空梅雨が続いた6月半ば、江府町の吉原集落で熱中症予防について考えるワークショップが開かれました。
吉原集落には、60歳以上の全住民が会員となって組織する「笑和会」という会があります。
高齢化が進む集落を高齢者自らの力で元気づけようと結成されたものですが、それは鳥取大学のある学生団体との交流がきっかけでした。
その学生団体とは、医学部の学生たちで構成する地域医療研究会。
平成21年、顧問教授の指導の下、学生たちは健康調査(主に血圧調査)を目的として吉原集落を定期的に訪れるようになりました。
学生たちの熱心な活動に刺激された住民たちは、自分たちも集落のために頑張ろうと笑和会を発足させたのです。
健康調査は平成23年に終了したのですが、終了後も学生たちは吉原の人たちとの温かいふれあいが忘れられず、個人的に訪問することがたびたびありました。
そうこうするうち、学生にとっても、住民にとっても嬉しい知らせが飛び込んできました。今年から2年間、今度は認知症予防を目的に吉原での調査が始まることになったのです。
さて、この日は、学生たちからの提案で、集落の皆さんが熱中症予防としてどんな対策をとっているか、3班に分かれて意見を出し合いました。
写真でもお分かりのように、和気あいあいで、いい雰囲気でしょ。
意見を出し合った後、各斑のまとめ役がさまざまな予防策を発表します。
たとえば、スポーツドリンクは美味しくて飲みやすいけれど、大量に飲むと糖分を取りすぎるので、水で割って飲む、というユニークな対策も披露されました。拍手!
また、夏場は朝早いうちに外仕事をし(4時からの人も!)、昼間は家で休んで、午後遅くまた外に出るようにしている、という報告も。
最後に総まとめ。
1日に飲むべき水分量から塩分の摂取基準などにも話が及び、最後は「外仕事に出かける際は、必ず、水を入れたペットボトルを持って出る習慣を身につけよう」ということになりました。
地域医療研究会は、吉原のほかに、同じく江府町の宮市集落と日の詰集落でも健康調査を始めています。
今から8年前、わずか8人の部員でスタートした地域医療研究会は、近年になって部員が増え続け、今年の1年生の加入で50人に達したそうです。
これこそ、医師が地域に入って行う医療が重要視されるようになった証しだと思われます。
将来、地域の医療を担ってくれるであろう若き医師の卵たちに期待します。
By 地域づくりサポーター 梅林
日野振興局 2013/07/03