教育長あいさつ

教育長あいさつ

「当たり前」に感謝しながら

足羽教育長

鳥取県教育委員会教育長 足羽英樹

 

令和6年4月

鳥取県教育委員会では「ふるさとキャリア教育」の視点をすべての施策の基軸とし、目指す人材育成像を明確にした取組を進めています。

・ふるさと鳥取に根差してグローバルな視点で考え、行動することができる人材

・鳥取県に誇りと愛着を持ち、ふるさと鳥取をさらに継承・発展させようとする意欲や態度を身につけた人材

・社会の変化に対応しながら新たな価値を創造することができる人材

・自立し、自分らしい生き方を実現するとともに、将来にわたりふるさと鳥取を思い、様々な場面でふるさと鳥取を支えていくことができる人材

 暖冬と予想された冬から春へ、天候不順な年度末ではありましたが、県庁付近の桜もようやく開花し、あちらこちらに春の匂いが漂う季節となりました。新年度を迎え、多くの人との新たな出会いが待っているこの季節、県内のすべての子どもたちが、人との出会いを大切にしながら、自分の夢や目標の実現に向けて、希望を持って確かな歩みを刻んでくれることを心から願っています。

 さて、昨年度は、全国を悩ませた新型コロナ感染症も感染法上5類化され、徐々に日常生活が戻ってきた一方で、県内では8月の台風7号による大災害が発生。そして年明け早々の能登半島地震による甚大な災害発生と、改めて自然の猛威とともに自然との共存の大切さを痛感させられる一年となりました。コロナ禍により様々な教育活動が制限されたり、自然災害により学校での教育活動が停止したりするなど、普段は「当たり前」であった活動が「当たり前」にできなくなった時、私たちはその「当たり前」の尊さ、大切さを痛感。だからこそ、「今」という一瞬をいかに大切に過ごすのかが問われていると言えます。教育の場で、学校現場で子どもたちに伝えたいこと、身につけて欲しいことは多々ありますが、かけがえのない「今」を精一杯生きること、「当たり前」の日常に感謝する、そんな心の豊かさこそが今求められているのではないでしょうか。

 昨年度のこの欄では、児童生徒の皆さんに、社会に対して課題意識を持ち、その課題解決に向けて周囲と協働しながら「自ら行動」していく力の芽吹きに期待したい旨をお伝えしましたが、今年4月には本県はもとより、中国五県でも初となる県立夜間中学「まなびの森学園」が開校します。まなびの森学園では「いろとりどり(色鳥取)に、ともに自分らしく学ぶ」をコンセプトとして、世代や国籍、またこれまでの学びの経歴の違いを超えた、様々な人たちの思いや考え方に触れ、ともに学び合うことを通して、自分らしい学びを実現するとともに、学園生活をとおして、「学ぶよろこび」「つながるよろこび」「社会の中で生きるよろこび」の3つの「よろこび」を感じていただけるような暖かい教育活動を展開していくこととしています。まなびの森学園のスタートは、ある意味では、人が「学ぶ」ことの意味を追究することであり、また「当たり前」を見つめ直す大いなる契機ともなり得る学園だとも言えるのではないでしょうか。第一期生となる生徒の皆さんが、たくましい「思い」を持って充実した学校生活を過ごされることを心から願っています。

 「当たり前」に学ぶことができる環境に感謝するとともに、まなびの森学園から「学ぶとは何か」を感じ取ることのできる、そんな子どもたちの成長を心から願うとともに、無限の可能性を秘めた子どもたちが、ふるさと鳥取に誇りと愛着を持ちながら、自分らしい生き方、道を歩んでいく、そんな子どもたちの育成に向けて、今年度も教育行政に誠実に取り組んでまいりたいと考えています。皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。

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