知事定例記者会見(2019年9月6日)

令和元年9月6日(金)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約80分) ※MPEG4形式

  

1 2020年度国予算概算要求 

●知事

 皆様、おはようございます。このたび、政府のほうで[来年度]概算要求が進みつつございます。[一般会計要求総額]105兆円を超えるだろうということでありまして、6年連続で100兆円を超える、そういう水準になりそうであります。それと合わせて地方財政の収支の概算も出てきているわけでありますが、64兆円という規模になるだろう、それについては16兆8,000億円といった規模での[地方]交付税という、今、要求状況になってきているところであります。この地方財政の規模やあるいは[地方]交付税については、前年度[平成30年度]よりも伸びることになるわけでございますけれども、地方消費税[率]が引き上げられるこうしたタイミングでありますので、当然ながらそういう方向へ向かっていただきたいと思います。


 大切なのは、再三申し上げておりますように、それぞれの地方自治体、都市部のみならず地方部においても一般財源が伸びるような形にならなければ、この消費税引上げの意味がないということになります。ですから、ぜひそうした形で展開をしていただきたいと思いますし、さまざまな社会保障、そうした予算について要求があったり、公共事業等々のそういう投資的な経費についても戦略的に確保していただく。今、非常に災害も多くなってきていますので、河床掘削など地道な災害予防対策、こういうことも重要な要素ではないかなというふうに思います。





2 ふるさと納税制度に係る国地方係争処理委員会の勧告 

●知事


 そういう中で、地方の財源としてふるさと納税がまた最近話題になってきました。総務省のほうで出されたその方針に大阪[府泉佐野市]のほうから異論が出て、不服申し立てということになりましたが、それについての勧告が出たところであります。これの影響というのはよくフォローしていかなければならないと思いますが、二重の性格を持つ勧告かなというふうに読ませていただきました。1つはいわゆる不意打ち防止と言われるものでありまして、今の基準をさかのぼって過去に適用するといったようなことがないようにする、そうした意味で総務省のほうには厳しい勧告になったということだろうと思います。ただ、他方で、その勧告の中で委員長はおっしゃっておられますけれども、今回の事象というのはふるさと納税の根本を揺るがすようなそういう不適切なものであったということも一方で述べているわけでありまして、決して是認しているということでもないということであります。


 ですから、新しい制度がスタートすることについて異論を述べているものではなくて、それをさかのぼらせて適用しているというように見えるところが問題なのではないかなという主旨だろうと思います。いずれにいたしましても、ふるさと納税自体は新しい地方側の財源にもなりますし、さらに言えば特産品振興などそうした副次効果もあって、地方創生には寄与するものだろうと思いますので、適切な運用をこれからも図っていただきたいなと思います。





3 9月補正予算の編成 

●知事

 こうした中で、私たち鳥取県でも[令和元年]9月の定例県議会が来週[9月12日から]始まることになります。予算は最終的には26億6,700万円規模となります。その中にはさまざまなものが含まれているわけでありますが、安全・安心対策等々ございますけれども、そういうものと合わせて、例えばAIやRPA、こういう新しい手法を行政プロセスに導入していこうというような予算が800万円ほどあったり、また、新しく今度マイナポイントというポイント制度をつくろうということが政府側からこのたび発表をされました。こういうマイナポイントへの広報事業、こうしたことで260万円であるとか、さらには産業廃棄物処分場関連で[公益財団法人鳥取県]環境[管理]事業センターの方から話のありましたこと、これにつきましての所要の予算額、貸付金や補助金9,600万円というものも[予算]計上したところであります。また、議会のほうでさまざまな御意見をいただくと思いますので、そうしたことに真摯に向き合って今後の県政運営の中で反映をしてまいりたいと考えております。





4 豚コレラ対策 

●知事

 そういう中、豚コレラ[緊急対策]についても1,200万円予算計上をさせていただきました。これについて、昨日、農林水産省の新しい方針が出されました。ここで出てきたのが捕獲圧、猪の捕獲圧を強めるということ、それから、豚舎への野生動物の侵入を防止をするということを強化するなどの施策でございますが、正直申し上げて、これは私ども、今、予備費等を使いまして順次執行してきているものと全く重なるところでございました。そういう意味で、この1,200万円予算をつくりましたけれども、これは捕獲圧を高めるための奨励金の追加措置とか、それからあと、検査キット等、これは豚コレラウイルスを判定をするというものでありますが、そのための機材等であったり、そうしたことであります。徹底して、今回、国もようやく鳥取県のような仕組みを公表したところでございますけれども、我々としては徹底した対策をとっていきたいと思います。また、合わせて大山ルビーという大変おいしい鳥取県が開発した、中小家畜試験場で開発した豚があるわけでありますが、その遺伝資源が例えば豚コレラウイルスに豚舎が感染してしまうと失われてしまうことになりますので、その遺伝資源の分散管理が図れるように、それもこの予算、あるいは予算外のことも含めてやっていこうということを合わせて今後遂行していこうと思います。


 こういうような安全・安心対策などでございますが、県民の皆様におかれましては、今、台風13号、15号が日本列島に接近をしてきております。その余波で、今日も大変な猛暑になることが予想されていますが、よく気象情報には注意をしていただきたいと思います。今のところ大きな影響があるかどうかというと、今のところは本県への影響は限定的になるのではないかなというような感じにも見えますが、今後、気象状況変わる可能性は十分ありますので、御注意をいただきながらフォローしていただきたいと思います。





5 台風、災害への備え 

●知事

 県としても特に台風15号は進路がどっちに振れてくるかということがありますので、場合によっては、今、梨の収穫時期ということもありますので、日曜日[9月8日]ぐらいから対策を強化することも視野に、今、準備体制をとっているところであります。このたび岡山[県]新見[市]で大変な雨がありました。来週は職員[災害]応援隊を出してその復興のお手伝いをボランティアベースで行っていくことにさせていただきました。


 こういうように非常事態でいろいろと助け合わなければならないわけでありますけれども、1つには、今日から募集をさせていただくんですが、「[とっとり]EV協力隊」をつくろうと、これは[都道府県レベルでは]全国でも初めての試みではないかと思いますが、県内でも数はそんなに多くはないですが、電気自動車を保有しておられる人たちがいます。もちろん県庁にもこれ先進導入させていただいています。こういうEV車というものがいざというときの避難所の緊急電源になるわけですね、若干その機材が必要であるとか、あるいはボランティア保険的なものが必要であるとか、そういうことはありますが、その辺は県のほうで御用意をさせていただくという前提でそういう民間の皆様にも、いざ災害時に電気自動車で給電支援をしますよという、そういう登録をしていただこうと。こういう制度をスタートさせることになりまして、募集を開始させていただくことになりました。


 また、鳥取県中部地震でも後日課題として指摘をされたことではあったんですが、聴覚障がい者、聞こえない人たちのために、例えば手話であるとか、それからそのほかの要約筆記等のコミュニケーション支援ということがあります。こういうことに対処していくために徳島県と遠隔地で、この聴覚障がい者の関連団体間、そして県もサポートする形で[災害時の手話通訳者・要約筆記者の相互派遣に関する]協定を結ばせていただくと。これも全国でも初めての試みではないかなというふうに思いますが、そういうような形で助け合いによって人口が少ない鳥取県ですけど、安全・安心を確保していくことを考えていきたいと思います。


 また、津波の警戒区域、いわゆるイエローゾーンと言われるものにつきまして、今月半ば、9月17日前後ぐらいを目標に最終的に発効させていただくという運びとなりました。7市町村(鳥取市、岩美町、湯梨浜町、北栄町、琴浦町、大山町、日吉津村)との合意がとれまして、こちらについて発効させ、そのほかの2市(米子市、境港市)についてはこれからさらにフォローしていただきながら、合意を得ていこうということにいたしております。これによって不動産取引のときの重要事項説明に入るとか、福祉関連施設なども含めて避難計画等の策定義務が発生をするとか、従来よりも津波対策が強化されることになります。ただ、私ども鳥取県は、実は国がこれを今回主導していますけども、従来から津波の被害想定を強化した形でやってきていまして、ゾーニング(各地域を区画する)が大きく変わるというふうなことではないと思います。ただ、いずれにしましても、こうして安全対策の強化を進めてまいりたいと思います。





6 東方経済フォーラムへの参加、江原道との交流、日韓関係の影響 

●知事

 先般、韓国、それからロシアのほうを訪問させていただきまして、昨夜[9月5日の夜]帰宅をさせていただきました。その中でロシアのほうでは東方経済フォーラム関連の行事に参加をさせていただき、ロシアの経済界の重鎮の方々、あるいは日本の経済界の方々にも聞いていただきましたが、ラウンドテーブル[円卓会議]でDBSクルーズフェリー[環日本海定期貨客船]などの活用、それから観光等を含めた地域間交流を推進していきましょうということを訴えさせていただきまして、あちらの首長とも何人かお会いもさせていただきました。また、韓国の崔文洵(チェ・ムンスン)江原道(カンウォンド)知事とも面談が成立をしまして、お互いに友好交流というのは継続発展していこうということで原則合意をさせていただきました。このことは韓国国内でも大きく報道されたところでありまして、全国ニュースとして取り扱われていたようでございます。ただ、これについて非常にニュートラル(中立的)ないし好意的に扱っていただけているということでありまして、やはり地域間で地域と地域、人と人とが理解を深めていくことの重要性は江原道と共有できたと思いますし、それについて両国政府は是認しているということだと思いますし、一定の理解も得られる、そういうものではないかなというふうに思います。長嶺[安政在大韓民国日本国特命全権]大使ともお会いをさせていただきまして、こうした交流状況についてご説明させていただき、DBSクルーズフェリーについても説明をしたりいたしました。


 [長嶺]大使のほうからは江原道との交流で、今回[鳥取県と江原道の]知事同士が会ったことの意義は非常に大きいというふうに評価をしていただき、「[第15回]日韓交流おまつり[in ソウル]」、これ大使館も関与して実行されたんですが、「大変苦労があったけれども、やってよかったと思っている。こういうような形で民間同士、地域同士の交流が進むことは重要であると政府は考えている。ぜひ江原道と鳥取県の交流は応援をしたい。」と、こういうようなお話でございました。ただ、日韓関係の大きな流れとしては緊張感が残っている形になっておりまして、エアソウル[の米子-ソウル便が]、大体3割ぐらいまで搭乗率が低下をしてきているという報告もきています。また、DBSクルーズフェリーも搭乗客が数十人ベースということで、日によっては20人を切るというようなときも出てきているという、結構深刻さが増している状況かなというふうに思います。そういう意味でDBSクルーズフェリーの積み荷を支援する、これの強化をしようと、議会のほうの承認も今回取ろうと思いますが、遠隔ですね、鳥取県内や山陰だけでなくて、例えば岡山[県]だとか、周辺地域からも集荷して、こちらでDBS[クルーズフェリー]に載せてもらうというようなことを応援をするために補助制度の組みかえをさせていただこうと思います。


 また、ロシアのほうでも呼びかけをさせていただきましたが、例えばロシア郵便が全ロシアの郵便局に配送する日本からの輸入荷物にDBSクルーズフェリーを当てる、こういうことが始まってきております。いろいろとそうした工夫もしながら必要な協力を取っていきたいと思います。





7 国際航空路線の状況など 

●知事


 ただ、こんなような状況でありますので、やはりウィング[羽根]を広げて多角化をしていくことが大切であります。そういう意味でずっと長いこと交渉してきたわけでございますけれども、このたび、上海吉祥航空と定期[航空]路線に向けて最終的な協議段階に入ることになりました。まだ先方の了解や環境を整える作業などが残っておりますけれども、実は吉祥航空は私どものほうに平成24年度にチャーターフライトを飛ばしまして、平成28年度にもチャーターフライトを飛ばしています。


 上海吉祥航空は新発の上海ベースの航空会社でございまして、最近急成長している会社でございます。LCC(効率的な運営により低価格の運賃で運航サービスを提供する航空会社)ではなくてグレードが若干高めのお客さんが多いということでございまして、現在は三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)であるとか、札幌[市]や那覇[市]のほうへ路線を持っておられます。ただ、上海浦東空港、そうした所の上海の空港事情があって、最近なかなか路線の拡大ができなかったところでありますが、私どももチャーター便の再開やあるいは定期便化といったことで交渉を進めてまいりましたけれども、今、めどが立ちつつあるというような状況でございまして、近々、上海吉祥航空の日本支社長が[鳥取県へ]お見えになるということになってきました。実は、上海吉祥航空が[日本の]地方でこういうチャーター路線を飛ばしたのは鳥取県が初めてという、これかなり当時私も運動したんです。もともと鳥取県は春秋航空が入りかけた時期がございました。ただ、地震とか要因があって土壇場で潰れてしまったというような苦い経験がございます。別の上海の航空路線と当時交渉をいろいろとしていた中で、吉祥航空さんが「鳥取[県]で、じゃ、やってみよう」ということでチャーター便をやりました。ですから、上海吉祥航空さんとしては、鳥取[県]は思い出の地というような意味合いがどうもあるようでございます。私どもとしては、ぜひこうした中国本土からのお客様、また、上海の場合ですと何せ2,400万[人]都市圏でありますから、ビジネス需要も見込めるということもあろうかと思います。


 そういう意味で、関[西国際]空[港]とか、岡山[桃太郎空港]とか、いろいろと近くでも飛んでいる所はありますけども、身近な山陰の中でそういう上海[との]路線ができることの意義は非常に大きいというふうに考えております。当面、週2便程度などの運航から始めることなどをベースにして、今、最終的な交渉に入ったというところでございます。


 また、これはタイのTTNツアー[タイ・ティヨウ・ノーク・ツアー]というところでありますが、最大規模であれば1万6,800人規模で、35人乗りのバス4台で、4カ月[間、関西国際空港から]こちら[鳥取県]のほうに送客をしてくださるという方向で今これも作業しておりまして、県内での宿泊つきというツアー造成であります。これも実は10月にツアーがこちらに来るということがあったんですが、[予算条件の合う宿泊先がなく、]県内での宿泊が見込めないというところ、[鳥取県内に]宿泊してくださいというような交渉から始まりまして、今回こういうような大型のツアー送客ということになってきました。


 台湾につきましては、マンダリン航空のチャーターフライトが飛びまして、今日[9月6日]この後私もそのマンダリン航空の責任者とお会いをさせていただこうと思います今、搭乗率を8割を目標に確保しようと頑張っているところでありますが、そうしたことに向けて、台湾でのPR活動も必要になります。この週末は台湾のブロガー8名の方がこの鳥取のほうに来られまして、情報発信をしていただくことにいたしておりますし、「新甘泉(しんかんせん)」[鳥取県で開発された梨の品種]という梨のPRですね、こうした形で向こうの新光三越という大手百貨店、あるいはそのほかの所も含めて、そうした物産の販売もこの週末始まってくるというようなことになります。いろいろと手を尽くして、そういう海外との結びつき、そういうものを強めながら、韓国のお客さんが当面減ってはいますけども、そうしたことの影響の緩和ということに努めていければなというふうに考えているところでございます。





8 新たな経済成長戦略 

●知事


 こうした形で経済の観光も含めた成長を図っていかなければなりません。本県は経済成長戦略というのを平成22年度につくりまして、来年度[令和2年度]がその終期ということになっていて、さらに途中ですね、いろいろと景気の動向が思わしくないことから、経済成長と合わせて再生の戦略も加えた形で途中改定をしながら進めておりました。ただ、今、例えば有効求人倍率が当初目標にしていたことから考えますと、急にこう上がってきている、成果が現れてきたこともありますし、これまで例えば航空分野、あるいは医薬品等も含めた新分野の企業誘致ということができてきていたり、また、県内企業でも月光ドリル[株式会社ビック・ツールの製品]のように海外に打って出るようなそういう業態も生まれ始めてきている。そういうようなことを睨みながら戦略を抜本的にまた新しくつくり直していくべき時期に入ってくるのかなと思います。その中で観光関連産業やサービス産業、あるいはICT関連といったようなことも組み込みながら新しい戦略づくりに入る必要が出てきたのかなと考えております。


 足下では先般工業統計、政府の工業の統計が出まして、直近で8,040億円の製造品出荷額になりました。こちらのほうも今、回復の途上にあります。私たちは今、9,000億円の製造品出荷額を目標にして動こうとしております。ですから、そうした意味で、それを強力に推し進めるという意味での新しい産業成長戦略、これをつくる必要があるのかなと。そんなことでありますので、新年度がかつての計画の終期でありましたけれども、それから、向こう10年を見渡した2030年を展望したそういう計画策定に入るべく検討委員会を立ち上げることにいたしたいと思います。


 来週9日の日に、その第1回の会合を開かせていただきたいと思います。新たな産業成長戦略検討委員会、それを設置をしまして、これから関係者と大いに議論をして夢をまずは1つにまとめていき、そこに今回、6月補正[予算]でも入れました産業成長応援のための補助金等の仕組み、こういうものを投入したり、それをまたアジャストして、調整して、改編して適応していくことといたしたいと思います。





9 東京オリンピック聖火ランナーの応募状況、第53回全国ろうあ者体育大会など 

●知事

 また、これからスポーツにつきましてもいろいろと大きな大会が出てくることになりますが、オリンピックにつきましては1,000名を超える聖火ランナーの応募が最終的にはありました。途中、結構伸び悩んでいましたけれども、最後にまだ鳥取県は随分チャンスがあるのかなということもあって応募熱が最終盤で高まったということになりました。


 先般は冨田千愛選手が[ボート世界選手権大会]女子としてメダルということになりましたし、また、高橋[祐翔]選手が[サッカー]J1[の大分トリニータ]に入ることになったり、いろいろと最近、明るいニュースがございますが、いよいよ9月19日から22日まで全国の聴覚障がい者の皆様の体育大会[第53回全国ろうあ者体育大会in鳥取・島根]が山陰両県で開催をされることになります。20日に米子市のほうでまずは開会式がありまして各競技に分かれてこの大会を戦っていくということになります。全国のそういう関係者の皆様を地域を挙げてご歓迎申し上げたいと思います。


 また、それに間に合わせる意味でと準備をしてきましたNet119[緊急通報システム]のほうも9月19日には全県でできるというような運びとなってまいりました。今、ボランティアさんであるとか、あるいは子どもたちであるとか、いろいろとそういう支援の輪を広げながらこうしたことを進めるということになってきたところでございます。





10 舞台「四十七大戦」及び関連イベント 

●知事

 また、四十七大戦という、これ漫画でございますけども、この秋2.5次元の舞台化ということになりまして、ファンの皆様の鳥取への関心が高まってくる時期にもなります。今、民間の皆様とも協力をしながらいろんな盛り上げをしていこうとしていますが、このたび今井書店のほうでコラボカフェも9月24日から始めるということになったり、また、10月1日から本の販売とか、いろいろと考えてくださるようになりました。県のほうでも来ていただいた方がいろいろと四十七大戦関連で県内の名所を歩いていただいたり、あるいは美味しい食べ物に出会っていただいたり、そんなパンフレットのようなお手伝いをいろいろと今、考えてきているというところでございます。ぜひ、そうした意味でこのようなチャンスも生かしていければというふうに考えているところでございます。



11 ジャパンディスプレイ、鳥取グリコの状況 

●知事

 また、JDI[株式会社ジャパンディスプレイ]につきましては、今、我々のほうでいろいろと会社側から聞いておりますと、今、希望退職を募っておられるんですが、鳥取のサイト(工場)でも100人規模でそういう希望者がいらっしゃるというようなこともわかってきたところであります。どういうことができるかはわかりませんが、我々としては少なくとも鳥取サイトで事業を継続していただかなければなりませんし、そういう意味での人員も必要でしょうから、鳥取[県]での雇用の確保ということを会社側のほうには求めているところでございます。合わせて、ただ、そういうふうに辞職をされる方がいらっしゃったときの、あと、実は鳥取のサイトは他の地方から来られた方も結構いらっしゃるものですから、異動をかけてこちらのほうに車載の人材を集めてきているというようなことがありますので、本県の中で完結しない部分が恐らくあるんだろうとは想像しているはいるんですけども、来週、こういうJDIの再就職対策等を念頭におきまして、労働局等関係機関と一緒の対策会議をつくって丁寧に対応していく必要があるのかなというふうに判断をいたしているところであります。


 なお、江崎グリコ[株式会社]には本社のほうに本県のほうから要請にまいりました。その際、鳥取グリコ[株式会社]の取り扱いにつきましては、これについては生産も継続していくし、そちらのほうでの人員ということも当然配置をしていきますよということでありまして、ただ、会社組織としては来年の夏をめどに新体制に移行させると、こういうようなことでございました。また、いろんな新しいビジネス開拓の動き、これを応援していきたいと思いますが、このたび、我々も応援してまいりましたけども、鳥取大学発のベンチャーで「カニダノミ」という商品をつくられまして、化粧品ですね、キチン・キトサン、そういう蟹由来の資源というものを活用した。そういうものができあがる運びとなったりしております。これからもそういう意味で応援を産業界、産業創造、雇用の確保に向けてやってまいりたいと考えております。





12 第6回手話パフォーマンス甲子園 

●知事

 これから秋のシルバーウィーク等々、連休もあったりしますが、ぜひ多くの方々に山陰を楽しんでいただきたいと思います。また、梨等々これから本格的な鳥取[県]が輝くシーズンに入ってきますし、蟹取県も本格化をしてくるわけであります。


 そういう中、いよいよ高校生の手話パフォーマンス甲子園が開催をされることになります。今回は15校が出場しまして開催をされる本番舞台となります。1次審査自体では前回並みの参加校数がございましたが、レベルを絞って濃厚な舞台にしようということで、今回は2次審査は15校ということになります。これに向けて高校生の皆さんが食べ物を提供しようとか、いろいろとそういうことの関連企画もできてきているところであります。とりぎん文化会館で開催をすることになり、会場としては非常に大きな会場になるところでございますが、ぜひ成功に向けて皆さんと協力をして進めてまいりたいと思います。私のほうからは以上であります。





13 米子・上海便の交渉状況 

○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 すいません。吉祥航空の件なんですけど、これは米子・上海便ということでよろしいんでしょうか。


●知事


 はい。米子・上海便を想定して、今、最終調整に入っております。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 就航はいつくらいからを検討していらっしゃるんでしょうか。


●知事


 ちょっとまだ、決まったものでもなくて、今、[吉祥航空]日本支社の支社長さんが近々、最終的なお話し合いということでお見えになるということでございますので、ちょっとそこでどういう話があるのかなと思っていますが、これまでのベースは週2便程度ということを、まずは想定をしながらという交渉をしてまいりました。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 いつごろから交渉を始められて、誘致の決め手となったところというのはどういうところになるんでしょうか。


●知事


 まだちょっと向こう[吉祥航空]も最終決定してないところでありますので、まだ誘致とまでは言いにくいところではありますが、先ほど申しましたように、かつてのチャーター便時代から、我々ずっと交渉をしてまいりました。最近、上海の空港事情で新規[発着]枠が取れないという、そういう中国政府の方針がありまして、なかなか実は、最近、上海吉祥航空さんとは、前、ずっと実は交渉し続けているんですけども、最近はチャーター便も実現していなかったということでありました。今回もチャーターフライトのことも含めて今シーズンに向けて交渉していたわけでありますが、最終的には、もう定期便で始めてもいいんじゃないかと、こういうような、今、話の流れになってきまして、ここ数カ月、交渉を本格化させてきていたところでありますが、今、ようやくその最終段階に立ち至ったというところであります。


○毎日新聞 野原寛史 記者


 関連で、機材は何か、例えばエアバスA320とかいろいろあると思うんですけど、会社が持っているのは、このぐらいの規模の機材を飛ばすっていうのは何かお話ございましたか。


●知事


 過去も中型程度のものだったと思いますけども、まだその辺、本当に今、最終段階でございまして、交渉中であります。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 最終調整ということは、めどとしては年度内にも飛ばし始められたらいいなというような感じでしょうか。


●知事


 そういう考え方で進んでいます。今やっぱり我々としても、いろいろとやっぱり海外インバウンド旅客の多角化を図っていかなければいけませんし、そういう意味ではずっと長いこと交渉してきた相手ではあるんですけども、できれば[令和元]年度内ということも念頭にということでありますが、いろいろ機材ぐりのことだとかございますので、ちょっとまだ最終的な確定ではありません。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 すいません。三大都市圏と那覇、札幌に就航しているということなんですけど、米子、鳥取に就航することで、採算性とかっていうのはどのように知事として考えられているんでしょうか。


●知事


 過去もチャーターフライト飛ばしておられますので、一定の需要があるということはおわかりいただいていると思いますし、実は、王均金(オウ・キンキン)董事長(とうじちょう)、会長ですね、日本でいうと、経営者の方であるとか、あるいは総裁ですね、そうした方と私も過去直接お会いをしてお話をしております。その際、その一環で王均金董事長は鳥取[県]のほうも来られて回っておられるんですね。そのときに鳥取の例えば和牛とかそういう[ものの]おいしさだとか、また、ここの県域、[名探偵]コナン[にゆかりのある青山剛昌ふるさと館]だとかいろんなものがございますので、そういう家族連れにも非常に見所の多い所だと、そういう感触を経営陣も持っていただけたと思います。


 そういうようなこともありまして、我々ももちろん採算性のことも気にしなきゃいけないんですけども、向こう[吉祥航空]も一定の自信と信頼というものを持って今、最終交渉に入っていただいているというふうに思っております。ただ、実際飛ばすとなると、例えば空港でのいろんな手配のことであるとか、それから許可権者との関係だとか、そうした折衝、調整も必要でありまして、そうしたことが最終段階に入ってきたということであります。





14 徳島県、鳥取県の聴覚障害者関係団体による協定の締結 

○共同通信社 遠矢直樹 記者


 すいません。聴覚障がい者の徳島県との協定のことでお伺いしたいんですが、具体的にどういった災害のときに、どういった人たちを派遣し合うっていうような協定なんでしょうか。


●知事


 あれだったら、今の詳細のちょっと調整上、まだ実は10月15日ぐらいになると思うんですね、調印が。ですから、ちょっとまだ一月先なんですけども、議会に入る前の記者会見ですから、少し長いスパンで話をさせていただきました。まだ若干調整の余地あるのかもしれませんが、基本的にはお互いに必要なときに応援をお願いするという形の協定であります。詳細、また担当課のほうからお話をさせていただきたいと思います。


○共同通信社 遠矢直樹 記者


 わかりました。





15 とっとりEV協力隊 

○読売新聞 滝口憲洋 記者


 読売新聞の滝口です。EVの協力隊なんですけど、具体的にはどういった運用をされる予定でいらっしゃるんですか。


●知事


 これもあれでしたら、担当課のほうから詳細をお話したいと思いますが、実際、プラグイン[の電気自動車]とか、給電可能になっています、最近の車は。避難所といっても大きなものもありますけども、ちっちゃなものもあります。特に我々、支え愛避難所という集落施設、それを避難対象として認めることに条例上もさせていただいているところでございまして、そういう小規模な所などで当面そういう車を使っていいよということはあり得るだろうと思うんですね。そういう意味でその充電してある電気を開放していただくという形で使わせていただくと。もちろん充電すればまた給電できますので、何回かに分けてやるということも可能かもしれません。今、募集を始めて、まずは登録をしていただいて、実際、災害が起こったときに臨機応変にやっていくということになろうかと思いますが、ちょっとそのスキームの枠組み等々また詳細、担当課のほうからお話申し上げます。


○読売新聞 滝口憲洋 記者


 どういうメリットがこのEV協力隊によって生まれるというふうに考えておられますか。


●知事


 もちろん、私ども実は、非常時に備えて油を燃やして、発電をする携帯用の発電機等は多数持っておりまして、これで一定程度[発電が]できるわけでありますが、ただ、せっかくの電気自動車、これを地域のボランティアとして役立てようというようなそういう住民の皆様のそういう運動というのもまた一つ必要だと思います。そういうような意味でささえあい、災害時のささえあいの一環としてそういうEV[電気自動車]をツールとして考えていくと、そんな意味で災害対策の強化にもなろうと思いますし、防災意識の高揚にもつながればと考えております。


○毎日新聞 野原寛史 記者


 その関連で、電気EV化転換の件ですけども、ちょうど今日1年を迎えた北海道地震でまさにこういった車の運用例があったんですが、それはやっぱりこの北海道地震での運用例などを見て、参考にされてやろうというふうに決めたということですね。


●知事


 おっしゃるとおりですね。また、我々も実はEVはそういう災害時、御家庭の電気にも役立ちますよというようなことでPRもしてまいりましたし、災害時の活用例も出てきております。そういうことで発想を転換して泥さらいだとか、いろんなボランティアありますが、EVでのそういう地域貢献活動というのも設定してみたいなというふうに考えたところであります。


○毎日新聞 野原寛史 記者


 EVであれば小さい避難所の1つくらい賄えるというような電力が出せますけども、県内に今どのぐらいあるというのは県のほうで台数のほう、把握していらっしゃるんでしょうか。


●知事


 ちょっとまた詳細、では、担当課のほうから話をしたいと思いますが、正直申し上げて、かなり本格的な発電機持っています。それは市町村も持っていますし、我々も持っていまして、それを例えばあっちの避難所、今、電気がないということで持って行って、それで取り付けるように仕組み上はできていますが、ただ、実は集落で身を寄せ合うようにして避難する形態があるんですね。本県の場合は中部地震でやっぱりそういうのがかなりありました。熊本地震のときは、それが結構問題になりまして、そこには例えば食べ物が届かないとかいうようなことがあったりしました。ですから、我々、実は中部地震の後、そうした支え愛避難所と呼んで、集落で身を寄せ合うようなところも含めた災害対策をつくろうというふうに発想を変えてきております。


 そういう中では、これらは家庭電力と変わりませんので、そうなりますと。特に避難所ですから、そんな何ですかね、莫大な電気を使うわけでありませんので、身を寄せ合っているということでありますから、ですから、十分EVでも力を発揮し得るところでありますので、機動性を持って、そういうようにちょっと行政がどうしても手が届かないようなとき、EVが活躍するということは北海道地震のようにあり得るんじゃないかなと思っています。


○日本海新聞 濱田匡史 記者


 知事、すいません。支え愛避難所みたいなケースって、東日本大震災のときから災害直後に行政の手が回らないときに自主避難みたいな形でつくられるケースが多かったと思うんですけど、今回のこのEV協力隊は、では災害直後のそういった避難所への手立てとして有効なスキームとして用意していくという考え方でよろしいんですか。


●知事


 そうですね。それは典型的な例だと思います。また、そのほかにもいろいろと、なんせEVですから機動的にどこでも給電に行けますので、しかもEV、基本的に小さい車ですから、小回りが利くはずであります。そんな意味で、こういうEV協力隊ということの効果は十分あるんじゃないかなと思っています。





16 核燃料税 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 すいません。話は変わりますが、昨日、島根県が中国電力から徴収する島根原発の核燃料税が延長されるという方向になったようですが、鳥取は財源確保策として中電から寄付金をもらっています。本年度末で枯渇する見通しなんですけれども、来年度以降の財源確保策について中電に再び寄附を求めるのか、それともまずは人件費などでも国の交付金対象としてもらえるように要望を続けていくのか、その辺どのようにお考えでしょうか。


●知事


 この核燃料税につきましては、前の溝口[善兵衛島根県]知事とも話し合いをしていたこともありましたが、これはやはり制度上県内での配分ということになります。そこで、私どもとしては寄付金という形でそれを基金に積んで人件費などを他の交付金で当てられないものを中心に我々のほうで執行させていただくと、これは中国電力と了解を取りまして進めている全国でも唯一の団体ということになっています。ただ、これは正直申し上げて、制度的には未熟な段階だと思っています。寄付金がなければ税金で賄うことになりますので、何で隣の県でしか雇用も発生しないようなそういうことに本県が人件費まで県民が負担しなければいけないのかというのは説明がつかないものですから。ですから、我々としてはそういうことで中国電力と交渉して寄付金をいただいてきているという形になっています。ただ、この不正常な状態は解消されなければなりませんので、第一義的にはやはり国で制度を設計してこういう対策費の財源をそれぞれの住民に負担転嫁することがなく、進められるように制度設計を考えるべきであります。これがいわば欠けたピースの状態になっていますので、これについて国に対して先般も要望活動してまいりましたが、今後ともしっかりと訴えかけをしていきたいと思います。ただ、背に腹は変えられませんので財源が枯渇してしまうということになった場合を想定して、今、中国電力側とも話し合いを始めてきているところでございまして、そうした形で今後も滞りなく原子力安全対策が遂行できるように環境を整えてまいりたいと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 永久的な制度、寄付金については永久的な仕組みではないと思うんですけれども、その辺についてはどのタイミングまで寄付金をもらうかとか、そういうことは何かお考えありますでしょうか。


●知事


 国で制度ができて十分なものになればそれはそれで可としたいと思いますが、当面それが見込めませんので、当面はこうしたやり方も緊急避難的に続けざるを得ないのかなと思っています。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 あと、先ほどもおっしゃられましたけども、溝口知事と以前に核燃料税について協議をされたことがあるというふうにおっしゃられましたけれども、新しく丸山知事に変わりまして、核燃料税について改めて協議をするとかというようなことはありますでしょうか。


●知事


 これは、実は溝口知事御自身も思いがあって御相談したこともあるんですけども、制度的な問題ということで制度に合わないという、そういう限界がありますので、私どもとしては、そういう中国電力からの別の財源措置を求めることに最終的にはいたしました。その基本構図は変わっていませんので、両県で話し合えば解決するということにならないと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 ありがとうございます。





17 江原道との交流 

○読売新聞 田村勇雄 記者


 話変わりまして、江原道の訪問の話ですけど、会談の概要は県のほうからリリース出ているんですけど、もうちょっと詳細と、あと知事が向こうに行かれての職員の歓迎の様子とか、まちの雰囲気とかもちょっと教えていただければ、あと11月のこちらで迎え入れる記念事業の見通しもお願いします。


●知事


 はい。江原道の道庁のほうで通例ですね、大体訪問団が行きますと、歓迎を道庁のほうでされます。我々も同じように歓迎をするというのがいわばプロトコル[外交上の礼儀]になっています。それは従来どおりであったというふうに思いました。着いてみますとレシービングライン[一列に並び招待客を迎える礼儀]ですね、うちでいえば県庁の玄関から、例えば[私、]平井[伸治]が初登庁したときに皆さんがレシービングラインをつくって花束を渡す。あれと同じような形ですね。崔文洵知事のほうから花束がまず私のほうに渡されまして、道庁の幹部の皆さんや若手職員も含めてずっと歩く筋道にいて歓迎をしてくださったというような形でありました。それで私のほうからは、これからも江原道との思いに応えていきますとそういう趣旨のことを申し上げまして、職員の皆様からその交流が続いていくことへの祝福の拍手があったという状況でありました。


 その後、江原道庁の中の恐らく一番重要な会議室ではないかと思います。私が平成19年に江原道との交流復活したときも同じ部屋でありましたが、その応接をされる部屋で私どもの訪問団、これは矢部[康樹]若桜町長、寺谷[誠一郎]智頭町長、また藤井[喜臣鳥取県]日韓親善協会[連合会会長]等々ですね、民間の皆さんも入られまして、それと崔文洵知事とが面談という形で記念行事となりました。崔文洵知事がまず切りだされて、その中でこれまでの韓国と日本の交流のモデルとしてやってきた江原道、鳥取県との交流の成果を評価をして、これからも友好交流を進めていきましょうという強い呼びかけがありました。その際に紹介されたのが、例えば平昌(ピョンチャン)オリンピックのときに一番来た外国客は日本人だったと。だから、やはり日本との交流というのは我々にとっても大事だと、その中でも鳥取県はパラリンピックに向けてあいサポート運動がありますが、このあいサポート運動を江原道は導入されたんですね。そういうことなどを指しておられると思いますが、パラリンピックについてそのやり方を考える上での絶大な協力をもらったと、こういうお話をしておられまして、感謝の言葉もあったところでございます。


 そういうようなお話の後、私のほうから、これまでの25年の交流を振り返って、もともと鳥取県と江原道はそれぞれの国でいえば、例えば東京から遠い所、ソウルから山を越えて行かなきゃいけない所、そういうようにリモート感があったんですね。ただ、我々が手を握ることで今後海を隔てた交流の玄関口になることができる。そういう思いで私たちはこの25年間同じ夢を見て友好姉妹交流を発展させてきたと。そういう中でDBSクルーズフェリーが誕生したり、平昌オリンピックの成功といった具体的な果実も出てきたと。この間、江原道側もハイウェイや高速鉄道が開通をしたり、鳥取県もインフラの整備、港の整備等も進んできたり、それぞれ昔25年前に見てきた夢が今実現の途上にあると。ですから、ぜひこれから、これ発展させていこうではないかというふうに呼びかけました。


 そこで、日韓交流については、国と国との間では波風も立つことはあるけれども、地域と地域、人と人との理解し合うこと、これが未来への贈り物になると、そういうふうに申し上げまして、江原道と鳥取県、私たちは懸け橋だと、こういうように申し上げました。その言葉は結構向こうのメディアも含めて随分響いた感じがしましたですね。ですから、比較的好意的な報道で向こうの全国報道もあったんではないかなというふうに思います。その後、具体的に若桜町や智頭町、さらにはそれぞれの友好交流団体から発言がありまして、一つ一つに崔文洵知事が答えながら、最終的にこれから25周年節目として交流を発展させていきましょうと、こういうような合意に至ったということであります。


 次の11月のタイミングをどうするかは正直まだ白紙だと思っていただいたほうが正確なのではないかと思います。崔文洵知事にはぜひ来日してくださいねというふうに呼びかけまして、考えるということをおっしゃっていました。ただ、まだ二月ほど日がありますので、この間、諸情勢もフォローをしながら両道県で私どもが[令和元年]11月何をやるかを決めていきたいと考えておりますが、崔文洵知事の鳥取[県]訪問ということも含めて検討したいと思います。


○読売新聞 田村勇雄 記者


 その崔文洵知事から具体的に11月をどうするかについての発言はありましたでしょうか。


●知事


 そこはなかったですね。ただ、[令和元年]11月も来てくださいということをその会談の後も含めて申し上げていますが、行きますという趣旨のお話をされています。


○読売新聞 田村勇雄 記者


 そうですか。それは職員レベルでしょうか。


●知事


 そこのいろんなちょっと、若干いろんな温度差はあると思います。はい。ただ、御本人は行きますと言っています。


○読売新聞 田村勇雄 記者


 そうですか。本人が、はい。わかりました。


○NHK 石塚和明 記者


 関連して、11月にその鳥取がホストになることで、今、何をやるか決めていきたいということなんですけれども、今月の、9月の行事としては会談という形になりましたけれども、鳥取県側、受け入れる側の行事としては何か式典という形は目指していくとか、そういった、どういった、できればここまではいきたいなというのは今あります。


●知事


 私は、実は、今こういう状況の中で友好交流を継続していくことのむしろそのこと自体の価値があると思っていますので、あまり形にはこだわらずに、両地域ができる範囲のことをやっていくということでよいのではないかなと思っています。実は、今回崔文洵知事との交流団体の様々な発言の中に表れていましたが、交流を閉ざすということは、これは復活させるのも難しいし、ぜひ鳥取県との交流を継続すべきだと、こういう発言が主でありました。それが多分交流当事者の、諸団体の思いだと思います。ですから、何かこうセレモニーをこういう形でやったから、それがよかったということではなくて、結果を出すこと、交流を継続していく、そういう1つの逆に契機となるような、そういう仕上がりができれば十分ではないかなと思っています。


○NHK 石塚和明 記者


 今回、こういった形でその崔知事も本当に面談を、会談をしようという形になって、韓国でも様々情勢あると思うんですが、その中で平井知事と同じ思いでその開催に結びついたっていう、その崔知事のその判断された、判断したことに対しての知事としての評価といいますか、韓国の、韓国でもその日本に対する日韓情勢の悪化の声が広がる中で、そういった中でも崔知事が改めてこういった25周年の事業を本当にする気に至ったということの崔知事に対する思いをちょっと改めてお伺いしたいのと、11月までにそういった今後の情勢を注視しながら、形も考えていくということになるでしょうか。


●知事


 長嶺[安政在大韓民国日本国特命全権]大使とも実は別途お話し合いもさせていただいて、そのときに、いろんな情勢の話もありましたけれども、NHKも報道されていましたが、その直前には日韓交流おまつりという、これは民間交流の集大成みたいな、そういう行事も決行されたわけですね。いろんな御意見は、本当はあったんだそうであります。その際に崔文洵知事の意向もあって、全国的にはうち[鳥取県]だけになりましたが、日韓共同での出店、江原道と鳥取県との共同出店という形で料理なども提供しながら、結構盛況でにぎわったということでありまして、そのことも報道していただいていますが、そういうようなことができている地域という重みが我々にはあると思っているんですね。今回江原道庁でお会いをしたことが向こうで結構大きく取り上げられているのも、その辺があるのではないかなと思います。


 私たちがそうした国レベルとは違ったレベルで、しっかりとした理解の絆というものを持っておくことが、セイフティーネットとして両国関係の中でも積極的に寄与する面もあるんじゃないかなというふうに思っていますし、それが本来の姿だろうと思います。実は崔文洵知事も日本の報道機関のインタビューに答えまして、同じ趣旨、地域と地域、人と人との交流が国同士がいろいろあっても大切ですよということを、率直に日本の報道機関にも語っておられるんです。多分韓国全体でも、そういう意味ではしっかりとした信念を持っておられると思います。私自身は、これ別に韓国との交流に限らないことだと思っていまして、自分自身もアメリカで仕事をしていた時期がありますが、そのときにやはり姉妹都市会議っていうのがあるんですね。そういう全世界から集まってくるような会議がありまして、そのときにイスラエルで、ミサイル発射が直前で問題になったんですね。そういう意味でパレスチナとイスラエルの緊張感高まる時期だったんですが、そこのときにパレスチナの代表とイスラエルの代表、そういう民間レベルといいますか、自治体レベルの方が来られていまして、私は会議を中止するんかなと思ったんですが、行ってみるとちゃんとやっているわけですよね。そこでパネリストの皆さんがおっしゃるは、国同士は戦争をしたがると。しかし、私たちは理解し合うことが大切だと、だから、あえて今日こういう日に私たちはこのセッションを持つことにしたと、こういうふうにおっしゃっていました。もともとこの姉妹都市会議の発足もそうですし、世界でシスターシティ、シスターステートというのができてきたのは、第2次世界大戦の反省の中で、アイゼンハワーがピープルトゥピープルという、人と人という、そういう運動を始めたわけです。そのときに世界各地とアメリカの自治体が姉妹提携を始めたのが、そういう交流事業の端緒なわけですね。


 特に当時、姉妹提携先だったのがドイツ、そして日本だったわけです。日本との間では[アメリカ合衆国ミネソタ州]セントポール市と長崎市が第1号の姉妹提携だったですけども、その協定の締結日は真珠湾攻撃[1941年12月8日、日本海軍が行ったアメリカ合衆国ハワイ州の真珠湾軍港への奇襲攻撃]の日にあえて設定されたんですね。大体そういう意味で意味合いわかると思うんですけども、やはり国と国ということでおつき合いをするというだけで世界という、ものを運営していくには限界があると。やはり日ごろから地域と地域、人と人との理解ということを進めていく必要があると。それがこの実は姉妹都市運動の考え方なわけであります。


 だから、そういうような世界観の中で、私も各地域と交流を進めてきたということもあり、これは韓国に限らず、[中国]吉林省であるとか、あるいは先般のジャマイカであるとか、アメリカ[合衆国]でも新たにバーモント[州]と交流を始めました。こういうようなことはそういう大義の中で考えていくべきではないかと思っています。そういう意味で、多分崔文洵知事とは思いが通じ合うことはできているんじゃないかなと思っていますので、今後ともしっかりと進めていればと思っています。





18 全国知事会会長の選任 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 すいません。いいですか。すいません。徳島県の飯泉知事が3日に全国知事会の会長に正式に決まりました。全国知事会の会長をめぐっては、以前から平井知事自身が候補に名前が上がったこともあったと思いますし、それから地元の期待なんかもあったと思います。平井知事自身が会長にならなかったことへの受け止めをお願いします。


●知事


 先週もちょっと申し上げましたけれども、私はどちらかというと今回飯泉[嘉門(イイズミカモン)徳島県知事]を推している1人でありまして、推薦人にも名を連なせていただきました。私は飯泉さんとは[平成19年4月の]初当選以来、若手の知事会をつくって、しっかりと地域から革新を興していこうと。当時、改革派と言われるムーブメントがありましたが、そのネオ改革派というんですかね、実績を出す、地域振興に貢献できるような、そういう改革をやろうということで子育て支援などを中心に始めてきた、いわば盟友であります。したがいまして、今回、私たちが進めてきたそういう子育てだとか、あるいは合区問題だとか、さらには財源問題だとか、そうしたところでは一心同体でこれでも動いてきましたので飯泉知事が[全国知事会の]会長職を担われることについて、私も賛同しますし、その枠組みの中で貢献できることがあれば惜しみなく私も協力貢献していこうと、こういうことであります。


 私自身がならなかったことについての感想ということでありますが、正直な話を申し上げれば、そういう意味で飯泉知事が会長職へというその動きの中でありますので、私自身は、自分は控えていきたいということでそこはむしろ積極的にそういうように進めたところでございます。目的はやっぱり[全国]知事会を通じてこうした人口の少ない県であってもしっかりと国政、あるいは全国に向けて意見を出したり、また、こうした地域の事情を反映させることが大切だと思っています。ですから、私、自分が知事になること自体そうでありますが自分のために仕事してないというふうに自分では自戒をしておりまして、今回も会長選挙を巡って、自分もそれを念じながら、この会長選挙の話し合いの中に、私も参画にしてまいりましたので、今回の結果で私自身は評価をしているところであります。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 いずれにしましても平井知事自身が4期目を迎えて、知事会の中でもいろいろと実績を積まれてきたところもあると思います。今後どういう知事会の中で立ち位置に立たれて、どのような役割を果たしていかれるとお考えでしょうか。


●知事


 今の地方分権の仕事のメインプレーヤー[全国知事会地方分権推進特別委員会委員長]にさせていただいていたり、それから[全国]知事会と完全には連動しませんが、例えば障がい者芸術文化の運動[2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた障がい者の芸術文化活動推進知事連盟]であるとか、手話を広める[知事の会会長]とか、あるいは農泊のような新しい観光スタイル[一般社団法人日本ファームステイ協会会長理事]、さらには[全国]自治体病院[開設者協議会会長]等々、実はある程度の仕事を任せられるようになってきています。ですから、自分としても全国の中でやはり地方の実情というものも念頭に置いた運用が図られるように、精一杯努力してまいりたいと思いますし、新しい体制の中でどういう役割分担ができてくるのか正直まだ私も日本に帰って来たばっかりでよくわからないんですが、また何か求められれば当然それは飯泉会長と相談しながら、私自身もしっかりと貢献する役割を果たしていきたいと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 以前、知事会は戦う知事会と呼ばれたようなこともあったと思うんですけれども、今、地方創生などでその知事会の役割が非常に高まってきている中で、今後、知事会というものがどうあるべきだと思われますでしょうか。


●知事


 やはり提案する[全国]知事会って言うんですかね、そういう姿がいいんじゃないかなと、今回会長職に就任されましたけれども、飯泉さんも含めて志ともにする人たちと私は話をしてまいりました。今回の豚コレラ問題もそうなんですが、私も知事会で随分騒ごうとしてちょっと発言封じられた感はあったんですけども、今回。[豚]コレラ問題なんかも正直全然うまくいっていないわけですよね。ようやく昨日[9月5日]農林省が新しい方針を示しましたけれども、我々現場からすればわかっていることっていうのはいっぱいあるわけです。ですから、そうしたことをやはり国の政策に反映をさせていったり、国が動かないんだったら自分たちでもう共同してやっていこうというぐらいの力強さがあってもいいんじゃないかなと思うんですね。それが国民イコール[鳥取]県民のためになることであって、国のためイコール[鳥取]県のためになることだと思います。ですから、そういう意味で提案する知事会、行動する知事会としてもっと活性化していく必要があるんじゃないかというふうに思っています。要望書をまとめるだけではやはり物足りない気がしますし、そこにまとめる過程でもいろんな意見が出てきて最終的にはうまくいかないこともありますが、正直申し上げて、多分地域や国全体が[全国]知事会に期待しているのはむしろある程度の執行力を持った人間たちとして、本当に今回の豚コレラ問題なんかもそうですけども、適切な処方箋というのを率先して国やあるいは国民に提案していけるような、そういう団体であればいいんじゃないかなと思っています。





19 米子・上海便の交渉状況 

○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 また、米子・上海(シャンハイ)便の話に戻るんですけども、これが就航した場合、知事はどういうところに一番やっぱり期待されるのかっていうのと、それとこの就航による展望をどう描かれるのかというのをちょっと聞かせていただけたらと思います。


●知事


 上海は上海自体2,300万[人]とかいうそういう大きな人口のベースがあって、さらにはその後背地に抗州(コウシュウ)や蘇州(ソウシュウ)等々様々な所がありますし、中国大陸の中でのハブの役割を果たしています。そういう意味で、今、私どものほうで就航しているソウル便、それから香港便に加えて上海便が入ることで東アジア、さらには東南アジア等も含めたネットワーク化への道が大きく開かれることになるんではないかなと思います。また、現下のインバウンド観光客の状況からしますと、香港のほうも今まだちょっと、とりあえず条例案[逃亡犯条例改正案]は撤回するということになりましたが、まだそのほかの4部門の要求を巡って住民運動が続いているという状況もありですね、まだまだ先行き予断を許さないような状況もあります。


 そういう中でやはり多角化をして、いろいろとその観光客、インバウンドの幅を広げていくことがリゾート地としての山陰の向上発展に寄与するんではないかというふうに思います。そういう意味でメインランドの中国、そちらのほうの航路ができることの観光へのインパクトを期待したいと思います。また、合わせていろいろ米中関係などの問題は出てきましたけれども、上海、さらにはそれから広域的な中国の一帯は、我々の県内中小企業でもビジネスパートナーとして、例えば工場があったり、取引先があったり非常に重要なポイントになります。そういう意味で、県内の産業界の利便性向上になり、販路開拓であるとか、それから世界的レベルで活躍する企業の育成であるとか、そうしたことにも貢献できるんではないかなというふうに期待をいたしております。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 すいません。その関連ですけれども、多角化ということが日韓のああいった問題があったりしていますけども、大分落ち込んで多角化を前倒して進めたいとかなりおっしゃっていますけども、今回の上海(シャンハイ)路線とかにつきましてはやはり前倒して開設するっていうのは受け止めてよろしいでしょうか。


●知事


 前倒しというか、実は交渉はもうそれこそ東日本大震災のころからずっとやってきていまして、ようやくここにきて機が熟してきたということだろうと思いますが、我々の気持ちとしては、やはり韓国のインバウンド客が急速に少なくなってきているという現実がありますので、旅館やホテルからは何とかならないかというそういう切実な声も挙がり始めていますので、そういう意味で新しい航路開設は多角化に大きく前進できるものではないかというふうに期待しています。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 あと1点、障害になるようなものがあるのか、開設に向けて。兼ねてからの米子空港に関しての土地交渉で防衛省があまりにも路線はふやしてほしくないみたいなことを言っていたような記憶があるんですけど、そのあたりの折り合いっていうのはどんなもんですか。


●知事


 その点につきましては県側も仲立ちをしながら、[航空自衛隊]美保基地とも協議を進めております。そういう意味で、今いろいろとこのランディングですね、着陸できるということに当たっての制度的な制限だとか、あるいは実際のマンパワーの問題とかいろいろとありますが、その辺は今、1つ1つクリアしつつあるというふうに御理解いただきたいと思います。





20 豚コレラ対策 

○共同通信社 遠矢直樹 記者


 すいません。話は変わるんですが、豚コレラというか、大山ルビーのところで先ほど分散管理をするとおっしゃいましたが、具体的に分散管理っていうのはどういうふうに管理するのかっていうことと、今は現状としてどういうふうに管理されているのか教えてください。


●知事


 今、南部町の[鳥取県]中小家畜[試験場]の所で管理をするというか、育成をしているところでありますが、やはり県の中部[地区]だとかそうしたサイト[場所]をいろいろと従来から我々が持っているサイトがありますので、そうしたところを活用しながら管理をしていく。また、精液とかそうしたレベルでの管理のやり方、こういうことを工夫していきたいということであります。また、じゃ、詳細はまたじゃ、担当課のほうからちょっと図解も含めて示させていただきたいと思います。


○朝日新聞 矢田文 記者


 質問よろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。


●知事


 はい。どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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