知事定例記者会見(2023年7月19日)

令和5年7月19日(水)午前10時~
 県政記者室(本庁舎3階)

(報告事項)


(質疑事項)

  

●知事

 皆様、おはようございます。6月県議会[定例会]も終了いたしまして、早速、新しい県政改革へとスタートを切らせていただいているところでございます。やはりそういう中でも、まだ、ウクライナの戦争が終わるとも知れぬ状況は続いており、穀物輸出の問題などにも差しかかり、これ、また世界の食糧危機、これを呼び起こしかねないという状況であります。また、物価高につきましてもその高止まりした形は終わっていない中、県内企業や生活者を痛めている、圧迫しているという状況も続いています。

 そういう意味で全国でも力を合わせていかなければならず、来週には全国知事会議を開催をして、これからの喫緊の課題である人口減少問題、これに大きく関わる子ども・子育て、これを政策の中心に据えていくことを我々話し合う必要があると思いますし、やはり世界を見据えた、そうした我々知事としての役割、これ、もう一度考えるべきではないだろうか、脱炭素問題だとか、あるいはまた、平和や新しい世界秩序の問題、こういうことに私たちも貢献できることは貢献をするし、関心を持つべきことは関心を持つ、そうした知事会としての新しいビジョンといいますか、姿をこれからも検討していく必要があるだろうと、そういう意味で来週は山梨県で全国知事会議を開催をすることになります。

 また、私どもの足元のことを言いますと、まずは災害があったところでございます。それで、これはこのたびの大雨でありますが、梅雨前線、梅雨前線が日本海にこう停滞したまんま動かなくなってしまったと、それで、そこに南のほうからどんどん湿った暖かい空気が入り込み始めると、それで、これが流れ流れて北陸のほうにも悪さをしたわけでありますが、これが一旦ちょっと下のほうに雲が降りてきたときがありまして、このときにこれまでにない集中豪雨ということがありました。

 そういう意味で現実には[鳥取市]気高[町]におきまして、ここにございますけども、時間、[午前]7時10分ですかね、気高におきまして記録的短時間大雨情報というのが出て、それから各地で過去最多を塗り替えるようなそういう雨になりました。昨日も佐竹秋田県知事と知事会の用務で、応援のことなども含めてお話をしていたんですが、やっぱり今までとは災害の形態が変わってきたんではないだろうかということだと思っております。一遍に降ってくる雨、これを逃がすために治水事業ということで川から水を流すわけですね。それで、こういうところに我々の主眼が置かれた対策は取られています。

 ただ、佐竹さんの言葉を借りれば、コンクリートで覆われたような、そういう都市の中において、どんどんと雨が降った場合にその水のはけ口がないと、それで、結局そういうことで冠水、あるいは用水路からの越水、こうした内水被害というものが無視できなくなってくるということであります。松江[市]でもそういう内水被害というのが結構起きているわけでありますが、今回の私どもの鳥取市内や岩美[町]、それから[鳥取市]福部[町]で起こった災害もこうした系統に属するものではないかと思います。この辺がまだ災害対策の足らざるところ、つまり、今の異常気象に追いついていない部分なのかもしれないなと、そのことを実感させる災害でありました。床上[浸水]13棟、それから床下[浸水]41棟が今のところ認められていますし、果樹園の斜面が崩落するとか、林道の崩壊、こういうものが認められています。道路や河川でも、道路、一定の被害があり、塩見川では、これ、よく越水するところでありますけども、そうしたことが発生をする、特にここに、真ん中にありますが、市街地を中心とした道路冠水、これが非常に顕著に今回見られたというのが災害の特徴だったかと思います。

 当然、公共機関にも影響したり、ライフライン(生活の維持に必要不可欠な、電気・ガス・水道・通信・輸送など)にも影響したりしました。それで、学校も臨時休業などをしているわけでありますけれども、ただ、想定外のことが起こったような形もあったんだろうと思いますが、例えば、子どもたちが非常に水位が高めに来ているときに登下校を強いられるというような、あまり安全とは言えない状況も生まれたのも事実だと思います。ですから、教育関係者も含めて今回の大雨の教訓ということを考えるべきではないだろうかなということであります。

 当面、8月2日にトップセミナー、これを行いまして、こういうところで議論をしたり、今回の総括をさせていただきたいと思いますし、県と市町村で防災の研究会を作っております。こうしたところでも議論をして、必要なものは地域防災計画などにも反映させていくべきなのかと思いますし、例えば学校の休校の計画とか、マニュアルだとか、あるいはこうした、今回、病院での地下に入り込んだという事象もありましたけれども、そうしたものの対策の点検だとか、こういう都市型災害、これに備えることがこの鳥取県でも必要なのではないかなということを痛感をいたしております。

 そういう意味で様々な見直しをこれからやっていく必要があるのかなと。それから、復旧のほうでありますが、例えば福部の梨園地がやはりこれも水が上から次々流れてくるわけですね、それで、梨の木は大丈夫なので、農業被害、いわゆる農業被害、果実がやられたとかそういうことはありません。ですから、観光の農園も全然問題がないんですけれども、ただ、水がわっと流れたもんですから農地を管理する、そういう施設がやられてしまったり、斜面が崩壊するということがございました。

 それで、こういうものに対して1千万円の災害の復旧枠というものをこのたび発動させていただきたいと思っております。それから地下まで浸水した病院に対しましては、私ども別の交付金事業というものを適用させていただき、止水板だとか、そうした対策を今後取れるように、我々のほうでも応援していきたいと思っております。


 そして、全国知事会議でございますが、地域とともに子どもの未来、地球の未来として山梨県の八ヶ岳山麓で行うことといたしました。来週の月曜日から水曜日でございまして、2つの会場を中心として行うことになります。1つには子ども・子育て政策の推進本部を立ち上げようと、それで、政府も作りましたけれども、都道府県としてもこうした本部体制を作って、強力な体制基盤を作っていこうと、それから先般、アメリカの全米知事会に、私、伊原木岡山県知事と一緒に参加をさせていただいたわけです。それで、そこで向こうの知事たちとお会いをし、執行部の会長や副会長とも直接協議をさせていただきました。

 その成果に基づいて、今のアイデアとしてはウェブミーティングをこの知事会の場で行って、日米での知事の話合いというものをこうした大きな大会の場で初めて実現してはどうだろうかというふうに思います。今の世界の情勢の中でこういう日米の関係というものは非常に重要であると、それで、この点でアメリカの知事とも一致をしたところであります。そういう中で、直接対話の機会というものを持とうではないかと、こういうアイデアであります。また、例えばデジタルや地方創生、それから新型コロナ、マイナンバー問題、マイナンバー問題ではやはり我々、今のこの状況でいろいろとアピールすべきこともあるだろうというふうに思います。例えば鳥取県の県庁の中では、いわゆる29のマイナンバーと紐付ける情報のうちの8情報が県が関わるものがございます。それで、これがどういうふうに調査・点検をしろということになるかで大変に大きな影響があります。正直、まともにやるともう3か月も4か月もかかるんじゃないかと、それで、そういうような調査項目もありまして、それで、他方で政府は秋という期限を切っておられるわけですね。

 それで、我々からすれば期限というのは当然協力をするんですけども、ただ、大切なのは2度と間違いが起こらないように丁寧にやっぱりチェックを本当にしろというんであればしなきゃいけないかと思いますし、また、恐らくは国も音頭を取って、システム上、人の手を借りずに紐付けられるような、そうしたシステム整備などが本来マイナンバー制度の意図しているところではないかなというふうにも思うわけであります。

 したがいまして、こんな問題意識、皆さんいろいろと持って悩んでいるとこでありまして、例えばこういうものでも政府に対するアピールというのを考えていく、こんなようないろいろな課題について話し合おうというふうに考えております。また、今週は経団連[日本経済団体連合会]や日[本]商[工会議所]はじめ、経済団体と共同声明を出そうということで話がまとまりました。それで、各団体の代表者と[インター]ネットとリアルで結びまして、これからの人材育て、地域を舞台に挑戦する人材というテーマで共同声明を出そうというところに来ております。

 それで、そのほか岡山との知事会議を来月9日、それから自然エネルギー協議会、これを2日に開催することといたしております。

 トスク問題につきましては急転したところであります。非常に混乱が広がっていると思いますし、市町村長さんのほうでも戸惑っておられるというのが率直なところであります。ただ、前向きに物事を処理していかなきゃいけない、これは住民の皆様の買い物の利便を確保するためであります。そういう意味で、また別の企業との承継を開始するというふうにJAさんのほうでもおっしゃっておられます。

 

 それから丹比[]、智頭[]、用瀬[]、若桜[]、フレッシュいわみ、これらについては9月末まで閉店時期を延長するということでありますが、河原[店]と船岡[]については従来どおり7月末ということで閉店という運びになっております。それで、それからこれについて市町のほうで今、JAの対応を見ながら新しいことを考えなきゃいけないと、若桜などは、ほぼ1つのスキーム[枠組み]をつくりまして、ここにありますような買い物環境確保計画もつくっておられたところでありますが、つくり直さなきゃいけないということですね。それで、こういうもの我々も支援をしながら、どういうふうに移動販売も含めて買い物環境を取れるかということをやっていくということになります。

 

 それで、市町の御当局ともいろいろと今、相談をさせてきていただいたんですが、取りあえず1億円の風呂敷に包んだ支援制度をつくりましたが、具体的には1市町村2,000万円を限度額としようと、それで、さらに土地建物を取得したりした場合には1,000万[円]、それから店舗整備、改修設備の整備をした場合には1,500万[円]、こういうふうに上限を加算していきまして、それで、一定程度の支援を行っていくことにしようと、それで、基本は割り勘、2分の1ということでありますが、団体数も多いのでそれぞれの不公平感もないような形でこのようなセッティング(設定)を今、相談させていただいたところであります。それで、こういう大きな枠組みの中で買い物環境確保計画、これを新しい承継する事業者などもしっかりと手配をしながら進めていくということになるのではないかと考えております。


 それから新型コロナについてであります。ここ第27週の話が書いてありますが、第28週の7月の10日から16日、日曜日までについては、この今のこのレベルですね、陽性者のレベルは横ばい、若干下がるぐらいになりました。中部がまだ相変わらず増えている傾向が直近ありますけども、東部と西部は一定程度抑えられている状況に今回はなりました。ただ、中部、西部において我々が注意レベルというふうに設定をしております[定点あたり1週間陽性者数]10[人]という値を上回る状況にあることは変わっておりません。それで、こういうような形で急増傾向がちょっと今、横ばいかもしれませんが、大きな流れでいえば急増している傾向、特に中部、西部で多いというのが現状の足元の感染状況であります。

 

 それから集団感染、これも継続的に発生していまして、今、子どもたちの集団感染がありますし、それから高齢者の感染も非常に目立ってきているところであります。それで、今、入院の患者さんは一般病床でも受け入れていますけれども、中等症2の患者さんもある程度は入院が増えてきているというような傾向になってきております。それで、この新しい系統でありますが、[新型コロナウイルスオミクロン株派生型]XBB系統が相変わらず多いわけでありますが、このXBB系統、ここにございますように、この新しい1.16という系統に今、移ってきているということです。

 

 全国的にはXBBの1.5とか、そういうものがあったところであります。それがまた新しいXBBの中の変異に移り始めているというのが直近の状況であります。それで、恐らく全国も同じような推移をたどっていて、XBBが主流の第9波であろうかと思いますが、その中で変異のその誤差が一定程度あって、それで主たる部分っていうものが今、入れ替わりながら流行が続いている、上昇傾向にあると、こういうような理解なのではないかなというふうに思います。

 

 それで、ぜひ、県民の皆様には、集団感染事例や学校の臨時休業、こういうものも多く発生するようになってきておりまして、基本的な感染対策、これについてはしっかりと、TPO(時(Time)・場所(Place)・場面(Occasion)を意味する略語)に応じて、場面に応じて取っていただくことを御検討いただきたいということであります。また、いろんな不安があるときは、医療期間を受診していただくなどして、その際事前に電話で御連絡をいただくということだと思っております。

 

 また、陽性になった場合は自宅療養ということで、十分通常対処できます。ただ、その際には周囲にうつさない、そうした御配慮をお願い申し上げたいというふうに思うわけであります。それで、これ我々ちょっと今、知事仲間でお互いいろんな話もするんですけども、多分今の数字の出方というのが、非常にトリッキー(巧妙・油断ならないさまの意味)なんだろうと思うんですね。それで恐らく、こうした鳥取県は割と皆さんお医者さんに行きます。それで、お医者さんに行って、それで、お医者さんも調べなさいと。それで、調査をすると初めて[新規陽性者数として]計上されるんですね。それで、それが定点のお医者さんであれば、そうしたことになるわけでありますが、そういうようなことが必ずしも全国的に当たり前ではないということですね。どちらかというと、もう調子悪かったら家にいるということになると、数字から外れてくるわけです。

 

 それで、そういう傾向が強いところ、それで、お医者さんに行ってもお金がかかるんだったら検査しませんとなると、通常の風邪薬で大抵治りますから、ですから、そうしたことで、あんまり心配がないという、そういうことも広まっていますので。ですから、地域によっては、これがどういうふうな数字になるかというのは、やっぱり地域差は多分あるんですね。

 

 鳥取県は恐らく実情に近い形で、これは極めて動いているところでありますけども、特に子どもたちの感染の割合が九州と同じようにある程度高いんですね。それで、それは恐らく子どもたちのクラスターを捕捉している、それを調べてるっていうことがあると思います。ですから、そうした意味で、今、全国の統計というのは非常に、その数字そのままで取るのではなくて、むしろトレンド(流行・動向の意味)で調べるべき状況に入ってるんではないかなというふうに思います。

 

 昨日も厚生労働省の幹部の人と最近の感染状況について、ちょっと話をしたんですけども、恐らくそういうことだろうなというのが、皆さんの共通理解のようであります。だから、非常に警報とか、そういうものが出しにくいわけでありますが、地方側としては一定程度、やはりこうなったら注意しましょうねっていうようなことを、どう呼びかけたらいいのかって非常に難しいもんですから、国としても考えていただくべきところがあるんではないかなというふうに思っております。

 

 また、感染がせり上がってきたときは、やはりかつてのように国・地方がしっかりと話し合うような、情報共有ができるようなことを考えるべきではないだろうか。また、医療機関や高齢者施設などでは聞かれることでありますが、そういうふうにせり上がったときの高齢者施設の対策の費用、それから病床をいざというとき、やっぱり確保しなきゃいけないと。今、沖縄なんかが切迫も見られるというふうに言われているわけです。それで、そういうところの状況というのを、やはり考えるべきではないのかなということでありまして、そうした様々な手当ても含めて、地方の実情に寄り添っていただく必要があるんではないかというふうに考えております。

 

 この辺も、恐らく来週[72426日]の全国知事会議で、みんなで情報共有して、それで、国に訴えるべきは訴えていこうと、今、その作業を進めているところであります。


 それから今、政府を挙げてやっておられます子育て政策でありますが、本日、シン・子育て王国とっとり運動というのをスタートさせ、こどもまんなか応援サポーター宣言を行うことといたしております。いわゆる、こどもファスト・トラックと言われるものにつきましては、今もう、[鳥取]県立博物館や運転免許センターで始めており、これまた広げていこうと思っていますし、新しくとっとり子育てプレミアムパートナーというものをつくろうと。それで、これは今、鳥取の青年会議所さんに、まず第1号になっていただこうとしております。

 

 今、ベビーファースト運動というのを推進しているところですね。それで、これから、こういうようなことを従来子育て応援隊というのがありましたが、こちらのほうに、さらにバージョンアップをしていくというふうに今考えております。また、子供さん、こないだ高校生の御意見を聞いたりしました。いろんな当事者の御意見を聞く機会というのをしっかりこれからつくっていこうと。それから新しいものとして、子育て応援のための駐車スペース、これを試験的にやってみてはどうだろうかということです。今、障がい者に向けたハートフル駐車場というのがございますが、そのハートフル駐車場というのは妊産婦の動きにくい方にとどまるわけですね。それで子育て世帯の人についても外出などのハンディキャップを減らしていただくというような意味で、そういう別の意味の優先スペースというのを考えてみたらどうかなと。

 

 ただ、まだ、実験的なものでありまして、取りあえず県庁ととりぎん文化会館でスタートをさせていただき、子育て応援パスポート、これも充実しようとしているんですが、子育て応援パスポートの加盟店などで協賛いただけるところにも加わっていただいたり、鳥取からこういう新しい運動展開というものもあるんではないだろうかと思います。ただ、もちろんいろんな御意見もあると思いますので、お店によっては営業施策として子育て世帯を呼び込みたいというところはこういうのをやりたいかもしれませんし、そういう意味で、ちょっと実験的にまずはスタートをさせていただこうかと思っています。

 

 また、男性の育休取得率でありますが、民間は85%、県職員は100%を2025年に目指したいと考えております。実は県庁の知事部局の職員、4月の速報ベースでは73%の職員が実はもう取得済みということまで急上昇させてくることができました。そうであれば、国の目標を上回って2025100%ということにチャレンジしてみようということであります。そのために、例えば産休の代替職員というのがあります。それであれと同じように育休代替ということを配置を考えたり、また、意識啓発等々も丁寧にやっていくということにしてはどうかと考えているところであります。


 それから更年期障害でありますが、今日、この更年期障害につきまして、医療拠点病院と地域拠点病院をつくらせていただこうと。それで、この拠点病院は鳥[取]大[学]です。それから地域拠点病院は県立中央[病院]と厚生病院、それから西部の労災を考えておりまして、今日そのセレモニーをやろうとしているところであります。それでやはりお医者さんたちにも聞きますと、やはりこうした専門外来だとか、そういう需要があるようでありまして、結構患者さんがお見えになると。それで、女性の更年期障害もありますが、男性についてもやはりホルモンバランスが崩れる時期に、メンタル[精神面]にかかってくるような、そういう更年期障害というものも見られるわけであります。それでなかなかまだ認識されてなくて、一般に体制が取れていないという部分でありますけれども、ぜひそうした意味で、鳥取県として先鞭(せんべん:他に先んじて着手すること)をつけさせていただきたいというふうに考えております。それでセミナーを実施したり、それから相談体制を取ったり、こうしたことでこの相談支援センターですね、それで、こうしたことで県民の皆様の不安に応えていきたいと思います。

 それから鳥取方式のフレイル(年齢とともに、筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい状態)予防対策、我々鳥[取]大[学]の浦上先生の影響もありまして、こういうフレイル対策、認知症対策についてプログラムができてきております。それで、そうしたことなど学術的な知見を基に、健康づくりや介護予防を進めていくために、今月この研究会をスタートさせていただいて、例えば医師会の渡辺会長だとかにも入っていただいて、実務や研究者等々一緒になりました方針立案をやってみたいと思います。

 

 

 これに連動しまして、夏の健康習慣応援キャンペーン、これは例えば運動習慣だとか、頭を使うとか、そういうのをオンラインでできるようなものをつくっておりまして、これをスタートさせたところでございます。それで、これ9月までにキャンペーン期間を設けさせていただきまして、しっかりこれに取り組んでいただきますとプレゼントが当たるキャンペーンも仕組ませていただいております。

 それからChatGPT(チャットジーピーティー:幅広い分野の質問に人間が自然と感じる回答を生成する人工知能)やAIにつきましてかねていろいろと御意見を我々も提起をさせていただいたところであります。それで専門の先生方と一緒にガイドラインをつくっておりましたけれども、これを8月からガイドラインを暫定版運用させていただこうというところまでやってまいりました。基本は変わりません。地域のことは地域で考える、民主主義というのは、地方自治というのはそういうものだろうと思います。それでAIが生成した内容がそのままですね、県の意思決定に使用するものではないということです。最近もAIを使うがために重要な意思決定、判断等が、もしかするとできなかったんではないかと、こういうようなことが言われる事例も報道されています。

 

 ですから、鳥取県は前からここ警鐘を鳴らしていたところでありまして、そういうことは起きないようにやるのが筋だろうと。実際、AIの出てくる文章というのは結構間違いがあります。それで、そういう私流に言うと、ファンタジーとして読んでいくのがいいものであり、非常に楽しいし、技術としては素晴らしい。しかし、限界があるので、その限界に応じた使い方を当面すべきではないだろうかということです。ですから、事務作業の補助ですとか、ヒント集めのためだけに使用するということで、それ以外、答弁資料作成、予算編成、重要施策決定、あるいは重要な判断、例えばあなたはこのカテゴリーですよと判定して、それが行政処分になるような場合、こういうところまで持ち込むのは行き過ぎだということであります。あくまで補助的なツールにとどめるべきだと。そして、この2番以降ですが、本当にそれが正しいかどうかを一人一人やっぱりチェックをすると。だから、結局これをやるんだったら導入しなくてもいいという人は結構いると思いますね、職員でも。ただ、それをやってでも導入したいということであれば、それはやっぱりそこに出てきた文章の事実が本当かどうかは別途チェックをしてくださいと。

 

 それから、非公開情報、これは絶対に入れないでください。特に個人情報、こういうものも入れないでください。それから著作権侵害が危惧される場合があるので、他団体でちょっとやっているようではありますが、例えば、こういうようなキャッチフレーズを考えたとか、あるいはこんなイラストを描いてみたとか。ただ、それはそのまま使うとひょっとすると著作権侵害になるかもしれない。ですから、こういうことは必ず改変してくださいと。人の手でもう一度それを見て、ヒントにして使うものにしてくれと。ですから、もちろん、不正利用、特にソフトウェアがきれいにできちゃうんですね。いわゆるマルウェア(ウイルスなど、コンピューターや利用者に被害をもたらすことを目的としたソフトウェア)、そうした不正なソフトなどをつくらないこと。こういうような[資料の](2)~(5)のような言わばべからず集(禁止事項をまとめたもの)、これもつけた上で補助、ヒント集め、そうした作業の利用ということに限りましょうと。

 

 そして、8月[1日]からスタートしますが、当面はまず[希望する職員]30名にのみパソコンでアクセスを解除します。今、アクセスを制限、禁止していますが、アクセスを解除する。ただ、30名にとどめ、その30名の使い方については監視をさせていただくと。そういうような形で一歩一歩、AIが本当に使えるかどうかというのを検証しながらまずは暫定利用していくという慎重な体制を取らせていただきたいと思っております。

 

 それから、こういうデジタル化に関連しまして、電子契約サービスを土木関係の契約から、8月[から]採用させていただこうと思っています。これによりまして、例えば、印紙など貼らなくてよくなるんですね。電子認証、電子的な署名によりまして確認をするシステムを導入しようというものです。それからマイナンバーの紐付けについて先ほど申しました、いろいろ県庁の中でも[県が紐付け実施機関となっている項目が]8情報あります。これにつきましては、[81日から]デジタル基盤整備課が窓口となりまして、全庁の統轄を行うという体制で、今後、政府のほうで設定される徹底したチェックというものに、これ対応していこうということであります。

 

 これはちょっと別な話でありますが、若者の活用ということで、若者だけによるとっとり未来創造タスクフォース、これを政策戦略本部にこのたび発足をさせていただくことといたします。これが子育てだとか、それから移住定住だとか、そうした政策等でぜひアイデアを若者の視点で出していただくこと。それから、県庁の各部局において、無理や無駄な作業、そういうものがやはり本当にごく担当者のレベルでは見えるものがあると思うんですね。そういうものを全庁的なネットワークを張りながら、若手の観点でそういう職場改善、こういうものを一気に進めていただけないだろうか。このようなことで提起させていただこうとしております。基本的には、平井直轄の組織のようなことで、予算査定なども各部局のフィルターを通らずに一発で見させていただくと。そういう責任あるリーディング役を果たしていただくようにしたいと思っております。


 多くの方々の御協力をいただきまして、昨日[718日]、香港チャーター便が就航することになりました。昨日のところは67%の搭乗率でありました。まずまずということかもしれません。今のところ、予約状況では65%が予約されているということでありまして、さらなる向上をこれから目指していかなければいけないということであります。昨日は、就航後、候偉(ホウウェイ)[香港航空]会長さん、香港航空の候偉董事長(とうじちょう:法人代表者)、それからまた、香港中国旅行社の董事長、会長さん、この方は向こうの議員さんでもいらっしゃるんですが、そういう方々などと親しくお話合いもさせていただきました。それで、いろんなプロモーションをやっていこうと、それで、1つはBOOK FAIR(ブックフェア)という香港最大のイベントがあるんですけども、ここで[鳥取県が]まんがの王国であるということをテイストとして出させていただいて、出展させていただきPRをしようと、それから、候偉会長も、これからはインフエンサーだとかそういうSNSを使ったものが若者に響くのでぜひそれをというお話がありました。それで、そういうインフルエンサーも含めたメディア関係者、そのファムトリップ(観光地の誘致促進を目的とした、ターゲットとする国のインフルエンサーや旅行代理店向けの現地視察ツアー)を考えようというふうに思います。

 

 また、SNSでいろいろなキャンペーンを張ったり、それから、向こうにおられる応援団に発信をしていただいたり、また、旅行会社のファムトリップ、こういうことをやったり、香港現地での県のイベントというものを考えていこうと。今、9月頃を目途に鳥取県の和牛フェアを香港でやろうとしております。それで、こういうものと連動させながらそうしたイベントなどをぜひ実施させていただいて、向こうで認知度を高め、まずはこのチャーター便ですね、これ、成功させると共にその後の定期便というものもぜひ視野に頑張っていこうとお互い了解をしたところであります。

 

 ただ、正直申し上げて、候偉会長もおっしゃっていましたが、東京[都]・大阪[府]などだと比較的単価の安い旅ができると、それと比べるとやはり地方路線というのは競争力が乏しいところがあることは航空会社としては否めないところであるということでありまして、ですから、どのようにビジネス客だとか観光客、特に鳥取特有の自然や漫画やあるいはおいしい食べ物、それで、そういうものでいわばワンランク上のそうした旅というものをどれほど提案できるか、こういうことになってくるんだろうというふうに思います。様々なチャレンジをこれからさせていただきたいと思います。そういう意味で、本日[719日]、まずはこの香港便についての利用促進会議を発足させたいと思っております。

 

 それから、これも[県議会]6月[定例会]で議論して、予算をつけさせていただいたものでありますが、犯罪被害者支援、これについての在り方検討会、これを今月末[731日]からスタートをさせていただきたいと思います。それで、犯罪被害者に寄り添った支援の在り方、従来のように1民間団体に過重な負担をかけるわけではなくて、行政組織が前面に立って応援すべきではないだろうかと、ちょっと鳥取方式というのを提示できればというふうにも思います。また、犯罪被害者支援、国も今、これ、バージョンアップをしようとしておられますが、それを横睨みしながら、例えばこういうような支援というものをファイナンス(経済支援)の面でも鳥取県でやれないだろうかと、こういうことを考えていく、そういう研究会とさせていただきたいと思っております。

 

 これには当事者団体も入っておられまして、その中には[大阪教育大学附属]池田小学校の凄惨な事件、この関係者の方にも入っていただいたり、また、先進的な施策を出しておられます[兵庫県]明石市の関係者の方にもお知恵をいただこうと、入っていただこうとしております。そういう意味で鳥取から新しい犯罪被害者支援の仕組というのを検討していきたいと思っております。


 先般、うさぎダンスプロジェクトというのを動かし始めました。8月の2日、巨人-ヤクルト戦があります。それで、この東京ドームはいわばジャビットくん(巨人のマスコットキャラクター)の聖地であります。それで、ここでうさぎダンスを初披露しようと、これを今、プロジェクトとして進めさせていただくことになりました。大型のメインビジョンがあります。そこで鳥取の物産や観光、こういうものを流させていただくときに大写しの画面で鳥取のうさぎダンス、これも観客の皆様にぜひ見ていただこうと、それから、うさぎダンサーズも現場のほうに行って、一緒になって、例えば和牛を両チームへ贈呈するだとか、そうしたことを一緒になってやっていこうというふうに思っておりますし、様々なお得なことを、キャンペーンをこの東京ドームでこの日も展開をしてうさぎダンスや鳥取の観光や物産、これをPR、アピールさせていただこうと、これは鳥取で、去年の様子でありますが、トリピーも駆けつけていますが、今年もトリピーと一緒に行こうということにいたしております。また、例のうさぎダンス動画ピョンテスト、これ、いよいよ今日[719日]からスタートをさせていただきまして8月いっぱい、ぜひ応募をしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。

 

 また、ねんりんピック鳥取大会、そのメダルや楯のデザインを募集をさせていただきます。これは県内の在住の方、それからあと、全国の鳥取県ファンの方、ぜひ鳥取らしいデザインというものを作っていただけないかなというふうに思います。豪華賞品が当たります。それから、とっとり手話フェス、これも手話言語条例10周年を記念しまして、この9月[16日]に開催をさせていただきますが、これについても参加申込みスタートをさせていただきたいと思います。なお、これと併催しております手話言語条例制定10周年記念の手話パフォーマンス甲子園、これは過去最多の応募ということになりました。それで、これから本選へ向けた絞り込みが今月[7月]行われますけども、非常にこの手話に対する理解が全国の子どもたちにも広がっていることを手応えとして感じております。

 

 がいなロード、それから米子駅の諸々の新装がなることになりました。これ、米子市やJR[西日本]と一緒に進めてきたものでありますが、もともとは、自由通路は米子市がやると、それで、100%米子市が負担してやるという仕組みだったんですが、なかなかこれが進捗しないという中、平成25年に私のほうで、県議会で方針を変えましょうと、それで、[県が]半分負担しましょうというふうに申し上げました。その結果として米子市も着手するというふうに当時の野坂[康夫米子]市長が表明をされまして動き始めたものであります。そういう意味では感慨無量なものがございます。それで、半分程度鳥取県のほうで負担させていただいたり、それからだんだん広場、これも無償で移転をして米子市のほうで自由に活用してくださいと、それで、このたびのこのイベントの中でも御活用いただくということになっております。

 それから最後でございますけれども、「SAND LAND」っていう鳥山明さんの漫画があります。名作と言われる漫画でありまして、もう10年かそこら前のものでございます(200011月初版発行)。それで、SAND LANDっていうのはいい悪魔が、悪い人間の国王がダムで水を止めてしまうと、それで、それを、その幻の湖を探しに旅に出て、最終的にはその砂漠を救う、そういう物語、1話完結の物語のような、そうした鳥山先生の作品なんですけど、これがこのたび映画化をされることになりました。818日に公開されるということでありますので、このSAND LAND、やっぱりスナバ国が全面応援しようと、そういうふうに私ども張り切らせていただいております。

 

 それで、県政だより、毎月県民の皆様のとこに来ますけども、その表紙、SAND LANDで飾ろうかなとかいろいろとSAND LAND、スナバ国、これをみんなで共有しまして、この際一気に世の中での認知を上げていけないかなということであります。ただ、最近も[鳥取]砂丘で、熱中症で具合の悪いお子さんだとかいらっしゃいます。そういう熱中症予防もSAND LANDのキャラクターと一緒に、県としても、これ真面目な政策展開としてやっていってはどうだろうかなと、また砂丘の周遊キャンペーンなども、今、させていただこうと思っております。いよいよ8月公開に向けまして、SAND LANDというスナバ国の物語、これを国中の人々にぜひ知っていただきたいと思っております。

 

 また、同じ悪魔でもですね、「悪魔くん」、水木しげる先生の作品でありますけども、悪魔くんや鬼太郎のフェスが、これが7月30日に県も支援をさせていただいておりますけれども、東映アニメのほうが中心になりましてイベントをされます。また、水木しげるロード誕生30周年記念イベント、また青山剛昌ふるさと館の謎解きラリー、それからFree!のイベント、これはそれぞれの聖地で行われることになります。ぜひまんが王国とっとり2.0、この生まれ変わったまんが王国を、また県内外の人にお楽しみいただければなと思います。また、蟹取県のキャンペーンでありますけども、このたびとっとり賀露かにっこ館が20周年を迎える、その記念イベントを行わせていただきまして、そこでメインキャラクターに今年なっていただいておりますぼる塾さん、その動画もこの席で公開をさせていただこうと考えております。

 

 また、砂丘ということでリアルの砂丘につきましては鳥取市と共同で、砂丘の西側開発、これを民間の活力も入れて進めようということになりましたが、ヤマタ鳥取砂丘ステイション運営事業基本協定の締結式、これをこのたび[721日]行うことといたしました。それで、鳥取県側ではこどもの国のキャンプ場がありますが、ここはグランピング施設として活用されるということになります。そんなようなことでこの夏休み、ぜひ多くの方々、砂丘あるいは鳥取、楽しいところ、おいしいもの、ぜひ御活用いただきたいというふうに思います。私からは以上です。

 

 

○共同通信 古結健太郎 記者

 

 はい、ありがとうございました。では、質疑に移ります。各社挙手の上、社名と名前を名乗って御発言ください。

○中国新聞 小畑浩 記者

 中国新聞小畑と申します。すみません。更年期障がい医療・相談体制の整備についてお伺いいたします。全国初っていうことなんですが、どういう点が全国初なのかということをお伺いしたいのと、あと今、このタイミングで、この更年期障がい対策に乗り出す経緯、意味などをお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

●知事

 詳細については、それではまた、この後また担当部局のほうからも特徴をお知らせしたいと思いますが、こういう体制をつくって、相談支援を東中西[部]それぞれで行うことができるようにする。それから、こうした専門の地域拠点病院っていうものを設定をし、それで、かかりつけのお医者さんの応援だとか、スキルの習得だとか、そういうことも含めてバージョンアップをこれから図っていこうと。それで、正直、今までちょっと埋もれていた課題だったということです。それで、ひょっとすると、ここにいらっしゃる方の中にも、そうした更年期障がいというのがあるのかもしれません。ホルモンのバランスが崩れるということで、女性ではかなり古く認識されていましたが、男性にもそういうことがあるということが最近分かってきております。それで、そうした意味で、この更年期障がいというのはまだまだ、正直全て解明されたわけではありません。ですから、学術的・医学的にも前進をさせていきながら、だからといって放置するわけではなく、いろんな診療科目が一緒になってやるということにならざるを得ないですね。

 それで、今回こうした拠点や地域拠点というものをつくらせていただきますが、こうしたところは、例えばある診療科目があって、それとネットワークを組んで、ほかの診療科目も一緒になってやっていく、そういうケースごとに対応していくような、そういうことができるっていうことの場所だけ認定をさせていただいているわけであります。まだ、手探りのところでありますが、こういうようにシステマチック(体系的)に全体対応していこうというチャレンジとしては初めてだと、こういうような趣旨でございます。

○朝日新聞 大久保直樹 記者

 朝日新聞の大久保と申します。知事、マイナ保険証に関することなんですが、非常に今、医療現場、鳥取県も含めて混乱なり疑問の声がたくさんあって、賛否両論渦巻いています。それで、その中で原則やっぱり紙の保険証を廃止するということだけ今決まっていて、さらに資格確認書なるものを、新たに今つくろうとしている、何か泥縄式のようにも見える、何かもう、何か混乱してるようにしか見えないんですが、知事御自身は、この紙の保険証を原則廃止するということについて、どうお考えかということと、一部では延期すべきだという意見もありますが、知事御自身は、この地方の現場を預かっていらっしゃる立場として、どのように今、考えていらっしゃいますか。

●知事

 これ、いろいろと考え方分かれるところだと思っています。であるからこそ、我々現場を預かってますので、冷静にこのことには対処していきたいと思っております。と申しますのも、実はマイナンバーカードと言われる、あのカード自体は、あれは恐らくデジタル社会をつくっていく基盤となるものであり、政府はそのパスポートのようにおっしゃっておられましたが、我々もそういう意味では期待をしていたものであります。それで、今、起こっている問題は紐付けという、そこと情報をどういうふうにきちんと合わせていくのか、それで、これが手作業で入力をされるときに、今まではどうしてもいろんな不突合が出るわけですね。それがゆえに、この保険証とそれからマイナンバーカードを紐付けるとき、そのときにわざと、その紐付けの際の審査すべき情報項目というのを一定程度制限してみたりっていうようなことをやったり、それがまた手作業なもんですから、間違いが起こったりっていうことなわけですね。

 それで、恐らくこういうことを作業すれば、恐らくそうした間違いは起こり得るわけでありますが、本来国として、こういう間違いが起きないような、そういうシステムづくりや、やり方というのを推進すべきものが、多分根っこにはあると思うんですね。それで、いろんな保険者、健康保険組合等が号令がかかっていますので、慌ててやろうとして、こういう混乱につながっているという面があるのかもしれません。そうした意味で、この混乱が鎮まることは最低限必要でありまして、その混乱が鎮まらない限りは今、政府のほうでも考えかけておられるような資格を認めるペーパーというものを出そうと。それは当然必要になってくるだろうと思います。

 それで、実際、普通の保険証を廃止できるかどうかというのは、そうした状況を見極めた上で、最終判断していただくべきものなんではないかなというふうに思います。大切なのは、それぞれ医療現場や、それから被保険者である国民の皆様にとりまして、我が国は全国でも最も優れた健康保険制度があると思います。それでこの健康保険制度が円滑に運営されることだろうというふうに思っております。紐付け自体はその1つの曲面でありまして、紐付けだけで全て、じゃあ、この健康保険制度自体を全部壊していいのかというとそういうことにもならないわけでありまして、それでその辺もやはり作業やあるいは進捗、それから恐らくは、本当はその国のほうでそういう間違い起こらない仕組みの導入ということなどを考えた上で、最終的には移行していくべきものだろうと思います。それで今、その時期がいつなのかというのは、今の現状ではちょっとまだ見極めがつかないというのが我々の感覚だろうと思っております。

○朝日新聞 大久保直樹 記者

 それは延期する、しないということも含めてまだ見極めがちょっと現状では。

●知事

 そうですね。それは延期するかどうかというのはやはり混乱が終わっているかどうかということだと思います。そういう意味で見極めるにはまだ早いだろうと思っておりますが、ただ、大事なのは円滑にそういう国民皆保険制度という我が国の一番の自慢できる政策、これが傷がつかないように円滑に移行できるようにすることが何より大切だろうと思いますし、我々もそれに協力することは当然やってまいりたいと思っております。ただ、それが、じゃあ、いつ本当に安心できる状況になるかというのは国民の皆様と一緒に、よく監視をしていかなきゃいけないところだと思っています。

○日本海新聞 福谷二月 記者

 日本海新聞の福谷です。大雨の被害について2点伺いたいと思います。今回の大雨は我々メディアにとっても想定外の大雨で鳥取市を中心に至るところで冠水が見られましたが、現状のハザードマップでは、一級河川の氾濫を想定した浸水状況やなんかで内水氾濫を想定したハザードマップというのは現状ないのかなと思うんですが、今回新たにいろいろと冠水ポイントも見つかりましたし、今後どのようにこの内水氾濫に対して対策をしていくお考えなのか、それでもう1点、新しい冠水ポイントが見つかる中で、一方で従来よく冠水、越水が見られたポイントですね、塩見川ですとか清水川、そういったところでは今回の大雨でもやはり同じように越水が見られたんですが、これについて行政の怠慢を指摘する地域住民の声も聞かれました。これについて知事はどのように受け止められますでしょうか。

●知事

 はい。今回(713日の大雨被害)のことについてでありますけども、先ほど申しましたが、こういう都市型のこういう内水氾濫というのが本県においても起こり得るということで、今、秋田[県]のように甚大な被害につながっているところもあります。今回のこの梅雨前線の1つの特徴だと思うんですが、梅雨前線がほぼ動かない中にどんどんとこう暖かく湿った空気が供給されてくると。それで、この雲の流れによって入ったところはもう土砂降りになると。それで恐らく今日もあるかもしれません。東北のほうであるかもしれません。こういうようなことが異常気象なのかもしれませんけれども、想定すべきそういう時代に入ったということじゃないかと思います。今までは津波であるとか、それから河川の氾濫でハザードマップを作るというところまできていますが、こういう内水氾濫でこういうようなことが起こり得るよっていうことの共通理解は、まだ乏しいのではないかなというふうに思っております。先般は境港[市]でも同じように内水氾濫がありました。それでネギ畑が冠水をしたり、いろいろと被害が出たものであります。それで今回は東部のほうにそういう雲がかかりまして、[鳥取市]気高[町]それからこの鳥取の市街地、あるいは[鳥取市]福部[町]等々であの被害が出たわけであります。

 このことをやはり市町村とも話し合ってみる必要があるだろうと。当面はまずトップセミナーで、またトップの共通理解っていうことを考えながら、それで実務レベルによって県や市町村の防災研究会、こうしたところでも議論をさせていただいて、ハザードマップというのは上手に作れるかどうかってことあるんですけれども、ただ、こういう内水氾濫っていうことはあり得る氾濫ですよというのは、やっぱり逃げることも含めて住民の皆様にも認識を共有していただいて、対策をそれぞれにも考えていただく必要があるのではないかと思います。

 今回の河川系のところでは、特に福部のところですね、塩見川、あそこは実は浸水常襲地帯であります。それで、そういうところで実は年次計画をつくって河川の改修計画を進めています。それで一番大切なのは河川の改修は下流からやらなきゃいけないんですね。それで、下流のところの一番下流の狭いところについては、山陰近畿自動車道を設置をするときに、その河川の拡幅ができました。それでこういうものから順番に今、段々と上流に向けて、塩見川あるいは箭渓川(やだにがわ)ですかね、そうしたところ、その中小河川に向けても今、順次改修を進めているところでありまして、時間がかかっているということで、その点はおわび申し上げなきゃいけないと思いますし、それからポンプ車なども今回も投入して対応は一定程度させていただいております。

 ただ、今回、降水量が急激に増えたということから、越水ということに至ったわけでありまして、このこともよく今回のいきさつを検証して、今後の対策に役立てていきたいと思いますし、住民の皆様にもまだ改修途上であることにつきましては、御理解もいただければありがたいと思っております。また、報告を受けているところでは清水川の方面につきましては、ポンプ車を導入しまして、以前、清水川で大騒ぎになったことありますけども、その手前で実際には止まっているということであり、ポンプ車、ポンプ能力の増強などの効果は一定程度は出たんではないかなと思っております。ただ、もちろん水がたまり得る地形にもともとなっておりますので、そういう意味で本当の意味の内水ということは当然あり得るところでありまして、その辺も地域の特性として、御理解もいただけると幸いであります。

 いずれにいたしましても、今回のようなこと、この梅雨の終わり頃のこういう事象というのは全国各地、今、暴れ回っていますが、これが新しい災害のパターンとして認識されなければならないと思っておりまして、他地域の状況なども参考にさせていただきながら、鳥取県内なりの内水対策を市町村、内水対策は実は市町村の役割が主なんですが、市町村とよく協議をさせていただいて、また今後に備えていきたいと思っております。


○共同通信 古結健太郎 記者

 共同通信の古結と申します。2か所質問があります。まず、1点目、最初の質問でも出ました更年期障がい医療の相談体制の整備についてなんですが、同じく全国初というのは、どこをどういうふうに調査をして全国初だと分かったんでしょうか。

●知事

 これ、また後ほど、また担当部局のほうから精細にお話もさせていただきたいと思いますが、こういうように、1つのシステムとして、更年期障がいに乗り出していくと。それで、今でも全国的には更年期外来など設けているところはございます。ただ、こういうことで相談センターつくったり、それからいろんな啓発事業や、あるいは関係のお医者さんなどと一緒になった体制づくりをしていく。そういうように、地域を挙げた取組をするというところを主眼に、我々としては、今回、設計をさせていただきました。


○共同通信 古結健太郎 記者

 続いて、香港のチャーター便について、関連しまして、この間、ソウル便の、ソウルの定期便決まって、今回、香港のチャーター便が始まったということで、今後、あと、どこからのチャーター便を目指して、チャーター便、定期便、ごめんなさい。定期便を目指しているかということと、コロナ前よりもさらに新規就航など、考えている地域などありましたら教えてください。

●知事

 私どもとしては、鳥取県というのは、北東アジアにちょうど手を差し伸べたような地域なんですね。そういう意味で、朝鮮半島だとか、中国のほうに伸びていく、そういう地形が鳥取県の場所になります。そういう意味で、北東アジアへのゲートウェイということを目指そうということで、県の1つの基本政策として、戦略としてやってまいりました。そういう中、ソウル便の定期便化が再開するということは、非常にありがたいことだし、これをぜひ確保していきたいと。それで、もともとは香港便とそれから上海便が定期便就航しておりました。それで、そういう実績のあるところを取り戻せればというのが次の目標ではないかと思っています。

 ただ、それに向けては、まずはチャーターフライトなどで実績をつくっていかなければ戻ってこないことになります。それで、残念ながらコロナで、正直、振出しに戻った感がありまして、もう一度体制を立て直していくことが必要であります。それで、上海便につきましては、中国の海外旅行の制限などもございまして、これはかなりハードルはまだ高いところだと思っていますが、香港につきましては一定程度戻り始めており、既に大阪経由で県内にも香港の個人客がある程度入ってくるようになってきた矢先に、今回のこのチャーターフライトということになります。ですから、ここを皮切りにしてエアラインのほうでも就航できるという判断に至れるように環境づくりをしていくことが大事ではないかなと思っております。

 また、台湾につきましては今までもチャーターフライトを重ねて実質上そうした旅行需要に応えてきておりますが、これも、もし本当に可能であれば定期便化ということがあればありがたいと。それで、地元にはそういう声が強うございまして、それでこの辺も私どものさらに遠いかもしれませんが目標になると考えております。


○日本海新聞 松本妙子 記者

 

 日本海新聞の松本です。手話言語条例についてお伺いしたいと思います。この10月で制定から10周年になると思います。10年これまで取り組んでこられた意義や成果として捉えられていること、また、今後の課題、また、さらに進めていくべき整理していくべき点というのを教えていただけたらと思います。

 

 

●知事

 

 もともと平成25年の1月に全日本ろうあ連盟さんが地元の鳥取の聴覚障がい者の皆さんと一緒に私のほうに訪ねてこられまして、文部科学省それから厚生労働省とういう役所はあるけれども、手話言語法の制定をいつまでたってもやってくれないと。それで、そういう意味でまずは条例という形で地方で立法措置を考えてもらえないだろうか。それで、それは、鳥取県は全国で唯一だったそうなんですが、手話を言語文化と認める総合計画、将来ビジョンをつくっておりました。それで、これに着目されてそういう働きかけがあったわけであります。正直非常にハードルは高かったですけども、ただ、関係者の皆さんと協力をして私どもなりの条例案、これ条例案をつくるときも全国に通用する条例案を目指してつくりました。それで、それが[平成25年]10月に可決をされるに至りまして、全国の聴覚障がい者の皆さんも我々の議場に集まられて拍手を送ってくださったわけでありました。

 

 それで果たせるかな(=思った通り)、それから今400以上の自治体にこれが広がっているわけでありまして、鳥取県という小さな自治体の挑戦が正しいことであればこうして全国に広がり、我々がむしろそうした政策のパッケージを法的な形で定義することができたのではないかという手応えを感じています。また、心配されたのは教育機関での反発であります。恐らく文部科学省がなかなか踏み切らないのはそっちのほうにあると思っているんですけども、我々がこうした条例案の策定作業を進めたときも、教育関係者の間からは正直否定的な声があったと言わざるを得ないところです。

 

 つまり手話を言語ということを考えるんだったらば、それを学校で教えなきゃいけなくなるじゃないかと。それで我々のほうではそういうことも必要だと。それで、実はこれ対立がありまして聴覚障がい者の方々は学校で手話を教えることが夢だったんですね。ここは絶対譲れないというふうに言うわけです。それで我々のほうでその最終的な案をまとめるに当たりましては、そういう教育現場でも手話を普及するということを条例の中に盛り込んだわけです。非常に挑戦的なものでありました。当然ながらこれ議会の審議でも取り上げられることになったわけであります。しかし、予算も出しまして、そのための教材づくりだとか、教えるためのサポート役となる例えば聾学校のOBの方々の派遣事業だとか、こういうものをパックで提案をさせていただいているんですね。

 

 それでそういう支援策、もろもろの教育支援策も含めて可決成立した後、これは学校の皆様の名誉のためにぜひ申し上げるべきだと思うんですが、ほんとによく教育現場に手話を導入していただいたと思っています。それで、そうしたハンドブックを作って初級編、応用編まで最終的にはできましたが、これを基にしてそれぞれの小中学校も含めて手話に親しむ教育ができ、それで高校ではそうした手話が科目として取り上げられるところも出てきました。全国初が続いたわけであります。それで、今どうなっているかというと、挨拶程度はある程度子供たちもできるようになってきているところであり、手話チャレンジという検定事業も始まりました。ろうあ者の方が当時よくおっしゃっていたのは、今、子供たちが手話を覚えればそれが1020年たつと、例えば買物に行ったときに、こんにちはとか、何が必要ですかとかそういうように手話を交えて簡単な会話ぐらいはできるんじゃないだろうか。こうすると世の中変わるっていうのを実は夢見て教育現場への導入にこだわられたんです。それで、このことの成功例を鳥取県はつくることができつつあるんではないかと思っております。

 

 そういうような意味で小さな自治体としての鳥取の挑戦というのはこの手話の普及、全国への普及にとりまして試金石としての役割はこの10年間果たせたかなと思いますし、現にこの手話言語条例が都道府県や市町村で広がっている実情からすれば、そうした意味での歴史を変える役割は果たせたかなと思っておりまして、このたび[とっとり]手話フェスというお祝いを企画をさせていただいたわけであります。ただ、まだまだですね、例えば手話の普及に当たっての人材の問題だとか、それから新しい課題もいろいろと生じているところでありまして、そういう意味でまだ終わりなき旅路の途中であると、一里塚であるということには変わりないと思っております。

 

 私自身が非常にある意味感動を覚えたのは、昨年私の妻が一生懸命見ていたのはsilentというドラマでありまして、それで、こういうドラマが人気が出て視聴率も上がるくらい手話っていうものが認められてきたんだなというのを見まして、これは本当に感激をしました。それで、どんどん世の中が変わると思いますし、世界を見渡していただければ日本は決して進んでいる国ではありません。あいサポート社会を我々目指している鳥取県として、さらなる高みを目指してまいりたいと思っております。


○読売新聞 山内浩平 記者

 

 読売新聞の山内と申します。手話に関してちょっと関連しての質問なんですが、最後に新しい課題も見えてきたということですが、具体的にその新しい課題というところが何、どういったものであるのかっていうのと、ちょっと大雨の話に戻って恐縮なんですけれども、まだこれからも、8月に入っても雨の時期も続くと思いますし、9月なっても台風がやってくると思います。この対策についてはどのくらいを目途にかちっとしたものを決めていくのかっていうのを教えていただけないでしょか。

 

 

●知事

 

 はい。手話については、例えば手話を伝えるための手段にまだ限界があるということですね。それで例えば自動的に手話通訳してくれるようなそういう仕組づくりに鳥取県も今参加をさせていただいたりしています。また、電話リレーサービスというものがあります。これは鳥取県では既に導入していたんですが、このたび日本財団さんが中心になりまして全国での仕組みもつくられ、鳥取県はその県内の聴覚障がい者無料でこれを活用できるようにさせていただいたわけであります。でも、必ずしもこれが全国普及しているというわけでもないんですよね。だから、まだまだやっぱりハードルがあって、生きづらさを聴覚障がい者の皆さんは感じておられるところであります。

 

 心配されるのは災害時などの聴覚障がい者の皆さんへの伝達という問題でありまして、これも本県でも中部地震のときにその課題について当事者団体からも御指摘をいただいたところであります。1つ1つ、やはり当事者の視点に立って改善改革を進めていかなければならないのだと思っております。いよいよ2025年にデフリンピックが東京で開催されることになります。それで、本県もそのデフリンピックの応援団体として声明を出させていただきました。こうした世界的な大会が誘致されることでこうした問題に、課題にさらに光が当たって多くの方が手話を通したコミュニケーション、聴覚障がい者の共生社会、そういうものに思いを巡らしていただけるようになればというふうに願っております。

 

 また、災害のほうでございますけれども、先ほど申しましたように、まずは[市町村長等防災危機管理]トップセミナーを開催をするというところを決めさせていただいております。それでその上で、県市町村の防災研究会というものを立ち上げたりしていければと思います。それで、まだ台風シーズンなどもございますし、同じような課題があるかもしれませんが、じっくり腰を据えてやるところは年度内に、やはり地域防災計画の改定も含めた検討を進めることが一つあると思いますが、緊急にこれはもうしっかり共通認識を県民の皆様、あるいは市町村全体で持っておこうということがあれば、これは躊躇なく、これからまだ水の季節が続きますので、我々としても提示をさせていただきたいと思ってます。

 

 基本的には地域防災計画が年に1回改定するというルールが暗黙としてございますし、やはり防災対策はいろんな検討の方向性、いろんなアプローチでやっぱり検討を進めて、こうすればいいということをじっくり考える必要もありますので、年度内にそうした方向性を出していきたいというのが主眼でありますけれども。ただ、急ぐべきこと、急ぐべき課題については速やかに解決をしてまいりたいと思っております。


NHK 大本亮 記者

 

 NHKの大本です。全国知事会長としての任期が知事のほうでも迫ってられている中だとは思うんですけれども、続投されるかですとか、ほかの人に任せるだとか、知事の中での次の任期に対するお考えを聞かせていただきたいです。

 

 

●知事

 それにつきましては全く白紙であります。まず、来週、[全国]知事会として最大の結集点になります全国知事会議がございますので、ここで私の会長としての役割を誠実に果たしてまいりたい、これに全力投球するというのが今時点のお答えであります。この全国知事会議、このたびは予定では45名御本人が参加をするということになっています。そのうちのお一人は選挙中でありまして、実際に他の公務で残念ながらというふうにおっしゃってるのはお一人だけという状況でございまして、それほど知事会に対する構成、知事のそれぞれですね、思いがまとまってきた感はあるのかなというふうに思っております。そうした意味で、ぜひこの45人も集結する全国知事会議、成功を果たすことで私としての役割、それを誠実に果たしてまいりたいと思っております。

 

 

NHK 大本亮 記者

 追加ですみません。知事のほうを推薦人として推されるような声というのは、今の現状どの程度集まってこられているんでしょうか。

 

 

●知事

 それは、私はこういう立場なので全く聞いてません。基本的にはやはり推薦というのは、他の方が推薦されるものでありまして、私のほうには特に声はいただいてません。


○山陰中央新報 岸本久瑠人 記者

 山陰中央新報の岸本です。全国知事会の先ほどの質問の関連なんですけども、現在、白紙という、立候補については白紙という状況だというお話でしたが、いつ頃までに自分の中の結論というのは出したいというお考えでしょうか。

●知事

 自分なりには当然任期がありますので、来月には当然自分の考え方はまとめたいと思っております。いずれにしましても、これちょっと私ちょっと普通の人とタイプが違うのかもしれませんが、あんまり自分のために出ようとか、そういう気持ちはもともとなくて、ただ、あの新型コロナの中で、言わばお鉢が回ってきたかなという感があって、前回、お引き受けをさせていただいたということであります。そういうようなことでありますので、皆さんがどういうふうにお考えになるのか、それに耳を傾けていくのが私の立場、役割であろうかと思いますし、そういう1つの道具として会長の役割があると思っておりますので、非常に実はニュートラルに考えております。

○共同通信 古結健太郎 記者

 御質問、よろしいでしょうか。では、これで定例会見終わります。ありがとうございました。

●知事

 どうもありがとうございました。
  

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