スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治伝説が伝わる船通山のふもとに、つい最近、退治されたはずのヤマタノオロチが忽然と出現しました。
しかも、群れをなして!
たとえば、こんなヤツとか・・・

こんなヤツとか・・・

はたまた、こんなヤツとか・・・(二枚舌かよ!)

それから、こんなヤツも・・・(ブサカワ?)
ここは日南町の多里地域振興センター内にある、おろち窯同好会(板持悦子会長)の陶芸室。
陶製オロチという前代未聞の作品を作り始めたのは、元小学校美術教師の山田司郎さんです。
おろち窯は平成3年に発足し、器や壺作りなど地域住民の活動の場となっていましたが、近年はやや衰退気味だったところに山田さんが新規入会。
「おろち窯を名乗るからには、ヤマタノオロチを焼き上げないと・・・」というわけで、チャレンジの日々がスタートしたものです。
頭が8つもある複雑な形態をしたオロチを、土を焼き上げて作ることなど至難の業だと思うのですが、そこには山田さんオリジナルの数々の工夫が隠されているのでした。
まず、割箸で土台というか骨組を作ります。もちろん、出来上った時の動きや形はこの時すでに山田さんの頭の中でデザインされています。
割箸を支えにして新聞紙を巻き付け、そこに粘土をくっつけて形を整えていきます。
そして、別に作っておいた目玉や舌や角やヒゲやタテガミを付けます。
ヒゲ1本、舌1枚で表情に変化が出ます。
さて、この日は窯出しの日。
どんな具合に焼き上がっているか、期待と不安の瞬間です。
「あっ!割れとる!」
山田さんが取り出したヤマタノオロチは、中心となるオロチの首の後ろにヒビが入っていました。
しかし山田さんは、「失敗するたびに闘志が湧いてくるんですよ」と、失敗作の山を見せながら笑います。
山田さんが誕生させたヤマタノオロチのうち、1体は今、日南町役場の町長室で目を光らせています。そして、もう1体が近く日野高校の伝統芸能部に寄贈されることになりました。
日野高校の伝統芸能部は荒神神楽の舞いで有名です。言うまでもなく、荒神神楽はスサノオノミコトとヤマタノオロチとの戦いの物語。
山田さんは、オロチ伝説とかかわりの深い団体や学校に自分の作品を寄贈したいと考えておられます。
お問い合わせは、日野振興センター日野振興局地域づくりサポーター(電話0859-72-2081)まで。
(日野高校での贈呈の模様は後日、報告します)
日野振興局 2013/06/11