知事定例記者会見(2019年12月26日)

令和元年12月26日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約80分) ※MPEG4形式

  

1 2019年の総括 

●知事


 皆様、こんにちは。 この令和元年もいよいよ暮れようとしているわけであります。この1年間にわたりまして、[県政]記者クラブ、そして県民の皆様に大変にお世話になりましたこと、まずもって心から御礼を申し上げたいと思います。この一年振り返ってみますと、私自身も4月の統一地方選挙で皆様の御信任を得て4期目をスタートさせることとなりました。92.3%という思いもかけない得票率をいただいたことがその責任の重さを痛感することとなりました。今、一つ一つ県民の皆様からいただいた声、この4年間で実現すべく、今、歩み続けているところでありますが、正直申し上げて、前に進んだこともあれば、立ち止まり、足踏みをするというようなこともございます。交錯する中で、まずは4年間のスタートを始めることができたのかなと思います。印象に残るこの1年間のことと言えば、令和という時代がスタートしたことであります。その令和の幕開け、5月の声を聞くとともに、本県では[第30回]全国「みどりの愛護」のつどいが開催をされました。これは、皇室の地方行事としては令和初めての大がかりな事業でございまして、秋篠宮皇嗣同妃両殿下がこの鳥取[県]へお越しになられまして、全国のみどりの愛護活動に携わっておられる老若男女さまざまな方々と交流をされ、お励ましをいただき、また、鳥取[県]の緑の豊かさ、そこにおけますさまざまな活動を全国へ発信するいい機会となりました。


 さらに、この時期、[鳥取市の]鳥取西道路が開通をしました。これは鳥取県にとりましても非常にシンボリック[象徴的]な、歴史的なタイミングだったと思います。長く時間がかかる渋滞がするという、そういう隘路(あいろ)になっておりました白兎海岸でありますとか、そうした地域に一気にバイパスとしての高速道路が開通をすることになりました。今、通勤も含めて大きな支障なく動くことができる。これは観光交流とか、運輸の物流でありますとか、効果をもたらしているところでございます。現実にも開通時期、吉岡温泉、あるいは[鹿野]そば道場とか地域の施設は大体2、3割お客様が増えたという状況にもなったところであります。


 このたび、昨日[12月25日]、国において、山陰自動車道の開通区間が明示をされることとなりました。本県でも北条道路がございますが、令和8年度までの開通という時期が初めて明示をされました。島根県側も開通時期が示されまして、これにより令和8年度ぐらいになりますと、ほぼ島根・鳥取両県、この山陰自動車道が整ってくるというような時代に入ることになりました。まさにその扉を開くような令和の幕開けの鳥取西道路開通だったと思います。このたびの国の内示の中では鍵掛峠の道路12キロも開通時期、令和7年度というふうに示されまして、これからぜひハイウェイの進捗を令和の時代に図っていき、平成あるいは昭和と違った世の中に導くことができればというふうに思います。


 国際リゾートを目指すという大目標がありました。片方で台湾便が37路線、37回飛び、搭乗率も平均で88%という、鳥取県としては思ってもみなかったような数字が出てきました。ここにポテンシャルが隠れていたのだと思います。ですが、日韓関係の国同士の冷え込みがございまして、片方で足踏みをする事態にもなったわけであります。新しい年に向けましては上海吉祥航空[の米子上海便が]1月11日に新規就航するなど、好材料もつくりながら、こうした日韓関係での観光客急減の埋め合わせも含めて展開をしていかなければならないのだろうと思います。そのほかにも農林水産業やあるいは商工業関係でも新しい施設のオープンであるとか、さらには和牛の隆盛であるとか、いろいろと話題もあった年ではないかと思います。


 福祉関係でも、このたび本県の企業の障がい者雇用[率]が全国16位に上昇をしてきました。こういう統計も示されるほど共に生きる社会づくりに官民挙げて前進をしたわけだと思います。佳子内親王殿下もお見えになった障がい者の共に生きる象徴でもございます、[第6回]全国高校生手話パフォーマンス甲子園も開催をされたところでございました。いろいろとそうした意味で前進もあった中で足踏みをせざるを得ないこともあります。景気、あるいはTPP[環太平洋パートナーシップ協定]を初めとしていろんな国際情勢の中で、経済も雇用[有効求人倍率]自体は1.7[倍]ぐらいと前進をしましたけれども、景況感は必ずしもいいとこばかりでもないという状況かと思います。そういう中でありますので、人手不足も課題としてクローズアップされてくることになりました。


 [県内への]移住の人口は増える傾向はまだ続いているところでございますけれども、10[歳]代、20[歳]代の[県外への]流出に歯止めがかからないということがあります。国全体でも出生数が90万人を割り込むというショッキングな状況だという報道がここにきてあります。本県は子育て王国で全国よりも出生率を伸ばしてきていますが、女性の数がその世代減少しているということもございまして、出生数が伸びているというところには至らないわけであります。課題も残しながらの4期目のスタートを切らさせていただいたということかなと思います。





2 2020年度国予算 

●知事


 いよいよ新年に向かいまして予算編成も国において固まってきました。102兆円余りという総予算、これは過去最高ということになります。その中で本県としてもあるいは地方財政全体として懸案としてきたことがございました。仲間の知事と連盟を組みまして地方創生実現に向けた財政基盤強化のための知事連盟[地方創生実現財政基盤強化知事連盟]を結成したわけでありますが、働きかけてきたことの成果も見えた予算編成になったかなと思います。地方交付税は16兆6,000億[円]、前年[2018年]よりも4,000億[円]増えることになり、また、一般財源総額も7,000億円の増ということになります。


 その中で注目されますのは地域を再生する事業費として4,200億円が計上されていることであります。そのうちの半分の2,100億円は都道府県枠として配分をされる算定になるわけでございますけども、そのうち算定方法としては人口の希薄な所に有利な配分をするという方式が見えてきているわけであります。それぞれ人口密度であるとか、高齢化の進み具合であるとか、人口減少であるとか、こうしたことが算定指標の中に重点的に盛り込まれる見通しでございまして、これが地域の税財源の偏在、地域間の偏在を是正していく力となれば、私どもが前回の消費税引き上げで、消費税の負担は増えたけれども一般財源個々の団体で減ってしまったという地方部の懸念は解消される見通しが出始めたということだと思います。


 これはまた年明けにフォローしていかなければならないことだと思います。また、今回の地方財政対策の中で新設の特別の事業費が900億[円]組まれました。これは7割の交付税措置がついているものでございまして、防災対策にも地方単独事業として効果を発揮し得るものが出てきたなと、こういうことも予算編成上これから活用し得るのではないかと思います。





3 病院再編統合問題への対応 

●知事


 さらに、今回、医療のことが課題になりました。9月に突然国のほうから424の公的・公立病院のリストが示されました。これは1つの計算の基に出されわけでありますが、その中には既に医療改革に着手している病院も含まれていたり、また、算定の仕方としても地域のへき地で中核医療している所なども含めて急性期医療の症例が少ないということで切られてしまうというものでございます、人口が少ない所で何とか医療の砦を守っている所は当然ながら人口が少ないですから症例が減るものであります。その事情を加味せずに、例えば東京[都]の町立八丈病院のように離島の唯一の病院まで再編対象になってしまうということでありまして、地方で大きな声が湧き上がりました。


 交渉を重ねて国・地方協議をさせていただき、先般12月24日に第3回[地域医療確保に関する国と地方の協議の場]が開催されましたが、その中で国のほうからは84億円の国費の対策や地財対策としても不採算医療、それから周産期・小児医療、こうした地方の課題、これを補うようなそういう案が出されたわけであり、当方で主張しましたが、こうした424の病院に拘泥することなく、民間も含めた地域の本当のあるべき医療改革を議論するべきではないか、それを国が尊重すべきでないかということに国側の理解も得られたところであります。期限についても弾力的に対応する含みも出てまいりまして、そういう意味で正常化に向けた道筋はついたかなと思います。ただ、これからが大変なことでございます。ぜひ国からもしっかりとした支援もしてもらいながら、地域において本当に地に足の着いた医療改革の議論ができればと考えております。





4 2020年度県当初予算編成に向けて(ふるさと納税・税収の状況) 

●知事


 ふるさと納税も今年のイシュー[課題]でございましたけれども、本県では結果として11月末現在では1億4,400万円のふるさと納税収納ということになり、昨年よりも29%増のペースでございます。6,900件を超える状況でございまして伸びてきているということであります。ふるさと納税について改革をしようという国の姿勢がございまして、それを受けて私どものような所で、このふるさと納税が本来のペースに戻り始めつつあるのかなというように考えられるところであります。ふるさと納税の注目も集まってきているところでありまして、こうした貴重な地域独自財源というのをこれからもブラッシュアップをしていければというふうに考えております。


 税収のほうは県内の法人事業税収がなかなか見込みにくい状況が見え始めておりまして、新年度予算編成は、税収はどこまで見込めるか微妙な状況の中、交付税のほうに期待をつなぎながら編成をするということになりそうであります。年明けから本格的な作業に入っていくこととなるわけでございます。





5 国際情勢(日中韓首脳会談、北朝鮮情勢) 

●知事


 国際情勢のほうが、今、日中韓の協議、首脳会談が開かれ、習近平[国家]主席と安倍[晋三内閣]総理[大臣]との会談も開かれました。そういう中、その変化を受けながら私どもの対外関係にも影響してくる、特にインバウンド観光などに影響してくるのではないかと思います。日韓関係の改善の兆しになればという韓国側での報道もございまして、明年に期待をつないでいければと考えておりますし、日中間が好調な絆が深まる状況が見えてきております。[日中]首脳会談と日本で行われる主席来日ということが実現する見通しになりましたので、これは中国からのインバウンド観光の弾みもつくのではないかと期待をされます。


 懸念をされますのは北朝鮮であります。[ドナルド・]トランプ[アメリカ合衆国]大統領と北朝鮮との間で言葉の応酬が続いています。私も参席をさせていただきましたが、東京[都]で開かれました国際情勢の会合の中でハーバード大学の先生が第2次朝鮮戦争の可能性もあるというふうに言っておられました。この年末年始、この時期は注意も必要なのかもしれません。そういう意味で本県としては長めの休みということになりますけれども、危機管理関係ではそうした即時対応体制というものを維持しながら、年末年始の休みに入る方針とさせていただきました。何か不測の事態があれば、それに対してはきちんと対処していくと、これは災害もそうだろうと思います。





6 年末年始雪への備え、雪不足の影響 

●知事


 雪について年末年始も気になるところでありますが、今の予報では、マイナス6度の寒気が入ってくるということになりますが、さほど気温が下がらない状況になるのではないだろうかと。雪は降ることは十分、当然あるんですけども、ただ、交通麻痺のような大雪の可能性は比較的低いのではないかと、今、気象台のほうは見ておられます。そんなようなことでありますが、逆に、これは雪不足の課題が生じることとなりました。スキー場が営業できないということ、あるいは雪に関連するそういう御商売ということもございます。県としてもこうした気候変動の資金を発動することといたしまして[金利]1.43%、2億8,000万[円]までの融資制度というものを、これを発動することといたします。もちろんこれ予防的にやるわけでございまして、今後の状況を睨みながらフォローをしてまいりたいと思います。





7 年末年始の交通機関・宿泊予約の状況 

●知事


 降るべき所には降っていただいて、年末年始、来訪客が増えればと思います。現在のところ、観光のお客様が好調でありまして、交通機関の予約状況は去年を上回ってきておるようでございますし、また、年末年始も満館の状態、温泉旅館等ですね、そういう状況でございまして、休みが長い分、本県、山陰への来訪が増えるのではないかと期待をされるところでございます。





8 災害への対応 

●知事


 そうした防災、安全の関係でありますが、今年は台風19号という大きな災害がございました。本県も長野県を中心にしまして支援体制を組んでまいりました。特別の災害応援の本部もつくらせていただきましたが、国全体としても、[12月]20日に全国知事会が本部体制を解きまして、連絡体制となりました。私どもも[12月]27日、明日をもちまして本部体制を終了させていこうと思います。ただ、人材派遣等の支援は今後も継続していきたいと思います。予定としては年明け以降ですね、また新たに2人、土木職員を長野県のほうへ派遣する方向で現在調整をさせていただいております。





9 神奈川県のハードディスクが転売され情報が流出した事件を受けた鳥取県の対応 

●知事


 そういう危機管理関係で昨今議論になっていますのが、神奈川県でございましたハードディスクの流出ということによりますプライバシーへの脅威が生じたということであります。幸い神奈川県では全てのハードディスクは回収したというように発表がございました。本県も事件の後、直ちに調査をしておりました。それがこのたび末端までの追跡調査ができてきたところであります。もし必要でしたら、詳しい状況はまた担当部局のほうからお話も申し上げたいと思いますが、教育委員会で所管している7つの、7件の契約につきましては、今回の問題となった会社が下請け、孫請けというそういう流れの中で関与しているということがわかりました。


 今、そのハードディスクの追跡調査をさせていただいたところでございますけれども、いずれも社内で保管中であるということか、あるいは完全に消去等の処理を行った、そのいずれかであることがわかりました。消去が終了して、その後の処分ということになりましたのが契約3件でございまして、それで、残りの4件と3件の契約のうちの1件の一部ですね、これらはまだ保管中であるということでございます。そういうようなことで、本県でもこの関与が見つかったところでございまして、ただ、影響はないということははっきりしたわけでございますが、ただ、それでもやはり今回の事件のようなプライバシーへの脅威ということはあり得たということは重く考えなければいけないと思います。





10 日本電子計算機株式会社のシステム障害の影響 

●知事


 また、このたび日本電子計算株式会社におきまして[共同利用型]クラウド[サービス]のプログラムに課題があり、これも事務処理に支障をきたす住民記録なども含めて、そういう事態になっておりまして、通信簿を発行できないとか、そういう具体的な影響が出ています。実は割と東日本のほうにシェアのある会社でございまして、本県はこの会社と関わりはないということでございますが、こうしたクラウドというのは、実は我々も契約をさまざまやってきているところでございます。


 ですから、改めてこういう情報セキュリティについて庁内に教育委員会も入ってもらって、ワーキングチームを年明けにつくらせていただこうと思います。そうしたところで、こういうセキュリティ対策の強化を図る、例えば情報セキュリティの監査がございますが、その監査項目にこうしたハードディスクなどの使用後の情報処理ですね、廃棄するその処理のことをつけ加えていく。例えば職員も立ち合って消去をするとか、実は今も本県の情報政策課が立ち合いまして、情報政策課とか、こちらの知事部局のほうは割とそういう処理をしてきているところでありますが、教育委員会所管などのものも含めて、やはりそうしたことを高める必要があるのではないかということがあります。また、セキュリティについてのマニュアル等、こうしたところ、基準等を変えていくということが必要であります。また、これもワーキンググループで検討する必要があると思いますが、独自にもハードディスクなどを物理的に破壊する、そういう装置の導入、全部やっていると大変な数でありますのでなかなか難しいですけれども、ただ、物によってはそうしたことを庁内でも独自にやるということができる体制にするとか、セキュリティのレベルを上げる必要があるのではないか。この辺が課題としてあると思います。予算に反映させなければいけないこともありますので、年明け早々にそうしたワーキンググループを庁内で立ち上げてまいりたいと思います。





11 境港の水揚量減少 

●知事


 また、ズワイガニについては500万円のギネス[ブックへの]登載が話題になりまして、全国でも取り上げていただき、鳥取のブランドの発信にもなったと思います。ただ、残念ながら水産、境港の市場のほうは、今、年末で締めてみると、恐らく9万トンレベルになるんではないか。これは過去最も少ないということになりそうであります。これは春頃の海水温度が13度を超えるという高めで推移したことがありまして、サバとか、アジとか、そうした魚種など、大分目立って漁獲が減ったということがございます。そうしたことで漁場への影響がございまして、こういう事態になっているようでありますが、実はほかの日本の港、漁港も同じような傾向がございまして、どこも漁獲が減った傾向がございました。今後も例えばスマート漁業をさらに強化をしていくとか、現場の声もいろいろと聞いたり、新規技術の導入なども含めて、これからこうした漁獲や資源管理について関係者とよく話し合っていかなければいけないのかなと思います。





12 和牛遺伝資源の流通管理 

●知事


 そういう中、和牛については昨日、[大阪地方]裁判所の判決が出まして、徳島の和牛農家が有罪ということになりました。やはりこうした精液、和牛遺伝資源の管理、これがやはり犯罪にも匹敵することになり得るということが示されたものだと思います。本県でもこうした状況を受けて研究会を設置して検討をさせていただいておりますが、年明けに、来月関係者の意見調整を行い、最終的には2月頃になる、2月の頭くらいになるかもしれませんが、和牛再生ステップアップ協議会という、こうした和牛振興にかかわる、和牛の振興の要の会議で最終的には議論をしていただきまして、契約の改定に入っていきたいと思います。


 具体的な契約自体はいろいろ在庫管理なども含めて体制を整えた上でということになりましょうから、4月かなあという年度替りからになるかもしれませんけども、そうしたことを念頭におきながら準備を急いでまいりたいと思います。あわせて条例の検討は進めていくことになるかと思いますが、国において知的財産の権利というとこに切り込んでいく姿勢も見え始めておりまして、条例で何を書くかについては今後議論が必要かなと思います。これは少なくとも和牛振興という、そういう本県の旗印を立てていく必要はあろうかと思いますので、何らかの条例という内容を、これからも協議をしていくことになろうかなというふうに考えております。





13 就職氷河期世代の就職支援 

●知事


 それからここ年末にきまして、例えば厚生労働省の低所得者対策ということで、[就職]氷河期世代の[中途]採用を始めるという話がございました。本県としても、新年度[令和2年度]採用試験におきまして、氷河期世代を中心としたそういう特定の年齢層の人たちにチャレンジ枠という職員採用を考えてみたいと思います。本県は社会人採用積極的にやってきておりまして、それで、さまざまなバックヤードの人が県庁にいるという状態が広がってきているところでありますが、今回の国の動きも受けて氷河期世代に着目したチャレンジ採用も5名前後ぐらいになるかもしれませんが、考えていこうというふうに考えております。





14 無料低額宿泊所に関する条例制定に向けたパブリックコメントの実施 

●知事


 また、札幌[市]、北海道で火災で11人が亡くなるという痛ましいことがあり、貧困ビジネスということが問題になりました。そういうことを受けて、国全体で今、そういう住宅ですね、低所得者向けの住宅についての基準づくりということを進めています。私どもも7平米余り1人当たり、そして5人以上というようなことの基準設定をして条例を制定をいこうというふうに考えております。これについてはこの年末からパブリックコメントを、開始をさせていただきまして、早ければ2月の[定例]県議会への提案を目指してやってまいりたいと考えております。





15 新年祝賀の儀 

●知事


 これからいよいよ年末年始のお休みということになります。令和という時代の最初のお正月になります。私自身も新年祝賀の儀、宮中のほうに参内を正月1日にさせていただきまして、天皇皇后両陛下、また、今年お見えになった皇嗣殿下妃殿下など、御皇族の皆様とともに、令和の新しい時代、最初の正月、このお祝いを申し上げ、県民を代表してやってまいりたいと思います。





16 年末年始の観光イベント 

●知事


 また、この年末年始の期間もいろんな催し等もございます。[とっとり]花回廊におきましては花と光のライトアップをしているところであります。また、それから、数々の施設、燕趙園で中国の正月を楽しむとか、それから夢みなとタワーで初日の出、これを楽しむイベントをやるとか、さまざま御用意もございます。ぜひ、各地でふるさとに帰って来た御家族の皆様と一緒に健やかな新春をお迎えをいただければというふうに思います。また、よい年が皆様に巡ってくること、お祈りを申し上げて、今年の最後の記者会見、御礼とさせていただきます。私からは以上です。





17 神奈川県のハードディスクが転売され情報が流出した事件を受けた鳥取県の対応 

○NHK 渡邊貴大 記者


 はい、ありがとうございます。では、質問のほう各社からあれば挙手をお願いいたします。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 すいません。さっき、問題になったハードディスク業者がかかわった教育委員会所管の案件が2件あるっておっしゃられたんですけど、それはどういった内容のデータだったんでしょうか。


●知事


 もしあれでしたら、また詳細を担当部局のほうから。ちょっと今、順次調査を進めてきて、けさまでにわかっていることの報告は、また、させていただければと思います。契約のうちの数で言うと、数の多いのは、子どもたちの実習用のものでございますので、コンピューターの操作の練習をするときにハードディスクに当然アクセスしながらやっていきますので、ただ、これは、どちらかと言うと、そういう、今回、神奈川[県]で問題になったようなプライバシーに大きくかかわるものでは多分ないというものであります。こういうものが契約の件数としては多いです。


 ただ、中には教育委員会[が]直[接使用]のものなど、そういう個人情報の管理もしていたと思われる、そういうハードディスクもあります。ハードディスクの数自体は、契約件数は7件ですけど、数自体は1,000枚とか、そういうレベルの非常にどうしても1件1件が大きいもんですから、教育委員会の場合は。そういうようなものでございます。その辺で今、追跡調査を進めてまいりました。プライバシーにかかわるようなものも入っていたと思われるものも含めて、データの消去等の処分、これを完了したというもの、それから、まだ保管中であって流出していないというもののいずれかでありますので、対外的に漏れ出したという可能性はないと考えております。


○時事通信社 今泉悠 記者


 はい。関連してなんですけれども、ハードディスクの処分については、先ほど1,000枚レベルであるとお話になりましたけれども、量が多いので全て破棄されたかどうかというのを、例えば目視するとか、そういう確認するっていうのは現実的でないっていう話とか、あるいはリース契約であることが多いために現状復帰させたりするっていうのは条件であったりして、この中身を壊すっていうのが受け入れられるかどうかっていう問題もあると思うんですけれども、どういう方向で進めていくべきだと。


●知事


 実は、県庁、鳥取県の県庁のほうは、わりとやっておりますのは職員立ち合いの下で消除すると。そういうことを自分たちで確認しながらやっていくものがございます。これ、専門の職員も入ってですね。いろんなパターンがあるんですけど、例えばこういうやり方であるとか。あと、非常に緊密性が高いと思われるようなものですね。県の場合は市町村のように住民記録そのものが乗っかっているデータ管理っていうものがあまりないものでありますから、ただ、それぞれ業務用にアクセスしてデータベース上、蓄積されているそういう情報だろうと思います。ただ、その中でも重要度が高いものとか、懸念のあるものについては物理的に自分たちの手で破壊していくということもあり得るんではないかと思います。


 ただ、これおっしゃるように、リース契約であれば、結局ハードディスクは完全にデータがない状態にして、また流通するということはあり得るわけですね。今回、問題なったのはそういう処理をする前に私利を得るために売却してしまったというものでありまして、データが乗っかったものが売られていると、完全に消えてないものが売られているとこういうようなことであります。ですから、そうしたこととの、実状との兼ね合いをやっぱり我々分析してみる必要があるんじゃないかと。ここにきてそういうブロードリンクのような[下請け]会社もやはり、あれは富士通系列とかいろいろとございまして、流れている可能性っていうのは多分どこの自治体でもあることでありますけども、そこのところのセキュリティ管理、これについて、まだ明確な答えが十分あるわけではないです。そういう意味で、年明け早々に、教育委員会も含めた形のワーキンググループをつくって、これ知事部局だ、教育委員会だということではないと思いますので、そうしたところをマニュアルとか、監査とかそういうものをさらに強化をしていく、これが必要だと思いますし、手順も明らかにしていく必要があるかと思います。


 正直申し上げて、やはり神奈川県もそうであります。契約で、もうこれあと処分してねっていうことで信頼したこと事態は、それは恐らく法的には間違ってないんだと思うんですが、その向こうで不法行為が起きてしまったということでありまして、ここを想定しきれなかったということだと思います。他山の石として本県は流出の可能性はないんですけども、他山の石としてやはりそういう深刻な事態が起こり得ないとも言えないと、本県もそういう可能性もなかったわけではないということはやはり重く見なければいけないと思っています。





18 就職氷河期世代の就職支援 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 すいません。話変わりますが、就職氷河期世代の採用試験のことなんですけれども、改めて狙いとそれからそのチャレンジ枠を設けるということなんですけども、どういった職種への募集をお考えでしょうか。


●知事


 これについては、人事委員会等との協議もありますので、今現在ちょっと詳細まで詰めてないわけでありますが、ただ、公的存在[地方自治体]として、やはり新年度に向けた国全体のテーマとして、やはり氷河期世代で就職が思うように任せなかった、そういう世代の皆様、もう1回働き直すといいますか、就職のチャンスをもらってやり直すと、こういうことを進めていこうということです。民間でも多分、今、人材不足なので、このマッチングは有効だと思いますし、我々公務の分野でも率先垂範でそれをやって、そういう人材の活躍の場というのを確保する必要があるんじゃないかなと思います。ですから、事務職、技術職、それぞれそうした方々がいらっしゃると思いますので、多様なバックグラウンドの方がチャレンジできるように最終的には工夫をしてまいりたいと思います。


 また、本県の場合、従来から社会人採用に積極的に取り組んでいまして、年齢層としてこうした幅の年代の世代も含まれた形で現実に就職してもらっております。ただ、こうしたことをチャレンジ枠として、はっきり全国に向かってアナウンスをすることで、それで、受験者のほうの意欲を喚起する、これも大切なことだと思います。そういう意味で、今回、特別枠をセットをしていこうというふうに、今、検討を始めたところであります。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 先ほどのお話の中で就職氷河期世代を中心としたという特定の年齢層というお話がありましたけど、少し幅広に募集をかけるというようなイメージ。


●知事


 そうですね、就職氷河期というのも厳密な定義があるわけではないですが、漠然と35[歳]から45[歳]ぐらいかなということで感覚的には動いていると思いますが、ただ、経済というのは一気に落ち込んだりするもんでもありませんので、やはり若干前後の世代あたりも含めれば30[歳]代、40[歳]代というところかなと思います。実は本県は少し職員構成に個性がありまして、50[歳]代ぐらいに大きなコブがあるんですね。この辺が卒業[退職]していきますと、たちまち中核人材が急減することになります。そのときに年代層としてそういう若い人だけでなくて経験者層っていうのもやっぱりある程度必要になりますので、我が県の職員構成とも今回、30[歳]代、40[歳]代ぐらいをターゲットにするとフィットするんではないかと思います。小さな県ではありますけども、小さな県であるからこそ、大きな仕事ができる、いろんな人と接触するチャンスも増えるわけでありまして、鳥取県を目指す人、ぜひ募集に応じていただけるようにPRもしていきたいと思います。


○時事通信社 今泉悠 記者


 すいません。関連してなんですが、これまで県は実質的に就職氷河期世代の採用をしてきまして、年々数名程度受け入れているわけで、今回、5名程度の募集をかけるということは、今までの数名程度プラス5名は大体10名前後ぐらいのこの世代の人たちを採用するということなんですか。


●知事


 そこはちょっとまだ精査していますけども、やり方はいろいろと工夫したいと思いますが、実は今まで一般採用試験の時期に経験者枠も一緒に採用していましたけれども、一層こう前倒しして、もう既に社会人になっておられるのであれば、前倒しして試験を実施して、その人の事情によっては早く就業したいという人もおられるでしょうから、中途の、年度中途でも配置をしていくと、入庁するというようなことも工夫があってもいいのかなと思います。ですから、単純な新規採用試験と一緒でない、受験したり、あるいは再就職したりしやすいそういう時期であるとか、その枠の設定ということを考えてみたいと思います。これ、ちょっと人事委員会ともそうした枠組みを協議しなきゃいけませんので、また、年明けに詳細ですね、詰めていきたいと思っております。


○時事通信社 今泉悠 記者


 これ追加なんですが、年齢を絞って募集をかけるということで、これまで広く、幅広に募集していたその枠が狭まることによって、この漏れた人たちが不満の声が出るんじゃないかなと懸念が1つあると思うのと、あとは、この就職氷河期大体全国で1,600万人ぐらいいるわけですけれども、県としてその5名採用することで、この問題にどういうふうに効果をもたらすとお考えでしょうか。


●知事


 やはり今おっしゃるように、2千数百万という規模の人たちが働き直しをするというチャンスをつくるためにはやはり1つの運動が起きなきゃいけません。そういう意味で率先垂範とさっき申し上げましたけれども、県内の企業さんにもこうやれば、うち今、人材不足で人手不足だけど全国からとれるかなというふうに思っていただける、そういうきっかけをつくる必要があって、やはり県として枠をつくることの社会的効果っていうのはあるんじゃないかと見込んでおります。また、この枠を設定することで他の受験者が不利にならないかということでありますが、そういうことにはならないように枠の設定を考えてみたいと思います。実質上そうした意味で、そうした就職氷河期と言われる世代の人材が、また新しい人生の中で再スタートする、それを我々としても従来に加えて保障していく必要があると思っています。





19 北条道路の開通に向けて 

○NHK 渡邊貴大 記者


 すいません。また話題変わって、北条道路についてなんですけど、山陰道の北条道路についてなんですけども、開通時期示されて、国の事業でありますけれども、県としては今後どういうふうに盛り立ててサポートしていきたいかってとこはよろしいでしょうか。


●知事


 もちろんこれ、これから地元でのさまざまな調整があります。用地交渉であるとか、それから工事に当たっての環境整備であるとか、そうしたことに地域としても協力をやっていこうと。これは関係の市町村のほうも同じ気持ちでおられると思います。ただ、それとあわせてちょっと我々県としてということになりますと、1つはアクセス道路ですね。今、開通時期は明示されました。そうするとそこにアクセスする道路づけということをやっていかないと高速道路はできたけれども、それに乗る前に大渋滞が起きてしまうとか、事故が発生するとかいうことになってはいけないわけです。そこで、今、実は3つ接点がありまして、はわいインターの所のはわいバイパスという、これは事業化を始めたところです。これは県道です。それから県のほうで建設をします313号北条湯原道路、これを国とのジャンクション方式も含めてつくっていかなければならない。


 あと倉吉由良線というのが、大栄インターチェンジのほうにアクセスする道路として必要になります。現状はその北条湯原道路は、これは地域高規格道路として国の補助制度の中でやっておりまして、これを同時に合併してそこを[整備]する形になりますので、整備は多分時期を同じくしてできるというふうに期待できますが、はわいバイパス、それから倉吉由良線という県道、この2本については現在交付金事業、交付金の財源を中心にして、それで整備をするという事業なんですが、これが間に合う形でできるかっていうのはワンプッシュ必要だろうと。そこで国のほうにこれから働きかけしていかなきゃいけませんが、補助事業として採択をしてもらう、この高速道路の関連のですね。そういうような国との調整を含めてこのインターチェンジ供用時までの、県道供用を目指さなければいけない。これが我々としては、非常にハードルは高いところはあるんですけども、これを仕上げることが課題としてあるだろうというふうに思います。そういう意味で県としても協力を惜しまず、また、国とも調整しながら新しいハイウェイ時代目指してまいりたいと思います。





20 仕事納め式 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 すいません。ちょっと話変わりますが、明日仕事納め式、予定どおり実施されると思いますけれども、隣の島根県とか、本県でも警察本部が仕事納め式は、今年度はしないという決定しました。これ、いずれも働き方改革というところがキーワードになってくるんですが、知事御自身はこういった動きをどういうふうに受けとめになられているのか、その評価と、鳥取県来年以降どうされるのかっていうこと。


●知事


 実は、今回もこの年末年始どうするかというのは私自身も関係当局と話をさせていただきましたが、今年は予定どおりやろうということに最終的にはいたしたところです。本県の場合、実は年納め、仕事納めの時にはその年、功労があった職場や職員を表彰するということになっておりまして、職場改善を実施した、そうした部局に対する表彰も行われるわけであります。そういう意味で、そういうちょっと1年の1つの節目として、もともと組んである部分もございまして、それを何かその年のちょっと適当な時期にずらすという手もあるんですけども、職員の1つの何ですかね、けじめといいますか、モラルを高める意味でこの場があるという側面がございまして、今年はこのままやってみようかと。


 また仕事始めにつきましても、これから新しい年、何を目標にやっていくかということを共有するという意味もあるので、職員みずからのメッセージ発出ということも実は本県の場合やっていまして、単に訓示をやっているだけでないということがあります。ですから、これの場としてなくなってしまうというのもどうかなというような議論もあるので、今回はこのとおりということでさせていただくわけであります。ただ、全国の趨勢として、隣の兵庫県なども含めて、こういう年末年始の行事のあり方ということは見直しが始まっていまして、今回またそうした動きが全国でもう1つ広がったことを我々も調査させていただいて、働き方改革とそれから職員のモラル向上、この調和を図ってまいりたいと思います。来年の末以降、変更することは検討してみたいと思います。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 もちろん来年やめることも可能性としてはあるかもしれない。


●知事


 そうですね、可能性としてはあると思うんですが、ただ、今、申し上げましたように、やはり年中行事は年中行事なりの組織の中の意義というのもありまして、ただ、それが何かこう出席を強要するということになってしまわないようにするのが大切なんだと思います。ですから、お休みされる方は自由に休んでもらっても、それは年休消化ということも含めてやってもらったら結構でありますし、そこは徹底した上で年末年始をまずはやっていこうということかと思いますが、ただ、他の自治体の取り組みなんかも参考にさせていただきたいと思います。





21 和牛遺伝資源の流通管理 

○共同通信社 遠矢直樹 記者


 すいません。和牛のことでお伺いしたいんですが、先ほど知事おっしゃいましたように、国のほうでも知財を認めるだとかっていう話が出てきています。これまで県の説明としては、国は国外への不正な流出を防ぐという目線で見ていて、県は県外への不正な流出を防ぐという話をされていましたが、先日の発表された整理等を見ると、決められた地域でという文言があったりだとか、知財を認める、知財としての価値を認めることでそういう所有権的な部分でも規制をかけられるというふうな動きになってきていますが、そうすると県と国のほうの立場が重複してしまって、県でわざわざ契約をしたり、あるいは条例をつくったりということに意味があるのかというような意見も出てくるかと思うんですが、そのあたり、いかがお考えでしょうか。


●知事


 条例につきましては先ほどもちょっと申し上げましたけれども、国の動きが当初想定した以上に知的財産のほうに踏み込んでくる可能性が高まってきました。これからまだ年明け、国も検討作業をされるということでありまして、それをフォローしながら国は法律でここまで書く、条例はこうだということを考えていく必要があるだろうと。私ども条例は、1つは規制のものがありましたが、もう1つは振興のほう、和牛振興の目的もあります。ですから、和牛振興の旗印を立てるという意味での条例制定ということは十分考えられるんではないか。それで国のほうの仕上がりがどうなのかですけど、県外への流出等も含めて、知的財産として整理をしていくことができればかなり我々のほうの規制部分は削除できると思うんですけど、ただ、それがどうなのかちょっと見極めながら作業する必要があるかなと考えております。


 また、契約は、これは知的財産に踏み込んで、一種の権利性、それから訴求力というのを持たせようということと決して矛盾しません。むしろそれを補完し、強固にするものだと思います。ですから、所有権というものを留保することによって、それに基づいて物件、物件というか、物件というんですけど、所有権に基づいて返還請求するという権限、それからあと、知的財産の立場でそこに訴求していくという権限、これは両立し得るものでありますので、ですから、そこは契約と矛盾するどころか、むしろ補強するものになるんじゃないかなと思います。


 いずれにせよ、ちょっと国のほうの動きは見てみなければいけませんが、この年末までに関係方面の了解を、今、得つつあるところでありまして、関係者もやはり、例えば国の法律の適用時期を待っているということならもっと遅れますからね、まずはその契約ということをやって、どこまで実効性があるかやってみなきゃわからないこともありますけども、契約という鳥取県独自の手法に、今、御賛同が広がってきておりますので、これは1つの戦略として考えていきたいと思っております。


○共同通信社 遠矢直樹 記者


 追加でお願いします。すいません。ちょっとまた後で質問します。


●知事


 はい、はい。わかりました。





22 鳥取県庁敷地内の喫煙所 

○朝日新聞 鈴木峻 記者


 すいません。県議会の喫煙所の問題なんですけども、11月議会で、知事がまだ県庁の喫煙所について期限を区切って廃止するというふうに言ったわけではないとおっしゃったと思うんですけども、これについて改めて今の所見を伺いたいと思います。県庁の喫煙所に年度末で廃止するという紙が貼ってあって、それについてどうお考えになっているか。


●知事


 これについてはまた関係方面、いろいろと御意見も聞きながら最終的に判断をさせていただきたいと思います。議場で御意見が出たことということは、県民代表でありますので、そういう重みを持って検討材料にさせていただきたいと思っています。いろんなやり方もあると思うんですね。例えば県職員についての利用は、県職員の規律の中でそこは制限をしておくと。ただ、来場者、来庁者ですね、お客様が生理的にやはり喫煙しなければいけないというようなことがもしあるのであれば、そういう利用を排除しないという意味で、当面その場所は存置しておくというような選択肢もあり得るだろうと思います。


 いずれにいたしましても、これ壊すのは簡単でありまして、ですからじっくりもう少し検討させていただき、関係方面、来庁者などの意見、これはなければないで外行って吸うだわいやというような人たちが多いんですけども、そうした御意見なども引き続きお聞きをした上で、最終的に予算の時期までに判断すればよいかなと思っております。





23 和牛遺伝資源の流通管理 

○共同通信社 遠矢直樹 記者


 すいません。先ほど失礼しました。契約についても、条例についてなんですが、少しずつ当初の計画の目標から遅れてきていると思うんですが、その点についていかがお考えかということと、あと、今回の国の動きが、今後県が条例をつくっていく上でどういうふうな影響があるのかを教えてください。


●知事


 はい。やはり契約というのは両者の合意がなければ成立しないものであります。ですから、県がこうしたいということだけで相手方が合意しなければ契約書の取り決めができないわけですね。ですから、そうした意味で合意形成を図る必要がございまして、時間がある程度かかってきているということです。ただ、今月の上旬にも関係者と協議させていただきましたけれども、そこで懸案だったことについても大体収束し始めています。懸案だったのは1つ妊娠牛、妊娠牛を県外に出すことでありますが、これを8歳以上の雌牛であって、生産能力が著しく衰えることになったものというようなことの条件の中で、それを認めるということが、今折り合いどころで、大体関係者、この辺で収まるかなというようになってきました。それで関係者が納得すればあとは契約は両者の合意でできますので、合意形成が図れた上で契約にいく今、目途がつき始めたと思います。


 ただ、もう一月ぐらいは調整が必要かなと思いますので、1月中はそうした関係者の合意やあるいは手続きを進めて、片方で、本県のほうでも精液の在庫調査などをして、実効性ある規制をしなければいけませんので、そういう意味で管理を徹底していくということを始めなければいけません。そういう作業などがございますので、若干その契約そのものは年度替りぐらいまでずれ込むこともあり得るかなというふうに、今、方向感覚としては考えております。それで、国のほうの規制等の動きが県に影響するかということでありますが、先ほど申しましたように、規制的な部分につきましては知的財産ということがないと、当初国は言っていましたので、その前提の下でこっちは考えかけていたことの前提は変わってくるので、影響すると思います。


 また国のほうといろいろと要望活動などもしていて、今回予算の中で認められてきているものもございます。それは精液の流通について管理をするための機器整備、システム整備などが、今回、補助事業だと思いますけど、計上されているのを私も読ませてもらいました。詳細、これから調べてみなければいけませんが、こうしたことで契約を我々改めたり、また、国のほうで知的財産的な考え方を導入したりして、この流通管理の徹底というか、適正化が必要になりますけども、それを例えばバーコードで合理的に管理をしていく、そうしたことができるようになる予算かもしれないなと思っています。であれば、こういうものも例えば予算編成の中にも入れさせていただいて、そうした国のほうの新しい助成制度も援用しながら、精液の適正流通に向けて実態面、その施設整備も含めた実態面でも、それから契約などのそうしたソフト面でもアプローチをしていくことが大切でないかなと思っています。


○中国新聞 小畑浩 記者


 すいません。和牛の件で追加なんですけど、関連なんですけれども、この県外遺伝資源流出防止という策を進めている間に、日米の貿易協定のことが決まってきまして、和牛が、牛肉ですね、牛肉がさらに国際競争、強い国際競争にさらされるという環境になってきました。また、県内に目をみますと和牛の価格、仔牛の価格が高くなることで肥育農家の利益が上がりにくくなったという、そういう流説もあると思います。そういう社会環境の中で今回の契約見直し、条例化というような規制がどう関係してくるのかというところはどのように捉えられていますか。


●知事


 まさにそうした対外競争などに勝利し得る、そこを戦っていけるようなそういう強い畜産をつくっていかなければいけないわけであります。政府の見立てでは、実は和牛のところは、競争力はあると政府は見ていまして、そのほかの乳牛の肉とか、そういうのとまた違うものなので、むしろこちらは生産減少に直結しないのではないかと政府は見ているようです。逆に、今、中国が和牛の輸入を、解禁をする、それから、TPPの加盟国のほうに出していく、そういう筋道もありまして、本県でもタイのほうに県産和牛を持ち込んでレストランを経営されている方もいらっしゃいます。こんなように、和牛「WAGYU」という、そうした国際的に通用するブランドとなってきておりますので、その中でもトップとしての鳥取和牛、このブランド力を保たなければなりません。


 その意味で遺伝資源の管理というものをしっかりやって、県内農家のほうにその恩恵が残る形を目指さなければならないと考えておりまして、そういう日米の貿易協定、あるいはTPPが発効するからこそ、こうしたことをやっていく必要があると思っております。また、今、JAグループとも話をさせていただいているんですが、外に売っていくためにも、例えば今の食肉のセンターのあり方を今後勉強する必要があるんじゃないかとか、そうしたところをこれは結構経費もかかることでありますけども、次の展望を開いていく意味での地元側の努力もこれから求められるのではないかなというふうに思っております。そのためにまたこれから検討会ということをきちんとやっていこうと、今農業関係者とも話をさせていただいているところでございます。





24 さじアストロパーク開館時間変更等への対応 

○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 ちょっと話は変わるんですけど、国の新年度の当初予算案の中で、夜間の観光を新たにこう市場として、それで、地方に外国人を誘客するっていう施策を打ち出しているわけなんですけど、これについて鳥取県で何か活用するような案とかはないのかということが1つと、あと、まさに例のさじアストロパークの問題で、今日鳥取市教育委員会のほうで、


●知事


 そうですね。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 運営方針の結論が出るんですけど、そういう中で夜間の運営を短縮する、営業を短縮するっていうっていうのはちょっともったいないんじゃないかという声も一部で出ていて、それについてどう思われるのか、お考えになっているのかというのをちょっと聞かせていただきたいなと。


●知事


 さじのアストロパークは管理自体は鳥取市、その中でも教育委員会でございますので、まずはそこで御議論いただき、いろいろな声を踏まえた結論を出されるのが基本的筋道だと思っています。ですから、私どもとしては本日の市の教育委員会に注目をしてまいりたいと思いますし、そこで出された結論にもとづいて、こうしたいということがあれば、前回も申し上げましたけれども、真摯に協議に応じてまいりたいと思います。国のほうでは今、観光関係でいろいろと予算も出ていまして、そうした夜の観光ということ、例えばうちでもヒマチの女王みたいなこともあって、朝日町だとか、ナイトツアーをやろうと外国人にも、今、売り込んだケースが今年ございました。


 そういうようなこともあれば、Will Cho(ウィル・チョー)さんという香港の人を呼び込みましてブログで鳥取の星空を売り込んでいただきましたら、例えば大山の写真ツアーなども香港のお客様がほとんどを占めるようになったり、こういうようなことも経験しております。ですから、そういう夜泊まっていただいて滞在していただくときに、都会ならそういうナイトツアーみたいなことがあるでしょうけど、私どものような地方部であれば、むしろ星空を売りにしてツアーを組むことは大変に効果的ではないかと思います。


 そういう意味で機能が整ったさじアストロパークであるとか、あるいはそこの職員の皆さんの御協力を得ながら、そういう夜の楽しみというものをつくっていく、これに県としても戦略的に協力していきたいと思います。今も、実は星空保全条例ができまして、それにもとづいてこういう星空観光、その助成制度であるとか、それからまちづくりの応援の仕組みを予算上持っていまして、こういうものは当然適用できるかと思いますし、こうした星空観光も含めたナイトツアー、これを国のほうでも補助採択の可能性もあるのであれば、私たちもそういうところに協力をしてまいりたいと思います。


 今回、国の観光関係いろんなもんが入っていまして、例えば韓国のお客様が急減した所に対して、その観光の入り込みの多角化を図る、そういう事業を支援しようというのも1億8,000万[円]か入っていたところでございます。主としては多分九州あたりを念頭においているんでしょうけど、本県でもこういうの、活用の余地があるかもしれません。さまざま今、観光の予算も分析をさせていただきましたので、今の星空観光であるとか、あるいはインバウンドの多角化であるとか、国のほうの支援も得て協力に海外も含めた発信をする、そういうことはぜひこの予算編成の中でも取り組んでいきたいと思いますし、さじ[アストロパーク]のお考えも聞いてみたいと思います。





25 災害時の手話通訳者の派遣 

○共同通信社 遠矢直樹 記者


 すいません。台風19号の話がありましたが、県民からも手話通訳の方を宮城と長野に数回派遣しているかと思いますが、それを振り返ってみて見つかった課題だったりだとか、逆によかった点など知事がどういうふうに分析されているかお聞かせください。


●知事


 やはりろう者、聴覚障がい者の方は災害時に孤立してしまいがちであります。これは全日本ろうあ連盟など、全国でも当初から課題として上げられていました。典型的には東日本大震災のときなど、そういう問題点が指摘をされていました。今回全国の相互協力の中で手話派遣、手話通訳者の派遣ということが実験的にすることができましたけれども、それで災害時、こういうふうにやっていけばいいというようなことのいろんな示唆は得られたと思います。宮城[県]に続いて、実は長野[県]のほうに課題が多いっていうことで派遣をさせていただきましたけど、そこで実際、ろう者の被災された方々との話もございまして、やはり情報アクセスが難しいということがあって、その情報アクセスに貢献したということもございました。聴覚障がい者で手話を介される方の数というのは全人口からすると数は少ないかもしれませんけれども、ただ、確かにおられることも片方で事実でありまして、今回の台風19号災害でどのような手順でどういうふうに派遣をしたらいいのか、また、向こう、実はその受け入れ側の組織が大事なんですね。私どもの場合は向こうの聴覚障がい者関連団体などの支援を受けながら対象者を回るということをしたわけでありますが、そうした現地組織とのつながり、こういうものも今後さらにスムーズに進むように改善できることはいっぱいあると思います。


 今年はまず第1回ということでさせていただきまして、新しい障がい者の避難、あるいは災害復興に向けての支援体制に1つの示唆は生まれたんではないかなと思っておりますし、今後、運動団体、全日本ろうあ連盟とも協議をしながら、いいシステムになるようにバージョンアップしてまいりたいと思います。





26 淀江産業廃棄物最終処分場建設計画に係る地下水調査 

○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 すいません。淀江の、淀江町で建設が予定されている産業廃棄物処理場の最終処分場の件なんですけども、11月議会でもさまざまな議論があったとは思うんですけど、その中でやっぱり調査会の委員のメンバーに地元に精通している人、地元の事情をよくわかっている人を入れてほしいと、そういうような声もあって現実にその住民からもそういうふうな声が出ているんですけど、それに対してはどういうようなお考えか。


●知事


 今、その人選ついては申し上げれば、議場でもいろんな議論がございましたけれども、[熊本大学名誉教授の]嶋田[純]先生という世界的にも重鎮でいらっしゃる水、地下水問題の権威の方がおられる。それで、地下水が特に主眼であるということが9月[定例県]議会でも、これは賛成、反対両方の立場の御意見を踏まえて議員の議論がございました。そういうことから嶋田先生にお願いをさせていただき、今次の議会でもたびたびやりとりがございましたけれども、その嶋田先生と相談しながら、5人の各専門分野の先生方で構成される委員会の人選をしていこうというようにいたしました。これについて議会閉会前に常任委員会の中でも人選についての具体的な嶋田先生との相談結果にもとづく人選の案も示させていただいたところです。それで大きな異論は実はなくて、それで、今その5人の委員それぞれ個別に御相談をさせていただいているんですけども、受諾されるということで内諾をいただいております。


 ですから、この5名の方で新しい調査会が発足する見通しであります。ただ、議会での議論もございましたのでいろんな形で地元の有識者の方の意見を聞いたり、あるいは場合によっては調査会自体に参画してもらう制度もつくってありますので、これは調査会の中で最終的にはお決めいただくことでありますけれども、この議会で議論はお伝えをしながら御判断をいただくということにいたしております。さまざまな意見などを、あるいはその専門家の力も借りた上で、その中には地元の方ということも当然あり得ると思います。それで、皆さんが公平で非常に専門的詳細な調査をしたと。この内容なら納得できるというものをつくっていくのが本来でありますので、そうした丁寧なこれからのプロセスというものが期待されると思います。ですから、これについては今後調査会の発足した後ですね、その中で御議論いただけるものと思っております。


○NHK 渡邊貴大 記者


 ほかなければ以上で終了させていただきます。どうもありがとうございました。


●知事


 どうもありがとうございました。


  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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