スイスのローザンヌ大医学部の4年生、Yannick Turdo（ヤニック＝トゥード）さんが、5月28日から30日までの3日間、日野病院で地域医療を学びました。

トゥードさんは、IFMSA（ International Federation of Medical Students' Associations　国際医学生連盟 ）に属するSwimsa（Swiss Medical Students' Association　スイス医学生連盟）の活動の一環として、鳥取大学医学部の環境予防医学分野に約1か月留学中です。

日野病院では、鳥取大学医学部地域医療学の李助教の指導の下、外来や病棟に加え、黒坂診療所での診療や在宅診療にも出かけたそうです。

Yannick Turdo（ヤニック＝トゥード）さん。

「大学のあるローザンヌというコミューン（基礎的自治体）は人口135,000人の比較的大きな都市ですが、僕が育ったのはメーゲンヴィル（Mägenwil）という人口2,100人の小さな村です。元々日本の医療制度に興味があり、東京、大阪のような大都市より、鳥取のような小規模な地域で学ぶほうが、スイスに帰ってから役に立つと考え、鳥取大学を留学先として希望しました。」

「日野病院は、人口が少ない町に所在しますが病床数も多く、医療機器も充実しており、現代的で高規格の病院だと思います。」

（左から）Yannick Turdo（ヤニック＝トゥード）さん、医学部5年生、紙本医師、医学部6年生、李助教

李助教「トゥードさんには、日本の医療システムを鳥取大学で学ぶ中で、地域医療を担う日野病院でも多くのことを勉強していただきたい。そして鳥取や日野のことを好きになっていただければと思っています。受け入れ側にとっても、いろいろと触発され、良いチャレンジとなっています。」

「5年生は、日野病院で勉強する1週間で、市中病院での医師の働き方や現場を学んで欲しい。

6年生に対しては求めるスキルが高くなります。1か月日野病院にいて病棟の担当もしますので、医師としての責任感、現場のスキルを身に着けてほしい。さらに、地域の実情も知って、将来日野と縁ができることを希望しています。」

日野病院で1週間勉強中の5年生。

「小さい頃は日野病院の小児科に患者としてお世話になりましたが、医学生という立場で約10年振りに戻って来ました。

大学と異なり、診察も任され実践的であると感じています。

OSCE（客観的能力臨床試験）に合格していても、実際の患者さんと接すると、治療に必要な情報を得るために様々な努力が必要です。

近所の方が患者さんとして来られると思うと緊張しますが、毎日振り返ってよかったと思えるよう頑張ります。」

日野病院で1か月勉強中の６年生。

「5年生の時に日野病院で2週間勉強させていただき、患者さんの症状から問診を経て、必要な検査は何かを考え、診断を付けて治療方針を決める、というプロセスにやりがいを感じました。

6年生になって、さらに成長するために日野病院を希望しました。

将来は、患者さんの社会的背景も考えながら、内科的管理のできる幅広い整形外科医になりたいと思っています。

一番嬉しかったのは、担当患者さんが無事退院される際、笑顔で御礼を言われたときです。」

５年生に誘われて、地域の名店でちゃんぽんのランチです。

「スイスも高齢化、社会保障費の増大のほかにも人口減少などの問題を抱えています。労働力、社会保障費とも、諸外国からの移民に支えられているのが現状です。」

「医師連盟の活動では、世界各国の現状を見ます。ケニアやアメリカ、アジアの各国など、これまで様々な国を訪ねました。医師が世界を変えられると信じています。」