12月18日早朝。鳥取県立日野高等学校黒坂校舎の広い加工室では、大窯に載せられたセイロから朦々と湯気が立ち上っていました。
日野高校アグリライフ系列の生徒による地域活動の「福祉もちつき」が始まります。
毎年恒例の「福祉もちつき」では、もち米150kgを一気に搗(つ)きあげなくてはなりません。
もち米は、生徒たちが育て収穫したヒメノモチという品種。やわらかくて、そのくせ粘りが強く、もちにするにはぴったりの品種です。
それにしても、150キロとは・・・すごい量ですが、これは日野町内の一人住まい高齢者の方々190人に贈るプレゼント用なのです。
当然、人海戦術を採らねばなりません。
この日集まった生徒は、アグリ系列2年生の約半数と3年生全員の総勢23人と先生7人。でも、まだ足りないので、地域のみなさんが助っ人として集結してくださいました。
「日赤奉仕団・日野町支部」のみなさん。黒坂地区コミュニティ推進協議会ボランティア部のみなさん。合わせて約15人です。
というわけで、もちつき部隊40数人衆の共同作業です。
もう20年以上も続いている行事とあって、分業体制が極めて効率よく完成されています。
まず、もち米を蒸します。

続いて、蒸しあがったもち米を臼(うす)に移します。

そして、3人体制で搗き始めますが、まず最初は3人が臼の周りをぐるぐる回りながら杵(きね)でもち米をこねます。これが大事だそうです。

そして、杵を振り上げ、力いっぱい搗き始めます。1人80回振り下ろします。
ということは、一臼240回搗いて出来上がりですね。

搗き上げたもちは、粉をつけて小さく千切り、丸めます。千切るのはかなりの力仕事ですが、もちを丸めてン十年、ベテランのお母さん達が生徒たちにコツを教えてくれます。これも勉強です。

丸めたもちを、数を数えながら箱に並べていきます。1箱に140個。
作業終了後、計算してみたら140個×21箱+100個=3040個!
ふーっ!みなさん、本当にごくろうさまでした。
こうしてこの日の午後、3040個のもちが、「私たちのついたお正月用モチです。交通事故に気をつけて、元気でよい正月をお迎えください」という言葉書きと共に、民生委員さんによって各高齢者宅へ届けられました。もちと一緒に、日野町社会福祉協議会から商品券や灯油券もプレゼントされました。
生徒たちも、黒坂1区と2区を民生委員さんと一緒に回り、お年寄りの方々に声をかけながら、まだ温もりの残るもちを手渡したのでした。

日野高校の「地域活動シリーズ」、次回のレポートは「福祉そば打ち」です。
(by 県民局 地域づくりサポーター 梅林)
日野振興局 2013/01/07