院長あいさつ

総合療育センター院長

鳥取県医療的ケア児等支援センターが開設されます

  4月最初の週末、鳥取県立総合療育センターの庭の桜は満開でした。この日、入所している人工呼吸器をつけている超重症児(人工呼吸器、胃ろう注入、気管内吸引などの多くの医療的ケアが必要なこども)のAさんは、センターの庭で家族とお花見をすることができました。Aさんは体調が不安定になりやすく、これまで急変による大学病院の入院を繰り返していて、またコロナ禍で家族との面会や外出もなかなかできない日々を過ごしておられました。体調が安定しているこの日を選んで担当職員らが家族と相談して、お花見を計画しました。当日ご両親、きょうだい、おじいちゃんおばあちゃんなどが勢ぞろいしてくださり、Aさんを囲んで春の日差しのもと、久しぶりにみんなでひとときの時間を過ごすことができました。家族に声をかけられるとぱっちり目を開けるなど、私たち職員もAさんの最高の表情に接することができました。少し姿勢を変えただけでも心臓や呼吸に負担がかかるAさんにとっては、病棟からストレッチャーに乗って庭に出るだけでも大冒険といえますが、その後も体調を崩さないで穏やかに過ごせました。

 医療の進歩により、Aさんのような医療的ケア児が増えています。多くの医療的ケアが毎日必要であるため家族の負担が大きく、また保育園・幼稚園や学校に通うのも、健康観察や医療的ケアをするスタッフの確保が必要であることがハードルになります。国は医療的ケア児支援法を2021年9月に施行し、こどもや家族が安心して地域生活できるような支援体制を整えることを目指しています。

 鳥取県においても、身近な地域で相談や支援を受けられるように、医療的ケア児等支援センターが令和4年度開設されます。これまでも医療的ケア児等コーディネーター研修などを行ってきましたが、新たに地域の相談窓口ができます。総合窓口は西部の博愛こども発達・在宅支援クリニックに置かれ、東部(鳥取県看護協会)、中部(中部療育園)にもそれぞれ相談窓口ができます。鳥取県立総合療育センターの役割は、県全体の体制整備アドバイザーおよび連携推進です。医療的ケアがあっても、こどもは家庭・地域の中で育っていきます。その育ちを支えるためには、この医療的ケア児等支援センターが医療機関や地域、学校、地域の自立支援協議会と連携することも不可欠です。

 これからも「チームとっとり」で医療的ケア児の支援を進めていきます。


              2022年4月

鳥取県立総合療育センター院長 汐田まどか 

 

  

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