ポップコンテスト2018 小谷真之介さんへのインタビューの様子

インタビューの様子

 
  

期日

平成30年12月8日(土)

場所

鳥取県立図書館

インタビュアー(優秀賞受賞者)

図書 中学校 学年 名前
自分の仕事をつくる 鳥取市立東中学校 3 國政結梨香(くにまさゆりか)さん
アミ 小さな宇宙人 鳥取市立東中学校 3 逸見舞翔(へんみまいか)さん

インタビューを受ける人(本の推薦者)

小谷真之介(こたにしんのすけ)さん〔グラフィックデザイナー〕
  

小谷真之介さんに直撃インタビュー

※主な内容を抜粋してお伝えします
※司会は県教育委員会職員

司会

ポップを作成するにあたって、工夫した点や、苦労した点、または本の感想などを教えてください。

國政さん

司書の先生に薦められ、この本(自分の仕事をつくる)を読みました。仕事はお金を稼ぐためのものだと思っていましたが、違う考えが持てました。

逸見さん

普段はあまり本を読むわけではありませんが、推薦本(アミ 小さな宇宙人)の挿絵がさくらももこで、親しみがわいて、読んでみました。この作者の世界観、こんな世界があったらいいなと思いました。

逸見さん

子どもの時に読書していてよかった、本を読んでいたから今に活かせたということはありますか。

小谷さん

図書館が好きで、色々な本を読んでいました。冒険ものや、江戸川乱歩などの探偵ものや図鑑なども読んでいました。雑学系が特に好きで、授業では習わないような知識を本を読んで得ていました。こうしたことが、大人になってからもちょっとした話ができるなど、なんでも読んでいると後につながるという経験をしてきました。

小谷さん

マンガは読みやすいですが、絵によってその本の世界が確立されてしまいます。本は文字しかないから、想像力を働かせるようになります。

國政さん

なぜこの本「自分の仕事をつくる」を選んだのですか。

小谷さん

2009年に東京からUターンしたときに読んだ本です。東京でもデザインの仕事をしていた時は、忙しくて終電に揺られて帰る日々でした。そんなとき、束の間の夏休みにインドネシアへ旅行へ行きました。そこで土地に根差した生き方を目の当たりにしました。のんびり仕事して、日が暮れたら帰るという生活。東京で生きる自分は何をしているのだろうかと思いました。このスローなペースが、鳥取に似ているとも思いました。そこから意識が変わり、Uターン後に仕事は当たり前に「ある」ものだと思っていましたが、「つくる」とはどういうことなのかが気になりました。様々な職業の働き方が載っていて、感銘を受けました。

國政さん

絵が好きなのでデザイン科のある学校に行ってみたいと考えています。専門学校に行って、仕事にできればと思っています。

小谷さん

気をつけないといけないのは、アーティストとデザイナーは別物です。作品を自分主体で、好きなように作るのはアーティスト。デザイナーはクライアントから仕事の依頼があって、その要望・課題を解決するためのものを作ります。どちらが好きなのか、自分に問いかけることが必要です。趣味で描いていくのもありだと思います。 

逸見さん

小さいころは、料理人になるものと思っていましたが、友人から「教え方が上手」と言われ、将来の仕事として教員に興味を持っています。 

小谷さん

それは、他者から見た自分の個性です。教え方が上手というのは特技でもあり、どのような職業でも重宝されます。色々な職業を考えてみたらいいと思ます。 

國政さん

「自分の仕事をつくる」の本で印象に残っていることは何ですか。

小谷さん

自分は電化製品や車など、プロダクト製品のデザインを勉強していました。最初は紙に平面から書き起こすのがセオリーですが、この本の柳さんという人はいきなり立体から起こします。そうして、正解を探っていきます。こうしなければならない、ということが正解ではなく、セオリーにとらわれなくてもいいんです。やり方を自分で生み出していく。ほかにも、気分転換に海に行ってサーフィンをするというような会社がありました。衝撃でした。我々は制約の中で仕事をしていますが、そうして息抜きをすることで調子がよくなるのであれば、そのほうがいいと思いました。そういうふうに生きることも、鳥取ならできると思いました。

逸見さん

「アミ 小さな宇宙人」を読んでから、「自分の仕事をつくる」も読んでみようと思いましたが、自分には難しかったです。母はどちらも読みましたが、同じ人の紹介した本ということに驚いていました。

小谷さん

「自分の仕事をつくる」は、自分の仕事に関することで、共感できることが多かったからです。世の中には様々な働き方があることを伝えたかったからです。「アミ 小さな宇宙人」は、生きる上で大切なことが書いてあります。この世界で、何が一番大切かということを知っていればぶれないし、自分の芯になると思います。自分は、これを読んで世界が広がりました。視点を変えると、世界は宇宙の中にあります。宇宙の中の一つの惑星。狭く考えることも大事な時がありますが、俯瞰して見る視点を持っておくと、色々なことに役立ちます。

國政さん

本を読むことはなぜ大事だと思いますか。

小谷さん

なぜ、我々は日本語を話せるのにわざわざ国語を、言葉を習うことが大切なのか。ほかの数学や物理など、文章の意味が分からないと解くことができません。ほかの教科でも同様です。読書はほかの人の考えを読むということです。自分が使う言葉の表現は限られています。読書によって、自分の知らない場所や物事が自分の中に入ってきて、自分自身の言葉や表現が変わってきます。本を読んでいて損はなく、豊かな、引き出しの多い人間になれます。自分の言いたいことを様々な表現や方向から伝えることができるようになります。

逸見さん

将来の夢をかなえるために、これだけはやっておいたほうが良いと思うことは何ですか。

小谷さん

自分の世界を広げること。様々な職業の人と話をして、様々な場所に行くことです。そうやって自分の幅を広げていくと、例えば教員になった時でもそれぞれ違う個性を持つ子どもに多様なアプローチができます。経験したことがつながってきます。教員を目指すのであれば、学校の中のことだけではなく、幅広く何でも知っておいた方がいいと思います。知識ではなく、自分の経験を語ると、深みが違うと思います。

國政さん

仕事をしていくうえで、大切にしていること、気を付けていることは何ですか。

小谷さん

デザインの仕事ですが、手を抜かず、自分の納得いくものでないと出さない。そうしてクオリティを上げていくことが次の仕事につながっていくと思っています。言われていないことでも提案していくことが、組織でも役に立ち、重宝されます。探究心を忘れないことが大事です。
グラフィックデザインは独学で習得しました。まずは、良いと思うデザインをコピーしました。なぜこのデザインがよいか、自分で観察、実践してみました。自分で考えたり体験したりしたことは忘れません。自分の仕事に生きてきます。手を抜かずに技術を深めていくことです。やっていくと楽しくなります。

小谷さん

大学などで県外に出ると、鳥取のことがわからなくなります。鳥取にいるうちにいろいろ探検しておいてほしいです。ローカルな場所は鳥取の魅力のひとつです。自分のお気に入りのモノや場所を見つけておいてほしいです。鳥取は砂丘とカニと梨だけでしょ?と言われた時に教えてあげられるよう、ちょっとでも鳥取を知っておいて損はないと思います。 

最後に

國政さん

今日は、新しいことを知ることができてよかったです。

逸見さん

最初は緊張しましたが、すぐに緊張も解けました。自分の思っていることも変わってくると思うし、自分の世界をどんどん広げていきたいと思います。

小谷さん

社会が変化していっても、大切なことを忘れずに生きていってほしいです。近年の作品で、「生きるように働く」という本があります。「自分の仕事をつくる」に影響を受けた方が書いた本です。今の時代に沿った新しい概念を提供しています。仕事の時間と、それ以外の時間ではなく、両方同じでオンオフなし。好きでやっていることが仕事につながるなど、日常と仕事が同化してきています。

小谷さん

みなさんは5年後には20歳になりますが、5年後はAIの発展など、また今とは違う世界になっていると思うので、自ら壁を作らず世の中のことに敏感になってほしいと思います。今日は自分にとってもいい時間となりました。ありがとうございます。

小谷さんと生徒たち

  

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