バス停の待合所を手作りでぶっ建てたという伝説の猛者集団、トンカチ屋さん。
(過去の関連記事:平成23年8月12日掲載『トンカチ屋さんが建てちゃいました!(宮市上バス待合所)』)
もっとも、その素顔はただの人の好いおじいちゃん、おばあちゃんたちの仲良しボランティアグループなのです・・・
などと油断していたら、なんとっ!
それは、6月の暑いある日のことでした。
江府町宮市集落から、「公園にベンチを設置するぞ」というお知らせが入りました。
集落に出かけてみると、遠く田んぼの向こうに、なにやら土木工事中らしき人影が見えます。クレーン車も動いています。
通り過ぎて、さて、トンカチ屋さんのボランティア作業はどこかと見渡しますが、それらしき気配はありません。
ん!? まさか?
そうなのです。引き返して横道に入っていくと・・・
働いている人全員、見覚えのある顔ばかりじゃないですか!
木製のベンチを置くだけかと思っていたら、実は、安く買った中古のコンクリートベンチを地面に埋め込むのだそうです。
その雄姿の数々、見て下さい。
この人たち、みんな65歳以上の高齢者ですよ。
トンカチ屋さんの平均年齢は70歳を大きく超えています。
なのに!
あんた方、ホントに素人?
地面を掘り返して出てきた石は、こうして石垣に組んでいきます。
この技術、ほとんどセミプロじゃないですか!
終われば、例によって女性陣手づくりの昼食会。
この日は町役場の若い栄養士さんも参加して、チマキが作られていました。いつにも増して賑やかでした。
さて、それから3週間がたち、あの場所を訪れてみると、中古のコンクリートベンチはきれいにペンキで化粧され、地面には白い砂が敷かれていました。
見事です。
実はこの広場、宮市神社の祭礼で使われる御旅所(おたびしょ)なのです。
すなわち、神様が旅の途中でお休みになるという神聖な場所。
神事の際、これまでは立って拝観していたのですが、長い時間、立ちっぱなしでいることはお年寄りにとって年々大変になってきていました。
そこで、集落のヒーローたちの出番となったわけです。
トンカチ屋さんが、神様のお許しを得てベンチに座って拝観できるようにしたのでした。
めでたし、めでたし。
By 地域づくりサポーター 梅林
日野振興局 2013/07/05