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第1章 本県の観光に関する現状・課題

1 我が国の観光に関する現状・課題

(1)社会環境の変化

人口減少と少子高齢化の進行

日本の総人口は平成20 年をピークとして、平成22 年から減少傾向にあり、今後も、減少していくことが推計されています。その中でも、0~14 歳人口及び、15~64 歳人口は減少傾向、65 歳以上人口は増加傾向にあり、高齢者人口の割合が増加し、社会全体の高齢化が加速している状況にあります。

図表1 日本の総人口の推移 図表2 年齢3区分別人口の推移

国内宿泊観光旅行の回数・宿泊数は横ばいからやや増加傾向

国民一人当たりの国内宿泊観光旅行回数及び宿泊数は減少傾向にありましたが、平成22年頃から減少に歯止めがかかり、横ばい傾向からやや増加に転じています。回復傾向にある国内旅行者の獲得のため、旅行者に「選ばれる」観光地となることが重要な課題です。

図表3 国内宿泊観光旅行の回数及び宿泊数の推移

旅行消費額は減少傾向からやや横ばい

日本人の旅行消費額は平成18年の約33兆円をピークに減少を続け、平成23年には約25兆円となりました。内訳を見ると、概ね減少傾向が続いており、特に国内の宿泊旅行・日帰り旅行とも、平成23年には平成18年と比較して25%以上減少しましたが、平成24年については国内宿泊旅行では前年に比べ増加しています。(図表4)(国民一人当たりの国内宿泊観光旅行回数及び宿泊数も、平成24年から、前年に比べ増加に転じています。(図表3 国内宿泊観光旅行の回数及び宿泊数の推移))
一方、日本国内での旅行消費額については、平成18年から減少が続いていましたが、平成24年は、前年をやや上回る22.5兆円となりました。(図表5)

図表4 日本人の旅行消費額の推移 図表5 日本国内の旅行消費額の推移

訪日外国人の増加

訪日外国人旅行客は、平成15年度に開始されたビジット・ジャパン・キャンペーンをはじめとする国をあげた誘客により大きく増加しており、東日本大震災などの外的要因による減少もありましたが、円安基調、東南アジアに対するビザ緩和・免除策なども功を奏し、平成25年には1,036万人となり、1千万人を突破しました。(図表6)
平成25年の訪日旅行形態をみると、全国籍・地域において、7割超が「個人旅行」での来訪であり(図表7)、「観光・レジャー目的」の訪日に限定しても個人旅行が6割を占めており、平成22年と比較しても、韓国、台湾、香港、中国等各地域で個人旅行の割合が増加していることから(図表8)、訪日個人旅行客への対応も課題として挙げられます。

図表6 訪日外国人宿泊者数の推移 図表7平成25年 国籍・個人団体別旅行形態(全目的) 図表8 国籍・個人団体別旅行形態(観光・レジャー目的)

情報入手手段の多様化

旅行の計画を立てる際の主な情報源は、「ネットの検索サイト」と回答した割合が最も高く、「旅行ガイドブック」、「旅行会社のパンフレット」、「旅行雑誌」も上位を占めています。なお、女性については、「ネットの検索サイト」が46.0%と、男性と同様に最も高いが、「旅行会社のパンフレット」が45.0%、「旅行会社の店頭や電話」が16.2%と男性と比較して高い割合となっており、ネットを通じた情報収集が主流であっても、旅行会社の役割も依然大きいと言えます。情報入手手段が多様化する中、旅行会社を通じた誘客活動と並行して、ネット上の専門サイトを活用した情報発信の充実はもちろん、旅行雑誌やファッション雑誌などの紙媒体を活用した継続的な発信など、ターゲットに応じたきめ細かな情報発信を推進していく必要があります。

図表9 旅行の計画を立てる際の主な情報収集減(複数回答)

(2)旅行形態の変化、観光ニーズの多様化

個人旅行の増加が顕著

旅行参加形態をみると、平成20年以降個人旅行が増え、平成24年では8割を超えています。

図表10 旅行参加形態の推移(15歳以上)

宿泊旅行の同行形態では「夫婦旅行」が最も割合が高く、宿泊実施率は20~34歳女性が最も割合が高い

宿泊旅行の同行形態で、最も割合が高いのは「夫婦二人での旅行(24.8%)」、次いで「一人旅(15.4%)」、「友人との旅行(13.8%)」が上位を占めています。(図表11)  
性別・年代別でみると、「一人旅」の割合は男性が女性よりも高く、特に20~34歳男性では、「一人旅」が26.1%、35~49歳男性でも21.9%と高い割合となっています。(図表12)
若年層の旅行形態は、一人旅を除いては、男女とも「恋人との旅行(男性18.9%、女性17.6%)」、「友人との旅行(男性18.7%、女性19.0%)」の割合が高く、この層の女性は、宿泊実施率が最も高いのが特徴です。(図表12、13)国内旅行の重要な市場ですが、競合他者が多く存在するため、この層に選ばれる観光地となるには、広報媒体の選定や、他の観光地に負けないオンリーワンの特徴を強く打ち出すことが必要です。また、女性の「親連れ家族旅行」の割合が14.4%と高く、50~79歳女性の「その他の家族旅行(17.7%)」(図表12)と合わせて考慮すると、母娘旅行などの旅行形態を意識していくことも必要です。   
35~49歳の中間層は、一般に、仕事や子育てで多忙な傾向があり、宿泊旅行実施率は他の年齢層に比較して低い傾向にある(図表13)ものの、夏休みなどを利用した家族旅行など複数人での旅行が期待できます。 
また、特にこの年齢層では、ビジネス旅行が多く行われることが見込まれます。ビジネスによる当地来訪をチャンスととらえ、次回以降の観光旅行の目的地として当地を選択いただけるよう、おもてなしの充実と限られた時間でも体験できるメニューの造成にも目を向ける必要があります。いわゆる「大人」の、多彩な旅行形態が期待されるシニア層の旅行形態は、「夫婦旅行(男性38.2%、女性31.2%)」の割合が圧倒的に高く、次いで女性では、「その他の家族旅行(17.7%)」、「友人との旅行(17.2%)」の割合が高くなっており、宿泊実施率は男性では一番、女性では二番目に高くなっているのが特徴です。(図表12、13)
夫婦による記念日旅行や、還暦や金婚式などを祝う多世代家族旅行、母娘旅行のほか、歴史・文化・スポーツなどの趣味嗜好を探求するグループ旅行など様々な旅行形態が考えられます。旅行経験の蓄積をもとにした再来訪や、滞在型・周遊型の長期旅行の可能性が期待されるなか、満足度の高い本物のサービス提供が求められます。  

図表11 宿泊旅行の同行形態 図表12 平成25年度 性別年代別宿泊旅行の同行形態 図表13 性別、年代別 宿泊旅行実施率の推移

観光ニーズの現状

ほとんどの旅行形態において、「自然景観を見ること」「温泉に入ること」「おいしいものを食べること」の人気が高いものの、小中高生連れの家族旅行、友人旅行では、「スポーツやアウトドア活動を楽しむこと」といったいわゆる「体験もの」の人気も比較的高くなっています。

図表14 旅行で最も楽しみにしていること

2 鳥取県観光の現状と課題

(1)観光を巡る指標

入込実人数及び宿泊客数の推移

平成22年に放映されたNHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」放映による認知度向上に伴い、水木しげるロードを中心に入込客数が大きく伸び、現在の統計手法を始めた平成10年以降で、初めて入込実人数が1,000万人を超えました。
近年は入込実人数と宿泊客数の伸びに差異があり、単純に入込人数の増加が宿泊人数の増加とリンクしていないと言えます。一時の話題づくりや、大型イベント実施は、入込客数の増に一定の効果をあげているものの、高い経済効果をもたらす宿泊客の獲得のためにはさらに、観光ブランドイメージの形成・定着や、魅力ある観光素材の磨き上げ、新たな体験型メニュー造成など、滞在時間を延ばす取り組みが必要であると言えます。

図表15 鳥取県の観光入込客実人数及び宿泊客数

日帰り観光客が8割超

日帰り・宿泊の割合をみると、日帰りが概ね8割を占めています。鳥取自動車道の開通や山陰自動車道の整備推進など高速交通網の整備進展により、観光客の周遊範囲が拡大するなか、近畿地方や中国地方などの観光客にとって、本県は一層日帰り圏として認知されることが懸念されます。
日帰り旅行から宿泊旅行への転換や、宿泊日数の延伸等、新たな体験型メニュー造成による魅力づくり、県内の地域間連携や近隣府県との広域連携による周遊型観光を推進し、エリア内での滞在時間の延長を図ることが課題となっています。

図表16 鳥取県の観光客の日帰り、宿泊の割合

発地別観光入込客では、県内居住者は減少傾向、県外では近畿、中国が5割超

県外入込客では、近畿、中国地方からの入込が大半を占めます。高速交通網の整備進展により、平成23年以降、近畿、中国地方からの入込が増加、その反面、県内観光客の県外への流出が見られ、県内観光客数が減少傾向にあります。
県内の2空港(米子鬼太郎空港、鳥取砂丘コナン空港)への航路の充実、高速道路網の整備進展、九州新幹線の開通などにより、関東・中部・九州などからの入込みも徐々にその割合を伸ばしています。
交通インフラ整備進展に伴い、今後入込客のシェアの増加が見込まれる関東、中部、九州方面へのアプローチを充実し、ターゲットエリアを意識したきめ細かなプロモーションが必要です。また、県民が県内で旅行を楽しむ機会を創ることで、県民が当地の観光資源の魅力を知り、おもてなしの機運を醸成することも大切な視点です。

図表17 鳥取県の発地別観光入込客の割合

国籍別外国人観光客の推移

当県の強みである国際定期航路「米子ソウル便」「環日本海定期貨客船」の安定運行の取組や、県内空港への国際チャーター便就航を進め、多彩な玄関口設定による戦略的なプロモーションに努めるとともに、「国際リゾートとっとりプラン(平成25年4月策定)」により、官民挙げて戦略的に海外誘客を進めた結果、平成25年には外国人宿泊者数が3万6千人を超え、過去最高を更新しました。   
また、本県を訪れる外国人観光客の約9割が、東アジアや東南アジアから訪れており、約5割が韓国からの送客となっていることから、アジア諸国・地域の急速な成長などを踏まえると、外国人観光客はさらに増加していくことが予想され、当県としても、今後も多彩な玄関口設定による本県へのダイレクトの誘客を図るとともに、羽田空港、関西国際空港などの近隣空港への定期航空便を活用することで、さらに誘客を図ることができると考えられます。韓国、台湾、中国、香港の4つを重点市場として特に誘客を図りつつ、環日本海定期貨客船でつながるロシア、経済発展著しい東南アジアも視野に入れ、市場ごと、アプローチの深度に合わせて積極的な誘客に取り組むことが必要です。

図表18 鳥取県の国籍別外国人宿泊客数

県外観光客のリピーター率

県外観光客が増加する中で、2回目以上の来訪者は80%前後、3回目以上の来訪者は65%前後で推移しています。(図表19)  
満足度については「大変満足」が21.2%、再来訪希望は、「大変そう思う」が11.3%となっており、他県に比べて高い数値とは言えません。(図表20)
観光素材の磨き上げ、おもてなし対応を充実し、観光客満足度及び再来訪希望を高めるための戦略及び施策を進めていくことが課題となっています。

図表19 鳥取県の県外観光客に占めるリピーター率 図表20  旅行先別の満足度、再来訪意向

コンベンションの開催件数は年を追って増加

県内のコンベンション開催件数は、積極的な誘致活動の結果、年を追って増加傾向にあります。内訳をみると、大会・会議は概ね150件前後で推移し、MICE及び平成23年度から誘致活動を開始した合宿も着実に開催件数を伸ばしており、平成25年度のコンベンション開催件数は過去最高の336件となりました。  
2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催を控え、スポーツに対する意識が高まる中、引き続きスポーツ大会等の誘致を進めていくほか、ビジネス客の取り込みにつながるMICEの誘致活動を積極的に進めていく必要があります。

図表21 コンベンションの誘致状況

観光消費額の状況

県内における観光消費額は、平成25年には820億円を超え、前年を大きく上回りました。
しかしながら、今後、周遊観光による滞在時間の延長、宿泊を伴う旅行への転換により、一人当たり観光消費額の上積みを図るほか、高い観光消費が見込まれるMICEの誘致などにより、経済波及効果をより高めていくべきであると考えています。

図表22 観光消費額の推移 図表23 観光客 一人当たり観光消費額

交通網の整備、グローバル化に伴う移動手段の変化

本県を訪れる観光客の移動手段は、自家用車が70%程度を占めており、続いて、貸切バス、列車の順に多くなっています。
高速交通網の整備進展に伴い、鳥取自動車道・九州新幹線により中京圏や九州地方からの時間距離が短縮されたほか、県内の2空港(米子鬼太郎空港、鳥取砂丘コナン空港)への航路の充実、米子ソウル便・環日本海定期貨客船等の国際交通網の整備も進んでおり、人やモノの流れが変化してきています。
列車、飛行機などを利用して、駅頭、空港などのターミナル施設に降り立つお客様が増加していることから、自家用車を利用しないお客様の利便性向上と周遊観光の推進のため、ターミナル施設からの二次交通(バス、タクシー、レンタカー等)の整備が喫緊の課題となっています。

図表24 県外観光客の移動手段の推移

(2)鳥取県の魅力・認知度

ブランド総合研究所が実施した「地域ブランド調査2014」によると、鳥取県の魅力度は47都道府県のうち36位(前回41位)と、わずかに上昇したもののまだまだ低い状況にあり、さらなる魅力度の向上に努めていく必要があります。(図表25)
「鳥取県に関するイメージ調査」では、鳥取県と言われて連想されるものについては「鳥取砂丘」(73.3%)が圧倒的であり、それ以外の回答は1割に満たない状況です。(図表26)また、鳥取県の観光地の訪問意向をみると、「鳥取砂丘」(42.4%)が前回に続いて圧倒的である一方、「ひとつもない」が28.1%となっています(図表27)。
このことから、鳥取県のイメージ形成に圧倒的影響力をもつ「鳥取砂丘」を中心とした鳥取県のブランドイメージ形成や魅力発信、観光地「鳥取砂丘」を牽引役とした鳥取県への訪問意向の刺激などが課題となります。
そのうえで、来訪した観光客が鳥取砂丘だけでない当地の魅力を存分に満喫いただけるような周遊観光ルートの形成や周遊手段の確保、観光素材の磨き上げが必要です。
さらに、鳥取県に最もあてはまる県のイメージとして「自然環境に恵まれた県」(41.3%)が突出している(図表28)ほか、訪問時の主要目的では、「自然で癒される」25.7%、「温泉でリフレッシュする」22.4%が上位で、この2項目で半数弱を占めており(図表29)、鳥取県へ来訪くださる観光客の満足度を高めるためには、継続的な美化運動などのおもてなしによる自然環境の維持のほか、自然景観を楽しむだけでない、自然を満喫する体験メニューの造成や、温泉地をじっくりと楽しんでいただける空間の磨き上げも必要となっています。

図表25 魅力度ランキング(47都道府県) 図表26 「鳥取県」と言われて連想されるもの 図表27 鳥取県の「観光地」の訪問意向 図表28 鳥取県に最もあてはまる県のイメージ 図表29 鳥取県への訪問時の主要目的

3 国の観光政策の強化

(1)新たな観光立国推進基本計画の決定

国は、平成18年12月に観光立国推進基本法を制定、平成19年6月には同法に基づく観光立国推進基本計画を閣議決定し、平成20年10月に観光庁を発足させました。

観光立国推進基本法の概要

平成24年3月には、観光立国の実現に関する基本的な計画として新たな「観光立国推進基本計画」が閣議決定され、観光をめぐる現在の課題を克服し、日本の成長を牽引するべく、政府を挙げて観光立国の実現に向けた施策を推進することとされました。
新たな「観光立国推進基本計画」の4つの基本方針

  1. 震災からの復興 ―観光が、復興を支え、日本を元気づける―
  2. 国民経済の発展 ―観光が、日本経済と地域を再生する―
  3. 国際相互理解の増進 ―観光が、世界を惹きつける―
  4. 国民生活の安定向上 ―観光が、人生を楽しく豊かにする―
観光立国の実現に関する目標

(2)観光立国実現に向けたアクション・プログラム

また、平成25年6月には、力強い日本経済を立て直すための成長戦略の柱として、世界に誇る魅力あふれる観光立国の実現に向けて強力に施策を推進すべく、観光立国推進閣僚会議を立ち上げ、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」を決定し、官民を挙げて観光立国の実現に取組んだ結果、平成25年の訪日外国人旅行者数は目標であった訪日外国人旅行者数年間1000 万人を史上初めて達成しました。
さらに、「2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会」の開催という機会を捉え、さらなる観光立国の推進を図るべく、2020 年に向けて、訪日外国人旅行者数2000 万人の高みを目指すため、平成26年6月に「観光立国実現に向けたアクション・プログラム 2014」を決定しました。

「観光立国実現に向けたアクション・プログラム 2014」の6つの柱

  1. 「2020 年オリンピック・パラリンピック」を見据えた観光振興
  2. インバウンドの飛躍的拡大に向けた取組
  3. ビザ要件の緩和など訪日旅行の容易化
  4. 世界に通用する魅力ある観光地域づくり
  5. 外国人旅行者の受入環境整備
  6. MICE の誘致・開催促進と外国人ビジネス客の取り込み

 本県においても、これらの国の動向や目標などに留意した計画策定と取組が必要です。
 【参考】観光立国の実現に向けた政府の主な取組
平成18年12月 観光立国推進基本法が成立
平成19年 6月 観光立国推進基本計画を閣議決定
平成20年10月 観光庁設置
平成24年 3月 観光立国推進基本計画を閣議決定
平成25年 6月「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」を決定
平成26年 6月「観光立国実現に向けたアクション・プログラム 2014」を決定

  

最後に本ページの担当課    鳥取県 交流人口拡大本部 観光交流局 観光戦略課
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