令和元年度農林水産商工常任委員会議事録

令和2年1月21日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです

出席者
(9名)

委員長
副委員長
委員

島谷 龍司
鹿島  功
西村 弥子
山川 智帆
安田 由毅
濵辺 義孝
福間 裕隆
内田 隆嗣
西川 憲雄

欠席者
(なし)


説明のため出席した者
  吉村商工労働部長、西尾農林水産部長、松岡企業局長、森本労働委員会事務局長
ほか各局次長、課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  鳥飼課長補佐  堀場課長補佐  有間係長


1 開  会   午前9時57分

2  閉  会   午前10時44分

3 司  会    島谷委員長

4 会議録署名委員     西村委員  安田委員

5 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり

会議の概要

午前9時57分 開会

◎島谷委員長
 それでは、時間の前ですけれども、皆さんそろわれましたので、ただいまから農林水産商工常任委員会を開会します。
 本日の日程は、お手元のとおりですので、この順序に従って議事を進めます。
 初めに、会議録署名委員を指名します。
 本日の会議録署名委員は、安田委員と西村委員にお願いします。
 それでは、報告事項に移ります。
 執行部の皆様におかれましては、説明は要領よく簡潔にマイクに向かってお願いします。
 なお、質疑については説明終了後に一括して行っていただきます。
 初めに、商工労働部から行います。
 報告1、環日本海定期貨客船航路の現況について、山本通商物流課長の説明を求めます。

●山本通商物流課長
 商工労働部の資料1ページをお願いします。環日本海定期貨客船航路の現況についてです。
 境港における環日本海定期貨客船航路の2019年1月~12月の利用状況について、11月末から臨時休航となりましたので、実際には11月までということになりますけれども、御報告します。
 2019年は、境港寄港が42航次でした。まずは旅客についてですけれども、日韓関係の悪化によりまして、韓国人訪日客の減少により、延べ1万5,321名ということで、1便当たりは182人、前年比35.9%減となりました。表をごらんいただければと思いますけれども、日本人の利用は若干ふえておりましたが、韓国人は大幅な減少となっています。内訳は表のとおりです。
 貨物についてですけれども、コンテナ貨物は昨年より179TEU。TEUは20フィートコンテナ換算ですけれども、減少と。バルク、ばら貨物につきましては1,772フレートトン減少、全体のトン数では47.3%減の3,427フレートトンでした。韓国からのパプリカの輸入は増加しましたけれども、ロシア向けの完成自動車、中古自動車や建築資材の減少、韓国・ロシアからの水産品が減少しました。実績については表のとおりです。
 参考までに、航路全体、これは日本-韓国、韓国-ロシアも含めてですけれども、旅客、貨物量の推移のグラフを記載しています。棒グラフが旅客、折れ線グラフが貨物量の合計となります。

◎島谷委員長
 続いて、報告2、「鳥取県障がい者雇用実態調査」中間報告(速報版)について、宮田雇用政策課障がい者・外国人就労支援室長の説明を求めます。

●宮田雇用政策課障がい者・外国人就労支援室長
 2ページをごらんください。「鳥取県障がい者雇用実態調査」中間報告(速報版)について御報告します。
 まず、報告の前に、2カ所修正箇所があります。
 2ページの1(5)の上の表です。性別、男性593、女性382と書かせていただいている表ですが、そこの年代別が間違っていますので、修正申し上げます。30歳未満の27が244、30歳代の228が207、40歳代の207が186、50歳代の186が179、60歳代の179が120、70歳以降の158が39です。30歳未満244、30歳代207、40歳代186、50歳代179、60歳代120、70歳以降が39名です。
 あと1カ所です。3ページ、下の表の下から3番目の関連項目6~10満足度の右の表の、少し不安・不安と書いてありますが、少し不満、不満ですので、修正をお願いします。
 今回、中間報告とさせていただいたのは、今現在、委託先が分析等を行っていますが、大まかな分析等ができましたので、速報版として報告します。
 まず、この調査の目的は、(1)に書いてありますとおり、離職を経験した者からその原因や背景について調べて、定着促進の施策を検討するための基礎資料を得るとしています。調査分析委託先は鳥取大学、小林先生にお願いしています。調査期間、調査方法等は書いてあるとおりです。送付数ですが、3,858件、送付しました。障害者就業・生活支援センター利用者、そして障がい者団体等に送付しています。回答者数は1,173名、その中で就業経験ありが986名です。就業経験がある人986名の内訳が先ほど修正していただきました上の図、そして、その中で離職経験のある人が709名です。男性401名、女性299名、そして内訳は下に書いてあるとおりです。
 結果分析ですが、この結果は複数の質問をトータルして分析しています。今回は分析の根拠となる質問項目は複数ありますが、その中で参考となる関連項目を3ページに抜き出しておりまして、そちらを文末、もしくは文中に括弧書きで関連、そして番号ということで書かせていただいています。
 全般的な分析ですが、離職につながったと思われる共通した理由は、上司、同僚の理解や職場の雰囲気等々の人間関係をめぐる課題が上げられます。次に仕事の質や量を含めた業務量の調整、労働条件の改善等が指摘されました。3ページの関連項目12、どのような支援・配慮があったらやめなかったかというところを参考にして分析させていただいています。全般的に高いものを拾い出しています。
 (2)障がい種別に見た離職等に係る分析です。
 まず、知的ですが、定着率は比較的高いものの、若年期に離職経験を有する者の割合が高いということで、3ページの関連項目3の離職回数を見ますと、若年期、離職回数1から2回の割合が高いということで、定着率が比較的高いと分析しまして、若年期の離職経験を有する者が70.7%と、比較的高いと分析しています。そして、離職理由においては、勤務時間や仕事内容など、本人とのミスマッチが上げられています。関連項目の12の(7)の仕事内容のところで、どのような支援があったから辞めなかったというところで37.2%としています。
 精神障がいですが、離職率89.9%と極めて高い。職場定着において最も多くの困難を示しておりました。

◎島谷委員長
 室長、読むだけではなくて、簡単に言って。

●宮田雇用人材局雇用政策課障がい者・外国人就労支援室長
 はい、承知しました。

◎島谷委員長
 読めば済むことだから。

●宮田雇用人材局雇用政策課障がい者・外国人就労支援室長
 では、精神は、離職理由としては書いてあるとおり、職場での無理解が挙げられています。
 身体障がいについては、定着率は全般的に芳しくないということで数値が出ています。そして、仕事内容に対する不満は、関連項目10で、不満度が低かったというところで、不満は少ないということで出させていただいています。そして、雇用継続を求める者が多い。その一方で、労働条件を初めとする多様な不満が挙げられています。
 発達障がいは人間関係を起因とした離職が多くて、そういった中でも雇用継続を望まない傾向があると示されています。
 今後の対応策としては、障がい者離職の実態や、障がい者が企業に求める配慮等が明らかになりましたので、現行の取り組みに加え、今後、企業等へ離職防止につながる取り組みの働きかけを検討していきます。

◎島谷委員長
 続きまして、農林水産部に移りますが、資料を丸読みではなくて、簡潔に説明をお願いします。
 報告3、シンガポールでの県産食材PR試食会及びレストランフェアの開催について、鈴木販路拡大・輸出促進課長の説明を求めます。

●鈴木販路拡大・輸出促進課長
 農林水産部資料の1ページをごらんください。シンガポールでの県産食材PR試食会及びレストランフェアの開催についてです。
 シンガポールにつきましては、3年前から主に水産物のレストランでの取り扱い拡大を目標としまして、レストランフェア等を実施しているところですが、このたび現地の高級日本料理店「TAKAYAMA」というところとタイアップしまして、レストランフェア等を実施するものです。
 まず、1番で、シェフ・バイヤーの県内産地視察ですけれども、11月に実施する日本料理店、それからそこに納入しています現地の食品輸入会社と、2名の方に産地に来ていただきまして、海産物ですとか、各事業者との商談を実施していただきまして、フェアで使用する食材選定を行いました。
 そして、2番で県産食材プロモーションと書いていますが、先週1月17日に現地の日本料理店「TAKAYAMA」におきましてシェフ向けの試食商談会、そしてメディア向けのPR試食会と、2本立てで実施しています。
 シェフ向けの試食商談会につきましては、現地の輸入会社が納入しています高級料理店等のシェフ12名が集まりまして、高山シェフに県産食材のPR等を行っていただきました。実際に料理提案と試食ということで、素材のよさを味わっていただくということで、余り手をかけないで、例えばねばりっこですとか、シイタケですとか、松葉ガニ、そういったものをシェフの皆さんに食べていただきました。この中で実際にシイタケなどはその場で発注があったというものもございまして、成果も出ているところです。
 また、この商談会には県内から3事業者が同行営業ということで参加しています。
 また、第2部ではメディア向けのPR試食会ということで、2月に実施予定のレストランフェアのPRを現地ブロガー、それから現地の新聞社、テレビ局等に参加いただきまして、実際に提供しますコース料理を食べていただくということで取り組んでいます。現地の最大手の中国語新聞「Zaobao」等で実際、フェアを紹介するといったことでお話もいただいています。
 そして、3番で書いていますけれども、シンガポールでのレストランフェアということで、このプロモーションを受けまして、2月1日から1カ月間、「TAKAYAMA」で、鳥取県食材を使ったコース料理を提供していただくということで、10品で2万円強のコースの提供が行われるということです。
 今後もレストランを中心としまして県産食材のPRに努めてまいりたいと考えています。

◎島谷委員長
 報告4、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、前田農地・水保全課参事の説明を求めます。

●前田農地・水保全課参事(水資源・防災担当)
 資料、3ページをお願いします。一定額以上の工事または製造の請負契約の報告をさせてもらいます。
 変更分の2件となります。
 1件目は、天神野地区地域ため池(横谷ため池)改修工事(その1)で、第4回変更となります。変更内容は、工事用車両の通行によって破損した農道の復旧工事を追加し、これにより635万4,000円余の増額変更としました。また、残土処分場として予定していた公共残土処分場の開設がおくれたために工程がおくれ、工期を令和元年12月17日から令和2年2月29日に延期しました。
 2件目となります。般若区有ため池改修工事で、第1回変更です。変更内容は、工事用道路の設置に当たって地山を掘削したところ、軟弱地盤で工事用車両の通行ができないことが判明しました。このため軟弱地盤対策工事を追加して、これにより1,133万9,000円余の増額変更としました。また、これに伴い、工期を令和2年1月14日から令和2年3月19日に延期しました。

◎島谷委員長
 続いて、平野水産課長の説明を求めます。

●平野水産課長
 では、資料2ページをお願いします。工事の請負契約の報告です。
 新規分3件です。境港の高度衛生管理型市場整備のうち電気ポンプ室棟の新築工事です。建物の上屋部分の建築工事、それから受電盤等の電気設備工事、それからポンプ紫外線滅菌装置の機械設備装置の3つに分かれておりまして、資料記載の契約の相手方、金額となっています。昨年12月18日に入札を行ったものです。

◎島谷委員長
 ただいまの説明について、委員の皆様方の質疑等はありませんか。

○濵辺委員
 この2ページの障がい者の実態調査ですけれども、これは中間報告ということですけれども、今後の予定などを少し教えていただければと思います。

●宮田雇用政策課障がい者・外国人就労支援室長
 3月末までにこの分析を終えまして、報告をさせていただく予定です。

○濵辺委員
 ここでいろいろと要因が見つかったということで書かれているのですけれども、今後の対策はどうなるのですかね。

●宮田雇用政策課障がい者・外国人就労支援室長
 課題等を把握しまして、来年度予算等で検討していきたいと思っています。

○内田(隆)委員
 今の濵辺委員の続きですが、具体的にもう予算要求は終わりそうな段階になると思うのですが、何を要求されているのですか。

●宮田雇用政策課障がい者・外国人就労支援室長
 まず、企業内での理解が不足しているということで、今までは同僚等に対する研修、障がい者サポーター養成講座だったのですが、今度は企業トップに向けて、障がい理解等の促進を図るために研修等を行う予定としています。

○西川委員
 農林の1ページで、シンガポールでの使用食材の中に日本茶というのがあり、これは余り聞きなれないが、鳥取県で日本茶はそんなに有名ではないと思うのだけれども、これを選ばれた理由と、本来もう少し売ろうと思えば、肉とか米とか、そういうものもあってもよかったのではないかとは思うのですけれども、そこら辺の選択とか、入っていない理由とか、そういうのがわかれば。

●鈴木販路拡大・輸出促進課長
 まず、日本茶につきましては、シンガポールの日本料理店からのニーズで、いいものがあれば見たいということで、自社のお茶畑もあって自社で加工されている大山の事業者さんです。あとは旧名和、陣構あたりでもお茶の栽培はされています。
 米や肉ですけれども、まず、米につきましても、3年前からシンガポールをターゲットに取り組んだときに米の輸出ということも、特に西部農協さんを中心に考えておられるのですけれども、既にシンガポールはかなり日本の米が入っております。特に玄米で輸出して現地精米をするという形で、農業機械の大手のクボタさんなどが現地にも精米工場をつくってそこでやっているということで、新たに鳥取の米が参入していくということが非常に難しいと考えています。
 和牛につきましても、シンガポールは2国間の協定の中で取り扱い、輸入できるかどうかが決まっているわけですけれども、鳥取県産の牛肉を出している屠畜場ではシンガポールに出せないという状況で、シンガポール向けに出そうとすると、香港のように九州に持っていくとか、特別な扱いをしなければいけないということで、現状ではできていないところです。

○西川委員
 僕もこの前、はなふささんに行って、いろいろ現状を聞かせていただいたのだけれども、今言われたことを多少は聞いたと。ただ、それがネックだからといって放っておいて、国内市場が縮小する中で、例えば米を販売していく、肉を販売していくの、どちらが楽かといったら、やはり日本食材がこれから伸びていく国外が取り組みやすいというか、可能性があると思う。そうすると、その問題は、クリアするためにあるわけで、あるからできないと言っていたら、もう先はないのだから。そこら辺は、私は本来、取り組んでいくべきかなと思うのと、それから関連して、参加されている業者が割と少ない。そこら辺もやはりネックになっているのではないかなと思うのだけれども。そこら辺、2点。

●鈴木販路拡大・輸出促進課長
 農産物の販路拡大につきましては、今回、シンガポールについての御報告をしましたけれども、私どもも米の輸出ということも当然考えていかなければいけない課題だと思っていますので、東南アジア、例えばマレーシアだったりとかベトナムだったりとか、あるいはフィリピンとか、さまざまな新たな市場のマーケットリサーチもあわせて進めていって、考えていきたいと思っています。
 事業者さんにつきましても、できるだけ同行営業で行っていただくというのが望ましい姿ですので、今回は少し数が少なかったですけれども、おいでいただいたバイヤー、シェフから、興味がある食材ということで、フェアで使いたいと選ばれたところの事業者さんが今回同行したということですので、今後もできるだけ広げていけるように努力していきたいと思います。

○西川委員
 もう1点、最後に。
 先ほど言われたマレーシアなどもターゲットでいいのだけれども、物価とか、そこの経済状況のやはり高いところが物は高く売れるわけだよね。例えばマレーシア、シンガポールと比べたら、やはり可能性からしたらシンガポールが高い値段で売れるわけだから。難しいのだけれども、日本の物価から考えたら、やはり高いところに持っていくのが商売の鉄則なので、いろいろな条件はあるにしても、それをやはりクリアしていくというのが必要だけれども。部長に言います。そこら辺の基本的な考え方を聞いて、質問を終わります。

●西尾農林水産部長
 担当の者が申し上げたのは、現時点での状況を申し上げたと思います。そういう壁はありながらも、それをどう突破していくかというのは、これから知恵の出しどころだと思います。
 委員言われるように、攻める価値のあるところについては課題をクリアしつつ向かっていきたいと思っています。

○内田(隆)委員
 西川委員の続きです。
 同様に、この前、上海便が就航して、挨拶の際に、ビジネスユースも広げてほしいという声があった。上海について、やはり輸出促進課という課がある以上、ここはちゃんと横の連携をとりながらビジネスユースのために広げていかなくてはいけないところだと思うのです。
 具体的に、新年度予算を検討されていると思うのですが、その辺の考え方を教えてもらえませんか。

●梅田市場開拓局長
 御指摘ありがとうございます。
 上海につきましては、御指摘のとおり、来年度の予算で盛り込む予定にしています。ビジネスユースとしては、現地で鳥取県の食材が使っていただけること、それからそのプロモーションによって鳥取県に足を運んでいただける誘客につながること、この2点で攻めていこうということにしております。ただ、中国の輸入規制というのが難しゅうございますので、今のところ物産展とか、それから航空便の利用などについて検証しながら、来年度のうちに実施していけるように進める予定にしています。

○安田委員
 環日本海定期貨客船航路について伺います。
 11月下旬から運航を取りやめているわけですけれども、輸出入で利用されていた業者さん等への影響というのは、臨時便等で対応されるということだったと思うのですが、出ているのかどうか、教えてください。

●山本通商物流課長
 実際に貨物の輸出で利用されていた企業様はございました。例えば大山乳業さんですね。韓国向けの輸出ということで、定期的に御利用いただいて、この日韓関係ということで、日本製品のなかなか購入が進まないという状況もございましたので、数量自体はそれほど出ていないけれども、韓国向けの輸出については境港発のコンテナ船への振りかえを御検討いただいています。
 また、県外の利用ですけれども、例えばロシア向けの自動車部品だとか、コンテナで利用されているところは、実は県外ということで、例えば関東だとか大阪だとかということになりますと、わざわざ境まで持ってくる必要がないということもございまして、そちらにつきましてはその会社の地元、例えば東京だとか大阪だとか、そういったところから韓国経由のロシアという路線に振りかえられていると聞いています。
 再開時には、そういったお客様がなぜ遠くからでも御利用いただいていたかというところも、やはりスピード、品質というところがありますので、再開時には改めて営業をかけていきたいと考えています。

◎島谷委員長
 それでは、そのほかの方で、ございますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ないようですので、次に、その他に移りたいと思います。
 執行部、委員の方で何かございますか。

○福間委員
 農林水産部長に質問します。
 十分わからないままということがあると思いますので、若干少しちぐはぐ感が出るかもしれませんが、何とか思いを受けとめてもらうとありがたいかなということです。
 令和2年度の当初予算編成に当たってということで、農林水産部長に苦言を呈するというか、少し質問したいと。
 私のところにこういう相談が寄せられたのです。単県で取り組んでおられる事業に、この事業を使って何かやりませんかという、事前に町を通して打診があったと。町を通して手を挙げたら、実は予算の上限が頭打ちの可能性がありますというぐあいに出てきたのです。そこら辺が私にはよくわからない。
 2つのことでお伺いしたいのです。
 農業生産1,000億円を達成しようということで、何年か前から、鳥取県の農業振興を図っていこうということで、大々的に取り組みをしている。議会もそれを了として、県の農林水産業振興を全面的にバックアップする体制をとっていると思うのです。そのことでいくと、今までの鳥取県の農林予算よりもやはり上に行った予算を組んで、1,000億円の収入を目指す農業を達成するための予算組みでなければならないと。そこを今まで気づいていなかったけれども、要は鳥取県の農林漁業をもっと振興していこうというなら、農林予算そのものを膨らませなくてはいけないのでしょうと。これが一つ。
とりわけ後継者不足の中で、最近では県の事業の中で、後継者があちこちで出てきてくれている。同時に、中山間地では高齢者の皆さんも含めて、例えば集落ごとの集落営農を組織して、その地域を守っていくかということで、あちこちで火がついてきている。県の政策と相まって、うまいぐあいに回りつつある。いわゆるやろうという気を起こさせてくれたと。あちこちで出てきていると思うのですよね。
 それに呼応して、具体的に言うと、今、一つ私のところに来ているのは、集落営農体制強化支援事業。いろいろな体制をつくりながら、県として問題提起して、こういう支援事業をつくりますから、そこの地域で土地を守るために、あるいは鳥取県の農業振興にやってみませんかということで、現地に事前に打診して、手を挙げられたら、いやいや、予算が満杯ですのでだめですって、そんな論点は成り立たないと思うのだ。だから、まだこれから恐らく予算編成で知事査定を受けて取り組んでいかれるでしょう。その質問を実態調査して出すと、一般質問に間に合わないのだ。当初予算を30日、31日に政調政審で計画を出されるでしょう。それを受けて、定例会が始まったときに農林水産部予算で出てきたものでは、今僕が言った話をして矛盾点を指摘しても、もう当初予算に間に合わないのだ。だから、今、発言させてほしい。
 何が言いたいかというと、やる気を起こさせてくれた、やる気を持って農業者が頑張ってくれた、そこに単県でいろいろな事業に手挙げをさせたなら、何で全部満額を認めないのかって言いたいのだ。手挙げさせてみて、いや、予算が足りませんなんて、そんなばかな話はあり得ない。足らなかったら、知事と特別交渉をしてとってこなければいけない。そうだったら、何でそんな単県事業などをちらつかせて、手を挙げたら、予算がないなんて、そんなばかな話はあり得ないと思うけれども、それについて、農林水産部長にコメントを求めたいのです。
 農林水産部が今持っておられる予算と、現場に問題提起して、手を挙げてきた予算総額とどれだけ乖離があるか、私は知りませんよ。倍なのか3倍なのかは知らないけれども、全額をやはり満たしてやらなければいけない。特に中山間地では、農地を守るということは、その自治体を守ってくれることになるのだ。65を過ぎた高齢者が特に中心になって、集落営農を中心になってやってくれているのだ。獣害対策もその連中が汗をかいてくれている。地域を守るために農業をやろうよということで、頑張ってくれているのだ。それを引き出すために単県事業を県は組んでくれているわけだ。非常に高く評価したいのです。手を挙げて、いや、来年に回して。そんなぼけた話にはならない。僕は、そんなばかな話はあり得ないと思うよ。
 だから、一般質問でやりたいという気はするけれども、予算が済んだ後になってしまう。だから、農林水産部長、どうですか。
 農林水産部総体の予算枠組みのありようと、今、単県事業で現場の皆さんに打診している実態を踏まえて、責任持ってやると言明ができるかどうかというのを問いたいのです。

●西尾農林水産部長
 ありがとうございます。
 事は集落の体制強化支援事業でいただきましたけれども。

○福間委員
 でも、これだけではない。

●西尾農林水産部長
 それだけではない話です。
 当然、現場に投げかけまして、いただきました要望については、我々精いっぱい予算要求はさせていただいています。
 ただ、そうは言いながらも、財政サイドでは全体のバランスを見ながらということで、査定があるのは御理解いただきたいと思います。
 だからといって、そこで全部足切りをするというお話を現場に我々の担当課がしているかというと、そういうことではなくて、やりくりをしたいので下話をさせていただいているということかなと思います。
 当然のことながら、その事業で今年度しなければならないものについては優先的に採択するということもありましょうし、また、この事業によらずとも、例えば国の事業ですとか、ほかの単県事業でやれるものがあれば、そこでやっていただくことはできませんでしょうかという、そういうお話をさせていただいていると思います。査定がこういうことになってしまったので来年回しにしろというお話を頭からさせていただいているということはないのかなと思います。
 当然のことながら、年度中途ででも必要があれば補正はして、いただいた要求がきちっとかなうようにしていきたいと思っています。

○福間委員
 わかりました。わかりましたが、納得がいかない。議会でも農業振興や、とりわけ中山間地振興などを含めていろいろな意見が出されてきて、それに基づいて今、具体的に一つ申し上げたのは集落営農体制強化支援事業ですけれども、これ以外にもいろいろな幾つかの事業を農林水産部としては組んでおられるのだよね。そうすると、それはこの事業をやってみて、現場で手を挙げるかどうか打診するためにつくった事業ではないでしょう。議会からの発言があったり、県内の東・中・西の農林局や農業普及員を含めて、みんなの意見や実際に農林水産部の皆さんたちが現場の声を聞いた中で、こんな事業をつくると新たにやろうかと思っている皆さんたちにサポートできるかもしれないねということで、単県事業を組まれたのでしょう。勝手に現場の声もわからずに単県事業をぶち上げて、打診してみて、よければやろうかではないのでしょう。要望を踏まえた中で事業をつくったなら、それに手を挙げたら全部に応えてやらなければいけないのではないでしょうか。俺はそう思うのだ。それだったら、初めからそんな単県事業を見せびらかしたらいけないよ。
 少し荒っぽい言い方になっているけれども、そこがよくわからないのだ。県の担当者がこの事業を新たにつくってみますので、これを使って地域を守るために、中山間地農業を守るためにやろうという人があれば手を挙げてくださいよ。いや、やってみたらなかったわ、ではないのだからね。あらかじめ意見を聞いてみたら、結局これに集約できますねということで、単県事業をつくったわけですから、需要があることは想定しているわけだ。現実にこれに基づいてやろうという県内の皆さんは手を挙げて、今年度としてどうですかといって、令和2年度の当初予算で出すのでしょう。それなら、みんな今年度からやろうかと思って手を挙げてきているのに、それがあなた、あちこち聞いてみて、財政課とやってみて、知事の査定を受けないとできませんという話か。そんなことかなと言いたいのです。違う気がするのだけれども。
 私は県の事業の組み立てが余りよくわからないまま言っていますから、それは私の思い込みがあったり、皆さん方がやっておられる事業と少しポイントがずれているという御指摘があるかもしれないけれども、根本的には、やはり事業を立ち上げて打診をされるなら、皆さんが手を挙げたなら、それは受けて立ってくださらないと。この事業でもらったけれども事業名をこっちにするからと、これでも活用できますよということならわかるのです。そのための調整だというのだ。
 これをやりますいうことで、皆さんがやられるのは一年間50万円や20万円の事業ではないのだから。だとすると、その家、そのグループにとってもやはり大きな事業ですから、いいかげんなことでできないのだよね。だから、そこは全県でどれだけの需要があるのか、僕はよくわかっていませんけれども、少なくともそういう思いがするもので。
 もう間に合うか間に合わないのかは知らないけれども、俺に言わせれば、事業を立てたなら全部受けないといけないのではないかという気はしますよ。そのことはどうでしょうか。再度お尋ねします。

●西尾農林水産部長
 先ほども言いましたように、当初予算で全部つけば一番いいのはいいのでしょうけれども、我々もそのつもりで要求はさせてもらっていますが、財布を預かっているのは財政サイドですので、そこでの規律というのもあるのだろうと思います。
 ただ、何度も申し上げますように、当然、現時点が全てではございませんので、補正予算で向かっていくというのもあります。現場と詰めをしながらということにはなりますけれども、必要があれば補正予算で要求して予算は確保していきたいと思っています。

○福間委員
 もう一回だけ、これで終わります。
 令和2年度当初予算編成に当たって、単県事業として事業名を立てましたと。これで現場の皆さんに、あなた方どうですかといって問うたものが、何で補正になってくるかがわからない。当初予算で金があるかないかは、そんなものは執行部側の責任だ。財布があるかないかは別にして、皆さんにはこの事業をやりますよと言って告知したのなら、手を挙げてきた人を全部当初で受けてやらないといけない、違うかな。
 強くそのことにこだわりますからね、私は財政担当なのか知事か、よくわかりませんが、知事ときちんと詰めてもらわなければいけない。それでなければ、単県事業を当初から出されるな。もっと実態を踏まえて、現場の皆さんが何に困って、ここの地域を守るためにどんな農業をしなければいけないということを踏まえて、それでそれに予算化が責任を持てる体制で事業を起こすというならわかるけれども、やってみて足らなかったら補正だなどと、私はやはりそんな話は納得がいかない。だから、強くそのことを要望しておきたいと思います。

●西尾農林水産部長
 補正ありきに聞こえてしまったのなら、私にその意はございません。当然のことながら、風呂敷を広げた以上、その風呂敷で包んでいきたいとは思います。
 ただ、そこも現場との調整になるだろうと思います。4月早々からこの事業をするためにはこの機械が要るのだと、そういうことであれば、当然それは優先順位を高めて執行していきたいと思います。
 ただ、再度要望をいただいたわけですけれども、現場での精査の状況を確認させていただいていると御理解いただければと思います。

○西川委員
 鳥獣害対策はここでいいのですかね。

●西尾農林水産部長
 はい、担当課はおりませんけれども。

○西川委員
 基本的な考えで、昨年、対策をしている人が、予算が済んだので、これは農林水産部の予算とは違ったのだけれども、国から来る2,000頭の分が別枠であるみたいで。

●西尾農林水産部長
 生活環境部。

○西川委員
 ええ。それはそれでいいのだけれども、基本的な考え方をお聞きしたいのが、例えば冬場、鹿の場合は、一生懸命、子どもをつくるまでの間にとるほうが、効果があるわけだな。ところが予算がなくなって、もうとれないと。そうすると、基本的に頭数を減らそうと考えている中で、予算がないから済むというと、またふえるわけだよな。そこら辺の目標をどう考えて予算編成をしておられるか。2つ部署がある、国の予算の中でする部分もあるのだろうけれども、根本は害を少なくするために頭数を減らすわけだよな。そうすると、予算が例えば前みたいに6,000頭だったら、ふえるから8,000頭にふやしたと。けれども、8,000頭で本当に減るのかなと。毎年この予算が必要になるよりは、凝縮して、とる人がいるのであれば、ある程度予算を組んで減らしたほうが、将来的には予算が要らなくなるのではないかという考えを持っている。そこら辺が、先ほど言われたように財政との兼ね合いもあるが、やはり効果が出るほうをとったほうが県の財政としてはいいと思うのだけれども、そこら辺はどういうお考えを持っておられるのか。

●西尾農林水産部長
 委員が今、例示で言われたのは生活環境部の予算で、県境対策でやられる分かなと思いますけれども。

○西川委員
 基本は同じ考え方なのですけれどもね。

●西尾農林水産部長
 そうですね。
 先ほど申し上げたのと重なりますけれども、それまでの実績が前年を上回る捕獲状況であり、足らないことが予想されたので、12月のように補正をさせていただいたと。基本的には、そういう事態があれば、必要に応じて補正予算を立てて現場が困らないように、次年度の捕獲目標というのもありますので、それが達成できるようにということでやっていく、そういう考えでいます。
 県境対策は国事業でやられるのだと思います。そこでのやりくりのことかなと思いますけれども、農林水産部で行っています捕獲奨励、捕獲対策については、これまでも執行状況を見ながら、必要があれば補正予算は組ませていただいているというところです。

○西川委員
 基本的な考えをお聞きしました。いろいろな条件があって、国対策の場合は県下どこでもとれるとか、それから農林の関係の場合は基本的に町村から金が出るので、これは仕組みの話ですけれども、他町に行けないとか、そういう変な壁があって、本来は頭数を減らすためのことが、減りにくい状況をつくっているというところもあってのお話だと思うのですけれどもね。
 できれば連携をとりながら、やはり短期で早くとってしまったほうが将来的に住民も困らないし、予算も要らなくなるので、できるだけそういうお考えで予算を組んでいただきたいなと。これは要望になります。

◎島谷委員長
 そのほかの方はございますか。

●北村雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事
 お手元にチラシを1枚、お配りさせていただいています。時間外労働上限規制実務対応確認講座というものです。
 ことし4月からですが、中小企業にも時間外労働の上限規制が適用されることにあわせまして、この規制への具体的な対応方法を理解していただき、あわせて実践していただくための講座を開催するものです。
 日程につきましては、2月6日、7日、会場につきましては米子会場、鳥取会場、2カ所で開催します。
 講座の内容ですけれども、県外でも多数、講演や研修などの開催実績をお持ちの人事労務の専門家の方をお招きしまして、実務に役立つ解説等をいただくこととしています。多くの事業所様に御参加いただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。

◎島谷委員長
 そのほかございますか。
 それでは、ないようですので、以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会します。

午前10時44分 閉会



 

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