知事定例記者会見(2012年7月24日)

平成24年7月24日(火)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約51分) ※MPEG4形式

  

1 ロンドン五輪まで3日 

●知事

 皆さんおはようございます。いよいよあと3日でロンドンオリンピックということになりました。本県のなでしこたち、佐藤〔雅子〕選手、これはホッケーの方でございますが大家〔涼子〕選手も帯同されてゴールキーパーの控えとして現地入りされます。また、アーチェリーの川中〔香緒里〕選手、それぞれに大事な試合がこれから始まるわけでありますが、ぜひロンドンの地で大きな大輪の花を咲かせていただきたいと、県民とともに応援を申し上げたいと思います。そうこうしていますと、世界級のプレーヤーであるイチロー選手がニューヨーク・ヤンキースに転籍をするということが決まったと聞いて大変に驚きましたけれども、私もニューヨークにいた関係もございまして、〔デビッド〕ロバートソンさんとか、コメントが入ったりして懐かしいなと思いました。もし、野球選手でなければガイナーレ〔鳥取〕に来てもらってもいいんだなというように思いましたけれども、ともかくスポーツ花盛りの季節を迎えます。ぜひ3選手、2選手は必ず出場されますが、鳥取県のなでしこたちの活躍を期待申し上げたいというふうに思います。



2 全国知事会議の概要 

●知事

 先週は香川県の高松〔市〕の方で相次いで知事の集まった会議を行いました。1つは全国知事会〔議〕でございました。この大会におきまして、私たち、胸襟を開いた話し合いをし、日本のグランドデザイン、すなわち日本再生デザインという今後の長期戦略を、樹立をしようということで合意をしまして、10月を目途に取りまとめていくことになりました。また、私の方で担当しております政権選択選挙に向けた公約評価の動きにつきましても、皆の同意ができまして、「日本再生十二箇条」というビジョンを各政党に提示をしていこうということになりました。1つには、震災からの復興がございますし、原子力安全のことがございますし、エネルギー政策のことがございます。さらに安心して暮らせるような地域にしていくための防災体制、日本の再生に向けた国土軸、日本海国土軸を含めた国土軸の設定、また人材づくり、それから社会保障の問題、そうした各種の課題と併せて、今、なかなか進まない地方分権、これにつきましても、我々として知事会の政権をそれぞれの政党へとぶつけていこうということになりました。

 この十二箇条につきましては、近々各党を回って、それぞれに訴えかけをしたいというふうに考えているところでございます。また、拉致問題については私の方から緊急動議を出しまして、この問題について、今、切迫した感があると。すなわち小泉〔純一郎〕元総理が訪朝をされて10年という節目が迫っている。その前に〔全国〕知事会として一致結束して行動すべきだということを訴えまして、特別な決議が採択をされました。また、オスプレイ〔垂直離着陸型輸送機MV22〕につきましても若手の知事を中心として意見が相次ぎまして、これも緊急決議を行うということになりました。現在の政治状況などを見ますと、オスプレイについては〔山口県〕岩国基地に12機のオスプレイが到着をするということになりました。これは、我々で訴えかけをした全国知事会の決議を無視するものでありまして、誠に遺憾であると言わざるを得ないと思います。

 この中国山地を飛ぶと言われますブラウンルートというものが存在すると言われていますが、ここに飛んでくるかどうかは相変わらず分からないわけでありますけども、国内にはそういう訓練飛行の候補として6ルートが挙げられていまして、ブラウンルート以外のところで6ルート挙げられていまして、その飛行経路にあたるところの知事も非常に反発をしておられました。もちろんそういう山口、沖縄の方もこの問題については、ぜひ安全を確認するということを前提にして行うべきだと強いご意見がございました。この国の国土は日本の主権に属しますし、海であれ空であれ、日本の主権が及ぶ範囲であります。それについて、ただアメリカ軍からこういうふうに聞いているという取次だけの日本政府では意味がないと思います。もちろん安全保障の課題など、大きな課題があって、議論すべきことは多かろうとは思いますけれども、安全が確認をされるということがまず第一ではないかと考えております。

 その意味で先般の全国知事会での決議を政府としても尊重してもらう必要があるだろう。特に沖縄〔県〕、山口〔県〕といった地元の意向など、十分忖度しながら今回の課題にあたるべきだというふうに考えております。また、原子力安全につきましては、昨日、政府〔東京電力福島原子力発電所〕事故調査・検証委員会の報告が出されました。これで政府、国会、それから民間、また東〔京〕電〔力〕の内部調査、こういう事故調査が揃ったことになります。政府の事故調査委員会におきましても官邸が介入したことが事態を悪化させたという表現がございます。これは政府の調査報告でありますから、非常に特筆に値すべきことではないかなと考えております。また、SPEEDI〔緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム〕が仮にその情報が公表されていれば、逃げるときに誤った方角、プルーム〔雲〕と言われます被ばくの汚染が進むようなところに逃げる必要はなかったというような反省も出されています。

 我々としては昨日も〔原子力安全対策〕プロジェクトチーム〔会議〕を開催いたしましたし、先般も平野〔博文文部科学〕大臣の方にSPEEDIの情報公開について改めて強く求めてまいったところであります。早く原子力規制委員会、原子力規制庁を発足をさせ、安全の考え方を専門的知見の上にまとめた上で、原子力発電の問題について議論できる環境を、政府はいち早く整えるべきではないかというふうに考えております。また、今回の調査委員会の報告は、東電側の不備を厳しく指摘するものにもなりました。この辺は他山の石として〔中国電力〕島根原発という、我々の身近な発電所もございますので、関係者は兜の緒を締めると言いますか、気を引き締めてよくよく十分に安全を第一義とした調査、検討、対策をまずは取る必要があると思います。我々としては今後、中国電力への〔安全協定の〕改定申し入れの考え方も含めまして、事態の推移を見ながら適切に行動していきたいと思います。

 〔原子力〕規制庁の発足以降が大きな変わり目になろうかと思いますが、規制庁が、ただ単に従来の、今回試算された組織の足し算だけで終わるのではなくて、従来の、この事故調などの報告などを踏まえて、従来から脱皮をしていくと。全く別の組織に生まれ変わらなければ意味がないというふうに思います。政府事故調を初めとした調査委員会の報告を、政府としては厳しく受け止めていただきたいと思います。この原子力発電所につきましても、〔全国〕知事会の中で報告を取りまとめ、我々としての方向性を議論したところでございます。



3 中国地方知事会「特定広域連合に係る懇談会」 

●知事

 その知事会が、〔7月〕19〔日〕、20〔日〕と行われましたが、19日には、中国地方知事会の懇談会を、開催をいたしました。目的は、それぞれ6月の県議会で議論をした、中国地方における〔特定〕広域連合の設置に向けた検討問題であります。それぞれの知事で、胸襟を開いた意見交換を行いましたが、確認をいたしましたことは、各5県の、それぞれの議会での議論を経たわけでありますが、我々としては前に出ようということであります。

 ですから、これも来月の頭ぐらいにはなるかと思いますけれども、政府側の方に、中国地方として広域連合を設置する、そういったことについて検討する、即ち、特定広域連合に手を挙げて、地方分権改革での、支分部局受け入れの受け皿になる用意がありますよ、このような表明を行う、このことで合意をしました。また、今後いろいろと議論を積み重ねていこうという流れではございますけれども、持ち寄る事務につきましても、従来議論していた広域医療だとか、広域防災だけでなくて、他の事務についても、広域連携の考え方で持ち寄る事務を考えていこうではないかと、このような方向性について、5人の知事、山口〔県〕は選挙中でしたので副知事さんでしたが、お互いに活発な議論を交わしたところであります。

 今後、この議論をいろんなところに話をしていく必要があると思います。近々、〔鳥取県〕東部地域において行政懇談会と言われます、市町村長との意見交換会がございます。津波について、津波対策について意見交換をするとか、あるいはまんが王国の推進など、いろんなテーマがありますけども、中国広域連合についての検討も、〔県〕中部に続いて東部でも市町村長に、我々の、今の検討の方向性について、議論を申し上げたいというふうに考えております。こういうように、知事同士の話し合いがいろいろとございましたけれども、これからまた、国の方への働きかけや、全国に向けた情報発信をやっていこうという動きになります。

4 ふるさとテレビ「七夕シンポジウム」の開催 

●知事

 7月26日には、ふるさとテレビという、そういうインターネット放送がございます。2年前、私は、言わば田舎の県というふうに我々言っていますけども、都市部でない県のふるさと知事ネットワークという、そちらの方で、我々の主張を放送番組の中で提供させていただきました。そういう討論会をやりました。今回も、その討論会を関西広域連合ベースで〔7月〕26日に行いまして、広域連合に対する地方分権による地方機関の移譲、この問題などをテーマに、もちろん私の方からは、日本海国土軸の話も申し上げようかと思いますが、そういう地方が抱える課題について、全国に向けた発信を共同で行おうということにいたしております。

 また、併せてふるさと知事ネットワークの活動だとか、関西広域連合の会議なども行うことにいたしております。また、ミッシングリンク〔高規格幹線道路の未整備区間〕の接続が重要な課題になります。今、申し上げましたように、全国知事会としても日本再生デザインというものを公表しました。それで、ミッシングリンクをつないでいこう、高速道路の接続を図っていこうという議論を提起をさせていただきました。こうした議論を受けまして、政府それから与党に対する働きかけを〔7月〕31日に予定をいたしております。これには関係県の知事と共同して行うということになっております。高知県知事を初めとして、関係県が集まり共同行動を行うということになります。


5 上海吉祥航空によるチャーター便 

●知事

 そういうような国に対する働きかけを行う一方で、これは、また来週以降ということになりますが、いよいよ、〔国際〕まんが博が神話博〔しまね〕に続いて始まるという季節を迎えます。
 そういうことを見込みまして海外からの航空機の誘致を進めてまいりましたが、8月2日に〔中国上海の〕吉祥航空の第一便が到着をすることになります。それに併せまして8月1日に吉祥航空の趙宏亮〔ジャオ・ホンリアン〕総裁が来県をされます。今後の方向性について8月1日に話し合おうではないかということにいたしております。我々としては今回チャーターフライトを成功させて今後につなげていくと。当面そうしたチャーターを繰り返しながら中国のお客さんを連れてくるという、そういう構想になろうかと思います。吉祥航空は、今月、沖縄への定期乗り入れを予定しておりますが、それに先駆けるかたちで鳥取への乗り入れが実現をするということになります。向こうとしてもそれだけ期待も大きいということではないかと思います。幸い8月2日の第一便につきましては、満杯の状況であるというように伺っておりまして、海外から「〔国際〕まんが博」、さらには、「神話博〔しまね〕」といった魅力あふれる山陰にやってくるということの流れができつつあるかなと思います。

 吉祥航空のチャーター関係につきましては、2泊鳥取県内で宿泊をされるということになっておりまして、3泊4日の予定のうちの2泊は県内滞在になります。従いまして、鳥取県を知ってもらういいチャンスだと思いますので、ホスピタリティ〔もてなしの心を持って〕よろしくやっていきたいと考えております。



6 まんが関連の動き 

●知事

 さらに、こういう関係で、いろいろと展開を図っていきたいなと思っておりますが、民間だとかいろんな団体でも動きが出てきております。例えば、漫画にちなんだ駅弁を漫画家や出版社とタイアップをしまして出そうということになりまして、具体的にはアベ鳥取堂さんとか、米吾さんといった県内の弁当屋さんが、鳥取の豚であるとか、そうした食材を利用してこのまんが博の季節に出していこうではないかと、こんなような動きがあります。

 また、8月2日には、近々〔愛知県〕名古屋〔市〕で開かれますコスプレの世界大会〔世界コスプレサミット2012〕があります。外務省なども一緒にやっているイベントでありますが、その外国から来られた出演者が鳥取の方に8月2日入られまして、この県庁の近くの仁風閣などでお披露目をされるということになります。まんが王国とっとりの国際まんが博を応援しようということで、そういう世界のコスプレーヤーも鳥取を目指してやって来られるということになります。我々も愛知県で開かれますそのコスプレ大会に鳥取県中部の中華コスプレのコスプレーヤー〔コスプレする人〕たちが参加をされるという段取りもございまして、その場でも鳥取県を、発信をしていこうではないかということになっております。

 こういういろいろな動きを念頭におきながら〔7月〕25日だったかと思いますが、近々、国際まんが博の実行委員会を開きまして気勢を挙げようということになります。いよいよその準備に向けて、最後のエンジンをかける段階に入ってまいりました。多くのかたのご協力もいただきながら成功へ向けて動いてまいりたいと思います。そういうようなさまざまな動きがある中で、8月3日には、京都から鳥取方面に向けまして走ってくるスーパーはくとに、いよいよ谷口ジローさんのイラストを施された、谷口ジローエクスプレスとでも言うべき列車が走り始めることになりまして、その記念の行事も行おうと考えております。また、今、境港とか、JR〔西日本〕とも協議中でありますけれども、境線を走る妖怪の列車も増やして、そしていつでも、その妖怪列車に親しめると、そんなようなことを目指そうではないかということもやっております。それで、8月1日には、境駅のすぐ目の前にあります、これは県の方で管理をしている建物〔みなとさかい交流館〕、境港管理組合に委託をして管理をしているところでございますけども、そこの壁面を妖怪バージョンに改めまして、水木しげる先生の書かれた、鬼太郎ファミリーを掲示することにして、8月からは多くの皆さまに駅を降りた途端に妖怪が待っていると、そういう雰囲気を作り出していきたいなと考えております。



7 企業進出 

●知事

 企業誘致の関係では、〔7月〕25日の日に〔株〕源吉兆庵さん、それから〔7月30日に〕〔株〕ガイナックスさんと相次いで調印式を行うことにしておりまして、県内材料も活用しながらのお菓子工場生産、さらにガイナックスさんのように、非常に一流のアニメの世界で良く名前の知れた会社の地方進出というものを、お迎えをさせていただこうということにいたしております。いろいろとテーマは多いところでございますけれども、なかんずくオリンピック選手のご活躍をお祈り申し上げまして、私の方からは以上とさせていただきたいと思います。


○テレビ朝日 後藤龍彦 記者

 各社質問あればお願いします。



8 日南町のメガソーラー設置の動き 

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 よろしいですか。ちょっと全然違うテーマで恐縮ですけども、日南町のソーラーウェイのメガソーラーの計画の方でお尋ねしようと思ってですけども、交渉中のとおりですけども、配電線の容量が足らんということで、難しいじゃないかということになりまして、それで、確か〔7月〕27日だったと思いますけど、〔増原聡日南〕町長が〔足利恵吾ソーラーウェイ〕社長に会われて、最終的な結論を聞くというのが段取りになっておりますけども、改めて平井知事に伺おうと思っていますが、この一件を見ておられて、どういうような課題をお感じになっておるかということ含めて、この一件に対するご感想と、もう1つは、もしお考えになっているところあれば、その課題、日南町のことに限らずになるかもしれませんけど、課題解決に向けての何らかのアクションとか、対策をお考えになっておられたら、伺えたらと思うんですが。


●知事

 日南町については、厳密には2つのプランが同時に動いています。1つは、生山の裏手のところですかね、あともう1つは学校の敷地だったところだと思いますが、それの可能性をまだ日南町は追求していると思います。ただ、ソーラーウェイさんとの連携も非常に大きな部分ですね、どっちも連携しているんだと思いますけども、特にウェイトの高い方のプランにつきましては、その送配電の関係があって、ちょっと困難というような事情もあるようです。それで、こういうことがございますので、我々としては6月の県議会に議案を上程をさせていただきまして、そういう送配電の支援を行う、そういう支援スキーム〔枠組み〕を作らせていただきました。今回はそのスキームを適用しても、ちょっと採算的に難しいのかなというご判断を現場でなさっているんじゃないかなと思います。ただ、ソーラーウェイさんでいきますと、例えば、大山〔町〕ですとか、他の地域での展開もございます。必ずしも県内で、これで立地が全て止まるということではございません。こういう助成措置も導入しましたので活用いただきながら、いろいろと問題点を解決して進めて、各地で、県内各地でプランを進めていただければいいかなと思います。

 今後、さらに、そうした太陽光発電を初めとしたエネルギーの問題に、本県としても正面から向き合っていきたいと思います。例えば、今、鳥取県西部の方で地域活性化総合特区の指定を目指しています。私自身、6月に国のヒアリングに出させていただきましたけれども、非常に手応えを持って聞いていただけたという感触でございまして、その指定に向けて、大きく期待をさせていただいております。8月の7日に、8月の9日にそういう特区がもし実現をすれば、方向になれば、我々としても早速、戦略を練ろうというような会議を考えております。こういう中でも、小水力発電だとか、あるいは米子地域に広がっているバイオマスや、あるいは太陽光発電やいろんなものがありますけども、そういう自然エネルギーなどを活用した電気自動車の動きとか、ちょっと未来型のまちづくり展開を我々としても、国の規制緩和や立地情勢なども得て進めていこうというふうに考えております。日南町のようなケースは、今回、我々の方で直接導入した補助が効くはずでございますので、この辺を念頭におきながら、各地での取り組みを支援してまいりたいと思います。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 重ねてになりますけども、今回日南町のソーラーウェイの計画しておったようなケースで、課題として指摘されている1つあるのが、配電線の空き容量電力がオープンにしておらんので、あれをなかなか分からん中で入れる事業計画を立てて、一応選んでやっていくということの難しさというものも、1つの課題となっておりますけども、そこあたりの、と言いますか。


●知事

 そういうようないろんな障害が出てくるので、鳥取県としては、原子力安全協定を結ぶのと併せて、再生可能エネルギーの増産に向けた協定を中国電力と鳥取県で結びました。だから、できるだけそういう便宜と言いますか、促進を中国電力も協力して行っていこうという協定を結んでおります。ですから、いろんな事業者さん、今入ってきておりますけども、そういう協議は、それぞれいろんな課題が発生しますが、比較的スムーズに本県では進行しているかなと思っています。もちろん電力会社側の対応も今後、必要でありまして、場合によっては強力に改善を求めるような場面もあるかもしれませんが、今は個別の話し合いで進めていただいております。



9 中国地方知事会「特定広域連合」 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 すいません。中国広域連合の話でお伺いしたいんですけども、先程のご報告の中で、〔中国〕知事会の〔7月〕19日ですね、懇談会があって、そこで前に進もうということを決めたということなんですが、各5県の議会での説明を経て、持ち寄り事務は広域防災と広域医療でしたかね、あと、その受け入れる出先機関業務は経済産業局ということだったと思うんですが、そこに変化はないですよね。


●知事

 ですから、ちょっとこれ議会でもたびたび申し上げていましたけども、今回、1つのスキームで各議会に相談をしました。ただ、これは協議を今後続けて、始めようということでありまして、経〔済〕産〔業〕局だけで終わるかどうかというのを確定したわけではありません。それで、5人で話し合った中のあれとしては、若干温度差がありまして、例えば環境事務所については、四国側と話がつくようであれば今後対象に加えて議論してもいいんではないかとか、そういうような議論も当日、19日もさせていただきました。それから、広域医療や広域防災だけでなくて、例えば広域観光とか、広域産業とか、中山間地域支援研究だとか、そうしたテーマについても広域連携として取り組める可能性があるのではないかと、その辺も含めて今後議論していきましょうと、このような意見交換をさせていただきました。

 今後、例えば10月に中四国サミットが開かれます。この中四国サミットでおそらくと言うか、十中八九、地方環境事務所の扱いは議論されようかと思うんですね。そこでどういう決着を図るかということがあったりしますし、11月には中国地方知事会が召集予定でございまして、そこでさらに、今回は懇談会という形式でありますが、突っ込んだ話し合いをする場面も出てこようかと思います。今、議論は進行中でありまして、できるだけ良いスキームを話し合って作っていこうと、こういう考え方です。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 早ければ来月の頭にでも国の方に中国地方としての意思表明をするというお話でしたけども、そのときにはある程度カチッとした枠を決めて国に、こういう受け皿として準備がありますよということを言わないといけないのではないかなと思っているんですけど。


●知事

 それは広域連合を設置する我々としての意思ないし検討があるということだと思います。それを申し上げながら、国としても特定広域連合への移譲を議論するときは中国地方も加えてくださいと。具体的には、そういう意思表明をすることで、今後、アクション・プラン委員会でしたっけ、地方分権の地域主権戦略会議かなんかの中に、そういう地方支分部局の出先の移譲を議論する場なんか、こういうところに、例えば今ですと四国が表明しています、四国も意見を述べに行っています。それで、我々中国地方としても今後意見を述べに行くということが想定されるかと思います。手を挙げることで議論に参加をしていくというチャンスを得ようと、そんなことになろうかと思います。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 それと、今、国の方で特定地方行政機関の事務等の移譲に関する法律案ですか、法案ですか、まだ、閣議決定もまだで、本当に出るのかいなという気がするんですけども、こういった不透明な中でやはり地方が先行してどんどん態度を表明していくことが大事だというふうにお考えになっているんでしょうか。


●知事

 これは当然の前提として、地方分権は、それぞれの党、いろいろ温度差や内容に違いはあれ、私も先般各党を回りましたけれども、地方分権の実現に総論的な異論はないと思います。問題はどういう制度にするかというところでいろいろ逡巡があったり、意見の調整が必要なことがあるんじゃないかと思っています。この点は、〔7月〕19、20日の全国知事会でも議論が出まして、最終的には、先程申しました日本再生十二箇条という各党にぶつけるペーパーの中に、今おっしゃったその国から地方へ権限移譲をする法律の制定を求めるということを明記しまして、このことについて、我々として後々政権公約を評価して、国民の皆さんに参考に供するときに配点を高くしようと、それで、以前首長協議の場を設定する法律を作れということを知事会が申し入れるのと同じように、この点についても〔全国〕知事会として申し入れをしていこうと、こういう方向性を話し合っております。


○NHK 月岡信行 記者

 すみません。その関連なんですが、国にアクションを起こす場合は、恐らく総務省に都道府県知事が出向くみたいな感じになるんでしょうか。


●知事

 都合のついた知事が行けるっていうのは現実かと思いますね。今の想定スケジュールでは8月の頭ぐらいということを言っていました。これについては、今、〔中国知事会〕会長県である岡山〔県〕が調整をされていると思います。


○NHK 月岡信行 記者

 これ、総務省それとも内閣府どっちでしょう。


●知事

 政府にということだと思います。


○NHK 月岡信行 記者

 政府に。


●知事

 もちろん内閣府だとか、総務省だとかそうしたところだと思いますが。



10 オスプレイ陸揚げ 

○読売新聞 野口英彦 記者

 すみません。オスプレイの関係なんですが、報道ベースで、中国地方を通るブラウンルートが飛行ルートに含まれるという話もあれば、そうでないという、いろいろな見方があるんですが、その後何か国の方から情報などはあったんでしょうか。


●知事

 この点については、我々としても確認を求めていますが、聞いてないという返答でございまして、全国知事会でも、私、このことを申し上げたんですけども、聞いてないという返答はちょっと無責任ですよね。それで、地域住民の安全を預かる我々の立場としては、それが本当に政府として機能しているんですかというふうに言いたくなる状態でございます。ただ、現実問題としては、情報がないということではないでしょうか。報道機関によって、そこの捉え方が違うようですが、多くは、ブラウンルートは入らないかたちで、今報道されていると理解しております。


○読売新聞 野口英彦 記者

 その聞いてないというのは、アメリカ側に対して聞いてないということなのか、アメリカ側から情報が入ってないっていう意味なのか。


●知事

 言い方としてはアメリカ軍からそういう飛行ルートについては聞いていないというような言い方だったと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 他の6ルートも含めてですか。


●知事
 そこはちょっと我々は確認してないかもしれません。正確なやりとりが必要であればあとでご紹介申し上げます。


○読売新聞 野口英彦 記者

 外交と防衛は国の専権事項という考え方もあると思うんですが、ここまで地方が反発している今の状況を、この原因等ですね、どういうふうに分析していらっしゃいますでしょうか。


●知事

 やはり政府の方として、もうこれは米軍との約束事項なんで、粛々と進めますよということでスケジュールありきで物事が進行していくことに対する不信感が地元で出ているんだと思います。山口の二井〔関成〕知事も強く懸念を表明されておられましたし、岩国市長も反発を強めておられると、看過できない状況ではないかと思うんですが、現実には上陸してしまっているということでございます。当面は飛ばさないんだということを言っていますが、今後は安全が確認されれば飛ばしてもいいよというふうに聞こえなくもない。その安全が確認されればそれで本当にいいんでしょうけども、どうやって確認をするかっていうのが国民的コンセンサス〔合意形成〕をどうやって得ていくのかっていくことになろうかと思います。
 森本〔敏〕防衛大臣は、昨日のコメントの中で、この問題に関連して人家の上を飛ばない方向で、アメリカと折衝しているというような言い方をされるんですけども、そういう折衝をされていること自体が、オスプレイの安全性がまず前提条件なのに、論理が飛躍しているような感じもいたします。いずれにいたしましても、日本政府としてこの問題非常に外交防衛も絡んで、微妙な課題はあるんだということは理解できますけども、ただ、原子力発電所の問題とかから始まって、今、国民の間に安全に対する意識が非常に高まっているその辺を肌で感じていただいて、特に山口、沖縄の地元自治体の思いを、まずは理解をすることから始めるべきではないかと思います。



11 政府のエネルギー政策と原子力発電 

○読売新聞 野口英彦 記者

 すいません。原発の話がでましたのでちょっとお伺いします。政府は2030年の原発の望ましい比率についてですね、0%、15%、20~25%、3つの選択肢について、国民から意見を聞いているわけですが、知事はこの望ましい割合は何パーセントだと思われるんでしょうか。


●知事

 これはエネルギー施策全般のことでございますので、私は国民的コンセンサスを探る努力を政府がするということではないかと思います。ですから、私として、どの辺がいいということをこの場で申し上げるものではありませんが、長期的にはやはりこの原子力発電から、再生可能エネルギーの方へシフトしていくという、エネルギーシフト〔転換〕を基本として議論するべきではないかと思っております。


○読売新聞 野口英彦 記者

 あと、その国民から意見を聞く公聴会の中で電力会社の社員のかたが発言されたということがあって、それについてはいかがお考えでしょうか。


●知事

 これは、佐賀県で問題になったいろんな事象がございました。そういうことの反省を政府はやっていかないといけないんではないでしょうか。当事者が議論を述べる場ではなくて、国民が意見を述べる場、電力会社に対しては別途意見を聴取すればいいのではないかと考えております。


○読売新聞 野口英彦 記者

 あと、原子力、すみません。原子力規制委員会ですね、今人事が、同意人事の関係でちょっと言えば、壁にぶちあたっているんですが、場合によってはこの発足が遅れる可能性があるということで、これについては知事いかがお考えでしょうか。


●知事

 いろいろと国会の中に事情はあるんだと思いますが、政争の具にすべきではないと思います。結局この原子力規制庁の発足が遅れたがために、原子力安全対策が遅れてきてしまっている。そのことが〔関西電力〕大飯原発の大混乱につながったということでありまして、これは与党、野党問わず、認識をしていただきたいというふうに思います。



12 コミックマーケットへの出展 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 すいません。国際まんが博の関係でお伺いします。8月10日から、今度東京都で開くコミックマーケットに鳥取県が自治体としては、単独では初出展するっていうことで、ネット上で非常に話題になっているようですけども、非常にネット上では、大変勇気のあることだって言うかね、賛成する声もあるんですが、1つ、著作権に抵触する作品が、元々コミケには出てくるということとか、それから成人向けの作品もあるっていうことで、そういうところに自治体が出て行くっていうことに対するその抵抗感なんかを抱くかたもいらっしゃるようですけども、その辺り知事として、この狙いを知事の言葉でちょっと教えていただきたいんですが。


●知事

 いろいろと議論はあろうか思いますけれども、クールジャパンの象徴として、アニメ、漫画、ゲームといったソフトの世界があります。その動員の中心的な存在で、コミックマーケットが現実としてはあると思います。ですから、そこで鳥取県でのまんが王国づくりだとか、国際まんが博についてアピールをすることは、PRとしての効果は期待できるんではないかなと思っております。ただ、私たちも、実は中でもいろいろと正直に議論もしておりまして、節度を持った参加の仕方をしようということで、今、具体的に準備を進めています。


○読売新聞 北尾雄一 記者

 節度っていうんは、あんまりその派手にならないように。


●知事

 例えば、そのスペース的にも、ちょっといろいろと自治体にふさわしいようなスペースでやると、いろいろと中にもいろんなゾーンがあるようでございますが。ただ、来られるお客様の層からすると、関心を持たれる分野もあると思います。鳥取県内でも、アニカルまつりだとか、それから中華コスプレアジア大会だとか、そういうような行事もありますし、また、私たちのその国際まんが博本体の、とっとりドリームワールドにおきましても、興味を持っていただく話はたくさんあると思います。今、例えば同じようなかたちで、徳島とか、広島とか、京都とか、そういうまちづくりをし、またこの度は、愛知県で世界コスプレ大会〔世界コスプレサミット2012〕をやると、そういうのと併せて考えていただければ、鳥取県もそういう、言わば、まんが王国としての実態があるんですよと主張する必要があるかなと考えております。その意味では、動員力のある場でございますので、そこに我々としても顔を見せるということであります。


○読売新聞 北尾雄一 記者

 知事が例えば、コスプレをして行って、そういう場に参加したりすると非常に話題も出ると思いますけど、参加っていうのは考えては。


●知事
 それは考えていないです、正直ちょっと。ただ、いろいろ工夫はしようと。ただ、例えば、〔名探偵〕コナンの着ぐるみとか、〔ゲゲゲの〕鬼太郎の着ぐるみが行くような場ではないかもしれません。だから、我々なりの売り込み方をしようと、TPOでやろうということです。



13 神話博しまねと国際まんが博 

○読売新聞 野口英彦 記者

 関連して、先日「神話博(しまね)」の開会式に出席されましたけども、神話博の感想と、あと島根県で「(国際)まんが博」が浸透しているかどうか、そのあたりの実感はいかかでしょうか。


●知事

 「神話博〔しまね〕」については、非常にいいスタートを切られたなというふうに思いました。映像とパフォーマンスで分かり易く、ヤマタノオロチの神話を、ちょっと現代風というか、劇画風にアレンジをした感じはありますが、そういう面白いパフォーマンスもございました。さらに、古代〔出雲〕歴史博物館でしたっけ、そちらの会場の方では、鳥取県の植田正治さんの写真展もしてくださっていまして、行っていただければ、例えば砂丘の写真とか、大山の写真だとか、その辺も含めて展示していただいております。そんな意味で山陰両県、神話の世界として通じるものがあって、その神話というものが持っている古からの人の温かさだとか、自然との共生だとか、そういう共通項が両県にあるなという実感を持ちました。

 溝口〔善兵衞島根県〕知事と一緒に両県のこういうイベントを売り込んでいこうということを常々話しておりまして、そういう意味で第一歩を飾れたかなと思います。会場では溝口知事の方から、今度は私が行きますからとおっしゃってくださいまして、国際まんが博に溝口知事もオープニングで、ご出席いただけることになりそうであります。わりと島根県のかたも認知高いなと思いました。鳥取県のブースも出させていただいて、〔国際〕まんが博のPR活動も行っておりますけども、島根県のかたも含めて、行ってみたいというお話が聞けました。中にはやっぱり博覧会マニアっていらっしゃるんですね、自分で寄ってこられて、私は博覧会マニアですと名乗られて、ぜひ国際まんが博に行きますと言って帰られたかたもいらっしゃいました。そういうように、やはり2つのエンジンがかかることで、山陰の活性化につなげられればと期待しております。



14 上海吉祥航空幹部との協議 

○時事通信 小出秀 記者

 すいません。吉祥航空の関係でよろしいでしょうか。1日に吉祥航空側と今後の方向性について議論するということですが、もうちょっとまだ協議前なんで、はっきりしないところもあるかもしれませんが、どういったことを具体的に話し合っていきたいのかちょっと教えてください。


●知事

 吉祥航空さんとしては、日本への乗り入れ、まだ未経験なんですね。それで、今回鳥取県にやってくるということで、まず、賽を投げてみるということだと思います。それで、今回のチャーターフライトの実績を見て、可能であれば、またこういう多客期のようなところ、あるいはその1つのテーマを持って誘客を図れるようなときに、あちらから、中国からお客さんを連れてくるような、そういうフライトを、チャーターフライトをプログラム的に今後もやってみるというようなお話し合いができたらいいなと期待しております。ただ、ちょっとこれ先方との話し合いが必要でありまして、今後どうなるかということであります。


○時事通信 小出秀 記者

 主にその定期便と言いますか、そういったものにという話をするわけではないわけですか。


●知事

 これは、我々としては定期便の可能性も含めて、もちろん従来から話はしておりますけども、春秋航空さんとの話もございますし、吉祥航空さんの方ではどちらかというと、チャーターフライトに当面としては重点をおきたいと、そういうスタンスでございます。


○テレビ朝日 後藤龍彦 記者

 他にありますでしょうか。

15 いじめ問題対策 

○読売新聞 野口英彦 記者

 すいません。今の〔滋賀県〕大津市のいじめの関係で、全国知事会でも問題提起をされたと思うんですが、全国知事会では教育委員会を必置制ではなくて選択制にするということで、地方分権の一環の中で、今議論がまとまったような感じがするんですが、全国知事会でそのいじめの問題が、どういうふうに議論され、問題意識が共有されたのかというところをちょっと教えていただきたいと思います。


●知事

 教育委員会制度については、これは皆さんの総意として、現在の実情に必ずしも適用してないと、こういう認識でまとまったんではないかと思います。その意味で、教育委員会の設置を選択制にするということで、皆さんの意見が収斂したということでした。また、いじめ問題については、特に滋賀県の嘉田〔由紀子〕知事から発言がありまして、その教育委員会、嘉田知事はやっぱり教育委員会の制度、今、おかしいというご主張されておられましたけども、併せて今回のいじめ問題の発生については遺憾であるという、陳謝ではないかもしれませんが、遺憾であるというような表現をされて、コメントをされておられました。このいじめ問題につきましては、8月に私も〔県〕教育委員会と今、話し合う場を持とうと調整をしております。客観的な目でいじめの調査ができるようにするとか、そういうなんらかの改善方策を話し合ってみたいなと思っています。それを教育振興協約〔鳥取県の子どもたちの未来のための教育に関する協約〕の中で表現していくということを視野にやっていこうと思います。本県の場合は、そういう協約を結ぶということを今回始めましたので、他の地域と違った実効性のある動きができるんではないかなと思っています。


○読売新聞 野口英彦 記者

 大部分の学校は、今夏休みに入ったかと思うんですが、とはいえ、やっぱりいじめのようなことで悩んでいる子どもさんもおられると思うんですね。知事も父親でお子さんかなり大きくていらっしゃいますけども、父親でいらっしゃいますので、なんかこう悩んでいらっしゃる子どもさんに、こうメッセージと言いますか、そういうものがあったらお願いしたいんですが。


●知事

 ぜひ悩みがあれば、先生とか、お父さんお母さん家族の人に打ち明ける勇気を持ってもらいたいと思います。今、私たちは、あなたを守ろうとしていますので、声を上げてほしいなと思います。もちろん自分自身の問題ですから、それを乗り越えていく、そういう力強さを持たなければいけないと、考えるとは思いますけども、そういうことで挫けることよりも、話し合うという勇気を持ってほしいと思います。


○テレビ朝日 後藤龍彦 記者

 他にありますでしょうか。なければ、ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。

  

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