知事定例記者会見(2023年8月31日)

令和5年8月31日(木)午前10時~
 県政記者室(本庁舎3階)
  • 8月31日記者会見資料(PDF) ※資料は会見後修正したもの
  • 録画配信 知事記者会見動画(約79分) ※MPEG4形式

      

    ●知事

     はい。皆様、おはようございます。

     本日も距離がございますのでマスクを取って会見をさせていただこうと思います。昨日、岸田総理、それから[松野]官房長官のほうなど、全国知事会の関係もありまして、村井[宮城県知事]次期[知事]会長さんと一緒に訪ねて歩いたわけであります。その際にも実は申し上げておりましたが、エネルギー高、物価高など、今、当面の喫緊の状況があると、それで、その中でぜひそうしたエネルギー高解消、それから今後、また地方も協力しながら一緒になってそうした国民生活の危機というものに当たっていかなければならないのではないか、これはこれからまた私から村井さんのほうに知事会長の任期が引き継がれますが、大きな課題なのでよろしくお願いしますと、こんなようなお話も申し上げたわけであります。

     そういう中、昨日、岸田総理におかれましては記者会見を開催をされまして、9月の7日からガソリン代を175円を目途に引き下げることができるべく追加措置を発動すること、あるいはそうした電気、ガス代、これにつきましても今、9月末で全部切れるということになっていまして、それで、こういうものを延長することなど、そうしたことの検討をするという会見がございました。私ども知事会としては、これ、大変歓迎したいことだと思いますし、昨日も自民党の幹事長さんや政[務]調[査]会長さんともお会いをして、例えば補正予算の編成だとか、そうしたこともあってもいいのではないかというようなことをお話を申し上げたりしたんですが、1つ、現状を踏まえた方向性へこの国が動き始めたことについて感謝を申し上げたいと思います。

     また、私自身もこれから村井さんと一緒に立場を変えて活動していくことになりますけれども、ぜひ、そうした意味で、今の危機打開のために動いていければというふうに考えているところであります。多分、今のいろんな状況を見ていますとやはり補正予算ぐらいも考えないと、どうしても手元のお金だけでできるのかなと、手元のお金だけでやるとすれば、そういう税収増とか、どういう目算があるのかなと、そうしたことを来月、明日から9月に入りますが、来月が山だと思います。ぜひ政府のほうでもそうした御検討をいただければと思います。


     そうした中、私ども鳥取県で非常に厳しい状況になっておりますのが被害の問題でありまして、台風7号の被害が先般来申し上げておりますとおり、これ、徐々に広がってくるだろうということを申し上げておりました。それで、私どもとしては人命救助に当たるものの優先だとか、集落の孤立化、それを何とか解消していくことなど、当面の民生安定のほうに重点をおいてやってきて、今、その被害の取りまとめが、これ、完全ではありません。多分、農林被害はまだ広がると思いますが、そういう中で大分状況が見えてきました。

     今回の被害というものは少なくとも過去20年で最大ということであります。それで、農林については、実は今、これ、現在でありまして、これ、まだ増えると思います。途中経過と思っていただきたいと思います。農業関係で28億[円]、それから、林道関係、林業関係で28億[円]、それで、合計で56億[円]となっております。まだ調査が進んでいません。それで、正直申し上げまして、これは平成30年の西日本豪雨、あるいはその前の平成28年の鳥取県中部地震を上回る農業被害であります。相当程度大きいものでありまして、これだけで局地の激甚災害に匹敵する、そういう大きさの被害であることが判明をしてきております。

     現在、例えば稲ですね、もう既に砂をかぶってしまって、土砂をかぶってしまって、もうあきらめざるを得ないというところもあり、そういうところを中心にこうした農産物被害というものも見込まれております。この農産物被害のほうは農業共済だとか、そうした保険のシステムが一定程度動くはずでありますが、この施設災害のほうは、これ、やはり災害復旧の工事等をやっていかなければいけないと思います。当面、今、実は稲刈りを前にして、穂が出る、きちんとこう、これから稲が実をつけてくる大事な時期でありまして、水がいるんですが、そこはそれぞれの地域で整備が今、やられていて、パイプを這わせるとか、様々な手法、それから幸いちょっと雨が降った時期もあったりしまして、何とかそこは乗り越えてきていると思います。

     ただ、こうした農道だとか林道だとか、それから、また来年の田植え時期を念頭に置いてみれば、やはり農業用水を復興させていかなければならない、こういうようなことで復旧・復興が急がれる状況に変わりはないというのが現状であります。これは、農業被害は過去20年で最大ということになりますが、公共土木施設被害は、これは鳥取県西部地震をも上回るものであります。ですから、ちょっと記憶している限りでは過去最大と言ってもいいのではないかと思いますが、なかなか数字が見当たらないところがございます。

     鳥取県西部地震の場合はちょっと特殊でありまして、覚えておられる方もいらっしゃると思いますが、結構、砂が噴き出して農地を傷めたということがありました。その農地被害が額的に大きくて、それは下回っておりますが、今回、農地被害よりも農業施設被害のほうが大きくて、これだけ見るとその西部地震をも上回っていると思います。いずれにいたしましても、こういうことを合わせますとあまりない、前例のないような災害になってきているということでございまして、これをぜひ速やかに我々としても対策を急がなければならないので、今日、今、こうした状況が明らかになってきましたので、午後に復旧・復興本部を開催をさせていただき、今後どうやったら手短にできるだけ早く災害復旧・復興を進めることができるのか、そうしたことについて話し合っていきたいというふうに思います。

     それで、これに連動するんですが、9月に補正予算を本格的に出すということになりました。それで、既に35億円の専決、昨日、承認手続も議会のほうで終わっておりますが、これも含めて200億円台の半ば、250億円ぐらいには少なくともなってくる見込であります。実は過去のものとしては風水害の対策予算で235億円という、昭和62年、大分古いですが、の台風災害が235億円という復旧予算でありまして、それを上回ってくる規模であることは確実になりました。ですから、そうした意味で今回の台風7号災害、大変に甚大な被害を本県にもたらしたわけであり、それに対する対策も巨額に上ってきたということでございまして、ぜひ全庁を挙げて我々としての体制を取っていきたいと思います。また、政府のほうにもしっかりと今後交渉させていただいて、できるだけ早くそうした災害復旧・復興にかかれるようにしてまいりたいと思います。


     そういう中、風評被害など他の被害にもわたってきているところがございます。それから、今後のこの教訓として今回のこの災害復旧・復興を進めていくのももちろんなんですが、同じような災害が襲ってきたときのために地域防災計画を改めておくとか、今後の予防的措置についても考えていかなければなりません。それで、防災対策研究会という市町村との共同組織、これを第1回、今日、動かせていただいて、アドバイザーの御意見を聞いたり、今後の方向性について議論を進めさせていただき、最終的に地域防災計画、こうしたものの改正だとかを進めていく必要があるのではないかということです。

     

     今回、大規模に孤立集落というのが発生しました。この問題をどう考えるのか、あるいは住民の避難行動、こういうことについても今後の教訓にすべきこと、どういうものがあるのか、また災害ケースマネジメント(被災者一人ひとりの被災状況や生活状況の課題等を把握した上で、当該課題等の解消に向けて継続的に支援することにより、被災者の自立・生活再建が進むようマネジメントする取組)、これ既に福祉的手法というのを本県の場合、実は導入している珍しい県なんですが、これ既に佐治[町]とか、そうしたところで、そのケースワーカー(生活する上での困りごとを抱えている人の相談を受け支援する人)のような方が入りまして、それで福祉的手法が必要な人はなかなか生活の立て直しが進まないんですよね。それで、そういうものを今、手当てを始めているところであります。そういうことなど、今回から見えてきた課題、今後の改善点などを議論していきたいと。

     

     ダムの放流の在り方というのもそうでありますし、今回はダムの放流、緊急放流ということがありましたが、それに先立って、半日ほどその避難、誘導、呼びかけということを徹底をし、確認をした上で放流をしたということでありましたが、こういうものの在り方など、今後に向けても十分な検証をさせていただきたい。これは現場の市町村と一緒になって、県もその研究をさせていただきたいと思っております。

     

     それから昨日も東京の新橋のほうのとっとり・おかやま新橋館のほうで、いろいろと発表会をさせていただき、食パラダイスだとか、あるいは蟹取県などを通じまして、今、観光だとか、それから販売促進などで壁ができてしまわないかと皆さん心配をしておられるものでございまして、そこの解消に向けてPR活動をさせていただきました。それで、取り急ぎ地元三朝[町]の皆さんとも話し合いながら、特に三朝温泉の予約が入らないということにつきまして、安心してください!はいれますよ!って[とにかく明るい]安村さんのフレーズを使って、はいれますよ!ってことがありますが、安村さんに全然断わってないもんですから、ちょっと心配もあるんですけども、今のところあまり文句も言われていないからということでありますが、それから梨とかカニも、ちゃんと明日からカニ漁始まりますが、カニも、それから梨も、梨自身は傷ついてないということもございまして、このこともマーケットのほうで強調させていただいていますが、大丈夫ですよ!はいってますよ!このようなキャンペーンを始めているところでございます。

     

     それで、観光需要ですね、そういうのを元気な鳥取として、これアピールすることで進めていこうということでありますが、三朝の旅館組合とも協調しながら、クーポン(割引券)の配布、これは半分、県が出すということでありますけども、そうしたようなことなど様々需要創造を行っていこうとしております。また、ウェルカニキャンペーンは、いよいよ明日からスタートをするわけでありまして、毎月100名様にカニが当たるというキャンペーン、さらにそれを強調するような、拡大するような、そうしたことも今シーズンやっていくことにしておりますし、梨のプレゼントキャンペーン、これSNS[社会的なネットワークを築くためのサービス]で鳥取の梨をアピールしていただいた方などに対しまして、50名様に梨をプレゼントしようと。こういう新しい企画も含めまして、こうした風評被害対策、それをぜひ展開をしていこうと考えております。

     

     昨日はその中で、昨日はタレントさんと一緒に、これ実は手話パフォーマンス甲子園の手話フェスのほうにお越しになるHANDSIGNのTATSUさんとか、足立梨花さん、このたび結婚されたということもありまして、一緒にやらさせていただいたんですが、そのときに最近話題のVIVANT(ヴィヴァン)という[テレビ]番組がありまして、それで、あれの冒頭、第1話など砂丘のシーン、砂漠のシーンが出てくるもんですから、それ砂丘に似てますねと、こういうようなことをちょっと強調させていただいて、ぜひ島根県が主なロケ地でして、こちらのほうでは県庁だとか、あるいは櫻井家住宅とか、そういうとこ多分行かれるお客様がいると思いますが、そのついでに砂丘に寄って、VIVANTごっこでもして帰っていただくと。そんなようなことも申し上げたら、結構バズってしまいまして、ちょっと今朝びっくりしているんですが、ともかく、そんなことで今、風評被害キャンペーンをいろいろとさせていただこうともしておるところでございます。


     そういう観光需要の創造したり、それから産業の元気を出していく意味で、やはりコロナ明けということにもなりつつありますので、台湾のほうでぜひ観光交流やビジネス交流ができるようにしたい。それで、そういう意味で航空便の可能性ということも探っていきたい。そういう意味で、このたび台湾のほうに行ってまいりました。それで、友好交流先の台中市政府、これ5年前に林市長と友好交流協定を締結をいたしましたが、それをお祝いをする、さらに今後の友好交流の促進を図ろうと、今の盧秀燕(ルゥシウイエン)市長さん、ろしゅうえんですかね、日本語読みしますと、ろしゅうえん市長さん、盧秀燕市長さんと一緒にこちらのほうから児嶋[祥悟鳥取県日台親善協会代表団団長]さんはじめ、訪台団と一緒に、この交流行事をさせていただきました。

     その後、中国5県での観光キャンペーン等を展開をし、そして、一昨日は航空会社や旅行会社と面談をさせていただきました。それによりまして10月の2811月1日、11月5日に以前鳳凰旅行社というところが中心になりまして中華航空でのチャーター便(不定期便)をやりましたが、それをまたこの秋の紅葉シーズンに3回やってみようということがまず決まりました。これ以外の可能性も実は探っておりまして、タイガーエアさんという、これ中華航空の子会社です。それで、その中華航空の子会社タイガーエアさん、ここの董事長という会長ですね、日本でいうと会長さん、チン会長さんでありますが、その会長さんとお会いをさせていただいたり、スタートラベルっていう、これも旅行会社さんでチャーター便などいろいろと計画してくださるところであります。

     こちらのほうのスーさんというゾォンヂィンリー、総経理さん、社長さんですね、日本風にいうと社長さんに当たるような方などとお話をさせていただきました。それで、それぞれちょっと時期は異なりますが、来月、9月に入りまして相次いで鳥取[県]のほうにも来ていただけるということになりました。こうしたことを手がかりにしまして、正直、台湾でもその状況、いろいろ観光関係者や日本の大使さんなどからも聞きました。機材が不足をしていまして、また人員も不足をしている、これ世界的な現象であります。台湾もそのあおりを食らっていまして、なかなか簡単ではないんですけれども、そういう中で山陰、鳥取県というところにも目を向けていただけるように働きかけをしていきたいと思います。

     そういう意味で、これから庁内でもよくこうした台湾関係の誘客拡大、あるいはチャーター便、あるいはその先には定期便の可能性ということも含めまして、庁内体制も9月しっかりとつくらせていただき、こういう2つのタイガーエア、スタートラベルがお見えになりますけども、こうした機会をぜひフル活用して、チャーター便のプログラムであるとか、それからその後に向けた定期便の可能性などにつきまして、しっかりと働きかける機会にこの9月をしていきたいと考えております。


    [新型]コロナでありますけれども、今、ちょっと微妙な段階です。これちょっと分かりにくいんですけれども、実はせり上がってきて、7月の末ぐらいが一旦ピークになりまして、そこからちょっと横ばい、この1週間でいいますと若干落ちている感じ。というのが、これは観測できる定点観測の病院のデータでございます。ただ、逆に、この中等症以上の患者さんの数が増えてきていると、それで、これが今、顕著に動いているっていう現象があります。それで、特に県東部を中心としましてこの中等症の患者さんが増えている。それで、この原因はよく正直分かりません。分からないとこあります。ただ、高齢者のところに段々子どもたちの世界から、それから働き盛りのお父さん、お母さん、そして高齢者のところっていうように、過去のこのオミクロン系のときは広がる順番というのがございました。

     

    それで、今、その高齢者に広がっている段階ということもあって、中等症2.の患者さんが増えているということではないかと思います。それで、警戒すべきなのは全国や世界の状況でございまして、かつて、本県もそうなんですが、BF7が主流になった時期がございました。それで、その後、実はずっとXBB1.16というものが段々と増えてきまして、今、これが主流に、この6月、7月、そして8月となってきている中で、全国もそうなんですけども、EG.5という系統、これもXBBの亜流でありますけども、EG.5という系統が顕著に今、増えてきていると、それで、過去もこうした入れ替わりがあるときにぐっとせり上がったり、局面の転換というのが起こるわけですね。ただ、今、大きくいえばこの第9波の中にあって、第9波が落ちるかなと思われながら落ちないまま横ばい状態で、ここで、この間ですね、このXBB1.16とそれからEG.5が入れ替わってきているということであります。

     

    さらに世界的に今、注目されているのが新しい株でございまして、そういうところが今後どういうふうに作用してくるのかというのが注目を今、WHO(世界保健機関)含めてされているという状況であります。したがいまして、まだちょっと予断を許さない状況で、簡単にこれ収まっていく傾向ではないのではないかとも思われるわけであります。それでこのたび政府のほうでもこの新型インフルエンザ等の新しい感染症対策、これやる推進組織が立ち上がることになり、明日からいよいよ危機管理統括庁が動くことになります。我々地方団体としても現場の声を届けながら、こういう今の感染状況の動向ですよと。それでこういうことも適切にお伝えをしていかなければならないんではないかなというふうに考えているところであります。

     

    それでそういう中、例えばイギリスでも強調されてるのはワクチン接種の重要性であります。それで、特に重症度の高くなる可能性のある方々については推奨されるところでありますが、このたび、政府のほうでも、9月20日以降ですね、全ての方を対象にしたワクチン接種、これはXBB対応でございます。このEG.5も、これもXBBの亜系でございますので、そういう意味ではこれ全体的にそういうふうに考えていただければいいと思います。そういう意味で、少なくとも重症化を避けるとか、そうしたことを念頭に置いてやっていく必要があるのではないかということでありまして、この辺の調整を市町村ともやっていく必要があります。

     

    そういう意味で、市町村との調整をしながら、この9月20日~3月31日まで、こうした間における接種というものを進めていくことになります。これについては、実は全国で、全員が打った場合に必要となる数ほどの、実はワクチンの確保はどうもできてないようでありまして、それでこの点は全国知事会でも十分なワクチンの供給数を確保してもらいたいとか、恐らく歩留りが今回はあって、みんながみんな打ちに行くわけではないんではないかという前提なんだと思うんですが、それにしても追加の配送スケジュールだとか、どういうことだということは政府のほうにも明らかにしていただきたいっていうふうにお願いをしているところでございます。それから、昨日は入院などの今後の体制づくり、これが9月の末で国の措置が一通り切れることにもともとなっておりまして、それ以降をにらんで、全都道府県のアンケート調査等を基にして政府への申入れをまとめさせていただきました。

     

    病床確保が可能となるように、この入院確保料の問題ですね、これについて適切な単価設定だとか、それからその内容について提示する必要があるんではないかと。それで恐らく今、大分かつてのときとはちょっと若干異なってきていまして、重症化する方はそれでも決して多いわけではないということなので、そうすると恐らくポイントになるのはこういう中等症2.以上といったような、こうした方の受け皿を確保しておくというのが最後のポイントになってくると思うんですね。それでそうしたことができるような入院の体制づくり、これについては政府もやはり協力してもらう必要があるだろうと私たちは最低限思っております。

     

    それでこれ地域によって若干の温度はあるんですけども、少なくともこのそれぞれの地域の医療体制の状況とか、このウイルスに対する対策だとかに応じて柔軟な枠組みというのを国で設定してもらいたいということがあります。それから治療薬の公費支援、これも全廃するとかというのはなかなか現実的ではないんではないかというのが我々の考え方でありまして、ぜひ、その公費支援、一定程度こう継続してもらう必要があるだろうと。全部例えばなくなってしまったら恐らく治療控えが起こってしまう。それから高いお薬はお医者さんも患者さんにこれ使いなさいとは言いにくくなるわけですね。ですから、やはり現実性のあるところを当面は考えていただく必要があるのではないか。その辺が我々の提言の趣旨でございます。

     

    いずれにいたしましても、今まだお盆が明けて、これから新しい感染動向が見えてくる可能性があること、それからこの[オミクロン株]EG.5が少なくとも上がってきていまして、これ都市部はもっと上がってると思います。それでこういうようなことを踏まえますと、新しい感染の勢いが出てくる可能性もありますので、ぜひ、基礎的な感染予防につきましては御協力をいただきたいと思います。 


     それから、Aコープについては昨日JA[鳥取]西部のほうで新しい方針が示されました。それによって今残っているよどえ[店]、大高[店]、みぞくち[店]、名和[店]、この4店舗については1月をもって閉店をするという方針が出されたところであります。これで中部も、東部も、西部もということになりまして、本日ですね、また対応方針について話合いをしていこうと考えております。今回明らかになった西部でも恐らく地域差がいろいろとあると思うんですね。例えば、よどえ、大高は広い意味で米子の町なかの一部であります。ですから、他の商業集積との関係なども当然影響するだろうと思います。ですから、買物確保ということが現状どうなのかなど、そういう地元のいろんな御判断や地域の声もあろうかと思います。

     

     片方で、名和店のようなところは、どちらかというと、孤立した店舗でして、大山町の中のあの一角にある店舗としては一定程度、やはり買物確保支援で何らかの考え方があり得るのかなと思われるところもあります。この辺は、地域のそれぞれの事情がありまして、市や町の考え方、まずはそれをお聞きしながら、県も一緒になりまして対策を検討していくということだろうと考えております。

     

     また、東部のほうが、従来の想定されていた企業さんの引受けということがなくなったこともありまして、今かなり、また混沌とした状況になりつつあるわけでありますが、今、鋭意(えいい:集中して取り組むこと)、その引継ぎ先の交渉を進めております。そういう中で、共助交通を使って買物支援をしようという鳥取市の動向などが出てきたところでありまして、今回の災害もあって、例えば、前の広報課長さんが、今、移動販売を、ちょっと転職してされていますけども、それを河内という、その鳥取市の今回被災された地域、そちらのほうにも移動販売の店舗を拡げるというようなことを市と話合いをされるとか、今、いろいろと動きは出てきているところであります。私どもとしても、買物バスツアーだとか、そういうソフト面の対策も含めて、県も応分の支援をしながら環境確保づくりを進めていきたいと思っております。こうしたことを、今後、新しい局面に入りましたので、西部も含めてどういうふうに展開していくのか、今日、まずはそのキックオフ(開始すること)を県庁のほうでもさせていただきたいと思っております。


     それから、ふるさと応援休暇というものについて、最近注目が高まっていまして、私ども鳥取県でも一歩思い切って、全国に先駆けて一歩を踏み出してみようかというふうに考えているところであります。どういうことかというと、今、これ現在の本県の地域貢献活動ですが、促進をしていまして、これ例えば人事評価のこととか、それから休暇制度だとか含めまして本県はいろいろ促進策を取っています。なぜなら、全国で一番小さな県でありまして、コミュニティ(共同社会)の中で公務員の果たしていく役割というのは、この役所の建物の中以外にもあるはずであります。それで、やはりそれは大都市とはちょっと違うと思うんですね。高度な分業が進むところと我々のようなコミュニティ(共同社会)の一員としての役割が期待されるところとあるわけであります。

     特に、働き盛りの人、だんだんといなくなる中で、公務員というのはやはり貴重な戦力というのが地域の実状だと思います。そういう意味でここを促進しようということで、ここ最近やってきました。それで、このようにいろんな人数も出て、いろんな活動もあるんですけども、そのバックグラウンド(背景・事情)として実は地域に飛び出す公務員という運動を本県も努めさせていただいております。私自身も、平成26年~30年ですかね、以前はここの全国の市町村長とかと一緒の組織のリード役をさせていただいたこともございます。そういう中で、いろんな仕組をつくらせていただきました。例え勤めするとか、それで、よくあるのは、本県、農業をみんなでやるわけですね、集落で。そういうところが要になっている人なんかは、やっぱり休んで、役所があるからってわけにもならないところもありまして、そういうのを許可取って実はやっているということがあります。

     それで、また、地域の例えばボランティア活動、あるいは消防団の活動なんかもあります。消防団の活動につきましては、この2つとはまた違うんですが、職務専念義務免除という制度を使いまして、それで、職員が活動できるよう、制度的に我々のほうで応援の担保措置をつくっているところであります。例えば、要約筆記だとか、手話通訳だとか、有害鳥獣駆除とか、スポーツ大会、そうした活動だとかですね、いろんなことに渡ってまして、全国的にも顕著な活動をしたというふうにスポーツ指導などで表彰された人なんかもいたりして、本県はある意味、田舎の件なので、一生懸命こういうこともやってきたということです。

     ただ、最近、メディアのほうでもいろいろと関心もあり、それで地方分権の推進会議のほうでも取り上げられています。これは、実は地方公務員法の中に均衡の原則というのがありまして、こういう休暇制度など、国とか他の地方公共団体等と均衡取れるようにして運用しなければならないということは書いてあります。それで、そういう中で国としてのこうした社会貢献活動の休暇というものを明確にしてほしいということを指定都市のほうが提案をしていまして、それで、これに基づいて今、政府も何らかの通知などを検討しようかという動きで伝えられています。

     ただ、実は地方公務員法というのは、例えばこうした休暇を設定してはいけないとは書いてないんですね。それで、そうした均衡の原則はあるにしてもそういう中で後はそれぞれの自治体のほうで適切に運用する必要があると、それで、その休暇というのは条例に基づいて議会で話し合って承認を取って出すものであります。ですから、もう一歩我々としてもこういう必要性の高い地域であることはもとよりでありますので、ふるさと応援休暇という特別休暇の創設に向けまして、この9月の議会に向けた条例改正、これを検討してみようかと思います。それで、制度を所管しているところとしてはあともう1つ人事委員会という中立機関がございまして、人事委員会の考え方とも調整をしながら、早ければこの9月議会にそうした条例改正も含めて提案をしていこうかと。

     今、やっぱり世の中の流れもこういう多面的な人材として活躍できるそういう公務員像を求め始めていると思いますし、我々がこうした活動を始めたころはどちらかというとちょっと変わり者の世界という見方も確かにあったと思いますけども、今はそれが一般化してきている、そういう時代に変わってきたと思いますので、例えば5日程度までそうした休暇を与える制度を作って、さらに[県]職員もいろいろと今、複雑な制度運用をしていますけども、分かりやすくこの地域のふるさと応援に従事していただけるようにしてはどうかと、こういうように考えているところでございます。


     それから、県外企業でありますが、このたび進出が2件決まりました。1つはトラックなどで有名な日野自動車[株式会社]さんであります。それで、今、例えば智頭[町]で住民共助交通をやっているわけですね。それで、そうしたところで実は、あの世界というのは点呼義務みたいなことがあるわけです。それで、アルコールの検査をしてからそういう運送業務に入ると、それで、この辺若干国のほうで規制緩和がありまして、遠隔でもそうした検査をデータに基づいてやることができるようになっています。それで、そういう意味で今、一つのニュービジネスなんですけども、中国地方一円ぐらいを例えば視野において、そうした地域交通の支援をしたり、それから、そうした今、中山間地の交通というものが岐路にきていますので、そうしたものの支援や助言など、そうしたビジネスを始めてみようかという思いで大手の日野自動車さんがこちらのほうに入ってくるということになりました。場所としてはSANDBOX[TOTTORI]、砂丘のところの施設です。

     

     それから、[株式会社]GEOソリューションズって、これ兵庫県の企業さんですけども、これ、ドローンはいろんな用途が使えるわけでありまして、それをカスタマイズ(必要に応じて設定を変更すること)して活用していくと、それで、こういうようなビジネスを鳥取でやって、鳥取の地元の企業とも協調し合いながら、そのドローンの開発や供給ということに乗り出そうというものであります。これは賀露のほうで、鳥取市の賀露のほうにオフィスを設けるということであります。こういうもの、我々としても県の補助金で支援していこうということであります。

     

     それから、中国の水産物の全面禁輸という動きなどが出てきました。それで、まだまだ不透明です。何が今後、余波として出てくるのか分かりません。そもそもやはりこれについてはやはり科学的な視点に基づいて、国境を越えた議論がなされてしかるべきでありますけれども、現状、今、国のほうや福島県も観測していますし、そういう観測データで放射線の汚染ということの状況は魚介類に見られるわけではありません。ただ、残念ながらそういうようなことで、海外で禁輸ということに踏み切ったり、今ではそういう意味で電話での迷惑電話がかかってくるといった社会現象にもなってきています。当面、私どものほうでは相談窓口を企業関係や水産関係で設置をさせていただき、状況も聞き取りをしながらどういうニーズがあるのかということを考えてみたいと思っております。

     

     それで、そういう上で一応、我々もその政策の風呂敷は用意しておく必要があるかなと、それで、まずは融資の発動を始めさせていただき、御相談によっては対応していきたいと思っております。例えば、こんな企業さんもあるんです。魚はこちら獲ってくると、しかし、その加工だけ中国へ持って行ってまた日本で売りますと、それで、そういう企業さんのような場合だと中国のほうで輸入を禁止することになりますと、結局加工のプロセスが全部飛んでしまうんですね。そういうことで非常に今、当面問題を抱えておられる、そういう企業さんも出てきております。ただ、よく分からないのは、実際に向こうで売れるかどうかっていうことなんですが、割と楽観している企業さんもおられるんですね。だから、そこはちょっとよく分からなくて、本県でも例えばお菓子だとか、そういうものを中国でも売ったりしている企業さんなんかもあるんですが、いろいろと食品全般今、巷間(こうかん:世の中)言われてますけども、どれほどの影響があるかというのは見定め難いところであります。

     

     それで、政府には、私ども全国知事会でも、緊急要望、実はしたんですけど、こうした風評被害対策、それ万全を尽くしていただく必要があると思いますし、それから、こうした禁輸問題、これについても政府のほうに申入れをさせていただいたところなんですが、当面本県としてもできる対応はしていこうということであります。


     それから、健康づくりでありますが、あるくと健康!うごくと元気!キャンペーン、これは明日[9月1日]からスタートをさせていきたいと思います。それで、今回はあおやかみじろう、これもキャラクターとして登場してサポートをしようということでありまして、地元の企業の協賛もいただきながら、プレゼントキャンペーンをやったり、それから6,000歩達成でお風呂などに割引入浴ができる、そんなような仕組みも今回導入させていただきました。また、御活用いただければと思います。

     

     また、西部犬猫センターですけど、これ初めてDBO方式という発注をさせていただくことになり、9月の中旬から今、工事の見通しとなってきました。それで、これはアニマルパートナーあうんというところや、そのほかの企業さんが一緒になって、これ事業体で運営をしていくという手法であります。それで、例えば猫の譲渡というのがなかなかうまくいってない県内の状況がある。それで、そういう意味で猫展示室を造ってみようとか、それからドッグラン等の整備や環境対策など、特徴的な今、プランをつくっておられまして、こういうもので展開をしていこうということでございます。


     そして、9月12日は県民の日ということになりますが、今年も20の施設、花回廊など無料開放ということになります。また、2つの施設で割引ということも行われます。また、給食だとか、明日から公文書館で鳥取県の歴史紹介なども始まりますし、スーパーマーケットやモールでも関連のイベントやあるいはキャンペーンを行わせていただきますので、ぜひこの鳥取県のふるさと、また考える機会にしていただければと思います。

     

     さきの統一地方選挙もそうですし、最近の参議院選挙や衆議院選挙の状況見てもそうであります。また、市町村の選挙でも無投票が増えてきていると。それで成り手不足ということもあると。それで、これは市町村長との行政懇談会を連休明けにしたときに、皆さん共通の問題意識でありまして、研究会をつくってやっていこうと。市町村の市町会、町村会の代表も加わり、私も入りますが、谷口[尚子]先生はじめ、先生方に加わっていただきまして、こういう本来民主主義、地方自治のモデルとなり得るような、鳥取県という土俵の中で、どういう対策が考えられるのか、そうしたことを今後検討していきたいというふうに考えております。その第1回の研究会を9月7日に行うことといたしました。

     

     また、鳥取地震から80年となります、9月の10日の週末には、とっとり防災フェスタ、これを賀露港の一帯で行い、東部の市町も協力しながら行うこととなりました。災禍というものを、もう一度我々として、もう一度確認をさせていただき、本当に安心できるふるさとというものを考えたり、行動を始めたりするきっかけになればと考えております。

     

     いよいよ明日から紅ズワイガニ漁が解禁をされ、鳥取県も蟹取県に改名をすることになります。いよいよかにかごの専用岸壁、これ全国でも例がないものでありますが、紅ズワイガニの専用の岸壁も稼動スタートをするということになります。ぜひ、多くの方々、台風7号を乗り越えて今、私ども鳥取県も頑張っておりますので、おいでいただいたり、鳥取の産品、ぜひ御活用いただければというふうに思います。私のほうからは以上です。

    ○中国新聞 土井誠一 記者

     ありがとうございました。各社からの質問受け付けます。質問のある方は挙手の上どうぞ。


    ○朝日新聞 大久保直樹 記者

     

     朝日新聞の大久保です。冒頭のお話とちょっと重複する部分あるかも分かりませんが、知事会のお話改めて、知事、この2年間コロナ禍でのこの差配される中で感じられたこと、あと、次に生かせるような教訓、逆にいうとやり残したことみたいな点と、あと、今度村井次期会長に期待される点みたいなところ伺ってよろしいでしょうか。

     

     

    ●知事

     

     はい。私自身はまだ若干の[全国知事会長]任期を残していますので、丁寧に、今朝も[北朝鮮]ミサイルの発射ということがございましたし、臨機応変に私自身も力を尽くして、自分の[令和5年]9月2日までの任期を全うしてまいりたいと考えております。そういう前提の中ですね、今後も見据えてということでありますが、やはりこの2年間というのは[新型]コロナが大きな課題になったと思います。それで、これもこれから質的に転換をしてくるのだと思いますが、この2年間で政府と都道府県とのパートナーシップ、それから従来はつながっていなかった医師会でありますとか、関係者とのこういう医療をめぐる健康クライシス、こういうことに向き合う中心的な役割を都道府県、そして知事会が果たすことができたのではないか。それで、以前の[全国]知事会の中でお互いに論争をし合って、それで、国への提言をまとめるという機能に終始をしていた頃からは、やはりさま変わりをすることになったんではないかと思っております。

     

     それで、私は2年前に就任したときからこのこと、あるいはそのほかにも地方の衰退のようなこともあって、日本を創生していくであるとか、それから環境の問題、脱炭素化やデジタル化、いろんな課題がある、そうした危機を乗り切っていく意味で知事会は国民や日本の役に立つ、そうした組織になるべきではないか、それで、恐らく[知事]47人それぞれのバックグラウンドや力量もある方がそろっていますので、そうした機能を果たし得るはずでありますけども、なかなかその期待どおりには動いてなかった。それで、世間のほうも知事会の中でこんな論争があったよとか、そういうことばかりクローズアップされるのは多分、それぞれの知事も不本意だっただろうと思います。

     

     ですから、そういう生まれ変わる過程に知事会がこの2年間で入ったんではないかなと、そうした知事会改革が進んだのではないかと手応えも感じました。[全国知事会議]山梨大会が7月の242526とございまして非常に活発な議論がありましたし、例えばLGBTQの問題、あるいは環境問題などフォーラム的にみんなで話し合うようなこともやってみたり、従来滞っていたような日米の知事同士の話合いをオンラインで実現することもできましたし、時代を変える、そうした転換点を実感できたのではないかと思います。ですから、多くの知事さん、結構ある意味手応えを感じながら参加していただきましたし、現に47人のうちの46人、選挙の関連の方を除いてみんな出たという知事会というのはあんまり記憶にありませんで、従来の知事会から変わることができたのではないか、そういう知事会改革の手応えは感じました。

     

     だからこそ、自分自身も身を捨てて、むしろバトンをいろんな人でつないでいくことで、こうした新しい知事会をみんなでつくっていく、ワンチームを形成していったほうがいいんではないか、それで、私1人が続けるのではないということも選択したのはそのことの理由でございました。そういうようなわけで、やはりコロナをきっかけにして、知事会が変わることができたと思いますし、それをぜひ村井[嘉浩]新会長にはこのバトンをまた引き継いでいただければと思います。それで、私自身も立場は変わりますが、これまでの2年間の経験や、あるいはいろいろと知り合った方々のネットワークも新しい体制の中で生かせるように自分自身も邁進をしてまいりたいと考えております。

    ○朝日新聞 大久保直樹 記者

     

     関連してもう1点だけすみません。そう見て知事、知事会長務めていらっしゃるっていうのは、発信力っていう意味ではやっぱりブーストがかかると思うんですね。それで、その半面、やっぱり言いにくいことというか、立場があると、言いにくいというか、例えば苦言を呈したりとかっていうのは自由に物を言える立場があったりとか、これジレンマあったと思うんですが、その辺りいかがですか、こう。

     

     

    ●知事

     

     そういう意味でどうしてもその[全国]知事会長として報道されることもありまして、いろいろと言葉の問題というのはあったと思います。そういう意味で、もちろん場面、場面によりますが、TPO[時と所と場合]に応じて今後はまた自分なりに率直な発言もさせていただけるのではないかと思います。そのほうが多分自分自身も今、いろんな危機に瀕しているこの国の中でお役に立つこともできるのではないかと思っていまして、例えば令和臨調のような場所だとか、そのほかでもいろいろと発言の機会をいただけるのであればやっていきたいと思っとります。

     

     ただ、村井[次期全国知事会長]さんも多分感じられると思うんですけども、ただやはり世の中を動かすときにやっぱり知事会長としての発言も重要でありまして、コロナ対策や物価高、あるいはウクライナ戦争をめぐる問題であるとか、子育てとか、そうしたところで折に触れて、ある程度私も自分なりの言葉を用いりながら世の中を変えていくために発言をするということはしてまいったつもりでございます。それをぜひ今後も村井さんの立場でやっていただければと思いますし、我々もそういう職名はないにしても現場の者として、やはり発言をしていく資格はあると思いますので、今後も役割を果たしていきたいと思っています。

    ○共同通信 堀内菜摘 記者

     共同通信の堀内です。よろしくお願いします。すみません。台風7号の関係で被害県内が厳しい状況にあるというところで復旧・復興をできるだけ早くということでしたけれども、見込みとしていつまでに復旧できるのか、ありましたら教えていただきたいです。

    ●知事

     これはどうしても来年度とか、場合によっては再来年度までかかる現場があろうかと思います。ただ、我々できるだけ早く復興していく上で1つのポイントは、じゃあ、何月からその具体的な工事に本格的にかかることができるかということだと思うんですね。それで、今日もいろんな話をこれから皆さんとしていかなきゃいけないなと思うんですが、例えば復旧のやり方、手法ですね。国のほうのいろんなプロセスをできるだけ効率的にしていただいたり、省略していただいたりして雪の降る時期の前に多くの工事を始めることができればそれだけお尻も早く切り上げることができます。

     それで、特に農業関係などでは、来年の田植え時期にはこれ直っててほしいとかいうのも当然ございまして、それに間に合わせるのは結構至難の業です。それで、その辺の調整をよくしっかりやって地域の皆様がもう一度生活やあるいは産業、雇用を取り戻すことができるように県としても市町村や国と協力仰いで進めていきたいと思っています。ですから、今年度中に全部終わるとかいうことでは到底ありませんで、残念ながら。どうしても新年度や場合によってはその翌年度にかかっていくことになるかと思いますが、ただ、少しでも早く仕上げていくことがよいのではないかと思っております。

     今回も明日から国道482号線が通れるようになるわけです。今まで迂回していたものが直ることだけで、例えば大型トラックがそこを走ることができるようになるわけですね。それで、これで産業や雇用も戻ってくるわけです。それで、段階的かもしれませんがこのようにして元の暮らしをもう一度回復していく、それを上手にやりながら一番きれいな形で、例えば河川の堤防とか、それから道路が直る姿というのは見れたらいいと思います。ただ、それはもう数年かかる可能性が非常に高いのが残念ながら今の大きな被災の状況であるということですね。はい。


    NHK 大本亮 記者

     

     NHKの大本です。台風7号の緊急放流に至るまでの事前放流など、そういったところも午後から開かれる会議など、今後議論を尽くしていきたいというようなお話があったかと思います。台風7号の際の佐治川ダムに当たりましては、マックス400メートルほどというところで、ダムの標高水位が400メートルほどというところで、事前放流はしていながらも洪水期制限水位っていうのが385.5メートルと定められているかと思います。このところ定められたのが佐治川ダムができた当初ということもありまして、その災害のありようというのが変わってくる中で、こうした辺り今後検討材料に入ってくるのかどうかその辺り知事どのようにお考えでしょうか。

     

     

    ●知事

     

     そこは予断なく検証されていくべきものだと思います。ちょっとまたもう1つ前提としてはちょっと佐治川ダム、今後考えますとあれもう1回中にたまった砂をかき出さなきゃいけないですね。それで、もう一度ダム機能の回復ということが当然前提になりますが、その上でどの程度の水位というものを目標にしたり、あるいはオペレーションの基準にしていくかということも、これは当然ながら予断なくもう一度考えていけることだと思います。今回1つの事例ができましたので、これは大きいだろうと思います。今回事前放流も正直行っていたんですけども、当時報道されていた中国地方最大250ミリというものとは全く違った雨の状況になりました。そういう中で何回か非常に切迫した時期もありましたけれども、その辺をしのぎながら、時間をかけて流域の皆さんには安全を確保していただけたということは大変に御協力に感謝申し上げたいと思います。

     

     今回大きな災害でこういうふうに[被害]額的にも膨らんでいるんですが、人命だとかあるいは住家被害の数を考えていただきますと、ある意味大変にその意味では抑えられた災害でもありました。だから、つまり災害を引き起こす自然現象の威力はすごく大きかったんですけど、その出口ベースですね、いわゆる減災といいますか、人命や財産に関わるそこのところをある程度低く抑えることはできたんだろうと思いますし、放流もその1つの要素だったと思います。なかなかの水量を流すコントロールということもありまして、実際に河川にはダメージは起きましたが、集落が流されるということにはなってないわけでありまして、もし、ダムが決壊をしたら流域全部失われていたでありましょうから、それで、そういう意味でギリギリのオペレーションを今回やったというのは我々の実情だと思っています。

     

     ただ、よりこうすれば、もっと減災できたんじゃないかとか、それで、あるいはこういうふうなことを地元と協調しながらまた事前に仕組んでおけばもっと効率的に効果的な避難誘導などもできたんではないかとか、いろいろとあると思います。その辺も含めまして、今回の教訓を今後に生かしていくべきだろうというふうに考えております。

    ○日本海新聞 松本妙子 記者

     日本海新聞の松本です。まず、ふるさと応援休暇について質問させてください。こちらの休暇制度なんですけれども、9月の議会で提案されて、もし可決されたら適用時期のめどはいつ頃でしょうか。あと、いろんな職員さんの意識醸成などに取り組んでおられるということでしたが、この制度でまたこういう効果を期待したいとか、地域や職員さんの意識醸成っていう面では、どういうふうな効果を期待したいというコメントをいただきたいです。

    ●知事

     はい。やはり我々が公務員の、言わば1つの矜持としてやっぱり当然公務に邁進するということがありまして、私事っていうのを控える傾向っていうのはどうしてもあると思います。それで、そういうことなんですが、ただ、私事の領域にあった、例えば地元の総事だとか、あるいは町内会の役員だとか、それから消防団だとか、そうしたものをやはり正面から認める環境というか、職場文化っていうのが生まれるきっかけになるのではないかなというふうに思います。実は以前から、よく市町村長さんからも言われていたのは、例えば消防団とか、そうしたものに地元の県庁職員も加わるように指導せえとか、結構直截なお話をいただくことが多かったです。最近は少し減ってきたと思いますが、やはりその辺のバランスの問題っていうのがやっぱりございまして、それを動かすきっかけになるのではないかと思います。

     また、今、中山間地域などで若い方がどんどんいなくなってくるような状況の中で、やはり県庁で働く職員の皆様のもう1つの顔というものが発揮されるようになれば、これはふるさと全体で考えて、地域の維持、あるいは新しいアイデアを導入しての振興策などにもつながってくるだろうと思います。今までもこうした意味で地域に飛び出す公務員っていうのも、我々応援しようということをやっていく中で、例えばスポーツ教室などを熱心にやられる職員だとか、そうするとどうしても遠征に行ったりだとかいろいろありますから、それで、そういうものをやはりこれはちょっと職場側で配慮していくっていうことが必要なわけですよね。

     それで消防団活動なんかもそうでありまして、突然動かなきゃいけないときなどもありますが、そういうものに対する理解を進めていく必要もあるわけです。それで今までちょっと実は、もともとの地方公務員法の原則に近いところで条例も書いてありまして、例えば交通の状況に障害があったので、それで特別休暇を出すとか、例えば今度で言えば災害があって、道路が途絶して孤立集落の中にいるので特別休暇ですよっていうようなことだとか、それで、そういうような非常に限定的なところが実は列挙されていました。それで、ただそこを人事委員会と協議をしながら、ボランティアのための休暇っていうのを特別休暇で認めようっていうのを個別にやってたりしたんですね。

     ただ、今回、条例を少し書き直して、それで正面からそういうものも休暇っていうことで認めるんだよっていうのを、我々として意思決定すれば、それは職員の皆さんも動きやすいと思いますし、地域の皆さんも分かりやすくて、じゃあ、ちょっと悪いけど、今回これで出てきてごしないなというようなことになってくる可能性があるんじゃないかと思います。ただ、大事なのはちょっとそこのバランス感覚とか、運用の問題もあると思うんですね。ですから、人事委員会ともよく協議をさせていただきながら、方向性をちょっと9月[県]議会まで話し合って、それで提案をしていきたいと思います。それで適用時期は速やかにということになろうかと思います。


    ○日本海新聞 松本妙子 記者

     すみません。中国の水産物の全面禁輸のことなんですけれども、相談窓口を設置されるということで、県内では何か迷惑電話があったとか、公的機関への電話も相次いでいるみたいなんですけど、県内で何かそういう相談はあったのでしょうか。

    ●知事

     これ正直実情がよく分からないところがあって、例えば観光施設のほうに電話が入ったと、中国語でというような例は我々も聞いております。ただ、どうも中国で何が起こってるのかよく分からないですが、そういう電話をかけろっていうプロモーションのインターネットでの呼びかけがあるようで、それでそういうところに多分電話番号なんか出ると、どっさりかかってくるということなのかなと思っています。ですから、本来これは我々としては承服しがたいものでありますし、私の友人の福島市長もかんかんになって怒ってますけども、やはりこういうことは、やはり政府同士でも決着つけていただかなきゃいけないってことは当然あると思います。

     ただ、我々もこの[相談]窓口も設置しながら、そういう実情も聞いてどういう対応ができるかちょっとよく分かりませんが、まずはそうした実情を把握しながら、我々のほうで問題意識を持って関係方面への働きかけや、あるいは対策などを考えていければと思っております。それで具体的に今出ていることでは、先ほど申し上げました、例えば水産物を加工するプロセスが中国のほうにあるようなケースだとか、それでこういうもので非常に悩ましいということになっているとか、あるいは実際に中国の消費者が買うかどうか分からないんですが、その手前に商社が入っているんですね。その流通事業者のほうが結局、注文を控えてしまうということが、どうもあるようで、そうした状況がいつまで続くかというのを、見極めがどうもなかなか皆さんつきにくいようです。

     それで、まだ、今、始まったばかりでこのどういう県内での影響が出てるかというところは、まだ、手探りでありますが、確かに出始めていて、今後この相談窓口を設置する、あるいは組織的な対応を開始することで、そういうものが何と全体像は見えてきたりすると思いますし、手始めには万が一のときの資金繰りについても考えていこうと、こういうような今、パッケージで取り急ぎスタートをさせていただこうと思っています。はい。


    ○中国新聞 土井誠一 記者

     中国新聞土井です。冒頭お話しされたガソリン価格の高騰についてお尋ねしたいのですが、これだけ高いと、昨日、首相のほうで補助金の延長など会見で示されましたけど、これだけ高いと、やはりトリガー条項発動してガソリンそのものの税金を下げようというような意見も散見されるようになってきました。ただ、それをやると地方全体で5,000億円高の税収減になるというようなこともあります。ただ、地方ほど、車社会ですから現状は切実なものがあると思うんですが、知事、この件に関してはどのような考え方をお持ちでしょうか。

    ●知事

     ガソリンの価格自体を考えれば揮発油税っていうところでの特例税率ということが当然想定されるわけです。それで、この税金を、徴収を減じることで例えば価格減ということが当然達成できるわけです。しかし、純粋に財政面で見ますと、ここで、国で言えば歳入減があるのと、それから歳入はした上で歳出してここに補助金を乗せるのと、恐らく財政効果はあんまり変わらないんですね、それで、むしろ制度的には税制自体をいじるということで、税は租税法律主義でありますから憲法に基づいて法律変えなきゃいけないということも当然あるわけです。もちろんその運用ということでどこまで可能かということもありますが、予算措置よりは機動力が小さいですよね。

     それで、昨日、[岸田文雄]総理[大臣]の会見でもおっしゃっていましたが、そういうことなのかなと思って聞いていたんですけども、ガソリンだけじゃないと、それ以外の例えば灯油であるとか、それから漁船なんか重油なんか使うわけですね、それで、ああいうのは当然実は揮発油税の関係じゃあないので、特例税率の問題が生じないんですけども、そうじゃないそうした自動車以外のこういう油を必要としている人たちに対してもそういう何らかの措置を考えるんだということでありました。そういう意味では一定の政策の合理性はあるんじゃないかなというふうに思って聞いておりました。

     私ども地方としては、かつては道路特定財源ということもありまして非常にセンシティブな状況だったんですが、今、政府のほうは一般財源化している関係もあり、ちょうどそこの関連性が見えなくなってきたです。ですから、合理的な手法で我々としてはできるだけ機動的にやはりこの価格が例えばトラックはじめとした運送事業者だとか、そういう産業面にも影響与えていますし、観光面にも影響与えますし、そういう意味でできるだけ早い措置をお願いしたいということです。それで現状185円[/ℓ]ぐらいに上がってきている状況を放置できないということで、取り急ぎ総理が決断をされたということは、私どもとしては評価できるんではないかと思っています。


    ○山陰中央新報 岸本久瑠人 記者

     

     山陰中央新報の岸本です。台湾でのトップセールスについてです。チャーター便に関してで、3社と、3社の代表の方など幹部と接触されたというところで、今後のそのチャーター便や定期便の実現についてはどのような手応えがあったかというのと、現状定期便の実現へはどのような課題があるかというところを教ええてください。

     

     

    ●知事

     

     実はアポイントを取ってお会いをしたのは、それは支店長さんという中華航空ですね、それでこの方は支店長という名前ですけど総経理、副総経理かな、だから、一応会社全体の重役でした。それで、それからあと、この陳さんという会長さん、それからそこには社長さんに当たるジャンさん、張ですけども、張総経理さん、この方も同席をしてくだいました。それでタイガーエアと話合いをできたと。それで中華航空とタイガー航空それぞれお話合いさせていただきました。それでまずは中華航空のチャーターフライトをやることは決まったんですけども、あと、タイガーエアさんのほうでもぜひ幾つか条件はクリアしなきゃいけないものがあるということはおっしゃっていました。1つは旅行会社がちゃんと集客できるかどうかということ。それから地元での受入れ体制、また、自治体としての協力そうしたことがやはり今後チャーターフライトやその先の定期便ということを考えた場合に必要になってくるということを、向こうは交渉の中でおっしゃっておられました。そういう意味で、スタートラベルのスー総経理ともお会いをさせていただき、その辺のじゃあ、実情を見ましょうと。それで鳥取県内多分山陰、向こうも行くんじゃないか、島根も行く、周りも見られるんだと思うんですけども、鳥取のほうのそうした観光素材、旅行商品造成、例えば旅館の状況、こういうものを、じゃあ、具体的に調査しようと。それで今回初めて自分も、じゃあ、鳥取行ってみようということをおっしゃっていただいて、今調整中ですけど、9月の早いうちに、上旬頃には来ていただけるんじゃないかと思っております。

     

     それでこうやって1つ1つ今、実は航空会社から提示された課題のクリアをしていこうとしいるところでございまして、そういうの、条件が整ってくると向こうが考えられれば例えばタイガーエアでのチャーターフライトということも視野に入り得るのではないかと思います。ただ、実は台北でのその要路の方々ともお話をさせていただいて、今、非常に台湾の航空業界、世界と同じように飛行機が足りないということがあるようです。実は発注してもアメリカのボーイングだとかああしたところでの納期がどんどん遅れているようです。それで、そしてあとグラウンドオペレーションといいますか、それをハンドリングするそういう人材の問題などもありまして一気に今度また需要が戻ってきたわけでありますけども、なかなか今難しい局面にあるようです。

     

     ですから、タイガーエアさんもおっしゃっていましたが、そういう中でどういうふうに機材とかその余力を引き出すことができるのか、この辺はよく考えなきゃいけない課題があるということでありました。そういういろいろと困難な状況もある中ではありますけども、真剣にこうした乗り入れを考えていただく環境はできつつあるのかなと思っていまして、そういう意味で今月ですね、1つのターニングポイントになるように今回の交渉の成果を事実、結果につなげられるような庁内体制というものをつくっていこうと考えております。


    ○朝日新聞 大久保直樹 記者

     

     すみません。何度もすみません。先ほど中国の影響というところで水産でしたから、今度は観光面で今インバンドの影響というのが懸念されています。それで鳥取県の場合まだ今回も台湾の話ですし、インバウンドまだ本格的に復旧していないので影響はまだ現時点ではないと思うんです。知事御自身、今この状態をどのように見ていらっしゃいますか。

     

     

    ●知事

     

     今はまだ神経質な展開だと思っています。それで正直本県の場合は例えば団体旅行の中国の方、これも入り始めたばっかりだったですよね。それで、団体旅行が入り始めるときにこの騒ぎになっていますので、本県はすぐに大きな影響が出ている状況ではなかろうと思います。それでFITと言われる個人客が中心でありまして、その個人客の皆さんが、じゃあ、どう考えられるかなんですが、今のところ旅行関係のほうから大変な大きな話になったということは聞こえてこないです。

     

     むしろ製造関係だとか、そうしたところがあるいはもちろん水産関係ですね、ただ、本県実は水産物を直接例えば中国に持っていくっていうことを許可取っている事業者は4社なんですが、そのうちの2社しか実は実際に中国に持っていってないです。それで、ですから、割と限定的に今なっているのかなと思っています。ただ、個別のミクロではそういう事業さん困っておられるので、その相談の窓口はしっかりとつくる必要があるかなという現状であります。はい。

     

     

    ○中国新聞 土井誠一 記者

     

     そのほか、ございますでしょうか。ないようですのでこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。

     

     

    ●知事

     

     はい。どうもありがとうございました。

      

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