(令和2年12月9日鳥鑑例規第2号)
各所属長
対号 鳥取県昭和54年9月17日付け鳥鑑例規第3号 こん跡取扱要綱の制定について(例規通達)
鳥取県警察における痕跡の取扱いについては、対号例規通達により実施してきたところであるが、この度、対号例規通達の全部を改正し、別添「鳥取県警察痕跡取扱要綱」を制定し、令和3年1月1日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。
別添
鳥取県警察痕跡取扱要綱
第1 目的
この要綱は、鳥取県警察における痕跡の取扱いについて必要な事項を定めることを目的とする。
第2 用語の定義
この要綱における用語の意義は、次に掲げるところによる。
(1) 現場痕跡 犯罪現場その他被疑者が遺留したと認められる場所(以下「犯罪現場等」という。)に残された、タイヤ、工具及びその他の物によって印象された圧痕、擦過痕等又はこれを採取したものをいい、指掌紋、銃器弾丸類の痕跡、筆跡、印影等を除く。
(2) 遺留痕跡 現場痕跡のうち、犯罪現場等の状況及び印象状況から被疑者が遺留したと認められるものをいう。
(3) 直接写真 犯罪現場等の現場痕跡を、採取に先立ってミリメートル刻みのスケール等を添えて撮影した写真をいう。
第3 現場痕跡の採取及び送付
1 犯罪捜査を担当する所属長又は警察署長(以下「警察署長等」という。)は、犯罪現場等において現場痕跡を採取したときは、現場痕跡採取処理簿(様式第1号)を作成し、採取及び処理の経過を明らかにしておかなければならない。
2 警察署長等は、現場痕跡送付書(様式第2号)により、採取した現場痕跡を、痕跡資料票(様式第3号)を付した封筒等に収納し、直接写真とともに刑事部鑑識課長(以下「鑑識課長」という。)に送付しなければならない。ただし、送付することにより破損、滅失等のおそれが生じる場合には、採取した現場痕跡に代え、その現場痕跡にカメラを正対させ近接撮影した写真(第4において「採取資料写真」という。)を送付することができる。
3 現場痕跡の送付は、鳥取県警察における文書等の逓送に関する訓令(平成17年鳥取県警察本部訓令第19号)第14条に規定する(特)送達票使用による逓送、特使等により確実な授受を行うものとする。
第4 現場痕跡の撮影及び現場痕跡票の作成
1 鑑識課長は、警察署長等から採取した現場痕跡の送付を受けたときは、その現場痕跡の採取資料写真を撮影するものとする。
2 鑑識課長は、採取資料写真等を貼付した現場痕跡票(様式第4号)を2部作成して1部を保管し、1部を採取した現場痕跡とともに警察署長等に送付するものとする。
第5 遺留痕跡の対照
1 鑑識課長は、警察署長等から送付を受けた現場痕跡を遺留痕跡として受理したときは、直ちに保管する遺留痕跡と対照し、受理した遺留痕跡に該当する遺留痕跡を発見したときは、直ちにその旨を現場痕跡票の送付等により関係警察署長等に通知しなければならない。
2 鑑識課長は、現場痕跡票取扱処理簿(様式第5号)を作成し、現場痕跡の処理の経過を明らかにしておかなければならない。
第6 現場痕跡の保管及び廃棄
1 警察署長等は、採取した現場痕跡の破損、滅失等を防止し、かつ、混同することのないように保管しなければならない。
2 警察署長等は、採取した現場痕跡及び現場痕跡票が次の各号のいずれかに該当するときは、これを廃棄することができる。
(1) 被疑者を検挙したとき。ただし、採取した現場痕跡については、立証資料として必要がなくなったとき。
(2) 公訴の時効が完成したとき。ただし、現場痕跡票については、採取した日から7年が経過したとき。
(3) その他保管の必要がなくなったとき。
3 警察署長等は、2(1)又は(3)に該当する事由があるときは、現場痕跡票削除報告書(様式第6号)により速やかに鑑識課長に報告するものとする。
4 鑑識課長は、3の規定により現場痕跡票削除報告書を受理したときは、速やかに該当する現場痕跡票を廃棄するものとする。
様式省略