(昭和54)年に発行された松岡貞信(まつおかさだのぶ)氏の著書『長瀬村利七(ながせむらりしち)漂流談』がある。
 この本は利七(りしち)が帰国後に記憶をもとに語った内容を聞き書きしたものが元になっており、いくらか精確さに欠ける点はあるかもしれないが、それによると利七(りしち)や彦太郎の乗った「榮力丸(えいりきまる)」が紀伊半島沖で暴風にあって遭難したのは1850(嘉永3)年10月、利七(りしち)21才の時であった。53日間の漂流の末、アメリカ船オークランド号に救助され、帰国までのほぼ4年間をサンフランシスコ、ハワイ、香港、マニラ、上海等で過ごし、日本へ送還されたのは1854(安政元)年7月であった(彦太郎ら3人は途中で香港から再びアメリカに戻った)。故郷に帰った後は鳥取藩の藩校「尚徳館」の小使いとして名字帯刀(みょうじたいとう)を許され扶持(ふち)取りとして待遇された。そして機会があれば乞われるままに海外事情を物語ったという。利七(りしち)が1869(明治2)年に故郷で家族なく天涯孤独の生涯を終えてから今年はちょうど150回忌にあたる。湯梨浜町新川の海岸の松林近くには1980年に彼の顕彰碑が建立されているが、今は訪れる人は稀である。
 いわば成功者である万次郎や彦太郎にくらべると、利七(りしち)は帰国後の活躍の舞台も期間もずっと限られた地味なものである。その差異をもたらした要因としては、彼ら自身の資質の違いも勿論あったであろうが、遭難時の年齢の違い(万次郎と彦太郎は14才であった)、滞米期間の長さ、そして何よりもアメリカでの学校教育の機会の有無(遭難時には3人とも殆ど読み書きができなかったのである)などが大きいだろう。
 また彼らは自分の耳に聞こえた英語をそのまま発音して覚えていったようで、利七(りしち)らが残している英単語の発音例は、私たちが学校で学んだものとは随分と異なっているものがある。2020年から日本の小学校に英語授業が導入されるが、このことも興味深く思われる。


2 イベント情報
 鳥取県教育委員会等が主催する、親子で楽しめるイベント等を紹介します。
多くの方のご参加をお待ちしています。

【むきばんだ史跡公園】
●「とっとり弥生の王国」巡回展『GOGO発見!体験!むきばんだ』
期日:2月9日~4月1日 
内容:下記の会場で、むきばんだ史跡公園の施設や展示、講座やイベント、今年度行った発掘調査の最新情報を紹介します。各会場の近くにお越しの際はぜひご覧ください。また、青谷上寺地遺跡から出土した遺物や、その遺物のデザイン性の高さについて紹介します。
会場:イオンモール日吉津 他3会場
入館料:無料(だだし、とっとり花回廊は園内での展示のため、入園料が必要)
その他:入館時間等は各会場による
イオンモール日吉津 2月16日~2月18日、パープルタウン 3月2日~3月4日、鳥取県立図書館 3月9日~3月25日、とっとり花回廊 3月30日~4月1日

●第2回とっとり弥生の王国シンポジウム「倭人のデザイン」聴講者募集中
☆要申込☆
期日:2月25日(日) 午後1時~午後4時40分
内容:弥生時代の人々は自らの美意識や思想をどのように表現したのか。弥生時代を代表する鳥取県の国史跡「妻木晩田遺跡」と「青谷上寺地遺跡」で出土した遺物・遺構の様々なデザインから倭人が暮らした弥生社会を探るとともに、二千年前のクリエーターの才能や魅力を引き出していきます。
会場:米子コンベンションセンターBiG SHiP 小ホール(米子市末広町294)
定員:300名(先着順)
申込:1月15日(月)~2月23日(金)まで
申込方法:電子メール、ファクシミリ、ハガキのいずれか(ハガキは2月16日消印まで受け付けます)

*当講座はとっとり県民カレッジ連携講座です。また要約筆記を行います。
*その他、詳しくはホームページをご覧ください。

〔問合せ先〕
むきばんだ史跡公園
〒689-3324 西伯郡大山町妻木1115-4
電話 0859-37-4000
FAX 0859-37-4001
E-mail mukibanda@pref.tottori.lg.jp
http://www.pref.tottori.lg.jp/mukibanda/


【船上山少年自然の家】
●ちっちゃい探検隊(3)
お楽しみ企画満載のお泊まり会。野外に飛び出しちっちゃい冒険にチャレンジします。
★要申込★
期日:3月10日(土)~11日(日)1泊2日
対象:小学1~3年生
定員:48名
参加費用:1人3,300円(食費・シーツ代・保険料など)
申込方法:メールフォームでの申し込み
(メールフォームURL http://www.pref.tottori.lg.jp/269445.htm)、または郵送での申し込み(チラシの参加申込書を往復ハガキに貼付、または封筒に返信用ハガキと申込書を同封して申し込み)
※申込書はホームページからダウンロードできます。
申込期限:2月22日(木)17時必着

〔申込・問合せ先〕
船上山少年自然の家
〒689-2525 東伯郡琴浦町山川807の2
電話 0858-55-7111
FAX 0858-55-7119
E-mail senjyozan_syounen@pref.tottori.lg.jp
http://www.pref.tottori.lg.jp/senjyozan/


【大山青年の家】
★要申込★
●プレ宿泊学習
来年度、宿泊学習に参加する児童やその家族を対象に、宿泊学習への不安を解消するため、大山青年の家での活動を体験していただきます。
期日:3月10日(土)~11日(日)1泊2日
対象:小学3、4年生とその家族
内容:薪割り体験、カヌーパドル練習、ウッドクラフトなど
参加費用:1人2,200円
定員:20家族
申込書:問合せ先で配布
申込方法:郵送(往復はがきに申込書を添付)
※申込書は大山青年の家ホームページからダウンロードできます。
※詳しくはホームページをご覧いただくか、下記へお問い合わせ下さい。
申込期間:2月22日(木)17時必着

〔申込・問合せ先〕
大山青年の家
〒689-3319 西伯郡大山町赤松明間原312-1
電話 0859-53-8030
FAX 0859-53-8265
http://www.pref.tottori.lg.jp/daisenseinen/


編集後記
 鳥取藩出身の船乗り「利七(りしち)」について、皆さんはご存知でしたか。
彼が帰国後もたらした諸外国の知識や経験は、当時の鳥取でもとても貴重なものだったことでしょう。湯梨浜町にお立ち寄りの際は、「利七(りしち)」をはじめ、歴史に思いをはせるのも良いかもしれませんね。
 
  
鳥取県教育委員会事務局教育総務課
電話 0857-26-7926
FAX 0857-26-8185


  東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

鳥取県は、被災された地域が一日も早く復興・復旧されることをお祈りしております。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=154943

また、被災地の児童生徒の就学機会を確保するため、鳥取県でも転入学を受け付けています。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=155040


 このメールマガジンは、鳥取県教育委員会が推進する「心とからだ いきいきキャンペーン」が一層定着することと、さらに多くの方に知っていただくことを目指して発行しています。
内容を充実したものとするため、ぜひ取組状況等お寄せいただきたく お願いいたします。

ご意見・ご感想をお待ちしています。
鳥取県教育委員会教育総務課総務企画担当 kyouikusoumu@pref.tottori.lg.jp

バックナンバー http://www.pref.tottori.lg.jp/115319.htm

配信停止はこちらから http://www.pref.tottori.lg.jp/115548.htm

  

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