知事定例記者会見(2023年5月24日)

令和5年5月24日(水)午前10時~
 県政記者室(本庁舎3階)

(報告事項)


(質疑事項)

  

録画配信 知事記者会見動画(約94分) ※MPEG4形式
機器の不具合により手話通訳者の映像が一部暗転しています。ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。

  

●知事

 

 皆様、おはようございます。本日も距離を取りまして、マスクを外して会見をさせていただきますこと、お許しをいただきたいと思います。このたび、G7[先進国首脳会議]が開催をされました。世界中の耳目が日本に集まる中、ゼレンスキー[ウクライナ]大統領もこちらのほうにやって来られるというサプライズ的な参画もございました。私の同僚でもあります湯﨑[広島県]知事とも若干、慰労の言葉を申し上げたり、やり取りもしていますが、大変に、恐らく日本としてこれまでの外交史にないような大変な大きな舞台が広島で設定されたのではないか、同じ中国地方にあるものとして、こうしたサミットを契機として世界の平和やあるいは人類の発展・進歩につながることを願ってやまないところでございます。

 

 ただ、これで、じゃあ、危機が終わったかというと、平和に対する脅威というのは今も続いているわけでありまして、これからも戦局がさらに激化するのではないかという、そういう見通しも報道されているところであります。片方で、株価が好調など、経済が持ち直しているようには見えますが、ただ、実際の経済社会、安定しているかというと、物価高など克服しなければならない課題が山積をしています。そういう意味で地方団体、我がほうといたしましても、例えば子育てに新しい改革を求めるでありますとか、さらには物価高騰対策、そして、私たちの地方財源、こうしたものの安定的な確保などを求めていかなければなりません。

 

 私も地方団体の代表として、こども未来戦略会議[内閣が設置する全世代型社会保障構築本部内の会議]に度重ねて出席を続けており、この子育てについては地方も協力してやっていくということをお約束を申し上げております。ただ、そのためには、前提として地方の一般財源も含めました財源の手当というものや、あるいは子ども、保育を受けられるという、そういう国の今、目玉事業が用意されようとしていますが、そのためには人材の確保など併せて解決しなければならない現場の課題というのがあります。こうしたところにも目を向けていただくことが重要であると、先般、こども未来戦略会議でも強調させていただきました。

 

 総理がおられる中、閣僚の皆様や委員の皆様に申し上げたわけでありますが、遠くまで行くのならみんなで進めという、これは総理が所信表明演説で述べられた言葉であります。その格言のとおり、やはり国と地方が一緒にこうした子育ての大きな課題に向き合って少子化に歯止めをかけ、国の危機を突破しようというものであれば当然ながら地方が十分に力を発揮できる環境づくり、これは財源面、また併せて人材やあるいは様々な技術的問題、あるいは制度的問題もありますが、とりわけ財源面などそうした手当が配慮されてしかるべきだと、このことを強調をさせていただいたところでございました。

 

 来週には国・地方協議という地方6団体と総理や閣僚との協議の場もあります。我々地方側の様々な思いを集結をさせていただきまして国・地方協議に臨むこととさせていただきたいと思います。


 最近の情勢で1つ、私自身が気になっているのは、マイナンバーカードにひもつけられる情報のことであります。これについては政府の各省庁にまたがる課題だと思います。例えば健康保険であるとか、それから口座のひもづけであるだとか、しかし、セキュリティの高いマイナンバーカード、これを国の肝煎りでセットされて、我々地方も協力をして一生懸命、今、保有率の拡大を図ったわけです。これについては総理も評価をしておられますように、一定の成果を上げることができて、新しいデジタル社会の基盤となるはずであります。

 ところが、それを活用するときにひもづけられる情報、このところが、例えば業者に委託をしたとか、あるいはそこから下請けに流れたとか、あるいは協会けんぽのそこでの入力であるだとか、いろいろと事情あることが言われていますけれども、それは正直、理由にならないと思います。我々、地方団体に取りまして、マイナンバーカードを機軸とした新しいデジタル社会をつくっていこうとしているわけでありますから、やはり政府のほうでもきちんとこれ、チェックできる仕組というのをやはり考えるべきではないだろうか。それで、そういう意味で、もっと緊張感のある対策というものをやはり根本から考えていただく必要もあるのではないだろうか。

 マイナンバーカードに対する信認性が失われしまう事態になりますと、せっかくのデジタル 社会のソフトインフラ[ソフト面から様々なものを支える基盤]が信頼を失ってしまうことになって、これは日本社会の今後の発展に取りましても足かせになりかねないわけです。結局、それぞれの各省庁やいろんな団体の事情があるにせよ、それが最後は割といい加減なところでひもづけられてしまうということは、本当はあってはならないわけでありまして、あれだけセキュリティのレベルを高めたマイナンバーカードを作った趣旨が損なわれかねない事態だと思います。この辺については政府のほうでもよく御検討いただく必要があるのではないかと思います。


 それで、先ほど申しましたように、この危機を突破していく、そのモデルとして鳥取県というものをこれからリードしていこうというふうに考えているわけでありますが、こども未来戦略会議でも、今、議論されていますように、やはりこの少子化傾向に歯止めをかけて、本当に子どもたちの未来が輝くような、そういう親世代も含めた対策の強化が必要になると考えております。そういう意味で、これ、かなりいろんな議論がありまして、結果だけは非常に簡単に見えますけれども、相当市町村と話合いを重ねてやってきたわけであります。小児医療費の完全無償化が来年の4月から実現をする運びとなりました。したがいまして、6月の県議会に特別医療費助成条例、これを改定すべく提案をいたしたいと思います。

 

 また、併せまして、この小児医療費の完全無償化に伴いますシステム改修が必要です。今、実は日野町さんが1町だけ完全無償化を試行的にやっています。試行的ということなんですが、どういうことをやっているかと言いますと、一遍窓口で払ってもらって後から償還をするということをします。これ、なぜかと言うと、実は全県的なシステムがありまして、それでこの医療費の精算が行われるわけですよね。その根本のところは、残り18市町村は無償化していませんから、無償化しない手続で一遍払ってもらう必要があると、それで後から申請して返ってくるということであります。それで、それは不便なものでありますから、一斉に始めて、それで窓口で払わなくてもいいという、これは医療機関に取りましても、それから市町村やあるいは利用者に取りましても利便性は高いわけでありますから、そういうシステム改修を準備をしておく必要があると、それで、新年度実際に始めようということになりましたので、そのシステム改修の構築費、これを入れさせて予算として組まさせていただこうということであります。

 

 それで、具体的には高校3年生まで所得制限なしで無償化をする、これを全県で行うというのは、鳥取県がこれ初めてのことになります[会見後に「2番目」に訂正]。だからこそかなり議論がございました。県も2分の1を支援しましょうということにいたしておりまして、令和6年4月に開始をします。それで、これに関連して長年市町村側から不満が出ていました、国保[国民健康保険]の減額調整措置といういわゆるペナルティー制度は廃止をされることが、6団体の交渉の結果ですね、国のほうでようやく、このたび表明をされたわけであります。こういうようなことで、足かせが取れたことになりますので、ぜひやろうではないかと、市町村のほうに働きかけ、議論を提起をさせていただいわけであります。

 

 これを5月18日に議論しましたが、お聞きになられた記者さんもおられるとは思うんですけども、実は賛成一色ではなかったです。それで、その議論の中では、コンビ二受診[休日や夜間に緊急性のない軽症患者が病院の救急外来を自己都合で受診する行為]の増加があるんではないか、それで、ただでさえ小児科医が少ない中で、その小児科医の確保ができなくなるんではないか、ですから慎重に考えるべきだという、そういう首長さんもいらっしゃいました。ただ、総じてみんなで一斉にやるがいいとか、一斉スタートがいいとか、それから開始時期を市町村として定めてもらいたいと。つまり皆さんが目標を持って議会だとか関係団体と調整しないと始められないんですよね。それで、足並みそろえてということであれば、いろんな意見は確かにあるかもしれないけれども、まとまってやるべきだと。それで、鳥取市長さんなんかも全国に先駆けてやることに意味があるんじゃないかと。こんなような発言をされる首長さんもいらっしゃいました。

 

 それで、ただ細かい議論もいろいろあって、やはり小児医療[費]が膨らみかねないわけですね。コンビ二受診的になりかねない。ですから、それについては、要はお医者のかかり方でありまして、きちんとした指導を徹底する必要があるとか、それから実はスポーツで障がいを負った場合など、スポーツ保険というのが学校で用意をされてたりします。それで、あるいは重度の障がいとかいろんな実は様々な医療支援の制度があります。それで、それぞれの制度の趣旨もあるので、そういうものも先に適用した上で、残りをこの無償化の事業でやってもらいたいと。これはいろいろと、やっぱり予算の枠組みの問題や財源の問題もありまして、この辺も市町村でかなり強く出された御意見でありました。

 

 それで、最終的に私も申し上げましたが、ここで出たような意見を全部踏まえて、これから改善を図って案をつくっていきますと。それで、その上で、6年4月にスタートをすることで、ぜひ御了解いただきたいというふうに最終的に投げかけをさせていただきまして、消極的なお考えを述べられた首長さんも、首を縦に振って、了解をされたというのが実際の議論の状況でありました。かなり丁々発止の議論になったということであります。


  それで、これを踏まえて検討を進めましょうと、今、申し上げた小児医療体制の確保だとかコンビ二受診、あるいは他制度の優先、それから手続の簡素化など、これから議論をして、1年かけてしっかりとした対策を取った上で、新年度に臨んでいきたいと思います。

 その皮切りに本日、医師会さんや、あるいは歯医者さんも無料になりますので、歯科医師会だとか、そうしたところなど関係団体も交えながら、ワーキンググループを今日発足をさせることといたしたいと思います。ちなみに、こども未来戦略会議、先般、議論がありまして、その場の空気としては、結構皆さんちょっと肩透かし食らったようなところもありましたですね。例えば、財源として相続税でもいいんじゃないかというような議論があったり、それから、いろんな負担のことなど議論があったり、それから企業の負担が増えると、当然賃上げなんかに響くんじゃないかというような議論があって、いろいろと議論がありましたけれども、総理が開口一番、税負担も含めて、税負担の増加は考えていないというふうにおっしゃって、これから、じゃあ、どういうことかなという感じだったです。

 それで、児童手当とかいろんな手当が今、議論されているようです。ただ、その手当も100%国費ではなくて地方も負担をしていますので、そうした財源措置がないと我々はついていけないわけですよね。それで、先ほども申し上げましたように、かなり総理にも申し上げましたけども、少子化に歯止めをかけてもう一度この国を建て直すという、かなり遠いとこまで行かなきゃいけないのだから、みんなで進めるような環境づくり、それをぜひ地方側への配慮という形でやっていただきたいと、このことは気になるところでございます。


 それから予算のほうでありますが、総額で6月補正、今、集計した段階、まだ最終確定ではありませんが350億円前後ぐらいになると見込まれます。かねて、このいわゆる選挙後の肉づけで最大規模だったのは令和元年の6月補正でありますが、これが310億[円]余りの予算規模でありますので、それを大幅に上回るような、過去最大規模の肉づけ予算ということになります。それで、特に一般事業といわれる公共投資を除いたものですね。そのレベルでいきますと前回の選挙の令和元年の6月補正よりも4倍ぐらい増えている格好になります。今のこの危機という状況がある中で、あまりお金や手間を惜しむべきときではないと、それで、打って出る必要があるということで新たな歴史を鳥取からつくるべく、4つのテーマを中心に組ませていただいております。

 

 それで、先週[516日知事定例記者会見]申し上げましたが、物価高騰緊急対策、これについては例えばLPガスの契約者関係ですね、大体4億円余り、それから特別高圧電力、これも3億円程度、そうした事業規模で先週も御説明申し上げましたがやっていこうと、そのほかもクリーニングとか福祉系、福祉系は13億[円]ぐらいの規模になると思います。それから売上げ減少企業なども含めて、これも10億円レベルで積み増しをしていくと。そうすると大体30億[円]ぐらいになるんですが、その30億[円]については県議会に先議をお願いしたいというふうに考えております。先週概略を説明させていただきました。

 

 そのほか、健康・安心ということでは[鳥取県版]CDC(鳥取県感染症対策センター)の運営とか、あるいは後ほど申しますが、フレイル(加齢により心身が衰えること)対策や更年期[障がい]対策、それから[防災・減災のための]事前伐採など、事前伐採大体2,000万[円]ぐらい、それから倒木の緊急除去などで4,500万[円]とかかなりの規模になります。それから防災情報の関係や樋門の電動化などですね、こうしたことなどを着手していきたい、それからふるさとの元気といたしまして夏明けの秋ですね、閑散期の宿泊割引を2,000円ないし1,000円の助成(割引き)でやってみようではないか、それから鳥取県産業未来共創基金というのを創設をする、これ30億[円]予算を積ませていただきたいと思います。それで、このほかに13億[円]ですね、この産業未来共創補助制度というのを創設しまして、企業の設備投資だとか、人材育成等々の支援、研究開発のメニューなどを設計していきたいと思っております。だから、全部で43億[円]ぐらいこの商工関係ということですかね。

 

 それで、そのほかにも先週申しましたが畜産対策だとか、いろいろと対策を組んでいきます。それからこれも後で申しますが、[鳥取砂丘の]月面実証フィールド、それからメタバース空間(インターネット上に構成される仮想空間)、こういうものを取っていこうということですね。それから人・くらしのほうでは医療費の完全無償化のためのシステム設計、システム改修というものをやっていく、それから潜在保育士(保育士の資格を持ちながら保育士として働いていない人)の開拓ですね。それで、それから縁結びナビゲーター(鳥取県が開設した婚活サポートセンター「エンとりー」における支援ボランティア)、これは市町村のほうで婚姻に至った場合、それで、そのときの成功報酬として10万円まで県が半額補助しましょうという制度を創設しようということであります。それから[鳥取県]手話言語条例が[制定]10周年になりますので「とっとり手話フェス」というのを開催をして、この障がい者コミュニケーションの問題など、県民の皆様、あるいは全国と広く共有していきたいと思います。

 

 それから公共投資(公共事業)が204億円で、今、計上予定であります。まだ精査中であります。それで、この規模としては当初予算を含めますと536億円の規模になりまして、令和4年よりもかなり増えてきているということであります。それで、この中で5月18日の日に倉吉の市長さん、広田[一恭]市長がお見えになって、[倉吉市]関金[町]に抜ける道路[整備促進]についての要望がありました。また、同じ日に市町村長との行政懇談会におきまして、﨏田[淳一]町長、日野町長から日野郡を代表してとして江府道路の延長につきましての調査の依頼がございました。また、岩美の[長戸清]町長さんからは町道陸上中央線という、これはがけ崩れが起きまして、ジオパークの非常に景勝地にある道路なんですが、これが[令和48月以降]通行止めになっていると。それで長期化しかねないので、県のほうで代行事業をやってもらいたいというお話がありました。

 

 これら市町村の要望を踏まえて、それらの調査予算や初動経費を計上させていただきたいと思います。あと、米子[市]、境港[市]、日吉津[村]を結ぶ高速道路につきましても調査の予算を計上させていただこうというふうに考えております。


 それで、こういう中、これからやはり若い方々の感性で移住定住対策とか、子育て対策を推進していく必要があるんではないかと考えております。そういう意味で、県民の皆様に募集を開始して、それで「とっとり若者活躍局」というものを設置する。それでここでいろいろと政策提案をしていただいたり、それから鳥取ってこんなとこだよというような情報を発掘したり、それを発信していただく。また、様々ですね、出会い、子育て、移住等のそうした政策提言をしていただく、こういう「とっとり若者活躍局」というのをつくりたいと。これは県として正式に任命させていただきまして、そうした県民の皆さんと協働のパートナーでの、そうした事業展開を新しく始めてみたいと思います。

 それから県庁の中でもこれと対応する組織として若手職員のみで構成をする「とっとり未来創造タスクフォース」というのを、これを創設をさせていただいて、ある程度独立性を持ってこうしたものと呼応しながら子育て、移住等のこうした政策提言をしたり、それから県庁の中の働き方改革ですね、それで、これも実は先般も超過勤務の話が若干記事になったりしていますが、現状申し上げますと[新型]コロナ[対策]とか鳥インフルエンザ対策で膨らんだわけでございまして、それでそれも例えば広く薄くいろんな方々に手伝っていただくという動員を大量にかけたり、民間に発注したりして大分減らしているんですが、それでもやっぱり一定のものが出たと。

 ただ、正直に申し上げて、平成21年頃と比較をするとそれでも超勤の総時間は減少していますし、特に鳥インフルやコロナを除くと4割減っているわけであります。ただ、今回若干ちょっと戻り加減になっているところはやはり仕事のやり方など工夫はできるんではないかと思いますし、若い方々の目線で、それでそうした県庁改革を進めてワークライフバランスなども進めていく必要があるというふうに思っております。それで、こうしたものを我々三役[知事、副知事、統括監]レベルなどでもサポートしていこうということです。

 それで若者の皆さんの活躍を応援するいろんな事業を展開していこうと。例えば「とっとりクリエーターズビレッジ」、これは鳥取県版トキワ荘(かつて著名な漫画家が多く居住していたことで知られるアパート)であります。いわゆるクリエーターを鳥取に移住していただくと。そこで移住していただくような、そういうトキワ荘的な、そういうコンドミニアム(リビングやキッチンが備えられた宿泊施設)といいますか、そういう居住スペースをつくりまして、それを大手のそうしたクリエーターに関わる企業体と一緒になりまして、そうしたコンテンツビジネスというのを育てていこうと。そういうようなことをやってみてはどうかとか、あるいは幼稚園留学ですね、これが新しいブームになり始めるんじゃないかとかと思われます。現に数も増えています。例えば森のようちえん系統のところは結構こうした形で外から入ってくる、そういう親御さんがおられて、最終的には移住につながるケースもあります。

 それでこういうファミリーワーケーションを応援するような事業をやってみようとか、それから県外の若い方々と県内の高校生も含めた若者、これ現実には慶応大学の事業も協力をいただきまして、日南町でそうした交流事業、アイデアソンをやってみようと。例えばこういうようないろんな応援のプロジェクトを今回組ませていただいてはどうかと思っております。

 それから県庁の職員の養成ということも、私も今回の当選以来、[鳥取県政]記者クラブからもいろいろ御質問もいただくんですが、これも本気で取り組んでみたいと。これは予算がかかる話ではありませんが、私たちも、幹部職員も汗をかいてそれで若者養成塾、こういうことを県庁の職員対象に始めてみたいと考えております。


 それで、こういうようなことと関連をしまして、危機を突破してそれで輝くふるさと鳥取を実現するための組織改正をやろうと。その推進体制として従来のこの予算、財政のところと企画とを合体をして、推進力、機動力のある政策戦略本部というものを本県として立ち上げてみたいと思います。

 それと併せて、今の喫緊の課題となってきました人口減少問題、そういうものに立ち向かっていくための移住定住促進だとか、あるいは交流人口、観光だとか、さらには中山間地の問題ですね。それで、こうした優先的課題を集中的に取り組む、輝く鳥取創造本部のこの2頭立てで本部体制を構築して、部局の大幅な再編をしてみたいと思っています。先ほど申しましたとっとり「未来創造タスクフォース」という若者の組織につきましては、政策戦略本部の直轄事業として、私ども知事、副知事、統轄監でも直接関わらせていただく特殊な組織としていきたいと思っております。

 それから自然共生社会をつくっていくという意味で、生活環境部に自然共生社会局というのをつくって、新たにこのたび事業化しようとしております自然共生サイト、この推進はもとよりとして、ジオパークだとか、廃棄物などの循環型社会、下水道など、こういうものを取り扱わさせていただく部局をつくろうと。また、土木インフラを系統だって推進していくために道路局、河川港湾局というのを県土整備部内に設けて、体制の強化を図ろうと。このようなことなど、組織編成の改革を行っていきたいと思っております。


 それから、[新型]コロナなどの感染症の状況をちょっと御報告をさせていただきたいと思います。これが新規の陽性者数定点当たりということでありますが、本日発表予定のところは大体3[人]くらいであります。先週よりも、だから若干増えていると。その前の週も若干増えましたので、大体2週間前は[定点当たり患者数]2[人]を切っていましたから、先週が2.6かそこらだったと思います。それで3[人]。ですから、2週間連続で増加傾向でありますが、急激に増えているわけではないということですね。こんなような伸びの状況ではなくて、じわじわと鎌首をもたげているような感じ。

 

 それで、我々、いろんなこのデータモニタリングをしていますが、この一番右側にあります学校については、欠席者数が若干増加傾向という傾向がありますが、クラスターの発生件数だとか、相談件数などは比較的まだ落ち着いているほうであります。また、即応病床の使用率は一旦上がりましたけれども、連休明けにですね、これが今、若干落ち着きかけになっています。ですから、医療負荷が極度に高まっている状況ではないということですね。ですから、恐らく皆さんがかかりつけのお医者さんにかかりながら、コロナの対応をとっていただいていると、ただ、若干、数は上がり加減であると。他方で、中国でも週当たり6500万人というとんでもない感染拡大を示している国もあったりしますので、予断を許さない状況が続いているのかなと思っております。

 

 それで、こうした増加傾向をもたらしているのはこのオレンジですね、これはゲノム解析の結果なんですが、[新型コロナウイルスオミクロン株派生型]XBB.1.9.1が中心であります。これが急激に今、増えてきているわけですね。これは増えてきた分だけ、感染者数を押し上げているというようなことが考えられるのではないかと思っております。ですから、こういう組換え体と言われるようなものが中心になっていますが、ただ、その重症や中等症すらあまり増えていない状況でありまして、そういう意味ではまだコントロールの範囲内にあると御理解いただきたいと思います。

 

 ただ、併せて、いわゆるはしか、麻しんが全国でじわじわ広がっているということが言われていますので御注意いただきたいと思います。それで、これ必ずしもマスクが有効とは限りません。麻しんの場合は、空気感染というふうにも表現されます。したがいまして、ワクチン接種がまだの方は特に御注意をいただいて、接種をしていただくことも効果的であります。お子様はもとよりでありますが、実は、30代、40代、50代ぐらい、こちらのほうが、特に40代、50代ぐらいですかね、ワクチンという意味では少し手薄な年代になります。

 

 それで、それよりも上の年代になってきますと、段々、本当にはしかをやっているという世代になってきますので、別の意味での免疫がある世代もありますが、そういうちょっと中堅どころのところも含めて、このワクチンについてはぜひ考えていただければと思います。そのほか、感染性胃腸炎が過去5年と比較しますと高いレベルになっていますし、インフルエンザも集団感染が散発しています。ただ、他県では400500人レベルでの大きな集団感染も起きているので御注意をいただく必要があるということです。


 それから、このたび、長年ちょっと長いこといろいろと検討を進めていただいていましたが、菅公学生服[菅公学生服株式会社]さんという学生服大手の会社ですね、それで、米子[市]に工場があります。[米子南]インター[チェンジ]降りたところからちょっと行ったところですね、[国道]9号線に向かうところ。そのお隣の敷地に新しい工場を造る、50名規模の雇用ということで20億円台、23億円程度を今、見込んでおられる、これ、新年度に竣工する予定で整備を進めようというふうに今、おっしゃっていただいています。これ、ぜひ我々も新しく今度できる補助金も含めて応援をしていければと考えております。

 この事業につながりましたもともとこの米子の工場、ここではカッターシャツとか、トレーニングウェアみたいなことを中心に製造されているところでありました。ただ、今、いわゆるユニセックス(男女の区別がないこと)化の制服が出てきているわけですね。それで、これ、ブレザーとスラックス、こういうものの生産の需要というものが今後見込まれるということがございまして、そういうものを今まで九州で作っていたわけでありますが、それをこちらの新しい工場で増産していこうと、こういう企業戦略だと伺っているところであります。今の時代の流れの中で制服の形が変わってくる中で、この米子の新工場が今、計画をされているということです。


  それから、本日、急きょでありますけれども、EGLツアーズという香港の送客大手の会社の社長さんとお話をさせていただくことになりましたけれども、香港航空を使ったインバウンドチャーター(訪日外国人の不定期便)が決まりました。7月の18日~8月の20日まで15往復します。それで、この前後のところも実は関空にもともとツアーを乗り入れておられるのがEGLツアーズという会社でございまして、それで、この関空から入って米子から帰ると、あるいは米子から入って関空から帰るということも含めて間断なくこの15往復を使ったツアーを組まれることになります。機材は174人乗りのA320-200でございます。それで、これを何とか成功させて、我々としては香港航空の定期便に結び付けられればなという願いを持っています。まだ、これは正直、交渉中ですぐにはできないとおっしゃっておられます。ただ、こうした実績を積むことが重要でありまして、そういう意味で香港も含めていろいろとこの誘客イベントを6月以降、展開をしていきたいと考えております。

 それから、これから出水期(しゅっすいき:川が増水しやすい時期)になってきます。現在、台風2号が日本の南海上を西進しているところでございます。この後、猛烈な台風に発達するというふうに言われていますが、来週、今月末の辺りになりますと北東方面のほうにコースを変える可能性が想定され始めております。そうなりますと、日本に接近する可能性が今、ないわけではなくて、注意が必要、警戒が必要な状態です。それで、いよいよ台風が襲来する季節がやってきたということであります。その水害に備えまして河川整備を進めてきておりまして、いわゆる大路川の界隈ですね、そこについては市とも協力をしながら県のほうで整備を進め、これがこのたび完了することになりました。これによって30分の1の確立の対策まで向上させることができております。

 

 例えば、西大路の排水機場につきましては4.7立方メートルまで能力をアップして、倍ぐらいにこう増やしているというようなことであります。それから、水位情報系、水位情報についてカメラとか水位計ですね、これについてはほぼ終わりつつあるところでありますが、これも増設を4年度にも若干させていただいて、それから、排水ポンプ、それから、ダムの事前放流、そうしたことを今、進めているところです。

 

 それから、この樹木伐採や稼動掘削、これについては昨年よりも65箇所増やしておりまして、これも今、進捗を図っているところですし、それから、この6月[補正]予算で今、入れさせていただこうとしておりますのが、この河川版DX、この樋門(ひもん:堤内地側に逆流しないように設ける施設)を自動操作をするということです。東日本大震災のときなども結構こういうことが話題になりました。それで、これで迅速に水害対策に取りかかることができるということでありまして、こうしたものも6月の補正予算を計上して、今年度着手してまいりたいと考えております。それから水害リスク情報を提供するために洪水予測システム、これも6月補正[予算]で入れさせていただこうと。それから自らこういうような例えば水位の情報などの、これをポータルサイトで見ていただいて、住民の皆さんが自分で自主的に判断を決めやすいように、そういう防災情報ポータルサイト、これも、この補正予算で計上させていただいて、今年度中に、その完成を目指したいと思っております。

 

 このような形で出水期に備えながら、雪も含めて事前伐採等、そうした倒木を進めてまいりたいと思います。それで、これについては、先般、連絡会を開催させていただいて、その後、今、調整していますが、具体的には今、40か所ぐらい、どうも候補があるのかなと。それで、そのうちの20か所ぐらい、佐治町などで、この事前伐採を今年度やっていこうというふうに計画を今、具体化しつつあります。また、さきの雪害などで倒木したところで鳥取市の用瀬の赤波など、そうしたところでの樹木の撤去などもやって、これ水害を起したりする可能性がありますので、この辺も急いでやりたいと。この辺、今、6月補正[予算]の中に経費の計上を図っております。

 それから、時事通信さんのほうで、このたび公表されたわけでありますが、愛知、東京の次に鳥取という順位でDX、デジタルトランスフォーメーション(デジタル技術を社会に浸透させて人々の生活をより良いものへと変革すること)の自治体ランキングが出ました。いろいろと私どもも地道に例えば、行政手続、電子申請であるだとか、あるいはAIを導入してのOCR(画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換する光学文字認識機能のこと)で人間ドックの調査票を読み込むとかいろんなこと今、やっていまして、そういうことが評価をされて3位というふうに位置づけていただきました。

 これで終わりではございませんで、今回予算の中でバーチャルとっとりというのを、これ移住定住対策で考えてはどうかなと。それで、若い層を中心として、こういうメタバースに御興味を持っていただいている方々がいらっしゃいます。こういうところで、交流できるようなスペースをつくると。それで、そこで就職につなげたり、それから先週申し上げましたが、こういうところで婚活ということも、この共有スペースを活用してやっていけないだろうか、こういうことを今、検討しているところであります。

 

 明日はいよいよ近畿ブロックの知事会議が久しぶりに鳥取に帰ってくることになりました。それで、G7サミットを継承したり、あるいは大阪万博で連携していきましょうと、そういう鳥取白うさぎ宣言というものを出せないか。今、いらっしゃる府県に今、協議をさせていただいているところであります。それで白うさぎ年でありますので、白兎神社にも行っていただいて、それで、大阪万博の成功をみんなで祈願しようとか。それから、鳥取砂丘コナン空港も見ていただこうなど考えております。それで、鳥取県のほうからは中山間地の問題、買物とかそれから投票率低下など、そうした対策、この辺を国に働きかけたり、問題意識共有していきましょうということで、提言をさせていただこうかなと考えているところでございます。

 

 今回のこの会議はこのたびの統一選[統一地方選挙2023]で当選された知事さんたちもそろってお見えになるというのが、今の情報でありまして、変更がなければ例えば奈良[県]の山下[真]知事だとか、それから徳島[県]の後藤田[正純]知事だとか、新しいフレッシュな知事の皆さんも顔を合わせることになるのではないかと思います。ほぼ、全ての知事がそろうという形になりそうです。

 それから、4年ぶりにやはりこちらのほうも、皆生・大山SEA TO SUMMITが開催をされます。[5月]2728[日]でビールフェスタも含めてやるということになります。


 それから鳥取砂丘のところで、今、こういう造成を進めているというお話を予算も含めて、これまで記者さんにも御説明してまいりました。いよいよこれが6月末には工事が終わってきます。それで7月には鳥大[鳥取大学]と協定を結んだりして、オープンさせていただき、建設技術の実証フィールド、こちらのほうにつきましては、8月から担い手育成研修にかかれる段取りとなってきました。

 

 また、この機会に、この月面のフィールドについては、愛称を募集したいと思ってます。それで、これ6月の11日まで愛称募集しますので、ぜひ全国の皆さん、夢のある、月面のような鳥取砂丘に名前をいただければというふうに考えております。既に大手のメーカーさんなど、利用の申込みをいただいているところであります。それから健康・安心の関係でありますけれども、更年期障がいの関係で2,200万[円]、6月補正[予算]に計上させていただこうと考えております。それで予算が成立すれば、鳥大を県の拠点病院として、[鳥取県立]中央病院、厚生病院、また山陰労災[病院]、これを地域の拠点病院とした医療体制、これをスタートさせていただき、相談窓口もこうしたところにセットをさせていただきたいと思っております。

 

 それから鳥取県版のフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)予防、これにつきましても1,200万円計上させていただきたいと思っております。それで、医師会長トップとして、こういうフレイルに対して医療関係者も含めて知見の共有を図っていただいたり、対策をこうやっていけばいいんじゃないかという研究なども進めていただく、そうした意味で協議会を、現場の市町村も含めて結成をさせていただければというふうに考えております。それで、専門家によります県内のお医者さんに対する認知症についての研修会をやったり、それから市町村のほうで、これ既に鳥取県版の認知症の予防プログラムっていうのをつくったりしているのですが、それで、そういうものも啓発していただく、PRしていただく、普及していただく、そうした予算など計上させていただき、こういう最近話題になってきました更年期障がいやフレイル対策、これも当初、この肉づけ[補正]予算で強化をさせていただこうと考えております。


 いよいよ食パラダイス鳥取の本格的なシーズンということでございまして、この5月の31日から夏のイワガキが、漁が解禁になります。8月いっぱいまでであります。それで、6月1日から初出荷ということであります。夏輝などのブランドもいろいろと評価は高まってきているところでありますが、ここのところ実はその漁獲減がちょっと問題になっていまして、それで、そのイワガキ礁を新たにこう再整備をする事業を進めていたところでありまして、昨年はまた漁獲が持ち直してきているところであります。今シーズンどうなるかということでありますが、6月補正[予算]の中でその漁礁の整備事業、手入れの事業なども計上させていただきながら、こうしたイワガキ漁を応援していこうと考えております。

 また、スイカにつきましては昨日査定会があって12.4度という昨年を若干上回る糖度でありました。それで、非常にいい作柄でありまして、これからぜひ京阪神や首都圏、全国の皆様にお勧めをしてまいりたいと思います。イワガキも[鳥取]県の季節の魚として認定をされたところであり、鳥取の味でもございますし、また、スイカも最高単価を昨シーズン記録したところでありまして、ぜひ多くの県民の皆様、全国の皆様にこうした鳥取を満喫していただければというふうに考えております。私のほうからは以上です。


○朝日新聞 大久保直樹 記者

 

 はい、それでは各社さん、社名とお名前名乗った上で御質問のほうよろしくお願いします。

 

 

○テレビ朝日 後藤龍彦 記者

 

 知事お疲れさまです。マイナンバーカードひもづけのトラブルを冒頭でお話していただきましたが、国会でも論戦あると思います。昨日、厚労省が全ての保険組合などに点検を求める事態となっていて、マイナンバーカードの新規登録や保険証利用を促進する中で、鳥取県もだと思いますが、自治体としての手続の負担があったかと推測しますが、今、このような状態になったことで先ほど知事はチェックできる仕組みづくりが必要だというふうにおっしゃられましたが、改めて国や中央省庁へどういった要望されるか、お聞かせ願えると。

 

 

●知事

 

 これについては、今、言わば社会問題化し始めたところで、十分また仲間とも議論をしていかなければなりませんが、少なくとも鳥取県単独としてでも、やはりこのマイナンバーカードの信認を下げるような、そうした事態はいち早く解消していただきたいと思います。せっかく国民皆さんマイナンバーという状態に近づいてきたわけでございますけれども、ただ、それが割とその後の使う段になって間違いがかなりの数で出てきているっていうのは見逃せないことだと思っています。

 

 それで、多分問題の核心はそれぞれに分散してしまってるんですね、責任が。それで、結局ひもづける人たちはひもづける人たちの仕事を自分たちのペースでやっているということだと思うんです。ただ、マイナンバーカードはセキュリティでは非常に高いシステムでありまして、それで、ここは大丈夫なんですけど、マイナンバーカード自体は。ただ、マイナンバーカードを活用するために、じゃあ、健康保険[証]と結びつけるだとかそうしたところで実は入力が間違ったとか、そういうことが続発しているというのが現状でありまして、このひもづける先のところのコントロールチェックとか、あるいは認証とか、何らかの体制強化というものをやはり図っていただく必要があるんではないかなという問題意識を持っております。それで、これは地方[公共]団体のほうはどちらかというとこのマイナンバーカードを住民の皆さんにお勧めしてきたところでありまして、こういう不測の事態につながって、非常に困惑しているというところであります。結局それぞれの役所なり、あるいは担当した会社などがもっとレベルの高い処理をきちんとやっていただけるような、そういうシステムになってないんだと思うんです。単に普通の発注してつくってもらうという、ただそこにセキュリティレベルだとかの担保が十分取れているのかということですね。

 

 それで、もちろんメーカーさんのほうではこれほど急速に普及するとは思わなかったので、例えばデータの上書きが起こる事態などは想定外だったということをおっしゃりたいんだろうとは思うんですが、ただ、我々それを住民にお勧めして活用していただこうという立場からすればそういうことがないようなシステムにもともとしといてもらわないと困りますがなということであります。ですから、その辺の認証の仕方とか、チェックの仕方というものが実は今、肝心なところでそこが抜け落ちてるんではないかなという、そういう心配をしております。ですから、政府を挙げてマイナンバーカードは安心ですよと、その環境づくりを制度面も含めて再点検していただきたいと思います。

○共同通信 古結健太郎 記者

 

 共同通信社の古結と申します。よろしくお願いいたします。最後から2枚目のスライドのところで、明日、開かれる知事会議、知事ブロック会議についてなんですけれども、2つ目のポツでG7サミットの成果の継承やとありますが、知事はそのG7サミットの成果の継承、その成果というのはどこが上げられるとお考えでしょうか。

 

 

●知事

 

 これはいろいろとちょっとみんなで話し合ってということでありますが、G7[広島]サミット[2023]も終わって世界がまだやっぱりいろいろと経済、例えばデジタルの問題も話し合われたり、食料の問題が話し合われたり、いろいろしました。ただ、困難がいろいろまだあるということは首脳の中で共通事項として確認をされたと思うんですね。そういうものを突破していく必要があるというのがやはりこのG7サミットを受けて我々が考えていくべきことだろうというふうに思っております。それで、私自身は、G7サミットは日本外交史の中で大きな歴史を刻んだんではないかというふうに思っております。それはゼレンスキー[ウクライナ]大統領が来日をされるという、そういう事実もあったこともありますけれども、やはり日本政府もかなり周到にG7の首脳国はもとよりとして、グローバルサウスの国も含めてコンセンサスを形づくるべく努力をされたんだと思います。

 

 それで、そこに湯﨑[英彦広島県]知事も活躍をされましたが、広島という世界中が見なければいけない平和を願うスポット、ここを共通体験として首脳が持たれた意味というのは、私は大きいなというふうに思っております。やはり原子爆弾を投下をした後の結果というものを各首脳が見て、私自身も何度か行きましたけれども、言葉を失うような、そういう状況に身を置くわけでありますね。それで、この共通体験をされたからだと思いますが、その後、首脳が花を手向ける、そのシーンでも非常に神妙な表情を浮かべておられました。だから、こういう共通体験を世界の首脳が持ったことっていうのは、私はこれからの地球社会の中で大きな意味を持ってほしいと願っておりますし、そうなるのではないかと期待をいたしております。

 

 ゼレンスキー大統領もおっしゃっておられましたが、影ということをおっしゃっていました。私もこれは若い頃に行ったときに同じように感じたんですけども、原爆が投下されてそこに人の影が、結局壁に映るわけですよね。それで、それほどの破壊力、そして殺傷力というものは持っていたということに、当時まだ高校生だったですかね、自分も戦慄を覚えたものであります。それで、くしくもゼレンスキー大統領が影という言葉を用いられて、恐らくあの展示のことをおっしゃっているんだなと思いながら聞いておりました。そして大統領はこの広島の原爆投下後と今のウクライナと一緒だというふうに言葉を選びながら話をされておられたわけでありまして、やはりそうしたことから本当の平和への歩み、和平に向けた道のりというのが始まるように願っているところであります。

 

 ただ、残念ながら、G7が開かれたので、これで事態が解決するかというと、逆に遠心力が働いた幾つかの国々もいまして、それで、これからの1年あるいは2年という、これからの時期というのは非常に難しい時代を今、我々は歩み始めているんじゃないかというふうにも思っているところであります。いずれにいたしましても、そうした様々な思いの交錯があった上で、G7として取りまとめを行われたことは日本の外交史として大きな一歩であったと思っておりますし、世界にとっても意義のある会議であったというふうに評価をしております。

○中国新聞 小畑浩 記者

 

 すみません。中国新聞小畑と申します。G7の所感に関連してお伺いいたします。知事からはこのG7の意義についてお話がありました。一方で、被爆者の方などから多く出てる意見は、ひろしまビジョンというものを取りまとめたにもかかわらず、核兵器の非人道性に触れていないであるとか、核兵器禁止条約にも触れていない、そしてむしろ核兵器の抑止機能を強調するかのようなビジョンであったということで、被爆地を踏みにじったという厳しい意見も出ています。その辺り知事の受け止めはどうでしょうか。

 

 

●知事

 

 私自身も核兵器廃絶に向けて個人として署名をした者でありますから、思いはその被爆者の皆様と共通するところは当然あります。ただ、その上で先ほども申しましたが、ただ、原爆の悲惨さというものは相当程度頭に刻んで首脳が帰られたんではないか。それで実際に説明された被爆者の方も分かってもらえたんじゃないかという感想をおっしゃっておられるように私は無駄な会議ではなかったと思っております。むしろ、恐らく各国の話合いの中で広島の宣言がまとめられたんだと思うんですが、現実可能なところを模索をして、現時点、for the time being、現段階での合意としての声明だったと理解をしておりまして、これがさらに進化してほしいと思います。

 

 現にバイデン[アメリカ合衆国]大統領も[広島平和記念]資料館の署名の中で、これから核兵器をなくしていく、そうした方向性についての思いも書かれているわけであります。ですから、広島の宣言だけが全てではないというふうに思っておりますので、私はもちろん十分だとは思いませんけれども、ただその期待感というものもむしろ同じように持っているものであります。


○共同通信 古結健太郎 記者

 

共同通信の古結です。ちょっと先ほどの質問させていただいた内容について、明日の近畿ブロック知事会議で継承されるGサミットの成果というのはどの部分のことなのかというのがいまいち分からない、もう一度御説明お願いします。

 

 

 

●知事

 

 これについては明日[525日]ちょっと話し合って決めていくことになりますので、詳細はまた[鳥取白うさぎ]宣言を見ていただく、事前に私のほうでこういうふうにまとまりますというのは、正直持ち合わせるものでもございません。ただ、こうしたスタンスで議論していこうということは関係府県で共有していますので、そうした趣旨での取りまとめになると思っております。


○朝日新聞 大久保直樹 記者

 

 朝日新聞の大久保です。知事、少子化対策、総理の増税は考えていないと。それで歳出改革進めていくという、この辺りのお話なんですけれども、変わって社会保険料を引き上げていく、そういう調整していくというお話もある中で、増税をしなければ社会保険料の負担が上がる、というのは結局国民負担というのは何ら変わらず、ちょっとこう次元の異なる少子化対策というのは何か見えないというか、正直、国のおためごかしのような印象もあるんですが、この財源確保という辺りは、知事はどのように所感で見ていらっしゃいますか。

 

 

●知事

 

 先ほど申しましたけど、こないだも私自身[第4回こども未来戦略]会議に出席していましたから、各委員が例えば十倉[雅利]さん、「一般社団法人日本」経済[団体]連[合会]の会長さんだとか、あるいは芳野[友子]さん、[日本労働組合総]連合[会]の会長さんだとか、また遠藤[久夫]先生(学習院大学経済学部教授)をはじめとした学者の先生方や、お母さん、実際子育てをしてるお母さんとかですね、いろんな方々の御意見が出ていまして、それでそういうところでやはり一定の増税とかも、みんなで負担を分かち合うということは考えなきゃいけないのかなということを皆言いながらも、ただ、果たして給料を上げられる状況になるかなと。それでむしろそっちのほうが少子化対策というか、親世代には大切かもしれないなとか、いろんな議論が交錯したんですね。

 

 それを最後で締めくくるところで、[岸田文雄内閣]総理[大臣]がこの4項目を発言をされたわけでありまして、先ほどちょっと肩透かしと申しましたが、ちょっとみんなが予想していた展開とはちょっと違った方向でのお話がありまして、私自身もまだあんまり整理がつきません。それで恐らく、次回以降ですね、政府のほうでこういう方向で現段階取りまとめましょうというのが出てくるんだと思いますが、それに注目していきたいというのが現状であります。

 

 世情、今、いろいろと報道されているのも拝見をさせていただいてますが、私も一委員として、どこまでが本当でどこまでが違うのかっていうのはちょっと見極めもつけにくいところでありますので、委員の1人としては、今後の政府が提示する方針の案というものを、次回示すと言っていますので、それに注目していきたいというのが現状です。


NHK 大本亮 記者

 

 NHKの大本です。インバウンドのところについての質問です。今朝の朝刊、新聞報道でも都市部と地方の旅行の観光客の差が出てき始めているっていうような記事もありました。それで、やはり地方がこれから観光客を増やしていくには、インバウンドっていうのは欠かせないところだと思うんですけれども、知事も先ほど、香港を含め誘客イベントを6月以降展開していきたいとおっしゃいましたが、このインバウンドの鳥取県における重要性と、誘客イベント具体的なものございましたら教えていただきたいと思います。

 

 

●知事

 

 やはり今[新型]コロナで正直、観光地あるいは観光に関連する飲食や、あるいは運送関係者、非常に苦境にあったわけであります。それで、それは5月8日以降[感染法上の分類]5類化されるという時代の流れの中で、かなりお客さんの戻りつつあるというふうに思いますし、この点は関係者も手応えを感じています。しかし、皆さん一様に言うのは、インバウンド観光の分がまだすっぽり抜けていてですね、それで、このインバウンド観光を取り戻すために、できれば定期便の復活などをやっていければという御意見は相次いでいただいているところでありまして、やはり、1つ1つ今、取り戻しつつある国内旅客、それから次にインバウンド、これも関[西国際]空[港]だとか遠くから経由してやってくる人たち、それから地元の空港に降りてやってくる人たち。それで、段階的にやっぱりそこを取り戻していかなければいけないし、それで正直、ポテンシャルもあると思っております。

 

 現実に今、旅館関係者は香港[からのインバウンド]とか戻ってき始めていると言っています。それで、それはなぜかって言うと、やはり個人客を中心に関空だとか東京のほうにやって来た後、こちらに来られるっていうお客さんが確かに出始めています。ただ、ロットはやはりこうした直接フライトでやって来て、ここから起点にして動かれる方々とはだいぶ違いのあるところであります。それで、インバウンドチャーターの場合どうしてもツアーですから、現実にどこ行くかっていうと、例えば[鳥取]砂丘だとか、それから[とっとり]花回廊だとか、水木しげるロードだとかそうしたところなどを回られるというふうに今お伺いしていまして、それで、そういう意味でお宿だとか動きは限られるんですけど、定期便とか、割と自由度の高いコースが設定されますと、個人客も相当程度見込まれるようになってきて、満遍なくいろんなコースに出られるというふうになってくるわけですね。

 

 ですから、その辺をやはり我々としては取り戻していきたい。これは現地の、現場の願いでもあります。それで、望みがないわけではなくて、例えば我々もこのコロナの間、海外でも誘客活動をしておりました。現実に人が動かなくともイメージ戦略はできてきていて、例えば中国でもインターネットサイトでの日本の検索の中で鳥取というのが検索数が3番目だったとか、ちょっと想定外に今、伸びてきているところであります。それで、こういうように、やはり鳥取のいいところっていうのは、このコロナを経験した世界が求めているところにも重なるのかなというふうにも思うわけですね。それで、やっぱり価値観の転換の中で、移住定住だとか、観光だとか含めて変わってくるチャンスはやってきてるんではないかなというふうに思うわけであります。そういうような意味で、これから来月に入りまして、例えば香港で観光フェア、そういうことを鳥取県としてもやっていけないだろうか、この辺を今、移住ツアーズという、旅行会社とも相談をしながら効果的なプロモーションを今、話合いを始めております。それで、そうした具体的な香港でのイベントも含めて今後展開をこの夏に向けて強めていければと考えております。

NHK 大本亮 記者

 

 追加で。知事も政策戦略会議でもおっしゃっていたと思うんですが、さらなる、ほかの、例えば既に言われていますけど、韓国ですとか、台湾のさらなるチャーターの追加ですとか、上海なんか、この辺りのほかの国々ですとか、そういった地域への可能性というのはいかがでしょうか。

 

 

●知事

 

 現在[米子]ソウル便につきましてはチャーターフライトを実現し、そして今後、定期便に向けてかじを切れないか、これをエアソウル社にも交渉しているところであります。また、そういう粘り強い交渉をしております。[米子]上海便につきましては中国のそういう観光政策や出入国政策もありまして、今あまり大きな展開は迎えられそうにはないと思っておりますが、これも引き続き働きかけをやっていきたいと思っております。それで、それ以外にも東南アジアとかそれから関西、大阪の万博をにらんで、欧米系だとか、いろいろと展開を今後図っていくべきタイミングがやってくると思っていまして、ウイングは広げながらと思っています。香港はそういう意味で、今回まずは先鞭をつけることができましたので、この後、定着させて定期便復活へと結びつけられるように、今後も図っていきたいと思うんですが、、実は香港に来られるお客さんが激減しているという別のちょっと問題が香港側はありまして、香港政府は今、躍起になってるという状態です。

 

 ですから、必ずしもいいことばかりでもない環境にありますが、まずはソウル便が一番今、見え始めているところかなと思っておりまして、ここに今、かなり精力を注入して交渉も進めているという段階であります。

○山陰中央新報 岸本久瑠人 記者

 

 山陰中央新報の岸本です。インバウンドに関連してなんですけども、米子台湾便もチャーター便でこの春動いたと思うんですが、それの感触と定期便に向けた現在の協議状況を教えてください。

 

 

●知事

 

 [米子]台湾[チャーター]便については一応の成果があったと思っています。ただ、台湾から一斉に飛行機が飛んで動き始めたということがあり、機材の調達だとか、それからお客様のほうでも、より好みの状況があったりしまして、一定程度の成果を収めましたが、爆発的な成果とまでは評価できない状況かなと思っています。ただ、台湾は重点的な戦略地域だと思っていまして、島根県さんも同じようにお考えであると思います。中国地方としてもそうした意味で台湾戦略っていうのを共同でもやっていけないか、今、話合いをしているところであります。

 

 

○山陰中央新報 岸本久瑠人 記者

 

 定期便に向けた協議状況というのは、台湾の会社とは何か進捗状況はありますでしょうか。

 

 

●知事

 

 これについても複数社にもちろん協議をしておりますし、それからチャーターフライトもその前段階として調整を図っておりますが、いずれ年度内にチャーター便はまた可能かなというところの筋はありますけども、ただ、定期便までっていうことになりますと、まだ交渉がそこまで熟度が達していないような感はあります。ただ、これは、やはり我々としては目標をきちんと持って複数の社に今、働きかけを続けているところであります。

○山陰放送 日野彰紀 記者

 

 BSSの日野です。知事も参加されました三朝の御幸であるとか、あるいはこの間の鳥取の聖さんとかですね、取材に行ったんですけれども、どこの地区も抱えていらっしゃる悩みは若い人の担い手がどうも少ないんだという話でありました。今、コロナが終わって、久々にそういった鳥取県の宝とも言える行事ができたことにその喜びはあるんですけれども、これはやっぱり引き継いでいかなきゃいけないということを考えたときに、例えば地元だけではなくて、その関係人口といいましょうか、地区外の人であるとか、あるいは県外からやってきてくださった人たちにも門戸を広げてそうした鳥取県の宝を守っていく、このようなお考えはございませんでしょうか。

 

 

●知事

 

 それは有効な手段だと思います。このたびは聖神社の久しぶりの例大祭でありまして、[鳥取]市内各地で子どもたちの歓声も上がりましたし、また御家族連れでのお姿も目立ったところであります。ただ、実際の若い方々の人口は減ってきているということはやはり色濃く出ているのだろうと思います。それで、そういう意味で今、御幸行列のお話がありました。それで三朝町はさらにそういう意味ではある意味少子高齢化がさらに進んでいる状況でありますけども、実際に例えば御幸行列で力を発揮していただいたのは岡山大学とか、鳥取大学、そういう町外の大学生の方がやはり三朝のファンになっていただいたりしてやって来られましたし、特に外国人の姿が目立ったところであります。それで、お祭りというのも地域限定の行事ではだんだんなくなりつつあるのではないかなと思っております。

 

 それで私自身も実はこの季節ちょっといろいろと思いがあるんですが、神田の生まれっていうことがありましてね、東京の。神田祭っていうのは天下三大祭りとも言われて皆さんプライドなんですけども、やっぱり担ぎ手がいないんですよね。それで私も、だから若い頃は必ず毎回こう引っ張り出されましたし、それで周りを見ると知らない人がいっぱいいるんですね。みんな借り物競走でやっています。それで、そこに御祝儀とお弁当を出して集めて、それで初めて神輿が成り立ってると。それで最近はこれがまたさらにさま変わりをして観光客が担ぐそういうようになってきているんですね。

 

 それで三朝の御幸もそうだったですけども、そうした外国人の方も肩が痛いと言いながら喜々としてやっておられるわけでありまして、この辺に新しいお祭りの姿があるのかもしれないなと、伝統行事とはいえども世代やあるいは地域を越えて担い手を探していくっていうことのそういうステージに入ったのかもしれません。この辺は今後ですね、よく関係者ともすり合わせをさせていただいて、例えば観光での参加のプロモーションだとかいうことなどを、そうした新しいニューツーリズムとして我々のほうでもやっていける可能性もあるかもしれませんので、今後よく協議をしてみたいと思います。

○日本海新聞 松本妙子 記者

 

 日本海新聞の松本です。先日、2年後に開館になる県立美術館の館長予定者として尾﨑振興監ということが発表されました。教育長は欠かせない人という表現をされたんですけれども、知事が思われる尾﨑さんの人柄とかどんな館長としてのお働きを期待されるかっていうところを教えてください。

 

 

●知事

 

 尾﨑[信一郎]さんは実は私もいろんな美術館などを県外にもやっぱり美術館問題もあって視察をさせていただいたり、それからそういう関係者と出会ったりするんですが、実はキュレーター(学芸員)の世界の有名人でいらっしゃいます。ですから、あっちこっちで尾﨑さんの名前が出てくるタイプの方、それはやはり国立のそうした美術館でも仕事をされたり、どちらかというと鳥取以外のフィールドで仲間をつくったり、言わば注目を集める存在であったわけでありまして、尾﨑さんがおられるのでいろいろと美術館や博物館を連携した諸行事なんかも企画をしたり、運営したりということもできたと思います。

 

 それで、そういう意味で私も非常に信頼をしていますし、ぜひ館長としてこれから新しいスタートを切る県立美術館、それを真に県民の大切な財産として、そして美術やあるいはそうした文化アートに触れる貴重な空間として、仕上げを今からやっていただいて、それで、オープニング以降、[年間]20万人以上のにぎわいのあるようなそういう美術館として導いていただきたいというふうに思います。先般[5月23日]、記者会見をされて、お話されていることには私も共感しますし、知事部局の側ではありますけども、しっかりと館長をお支えしていきたいというふうに思います。ただ、インタビューの記事の起こし方かもしれませんが、漫画については若干消極に見えた、読ませていただいたところでありまして、これについては、一度ちゃんと議論しなきゃいけないというふうに思っております。まんが王国の執事として平井[伸治鳥取県知事]にも1つの責務がありますので、ブリロの箱だけがアートではないと、ほかにもいろんなアートの解釈はあるわけでありまして、ブリロの箱も彼もよくおっしゃいますが、要は美術が何かと考える、そういうきっかけになるという意味で従来のただ、美しいだけの美術とは違うものだということだと思いますが、ポップアートのその延長としてやっぱり漫画というのも将来見越して見れば、鳥取県にはそうしたものも美術館で扱ってもいい素材ではないかというふうに思っております。その辺はちょっとインタビューの記事を読んで若干議論が必要かなと思ったところであります。

○共同通信 古結健太郎 記者

 

 共同通信の古結です。何度もすみません。知事の御発言の中、最初にもありましたし、質疑の中でも最初に出ましたマイナンバーカードについてなんですけれども、住民に進めてきた側として非常に困惑しているという御発言ありましたが、今後、鳥取県知事として、もしくは全国知事会の会長として、国に何か直接申し入れをする、要請をするなどの考えはありますでしょうか。

 

 

●知事

 

 先ほど申しましたが、仲間のいろんな知事や市町村長と、今後も話をしていかないといけないことではありますが、少なくとも鳥取県単独としてやはり責任あるマイナンバーカードにひもづける情報の管理、認証だとかチェック、そうしたものを政府として早急にシステムを確立してもらいたいと思っております。この辺は訴えかけといいますか、意見を申しておく必要があるだろうと思っております。それで、私自身も知事会長ということもあるんでしょうが、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)という、そのマイナンバーカードの団体にも関わることになりましたので、この5月からですね。そういう意味で、その団体の中でもやはりそうしたことを私自身も声を上げていきたいと思っております。

〇山陰中央テレビ 作野俊介 記者

 

 山陰中央テレビの作野と申します。よろしくお願いします。小児医療費の完全無償化についてなんですけども、鳥取県が全国に先駆けてやることについて、改めて意義といいますか、その辺をちょっと教えていただきたいのと、あと、これが全国的に広がっていくのか、その辺についてはどのようにお思いでしょうか。

 

 

●知事

 

 これについては、実は、もともと全国リードしていました。それで、現場でいろいろと市町村長と意見合わせしないといけないんですね、これは市町村事業ですから、本来。それで、そういう意味で県としても応分の負担をするからやりましょうと。それで、私が就任する前から大分引き上げてきたわけです。まずは、入学までだとか、さらに高校までだとか、高校卒業まで。それで、高校卒業までというところは、福島[県]と並んでうちが一番範囲が広がったわけです。ただ、その際に、まだこの一部負担というのは一種の我々としての1つの享受として、ここは残してきたところなんですけども、ただ、最近の全国の傾向を見ていますと、やはりこういう一部負担も保護者の皆さんなど負担感を感じるという声も高まってきていて、そこに対応する自治体も県内で日野町がそういう試験導入を完全無償化行われたり、時代が今、変わってきたわけですね。

 

 そういう意味で、かねても全国を先導してきた鳥取県として、やはり単に優先する投資対象としての子育て政策であるのではないか。それで、その意味で各市町村にも納得していただいて一緒にやろうということで働きかけをしてきたわけであります。そういう意味で、全国のリードをしながら、この子育て政策というのを、真に子育て世代の皆さんに寄り添った政策になるように歩み続けてまいりたいと思います。その1つとして、こういう完全無償化に市町村から同意をいただいたことには感謝申し上げたいと思いますし、県もその責任を果たしていければと思っております。

 

 こういうようなことは、私どもは、結局、ほかの予算を節約しながらやっているわけでありまして、冒頭申し上げましたように、いろいろとそれぞれの地域に応じた子育て政策というのがあると思います。そういうことができる財政的な環境、あるいは人的な環境をぜひ政府としてもこのたびのこども未来戦略を遂行する中で、政府も保障していただきたいというように考えております。それで、でき得れば、こうしたことをそれぞれの地域の手の届く範囲でそれぞれ考えられるんだと思いますが、そういうことをいろいろとやっていく中で、子育て世代の皆さんのマインドが変わってやっぱり人生の目標としてお子さんを設けてみようと、そのお子さんに大きくなってもらって、お子さんの幸せな時代というのを社会全体でつくっていこうと、こういうように変わっていくきっかけにこうした事業がなればというふうにはなっております。

○日本海新聞 福谷二月 記者

 

 日本海新聞の福谷です。鳥取若者活躍推進などについて伺いたいと思います。先般の定例会見からたびたびいろいろと話が出てきておりまして、知事の気の入れ合いの発露なのかなというふうに受け取っているのですが、改めたこういったいといろいろな組織改正を行って若者の活躍推進に取り組むその狙いと期待、併せて次のページにありました組織編制への話もありましたが、今後の4年に向けたその県庁の組織編制改正っていうのはこれでおおむね地ならしが終わったというようなことになるんでしょか。この2点お願いします。

 

 

●知事

 

 やはり若い方々がこれからの時代をつくるわけですね。それ特に子育ての問題というのは若い世代の当事者です。それから本県の移住定住、実際には来られる方は2030代が中心です。それでそういう方々にやはり何が一番足りてないか、だからここを改善すべきかっていう問題意識を一番持ってもらっているわけですね。それで、ただ、今、政策を実際に今、県庁の中でつくる、それはやはり40代、50代の職員が中心に最後は取りまとめをしていくわけでありまして、ここにギャップがあると。パーセプションギャップ(認識のずれ)を埋めるためにはそうした世代の方々の意見を、例えば住民の皆様からそうした若者活躍推進局、若者活躍局っていうのをつくって、それで提言をしてもらうとか、県庁の中でもそうした職員を中心にして新しい政策提言というのを取りまとめていくと。それでこの辺はちょっと型破りかもしれませんが、やはりそうしたことが当事者主義、現場主義だと思っております。それでどうしても前例だとか、それから国の政策だとかそれにとらわれて政策を考えることになりがちでありますけども、鳥取県はどちらかというとニーズに即して災害対策であれ、あるいは手話言語条例であれ形成してきたという自負もあります。

 

 そういう意味で発想を転嫁する起爆剤として若い方々を中心に据えたそうした政策領域、活動領域というのはぜひ設定してみたいと。実験的ではありますけども、初めてみたいということです。それで、組織改正につきましては今回6月で[県]議会にかけさせていただき、条例を御承認いただければ大枠こうした形で4年間やっていきたいと思っております。大きなテーマとしてまた今後現れてくればそれに応じて組織改正する可能性ありますけれども、大枠はこの枠組みの中で政策戦略を実際やっていく機動力のある本部とそれから人口減少対策や観光、あるいは中山間地を、そういうのを主体的に扱うそうした本部、さらには子育てつきましても子育て人材局、あるいはその危機管理についても局ということがあるんですが、これらも部にしようと思っています。それで全てそれぞれに部として責任を持ってもらう、本部と部の体制というふうに一応全体を整えさせていただきながら、県庁の機動力、政策実行力を高めていければと考えております。

 

 ただ、若干の改変は正直予定されると思います。例えば今後ですね、来年になればねんりんピックがありますし、その後、関西ワールドマスターゲームズも2027年ですかね、それで行われる予定になってきておりますし、あるいは国体がその後今から10年後にあったりしますので、そういうものを目指しながら対応力を高めるために一定の組織改正をする可能性はありますけども、基本はこの路線でやっていきたいと思っています。


○日本海テレビ 月森七海 記者

 

 さっきの若者活躍推進のとこでお聞きしたいんですけども、実験的とはおっしゃって今の段階で目標とかいろんなもの定めると足かせ手かせになるかなとは思うんですが、とは言え、やる以上はある程度のこの期間でこのくらいの成果をというものを描かれていると思うんですけど、そこについて少し教えていただけないでしょか、具体的にどういった成果を求めていきたいというところ。

 

 

●知事

 

 例えば分かりやすいところでいうと、カップル倍増作戦、500組てなことなど政策目標として提示をしていきたいと思っています。それでそういうものをじゃあやるには、じゃあ、若い方々って、じゃあ、一体どうやってその出会いの場、つくりたいかなっていうことですよね。私なんか最近想像しているのはやっぱりアプリがどうも多そうだと、でもアプリをあんまり自分自身もあんまりアプリ使わない、使っているような使ってないとこがありますので、それで、例えば、じゃあ、こういうアプリのつくり方すればやっぱりちょっと行ってみたいなという声になるよね。それでこの辺はやはりその世代の皆さんにやっぱり提言してもらったり、仕込んでもらう必要があるじゃないかなと。

 

 それであるいはその移住定住も3,000人ということをベースに考えていこうと。それで3,000人を目標とするのは結構大変ですけど、ただ、その主力がその20代、30代なんですね。それで、そうした方々が、じゃあ、どういうところで実際、移住定住を考えた場合にネックを感じるのか、それを解消するにはどうしたら安心できるのか、あるいはどういうところに情報源を持っておられて、その情報源にどういう情報があれば読みたくなるのか、考えたくなるのか、その辺はやはりそうした世代の方々の御意見で即つくったほうがいいだろうと思うんですね。そういうような例えば移住定住3,000人だとか、カップル500組とか、そうしたことを具体的にも考えながら取りかかっていただくと。

 

 ただ、何がじゃあ移住定住や少子化対策で重要かっていうのをあんまりこちらでお題目を設定しすぎないで、どちらかというと、いろいろと自由な発想でやってみると。それでうまくいくものもいかないものあるかもしれませんが、今までは若い職員が提案したり若者たちの御意見があっても、得てして政策形成過程でどっかで消えてしまうっていうことがあるわけです。だから、直接私ども三役[知事、副知事、統括監]レベルでも受け止めさせていただいて、即予算化し実行するということでやりやすい環境をつくって、うまくいかなかった場合でもそれは多めに見るということの前提でやってみるというのが鳥取県らしいところではないかなと思うんですね。大きな自治体はなかなかそういうの、難しいかもしれませんが、我々はアメーバ的に動いていかないとなかなかこの小さな所帯で結果を出していくのは難しいと思いますので、そういう柔軟で少し大胆な対策を若者のほうから、若者を活用しながらやってみたいと思っています。

 

 

○日本海テレビ 月森七海 記者

 

 すみません。日本海テレビの月森でした。ありがとうございます。

 

 

●知事

 

 どうも、ありがとうございます。

 

 

○朝日新聞 大久保直樹 記者

 

 じゃあ各社さん、よろしいでしょか。知事、どうもありがとうございました。

 

 

●知事

 

 どうも、ありがとうございました。

 

  

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