□会期
2021年2月11日(木・祝)~3月21日(日)
休館日 会期中の月曜日
午前9時~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
□会場
鳥取県立博物館 2階 第1・第2特別展示室
【主催】「岡本太郎展」実行委員会(鳥取県立博物館、日本海テレビジョン放送株式会社)、読売新聞社、美術館連絡協議会
【協賛】ライオン、大日本印刷、損保ジャパン、モリックスジャパン、吉備総合電設、三和商事、鳥取県情報センター
【企画協力】川崎市岡本太郎美術館
【協力】岡崎市美術博物館、The Seligmann Center of the Orange County Citizens Foundation, Chester, New York; Weinstein Gallery, San Francisco; Yale University; 日本通運
《当日》一般/800円(大学生・70歳以上の方・20名以上の団体/600円)
《前売》一般/600円(一般のみ)
※次の方は無料…高校生以下の方、学校教育活動での引率者、障がいのある方、難病患者の方、要介護者等及びその介護者
前売り券販売所
■鳥取県 東部
県立博物館 受付/
今井書店 東部地区(吉成店・湖山店)
戸信 (県庁売店・市立病院売店・市役所売店)/とりぎん文化会館
定有堂書店/トスク 本店/鳥取大丸/鳥取バスターミナル
白兎会館/ギャラリー栄光舎 /鳥取大学 生協
■鳥取県 中部
今井書店 倉吉今井書店/倉吉博物館/パープルタウン/倉吉未来中心
■鳥取県 西部
今井書店 本の学校/米子市美術館/米子コンベンションセンター
戦後における日本の「顔」の一人であった岡本太郎(1911-96年)。会期中に生誕110年を迎えることを記念して開催する本展は、岡本が戦前のパリで培った前衛芸術家との交友と、戦後の日本において主導した芸術運動との関係に焦点を当てるものです。
岡本太郎は1930年に渡仏し、以降10年にわたってパリに滞在して絵画の研鑽を積みました。早くも1933年には、ハンス・アルプやカンディンスキーらが所属していた前衛芸術家の団体「アプストラクシオン・クレアシオン(抽象創造)協会」に参加し、同地にて優勢であった抽象絵画を牽引する芸術家らと親しく交流しています。なかでもクルト・セリグマン(1900-62年)と意気投合したことで「ネオ・コンクレティスム(新具象主義)」を標榜すると、岡本の表現は抽象を離れ、次第に具体的な要素の表出へと向かいます。この動向は日本でもリアルタイムで紹介され、下郷羊雄や靉光、阿部展也といった作家の一部の作品には、その解釈と実験の過程を読み取ることが出来ます。
大戦後、岡本は東京を拠点として活動を再開し、精力的に絵画制作を進めるかたわら、「夜の会」をはじめとするジャンル横断的な団体の結成に深く関わり、とくに新人作家のあいだで強い存在感を示すようになりました。同時に岡本は戦前のパリで知遇を得た作家との交友をもとに、いくつかの展覧会を企画し、それは戦後日本における美術の動向に大きな影響を与えることになります。本展覧会の後半では、ニューヨークに拠点を遷していたセリグマンの選出によるアメリカ人作家の作品を加えた「第3回読売アンデパンダン展」(1951年)と、ジャン・フォートリエ、カレル・アペル、グロッシらの作品を紹介した「世界・今日の美術展」(1956年)などの記念碑的な展覧会を取り上げます。これらを契機として国内ではアンフォルメルや抽象表現主義といった同時代の欧米における美術への関心が深まり、例えば吉原治良が率いる具体美術協会の活動として結実するなど、1950年代中盤以降の日本の現代美術の進路を定めることになりました。
本展では、これまで必ずしも十分に解明されていなかったオーガナイザーとしての岡本の役割を、同時代の展覧会との関係において検証します。パリ時代からの民族学・社会学的な関心のもとに全国の土俗的な文化を取材した一連の仕事とあわせて、先取的かつ精力的な岡本太郎と彼を擁した時代の様相をご堪能いただきたいと思います。
画像(上から):
岡本太郎《コントルポアン》1935(再制作:1954)年
油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵 (c)岡本太郎記念館>、岡本太郎《傷ましき腕》1936(再制作:1949)年
油彩・カンヴァス 川崎市岡本太郎美術館蔵 (c)岡本太郎記念館>、ジャン・アトラン《パンチュール》1955年
油彩・カンヴァス 一般財団法人草月会蔵 Photo by Y. Uchida
2020年9月発行の「鳥取県立博物館ニュース30号」でも企画展について紹介しています。
〉〉No.30(4ぺージ)PDF(3.2MB)