日野町は、地域の住民の皆さんがいつまでも健康で生活できるよう、今年度は年間36回の予定で「ぽかぽか教室」という健康講座を実施しています。
6月26日には、鳥取大学医学部地域医療学講座との連携により鳥取大学の医学部6年生を講師に迎え、宝仏山会(根雨6区)の皆さんが健康についての知識を深めたり、加齢と共に心身の活動機能が衰えるのを予防する体操を行い、楽しみながら学びました。
医学生にとっても、この日のための準備や地域の方とのコミュニケーションは、医学教育の一環として有意義な経験です。
講師役の医学部6年生 安川さんと(向かって左)と津田さん(右)
町内の宿泊施設「リバーサイドひの」に1か月間滞在しながら日野病院の総合診療科で臨床実習中です。
今日の講話のタイトルは「健康寿命を延ばそう!」。
指導者である地域医療学講座の李助教が、「いくつになっても元気で活き活きした生活を送るために、今日は根雨6区のみなさんと考えたいと思います。学生二人は今日のために3週間前から準備を行ってきました。彼らがこの場で講師を務めることは、みなさんのためでもあり、同時に彼らにとっても地域医療の勉強になります。」と挨拶されました。
学生「認知症を防ぐには、運動が重要です。運動のメリットとデメリットを話し合いましょう。」
「毎日7千歩を目標に歩き、筋肉を衰えさせないように心がけています。」
「家事や歯磨きの時、スクワットをすることで体を鍛えています。」
学生「運動後、動悸がすることはありませんか。」
「階段を上ると息切れがします。」
「無理しなければ、運動が悪いということは思いつきません。」
「運動がもたらす効果については、死亡率の減少や精神的効果の面からも医学的な実証根拠があります。」
「デメリットとしては、運動による血圧上昇やケガなどが上げられます。」
「そこで、無理なく”いきいき百歳体操”を行うことで、筋力が付いて動くことが楽になり、寝たきりを防ぐことができます。それでは早速やってみましょう。」
「まず深呼吸で心肺機能を高めます。」
「座ったまま足踏みします。両手、両足を大きく左右交互に振りましょう。」
「それでは、”かみかみ百歳体操”です。大きな声で、パ・タ・カ・ラと5回繰り返しましょう。」
「日野病院に入院して来られる方の中で、誤嚥性肺炎が原因となっているケースがよく見られます。
これは、喉の力が落ちて、食べ物が胃でなく肺へ落ちてしまうことが原因です。」
「口輪筋を鍛えることにより、唾液がよく分泌され、口中の清潔が保たれ、食べこぼしやむせを防ぐことができます。」
この日「ぽかぽか教室」に参加された住民の皆さんは、日頃から健康への意識が高く、”百歳体操”をスムーズにこなされていました。
指導された李助教によると、社交性の高い人は長生きするとの医学的な実証根拠があり、皆で集まって運動することで相乗効果が生まれるそうです。
住み慣れた地域で、いつまでも健やかに暮らすための工夫を皆さんも始めてみませんか。
日野振興局 2019/07/03