知事定例記者会見(2019年10月16日)

令和元年10月16日(水)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約85分) ※MPEG4形式

  

1 台風19号の影響と対応 

●知事


 皆様、おはようございます。このたび、台風19号が日本列島を襲いました。本県も被害がございましたけれども、全国的に、特に東北、関東、中部地方におきまして甚大な被害が発生したところでございます。このたび、お亡くなりになられました方々に対しまして心より御冥福を、お祈りを申し上げたいと思いますし、また、被災された皆様にお見舞いを申し上げる次第でございます。本県におきましては、お一人、軽傷でございますが、境港[市]で風にあおられてけがをされた80代の男性がいらっしゃいました。また、住家被害は3カ所、3世帯ございました。そのほかにも、今、徐々にその被害の全容が判明しつつありますけども、1つは三朝町におきます道路不通箇所(県道鳥取鹿野倉吉線(三朝町三徳))が発生しました。これ、2年ほど前、やはりこうした災害のあった所なわけでありますが、三徳山の近くです。もともと急峻な修行する山に行くところでございますので、なかなか地形的には道路も難しい箇所でございます。そこで斜面の中途の所から水が吹き出るような形になりまして、大量の雨が降りました。


 実は、三朝[町]は私どもの観測では24時間で187mm降っていまして、かなりの累積雨量もございました。そういうような中で発生したものでございますが、これについては既に応急措置として仮復旧の道路、これを対向2車線確保する形で、現在、仮道路を作らせていただき、通行が可能なようになっています。現在も通行不能な所は[江府町]鍵掛峠から、そこから[伯耆町]桝水高原に至るところでありますが、ここは砂防堰堤(えんてい)が絡んでいて、もともとが上から落石があることを前提とした地帯であります。現に道路自体もその下を岩がくぐるように作ってある非常に特殊なところでありまして、今回もそうした事象が認められましたので、通行を今、閉鎖していますけれども、来週、片側交互通行[が可能な状態]にもっていけるように、今、鋭意作業中でございます。これから紅葉の季節になりますので、できるだけ早く通行が可能な状態へもっていければというふうに思います。


 このほか水産業におきましては、[鳥取市]青谷の夏泊におきまして、定置網を今、設置しております。この定置網自体は今回のあの荒波でありますので、あらかじめ陸に上げといたんですが、その定置網を固定するロープが破断しました。これについて、まだしけが続いていて海の状況を見に行けておりません。これについては復旧措置をやっていきたいと思いますし、過去も定置網がやられたときの災害復旧、これ、国の制度がございませんで、県のほうで単独助成してまいりましたけれども、そうしたことをこれからまた、緊急に対策を考え、場合によっては[令和元年度]11月補正[予算]になるかもしれませんが、対策をとってまいりたいと思います。


 また、農業の関係では落果被害が数%程度、柿や梨で認められたところでありますが、農家の方々は概して今回は落果が少なかったという、そういう感想であります。ただ、地域によっては風の通りぐあいというのがございまして、[鳥取市]福部[町]のほうでの観光農園、1割、2割落果被害が出るという現場もございました。ただ、経営者の方も非常に気丈に頑張っておられまして、まだまだ梨もぎ(収穫)のシーズンが続きますので、ぜひ応援をしてまいりたいと思いますし、新たなネットのやり替えであるとか、こうした大風対策、最近注目される災害事象でありまして、これについては新年度[令和2年度]に向けて何らか検討しなければいけないんじゃないかなというふうに考えているところでございます。


 そのほか、ブロッコリーやネギでも畝があるわけで、倒れるというそういう被害がございまして、これについては今後まだ出荷が続きますので、その状況も見ながらJAや関係者とも対応をフォローアップしてまいりたいと思います。場合によって、病気発生の懸念ということであれば防除等もありますが、通常の防除の事業もやっておりますし、緊急防除等が必要かどうか、今後よく精査をしてまいりたいと思います。


 そういう中、本県で被害が目立ちましたのは電力の停電でございます。これについては延べで7万戸を超えるそういう停電ということになりまして、今回被災された関東、東北[地方]あたりと比べてもこの界隈では突出した停電被害ということになりました。


 同時に停電したのが1万9,000戸ぐらいのマックス(最大)の時間帯もございました。復旧するまで飲食店等、気をもまれた所もございます。それで、私どもは今回、千葉[県]の例もありましたので、災害対策本部[鳥取県災害対策連絡会議]のほうに中国電力も入っていただいて情報共有を図り、例えば樹木の伐開等で道路を啓開、開いていくという措置が必要なときに柔軟に対応できるように体制をとったりしておりました。また、停電が長引くのではないかと思ったときは、例えば、発電機だとか、衛星無線電話だとか、そういうものの準備が必要かなと思った時期もあったんですけども、山陽方面からも電力会社のほうで応援を連れて来られまして、懸命の復旧作業をされて終息へ向かったということであります。


 ただ、風の被害が大変厳しかった後も米子[市]等で停電の被害がまた断続的に発生をするというような状況でございます。原因については中国電力で、今、精査中だということではありますけれども、これはやはり今後の教訓にしなければいけないことではないかなと思います。特徴的なのは塩害という現象ですね。絶縁体を使いながら電線っていうのは張るわけでありますが、そこに今回のように海風が、潮風が強く吹き上がって当たってくることになります。そうするとその塩分が作用しまして、それでショートを起して電線が使えなくなると。こういう停電があちこちでございました。これはわかっているだけでもそういうのがございます。それで県の西部のほうでも消防の放水でそれを除去した、あの晩の状況もございました。こういうような中で、やはりこれからどういうふうに対策をとっていくのかということをきっちりやらなければいけません。


 また、塩害被害ということもやはり[中国]電力にもよく御認識いただく必要があるのかなというふうに思います。そこで私ども鳥取県としても中国電力に緊急の申し入れを今日にでもしようということで、今、準備をしているところでありますが、これは地域と協力しなきゃいけないということがありますので、早急に県側とそうした共同して災害対策に当たることの協定を締結をすることを求める。それで、あわせて塩害対策、これは例えば堀の深いそういう部材(がいし)を使いますと、その塩害の防止にもなるということも言われてるところでございまして、一朝一夕ではできないことだとは思いますけれども、やはりこうした塩害に強いそうした送電系統をやはり中国電力さんとしても目指していただきたいと、そういう申し入れ、塩害対策も申し入れをさせていただきたいと考えております。


 昨日[10月15日]は上京し、また、この実は連休の間も、私自身も現場に行ったりしていますけども、各県の知事とも電話やメール等でやりとりもさせていただいております。昨日は全国知事会であるとか、また、飯泉[嘉門]全国知事会長、さらには三重県の[鈴木英敬]知事など等もお会いをしたりして意見交換もさせていただいております。今回のこの災害は未曾有の災害といってもいいぐらい大きなものとなりました。現在7県にわたりまして52の河川で75の決壊が確認されています。まだこれが増えるかもしれません。亡くなられた方の数も70名を超えてきており、行方不明者も10名を超えてきております。まだまだ被害状況がわかってくると、こうした数字が伸びてくる傾向にあるのではないかなと思います。昨年[2018年]は岡山[県]、広島[県]を中心に豪雨災害がございまして、本県ももちろん被害があったわけでありますが、今回はかなり広範囲にわたっていまして、従来以上にこういう東日本と西日本との間での応援体制、これを組んでいかなければならないのではないか、関係者の間でそういう認識で一致をしてきているところであります。


 私自身も長野県の阿部[守一]知事とも連絡をとり合って、それで、向こう[長野県]とこちら[鳥取県]と副知事同士でも調整をさせていただいて、昨日から2名の県職員を長野県庁に派遣をし、消防担当部局のほうに机を置いて作業も始めさせていただいております。今、情報収集活動を行っているところでございまして、これから、さまざま応援ということについて、全国知事会あるいは関西広域連合、またそのほかの知事同士のネットワーク等、充足するような形で全てのそうした都道府県のいわば代表のような形で長野[県]に留まって、その役割も果たしていければというふうに考えております。


 また、いろいろと個別の応援などもこれから進めていかなければなりません。昨夜から宮城[県]の村井[嘉浩]知事と連絡もとらせていただいておりますのは、ふるさと納税のサイトで鳥取県が宮城県の肩代わりをして、宮城県に対する被災支援の寄付金、ふるさと納税、この事務代行をすることで合意をいたしました。今日中にでもふるさと納税の特設サイトを設けまして、鳥取県が代行するという形で宮城県向けのふるさと納税受け付けを、開始をさせていただければというふうに考えております。


 こうしたことはさまざまな場面でなされなければなりません。私どもは[平成28年鳥取県]中部地震のときにいろいろと避難所の開設等々できるだけ迅速にということで手を打たせていただきました。もちろん御評価もいただいたんですけども、ただ、聴覚障がい者の方のコミュニケーション保障ということで、まだ人材不足ではないかとこういうことが当時指摘をされたものでございまして、その後そうした体制整備を図るために、防災体制の強化を関係団体と協調して進めてきたところであります。昨日は徳島県と相互応援協定を結びまして、こうした聴覚障がい者のコミュニケーションを保障する意味で手話通訳者や要約筆記など、そうした人材の交換を災害時にやりましょうと、そういう相互派遣応援を行うことで協定を結んだところであります。それで、その後鳥取県のほうで事務局をさせていただいておりますが、手話を広める知事の会におきまして、[一般財団法人]全日本ろうあ連盟あるいは各県の聴覚障害者協会、そういうところと連携をしながら、これ単に2県間だけでなくて、全国に向けてそういう相互応援ということを、この際、展開できないかというふうに考えているところであり、手話を広める知事の会としても新しい支援のあり方、これについて決議をしたところでございます。


 現在、全日本ろうあ連盟のほうでは障がい者団体サイドを通じてそうした考え方をお知らせをし、ニーズ調査をされています。それで、私どもも手話を広める知事の会のほうから各都道府県の状況を、お伺いを始めたところでありまして、今後マッチングを図りながら、そうした耳が聞こえない方、あるいは聞こえにくい方の支援のための対策、これを相互の応援の形で盛り込んでいくことを今後やっていきたいというふうに考えております。このような形で、今後さまざまな支援の輪を広げていきたいと思いますし、例えば[社会福祉法人鳥取県]社会福祉協議会とも連携しながら、ボランティアの送り込みであるとか、それからさまざまな技術者、これを県市町村で確保しながら送り込んでいく、こういうことなどを進めて被災地の1日も早い復旧、復興に応援をさせていただきたいと考えております。





2 鳥取県中部地震から3年 

●知事


 また、中部地震からこの10月21日で3年という節目ということになります。地元ではこの時期、その復興を目指すさまざまなイベントや行事が予定をされているところであります。私自身も「FESTA DEL GINZA」という、倉吉銀座商店街を中心とした復興イベント、かつて「福高祭」と言っていましたけれども、それのほうに私も参画をさせていただこうとしているところでございます。実は倉敷市も被災をされた去年[2018年]の経験がありまして、倉敷市と倉吉市のそれぞれの商店街同士の連携を始めようと、調印式も予定されています。私もそちらのほうにお伺いをさせていただきたいと思います。復興を前向きに創造的に行っていく、そういう段階に3年目を迎えて入っていくのだろうと思います。


 この過程の中で例えば住宅復興対策などを進めてまいりました。現状申し上げますと住宅再建支援の補助金、これについては交付が交付ベース、実際にお金が動いたベースで97%に上っております。かなり進んできた状況になってきました。それで、あと、いろいろと例えば工程上ちょっと間に合わないとかいうことが今後あれば補助金の執行については、柔軟に期限設定は考えていきたいと思います。また、福祉型の生活再建支援として鳥取県が独自に始めました災害ケースマネジメントという手法であります。これについても113のケースが対象となっていまして、そのうち60を上回るケースにつきましては、今そうした支援が整って解決されてきたということになってきました。地道ではありますけども、一つ一つの御世帯の事情に即しながら対策を取ってまいりたいと考えております。





3 9月補正予算の執行 

●知事


 さきの9月県議会終了しまして26億6,700万円の予算が成立をしました。その中で今、作業を進めておりますのは支え愛の交通安全対策の補助金であります。これは高齢者の方の踏み間違い防止装置であるとか、それからドライブレコーダー、こういうもので交通安全を進めていこうという助成制度でありますけれども、現在、今月[10月]ですね、補助金の申請に着手をするということになりまして、来月[11月]にはそうした執行に入っていけるというようなことになろうかと思います。こういうことなど成立した予算をもとにして、例えば園児のための交通安全ガードパイプ等の設置等々、これから向かっていく作業に入っていくことになるわけでございます。





4 消費税率引き上げと対応 

●知事


 また、10月に入りまして消費税[率10%への引き上げ]が施行をされました。これについてはさまざまな御意見はございますけども、混乱は比較的少ない形で入ってきているのかなというところであります。駆け込み需要的なことは、例えば車であれば減税対策、そういう租税特別措置があったり、さらにはそのほかの手当てもございまして、いろいろと緩和がされているのかなと、このようなことで推移しているところでありますが、キャッシュレス決済による特典ですね、ポイントのことにつきましては、本県4,000件ほど申し込みしたようでありますけども、まだ3,000件に満たないぐらいしか国のほうの答えが出ていないということであります。国においては、今その作業を急いでいるということでありまして、来週とかめどに収束に向けていきたいと、こういうようなことの状況でございます。いずれにいたしましても、この消費税関係など、しっかりとフォローアップをしていく必要があるのではないかと思いますし、景気等に陰りが出てくるというような状況があれば、やはり国のほうにもものを申し上げていかなければならないのかなというふうに考えているところであります。





5 車載機器開発企業の県内開発拠点開設 

●知事


 その経済のほうでございますけれども、これについては、今日も東京証券取引所のほう、400円余り以上値上がりをしているということでございます。県としてもいろいろと産業の誘致や企業振興などを進めているところでございまして、このたび、[令和2年]3月1日の開設を目指してソフトウエアモジュール関係の企業の進出も決まってきました。これは自動車向けのテレビ、テレビの受像のモジュール、そうしたものなどを手がける会社で、当面5名の雇用からというようなことでございますが、そうしたことなど、今後もそうした誘致、あるいは県の経営革新等進めてまいりたいと思います。





6 ジャパンディスプレイの状況 

●知事


 そういう中、JDI[株式会社ジャパンディスプレイ]がこのたび中国企業ハーベスト[・テック]の出資が得られなくなると、こういう報道がございました。それで、私どももその関係の報道に接しまして、JDIのほうに状況をお伺いしたところでありますけれども、その他の資本出資者を得て、この資金というものは800億[円]ですか、確保していくというお話でございます。そういう意味で、鳥取の車載(鳥取工場)のほうについて、この拠点の維持、発展ということは進めていきたいと、こういうことであります。ただ、その一方で募集をかけておられました早期退職者は鳥取サイトでも100名を上回る応募者があったということでございまして、私どもの県立ハローワークなども含めてしっかりとフォローアップもしていきたいと考えているところでございます。





7 ズワイガニ漁 

●知事


  また、水産関係では、昨年11月からの解禁で、直後に漁船がだいぶ出てカニを獲り尽くしかけたということがございました。今年はその漁業者の中の申し合わせができてまいりまして、鳥取県のほうの割り当て870[トン]ぐらいと去年並みは確保できたようでございますが、若松葉[がに]において2月[1日]からの解禁というふうに、10日ほど解禁時期[昨年は1月20日に解禁]をずらすとか、それから甲羅の幅を10.5センチメートルまで1センチ大きくして[昨年は9.5センチメートル]、その獲るほうの圧力を低めようということをしたり、いろいろと申し合わせもしていただきまして、カニ漁シーズンを迎えるということになりそうでございます。いずれにいたしましても、観光にも大事なことでもあり、我々としてもシンボルでありますので、しっかりとこのカニ漁についてもフォローをしてまいりたいと思います。





8 首都圏での「星空舞」の販売開始 

●知事


 それから「星空舞(ほしぞらまい、鳥取県産の米)」について、いよいよ東京でのデビューを図るということになります。これについては明日[10月17日]私も伊勢丹の新宿本店のほうに参ります。伊勢丹の新宿本店、東京でも指折りの百貨店でございまして、そこで和牛とか、それから鳥取の[大山]豚とかそういうものとあわせて星空舞のデビューを、売り込みを始めることとなりました。また、明後日[10月]18日には東京のスカイツリー、ソラマチと呼ばれるエリアでございますが、そこの天空というプラネタリウムなど活用しまして、星空舞の東京デビューイベントを行うことといたしました。これにはタレントの山本舞香さん、それから流れ星を人工でつくろうという企業(ALE)の岡島礼奈社長、こうした方にも加わっていただいて、星空舞を関東の皆様にも発信をしてまいりたいと思います。先般[10月5日]、関西のほうでもデビューをし、県内でも、今、順調に販売が進んでいるところでございますけれども、鳥取県として農家の方の期待も厚い星空舞でありますので、関係者と一緒に売り込みの強化を図ってまいりたいと思います。





9 外国人観光客宿泊者数、観光誘客の多角化 

●知事


 海外との関係でございますが、これについては7月の海外宿泊客の動向が見えたところでございます。韓国のお客さんが半分ベースでがたんと減ったところではありますが、トータルでは対昨年で6%減にとどまっておりました。これは7月のお話でございます。それで、こういうものを埋め合わせていくべく多角化を図ろうということで進めているところであります。

台湾便につきましては幸い今のところ87%の搭乗率でありまして、しっかりとPRをしている、そういう効果も表れてきているのかなと思いますし、来週[10月19日、20日]はすごいライド!という自転車のイベント、これに台湾の方々、台中市、また、台南市も来られ、それから当方が物産店をしています裕毛屋(ユウモウヤ)さんという、そういうお店の関係者の方々も来られまして、200人近いそうした方々、御来場されるということになりました。ぜひ、そうした台湾の定着が図れればなというふうに考えております。


 また、上海吉祥航空につきましては、現在まだエアライン側のほうで条件整備、環境を整える作業が進んでいまして、まだファイナライズ、最終的な局面にはまだそちらの手続きのほうが至っていないということでありますが、我々との今の折衝状況では1月11日からの就航を目指して、火、土くらいでの就航ということを、今、目指しているところでございます。それで、ダイヤとしては昼前に来て昼過ぎに帰る、ちょうど我々としては願ったり叶ったりのダイヤになろうかと思います。来られるお客様にもよろしいでしょうし、行くほうとしてもまあまあそこそこの時間が取れるというようなことでございまして、比較的いい時間帯を、今、狙っているという作業中でございます。これについては本日から上海の旅行者の方等がこちらのほうに来られて、それでツアーづくりのファムトリップ[観光誘客のために、ブロガー、メディアなどに現地視察してもらうツアー]をすることになりました。また、今週からブロガーの方等入って来られることにしておりまして、そうした形での振興策を図ってまいりたいと思います。


 韓国につきましても岡山[県]ルート等でのツアー造成や、あるいは旧正月の時期のツアー造成など、今、向こうの旅行会社への働きかけをしているところでございますし、香港につきましてもデモでこちらも搭乗率落ちておりますが、深センでのイベントを実施など、新しい局面も含めて、顧客の開拓を進めていければと考えております。





10 就労系障害福祉サービス事業所の工賃実績 

●知事


 また、障がい者の就労でありますが、B型の作業所、事業所につきまして、これまた過去最高の手当ということになりました。私どもとしては3倍増を狙っているんですがなかなか3倍増まではいかないところではありますけれども、それでも参加される方も10%増えて、なおかつその総売り上げが6億2,000万[円]と初めて6億[円]の大台に乗るなど事業ベースの拡大を見ていますし、参加者ベース、すなわち障がい者のメリットも拡大できているということになります。また、去年に比べて[工賃が]1,100円を上回る伸びになっておりまして、また、全国でももっとも高い伸びということになるかもしれません。このようなことで我々としても障がい者対策、今後も進めてまいりたいと考えているところでございます。





11 県職員の時間外勤務 

●知事


 県のほうでのことでは、今、上半期のほうで超過勤務を減らすなど取り組みを進めてまいりましたけども、12%程度、そういう意味では減らすことができたようでございますし、特に長時間の超過勤務[月45時間以上]、これについては8割ほどのカット、だから2割ぐらいの人数にとどまったということであります。ただ、まだしっかりとこの働き方改革を進めていかなければならないと考えております。





12 元県職員宿舎への不法侵入 

●知事


 また、鳥取市寿町の元県の住宅で不法侵入が見つかりました。これについては警察のほうにも届け出をさせていただきまして、第2宿舎の一室にどうも住んでいたんじゃないかなというような形跡であります。ここは7月以降入居がないところであります。警備会社のほうに委託などしていたところでありますけれども、人が出入りしている形跡があるということで不法侵入で逮捕されるという事件となりました。これについては、今、施錠を、暗証番号方式の施錠をかけて入れなくなるようにしたり、見回りを強化したり、他の団地や職員住宅等でも同様の状況がないか緊急調査をしたところでございます。今後ともそうした対象に目を光らせてしっかりと管理も進めてまいりたいと思います。





13 即位礼正殿の儀 

●知事


 いよいよ22日天皇陛下におかれましたは、御即位の式典ということになります。私自身も県民の皆様の願いをと祝意を代表しまして参列をさせていただくことといたしております。令和の御代が弥栄高まらんこと、そして災害のない、平和で安定したそういう時代とならんことをお祈りを申し上げる次第であります。私のほうからは以上です。





14 台風19号被害に対する鳥取県の支援 

●NHK 渡邊貴大 記者


 ありがとうございました。質問ある社は挙手の上、お願いいたします。


●中国新聞 小畑浩 記者


 すいません。よろしいでしょうか。東日本のほうで台風19号の被害について、鳥取県として支援をされているということで、1つが長野県に今、職員を派遣されておると。もう1つは宮城県のふるさと納税の代行、この長野県と宮城県に決まった何か経緯とか、いきさつとか何かあれば教えていただければ思うんですが。


●知事


 長野[県]は阿部[守一]知事といろいろと話をさせていただきまして、それで、発災の翌日、[10月]13日ごろから連絡を取り合っていたと思います。実は、私ども知事同士で、みんなで協議をするような、そういうサイトを設けておりまして、そうしたところで、阿部知事も非常に御苦労されているという状況がよくわかったところであります。それで、私どものほうで、そうした意味で何でも支援できますよというようなメッセージを送らせていただき、それで長野県の小岩[正貴]副知事とそれから当方の野川[聡]副知事、どうもちょっと阿部さんも忙しくて、直接ちょっと電話でやりとりするのもなかなか、担当大臣来られたりしてお忙しい状況もありまして、副知事同士で整理していこうということになりました。それが[10月13日]日曜日だったと思います。その後、人員派遣を[10月14日]月曜日にはまとめまして、それで、[鳥取県危機管理局の]木山、安藤の2人の職員、防災のスペシャリストを送らせていただいたというのが昨日[10月15日]でございます。


 それで、昨日から作業に入っているというのがこれまでの経緯でございます。その背景としては、やはり千曲川、この被災が非常に深くて、そうした関係で、今後、民生上の対策など大変これから事業量が出てくるだろうと。そういう意味で市町村への支援ということもあるかもしれませんし、我々としてもパイプ役を送っておくがいいだろうと。実はこれと同時並行で関西広域連合もそうした被災地支援を行うという方針になりまして、それで、関西広域連合と当方とで調整した結果、長野県には関西広域連合からは兵庫県も入ると。ですから、関西広域連合のほうのお仕事も私どももさせていただくということになります。


 また、昨日、全国知事会の皆さんともお話し合いをしたんですが、今回の全国知事会、あるいは国のほうでも、それぞれの県庁に人[職員]を常駐させてやるという、去年の[平成30年7月豪雨時の]広島方式、岡山方式とは違った形になるようであります。そういう意味で、そういう役割をこうした派遣職員に持たせたらいいんじゃないかという提案を昨日はしてきたところでございます。宮城県のほうとの関係でございますけれども、これも知事同士で話し合うそうやりとりの中で、ふるさと納税の支援というのは、それぞれの県庁所在地にいながらにして、遠隔で支援できるものでありますし、全く支援を受けるほうもリスクはないわけでありますから、そういう意味でこれをやろうじゃないかという提案をさせていただきました。


 また、ふるさと知事ネットワークとしても、こうした方策での支援についてかねての合意もございまして、そういうことの中で、今、宮城県に対する支援ということがゆうべ決まってきたということでございまして、村井[嘉浩]知事からもゆうべお礼のメッセージをいただきました。





15 災害時の停電対策 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 停電対策のところで中国電力に緊急の申入れをされるということだったんですけれども、この災害対策の協定を結ぶ効果、メリットみたいなところを教えていただけますでしょうか。


●知事


 1つは、申し入れは塩害のことですね、塩害対策っていうのをしっかりやる必要があると、どうもその部材のつくり方によっては塩害防止に効果のある電線の張り方ということもあるわけでございまして、もちろん、すぐにはできないでしょうけれども、そうしたことも進めていくのかなということも含めてであります。協定の有効性は、例えばこの塩害対策ということであれば、今回、実際あれは大山町だったと思いますが、消防で水をかけてもらうと、そうすると塩分が取れてくるわけですね、そうするとまた通電ができるようになると。こういう形で停電の復旧を今回もいたしました。実は[県の]東部[地区で、停電が]大々的に発生しまして、東部でもその消防の協力ということを模索したんですけども、ちょっとそうこうしている間に回復してきたというようなこともありました。


 手順をあらかじめ決めておけば、そういう意味で塩害の復旧、塩害が起こることはやむを得ない場合ってやっぱりあると思うんですね、あるにしても、そうしたことには役立つだろうと。それから千葉[県]で問題になりましたのは、千葉は山武杉(さんぶすぎ)っていう、特殊な杉がありまして、これがちょっと最近のはやりの病気でやられてきていると。それが弱いもんですから、その倒木がかなり発生をした、あの風の中で。そうすると道路の啓開(けいかい)事業というんですけども、啓発の啓に開く。道路を伐開して、もう一度つけていくと、これ、行政のほうの道路管理者の仕事になってくるわけですね。それをやらないと電力会社が作業に行けないということで、ここをうまく組み合わせていけば長期間の停電ということは免れ得るのではないかと。


 ですから、優先順位を考えるときに情報共有をして、それで、もちろんまずは優先するのは多分、何といいますか、通行不能になって取り残される集落、孤立集落といわれるものの解消、これが多分一番急がれるんですけど、それと合わせてそうしたライフライン系の復旧援助のための啓開事業、こうしたことも優先順位を上げる可能性は十分あるわけです。ですから、そうした意味で情報共有をし、ともに戦略的に行動することで被害の軽減、減災に役立つだろうということがあります。


 あと、この間もちょっと提案もしていたんですけども、中国電力もドローンだとかを、あるいはヘリコプターなども通じて情報収集をされます。その情報収集は私どももやるわけでありまして、こういうものを共有化することで災害対策の効率を上げ、効果的な復旧、あるいは人命救助、インフラ、ライフラインの復旧、こういうものに役立てていけるだろうと思います。そうした情報の共有化などというメリットも考えられるのではないかと思います。まずはちょっと申し入れもさせていただいて、そういう協定締結に向けて道を開く必要があるんじゃないかと考えております。





16 台風の教訓と今後の対策 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 すいません。台風19号の関連では、今回の特徴としては堤防の決壊というのが非常に広範囲に起こったと思うんですけれども、県が管理する河川で想定以上の雨が降った場合など、今回の災害の教訓を生かして、例えばハザードマップの見直しとか、そういった何か改めて対策というのはお考えでしょうか。


●知事


 これについては点検をしていかなければいけないだろうと思います。正直申し上げて、今回は100年に1度(の想定)を超える雨でありまして、そういう意味で本当に激烈なものだったわけです。場所によっては[台風19号による総雨量が]600ミリを超えるということになりました。実は昨年、特別警報が本県でも出ました。あのときの智頭[町]は500ミリ超えているんです。広島[県]、岡山[県]と変わらないくらい降っているんです、同じ雨雲でありますので。それで、我々もだからかなり大きな被害が各所で起きました。ですから、今回のような雨が降れば、私どももある程度被害は免れなかったのではないかなと思います。


 ただ、あのときは私も覚悟しましたけど、千代川から支流のほうに向かうバックウォーター現象も含めて危険はあったんですけども、何とか氾濫は八東川の1カ所だけで治まったわけでございまして、そういう意味でギリギリのところで踏みとどまったわけでありますが、あれ、やっぱり対策をしていたからなんですね、鳥取市内のところでそういうバックウォーター対策を終えていたので[岡山県倉敷市]真備[町]のようなことにならなかったと。今回も阿武隈川等の氾濫状況が支流のほうのバックウォーターではないかという指摘がここに来て出ているわけでありますが、そういうようなことの対策はやっぱりしっかりやっていく必要があるでしょうし、遊水地などの有効性も今議論され始めていますが、この災害で。そうしたこともやはり考え得ることかなと、本県でも[鳥取市の]大路[川]など、そうした対策もとってきているんですけども、そういうのを強化するというのも1つの方策になり得るのかなと。


 いずれにいたしましても、やはり点検はしていかなければいけないと思います。土木の技術職の言葉によると、今回のような雨だったら本県も被害免れない状況だったということでありまして、やはり自然の猛威というのが勝った感じは、今回はあるのではないかなと思います。ただ、いろいろと中長期的な課題も含めて、やっぱりあぶりだしていくことは大切でありますし、千代川水系のように河川計画の見直し時期に入っているところもありますので、必要な意見は出してまいりたいと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 点検というのは具体的にどういったことをされるんですか。


●知事


 そうした意味で、河川施設の強度上、問題がないかとか、そういうことを点検はさせていただきたいというふうに思います。今、おりしも今回も実はあるわけで、河川の河床掘削とか、そうした事業を今、取り掛かっているところでございまして、そうしたことをやはり効果的に進めていくことが急がれるのかなというふうに思っております。千曲川は各所で決壊しましたけれども、これは、あの川の特徴として細くなったり太くなったりするんですね。その細くなる所の上流の所が水が溜まりやすくて溢れやすいというような構造であります。現地でもそれは意識していたようで、必要な対策はとっていたようでありますけども、ただ、想定以上の雨が降っているというのが実際だったのかなというふうに思います。


 事程左様にやはり川には強い所、弱い所というのもあると思います。そうしたことで対策の今後の取り方も変わってくるんではないかなと思います。国のほうの、まだ被害箇所の把握すらちょっとできていないのが現状でありますので、被害状況の総括、それから原因分析、これを今後に生かしてまいりたいと思います。





17 台風被災地への鳥取県からの職員派遣 

○NHK 渡邊貴大 記者


 すいません。千葉のほうにお二人派遣していて、現地に留め置かれるということでした。そちらが復興の全国の本部になるっていうことなんですか、先ほどのお話なんですが。


●知事


 今、長野県庁に2人[鳥取県職員を派遣して]いるわけでございますが、それが、関西広域連合だとか、全国知事会の代理としても使ってもらったらどうかということを昨日申し出ています。実は今、各県にこうした形で関西広域連合を中心に[応援職員の]張り付けが進んできております。実はこの方式というのは[平成28年]熊本[地震]のときとか、それから去年の岡山[県]、広島[県]の[平成30年7月豪雨の]ときも同じように対策要員としてはとっていまして、特に岡山、広島のときは私どもが中国地方の臨時的な防災担当になったんですね。それで、うちがわりと主導して人の張り付けや配置要請等を行いました。国のほうにも出かけたりしたと。そういう情報のパイプ役の役割はやはり果たし得るんではないかと思っています。ただ、これ関係機関の調整どうなるか、これから、また話し合いをしていくんでありましょうし、フォローしてまいりたいと思います。全体として効果的な支援にならなければなりませんので、独自色を追求するよりは総量と質をやはり追求してその中で鳥取県も役割を果たしていくというふうな姿を求めたいと思います。


○NHK 渡邊貴大 記者


 鳥取県の今後の派遣の人員の量ですとか、どういった分野にというところは、今回のお二人の先遣隊の報告をもとに決めていかれるということですね。


●知事


 そうですね、今、実は今朝段階では、まだ十分な情報がない、というのは長野[県の]場合ですね、まだ救命活動等が続いている中で、それで実際に人員が必要となるような、そういう段階、被害状況を把握した上での対策づくりというのは今週いっぱいかかるんじゃないかなと、こういうのが昨日派遣した職員の見立てであります。ですから、今まだ作業中でありますが、本県としても例えば今回は水害型でありますので、保健師の派遣であるとか、それからボランティアであるとか、そうしたさまざまな形態があると思います。本日午後に、今回の台風19号復興支援本部というのを県庁組織として設けさせていただきたいと思います。そこで今の状況を把握をしながら、人員の派遣について、あるいは復興の方策を全庁的に役割分担をして取り組む、そんな組織を県庁としても作ってまいりたいと思います。


 それは長野県に限るかどうかってちょっと今後の展開によります。例えば、今、水面下で話をしていますのは、福島[県]の郡山市なども、今、被害が阿武隈川の関係であるわけでございますけども、あそこは、実は本県の鳥取市の入植がかつてありまして、姉妹交流をされている地域でありまして、こういうような市町村同士の交流の具合などもございます。それから職種等によってはやはり本県として集めていくべきだというものも当然あると思うんですね。まずは県庁の中のそういう派遣の可能性というのを考えて対象職員のピックアップ、それから市町村だとか、関係団体との調整のやり方、こういうものを組織化していく必要があるのかなと。東日本大震災のとき、実は本県も復興支援本部というのを作りました。今回久しぶりになりますけども、復興支援本部を作って対処してまいりたいと思います。


○NHK 渡邊貴大 記者


 東日本大震災以来の。


●知事


 東日本大震災以来ですね。


○NHK 渡邊貴大 記者


 ありがとうございました。





18 今後の治水対策のあり方 

○時事通信社 今泉悠 記者


 すいません。時事通信です。今回の災害なんですけれども、も踏まえてですが、近年、雨被害の甚大化というか、台風の強大化というのがあると思うんでけれども、従来どおりの治水対策であるとか、災害対策が果たして今後も通用するのかどうかという視点で考えたときに、今後県としてどういう対策の方向性があるのか。それで、あと、国のレベルじゃないとできないこともあると思うんですけれども、今後どういう方向で進めるべきだとお考えでしょうか。


●知事


 今回厳しかったこと、また、うまくいったことそれぞれ今回の災害の中では、災害対策としてあるのだろうと思います。それは今後総括されてくると思いますから、それをよく見てまいりたいと思いますし、それに則して結論からいえば、年末、年度末に地域防災計画作りますけど、そこに反映させていく必要があるんじゃないかと思っています。例えば今回本県でまさに体験しました停電対策ですね、こうしたことなど従来ない視点をやはり入れていかなきゃいけない災害対策の刷新ということは考えていきたいと思います。中長期的なトレンドの要因からしますと、今回なぜ台風19号があの勢力で日本列島にやってきたかといえば、やはり海面温度の上昇があります。地球温暖化というのが影響していることは疑いないところでありまして、これは鳥取県1県ではどうしようもないことでもあります。


 それで、例えば治水上の安全確立といいますが、何年に1度の洪水、これに対応する力というもの、その設定など国全体の基準もございまして、その中で助成制度があったり、国直轄事業のやり方があったりします。水害は大きな河川は国がやるという仕組みになっていまして、本県も3つの水系の本流の所は全て国がやるというふうになっておりまして、国のほうの対策ということをどうするかにも実は直結しているわけですね。そういう意味で、今回総括をした上でどういう対策が必要かっていうように議論が進んでいくと思いますので、それをしっかり我々もフォローしていきたいと思いますし、政府のほうに求めるべきこと、我々としても見えてくればその災害の教訓を生かして申し上げてまいりたいと思います。


 1つ我々が注目をしておりましたのは、今回、緊急放流が行われたことですね。神奈川県[相模原市]の城山ダムを初めとして緊急放流が行われました。それで、私ども[昨年7月の西日本豪雨での愛媛県を流れる]肱川[流域上流]のダムの[緊急放流の]課題がありまして、今、そういう場合にやむを得ず緊急放流をするということは今回実施をされたわけで、ああいう形で起こり得るわけですね。そのときに亡くなられる方がいないようにする、命は守りながらそういう放流を行うということがどうなのかなということを、注目をしております。今のところはそれで大きなことにはならなかったような報道ぶりかなというふうに思いますが、その辺どういう状況だったのかを今後ちょっと時間をかけてですね、精査はしていく必要があるのかなと思います。


 この緊急放流などもそうでありますけども、やはりソフト対策に直結するわけですね。なかなか例えば堤防を高くするとか、堤防の強度を河川の全体について行うとか、これは相当な時間とお金がかかります。それを待っている間にもまた台風はやってきます。ですから、やはりソフト対策ということがクローズアップされなければならないのかなと、この辺も年度末までの地域防災計画の議論、それから市町村との防災研究会、その辺でも議題にして対策の強化を図ってまいりたいと思います。今回も今70名を超える死者の数になってきていますけども、被災地の報道も続いているわけでありますが、まさか自分の所でこんなことになるとは思わなかったと、だから避難もしてなかったと、こういうような声というのは多数報道されているのも事実であります。特別警報が出ているわけでありますから、気象庁のほうも、そして行政のほうも最大限の情報発信効果はあったと思うんですけども、ただ、残念ながらそれが人命を守るというところまで結びついていなかったと、この辺はまだちょっと今、救助段階でありますから、そこまでなかなか議論は進んでいないわけではありますけれども、今後、クローズアップされなければならない課題になるんではないかなと思っています。





19 環境問題と結びつけた災害対策 

○時事通信社 今泉悠 記者


 すいません。今、お話の中で地球温暖化っていう話がありましたけれども、県では条例をつくられて取り組んでいると思うんですけれども、当初予算の方針の中でSDGsというのが地方創生の文脈で盛り込まれたと思うんですが、こういう環境問題と結びつけて現状よりもより、一歩踏み込んだ形で取り組むっていうことはありますでしょうか。


●知事


 それは、ちょっとこれから[令和2年度]当初予算に向けては議論を進めていきたいと思いますし、地方創生にも絡めながら新年度[令和2年度]はSDGsの推進本部も作ってまいりたいと思います。ただ、例えば、今いろいろとちょっとまだ頭の体操をしている段階ではありますけども、家庭用の蓄電池っていうようなことだとか、そうした対応をやはりエネルギーの観点、それから災害対策の観点でも考える。そういうようにして暮らし、ライフラインも守っていく、こんなようなことはあり得るのかなと思います。いろいろと頭を柔らかくしながら、そうした新年度に向けてSDGsに絡めた対策を考えていきたいと思います。





20 被災地の聴覚障がい者への支援 

○NHK 渡邊貴大 記者


 すいません。聴覚障がい者の支援というところで筆記要約者ですとか、手話通訳者の派遣ということでしたけど、これは全国の各県と協定を結ぶという形なのか、どういう形での派遣を考えていらっしゃるのかということと、どういった場所への派遣を考えていらっしゃるかというところを教えてください。


●知事


 これについては徳島県と鳥取県で長く話し合ってまいりまして、それで、団体同士、昨日協定を結ぶということになりました。ただ、その席上でも私申し上げたんですが、これは2県だけの問題ではないだろうと。全国に向けてこういう台風19号の災害があった以上は、この精神を広げていく必要があるだろうと、その場に全日本ろうあ連盟の石野[富志三郎]理事長と幹部もいらっしゃいましたし、実は今井絵理子政務官、防災担当政務官もいらっしゃいました。今井政務官もそれはいいことだというふうにおっしゃっていただきました。ですから、関係者と協力しながら、これ、多分都道府県の人材だけでは足りない。したがいまして、関係団体と二人三脚でやっていかなきゃいけないと思います。そうしたことを進めて全国向けに展開をしていきたいと思います。


 これは今、実はアンケート調査的な、アンケート調査っていったらいいのかな、照会を今、被災地にかけております。我々は行政サイドで手話を広める知事の会として今調査を始めております。それでまた、全日本ろうあ連盟もそうした調査を団体サイドでも行うと。こういうところで、需要側と供給側、マッチングさせていって、うちの県は人出せますよと、それでうちの県は何人必要ですよと、こういうようなマッチングをして、それを、人を送り込むということを全国知事会や国とも施策の連動も図りながらやれないかなと。まだ、実はコンセプト自体始まったばかりでありまして、これからその実質を作るように関係者と協議をしてまいりたいと思います。


○NHK 渡邊貴大 記者


 派遣先は福祉避難所ということでいいですか。


●知事


 はい。


○NHK 渡邊貴大 記者


 派遣先はふつうの避難所。


●知事


 いや、通常の避難所に大体入っていますね。聴覚障がい者は。


○NHK 渡邊貴大 記者


 ああ、なるほど。わかりました。はい、ありがとうございます。


●知事


 はい。ですから、例えば避難所、それから本県で[平成28年鳥取県]中部地震[の際に派遣を]やったときも、実は回って行かなきゃいけないと。世帯の中におられる聴覚障がい者、特に盲聾の方などは情報がなかなか入りにくいという形があります。そうしたことの対策が、従来の我が国の施策の中では見落とされがちな分野ではないかなというふうに思っていまして、昨日、47人の知事が加盟する組織なんですけど、[手話を]広める会として議決をしたということです。


○NHK 渡邊貴大 記者


 ありがとうございました。


○日本海新聞 濱田匡史 記者


 すいません。手話を広める知事の会が事務局のような形でマッチング等行っていくっていうことだと思うんですけど、その手話の要約筆記者であるとか、手話通訳者の人材っていうのは限りがあると思うんですけど、今回は走りながらだと思うんですけど、知事、いつごろまでに被災地の人数を把握して、規模感はちょっと難しいかもしれないですけども、どれぐらいの人材が出せるのかっていうのは、もう個別の県の次第になってしまうんですかね。


●知事


 そうですね。マッチングができ次第、それはペアリングして送り込んでいけばいいのかなと思いますし、この[要約筆記者や手話通訳者の]送り方を[手話を広める]知事の会でやるのか、あるいは全国知事会の都道府県の派遣のスキームでやるのか、いろいろ実はちょっと制度的なことなどはまだ詳細まで詰めていません。ただ、やはり危急時でありますので、立ち止まるよりは走ってでも進めたほうがいいだろうと思います。ちなみに本県のことで申し上げれば、鳥取県聴覚障害者協会と今相談をしているところなんですけども、本県からは2人程度は派遣可能ではないかということでございますとか言うと、ちょっと横でビビる人(この定例会見の手話通訳者の方々)がいるかもしれませんが、そういう今やりとりもして具体的にはマッチングが成立しなきゃいけませんので、今そうやって、本県であれば、今、作業は始めたということですね。


○日本海新聞 濱田匡史 記者


 いつぐらいまでにめどというか、スタートというか、実際に被災地に行く算段がとれるとお思いですか。


●知事


 それはマッチング成立次第、行けると思います。ただ、受け入れ側もやっぱり受け入れ側なりの準備といいますか、心構えもあるでしょうから、私どものほうで行くとしても、多分その現地の聴覚障害者協会さんなどとやはり連動していかなきゃいけないのだと思います。ただ、そんなに実現性ないことではなくて、御記憶だと思いますけど、[平成28年鳥取県]中部地震のとき、聴覚障がい者関係者がやはり実情調査をどうも災害時されるんですよね、東日本大震災のとき、問題になったということがありまして。それでうちのほうもそういう方々がごらんになって、やはり人員等の課題があるという御指摘が当時あったということでございました。従いまして、多分それぞれの被災地の団体のほうは問題意識持っておられると思いますので、そうしたところと連携をしながら進めていくということは決して実現不可能な話ではないだろうと考えております。





21 関西電力役員の金品受領問題 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 全く別件なんですけども、少し前になりますけれども、関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役から多額の金品を受領していたという問題が発生しました。まず率直に、この問題についての受けとめをお願いします。


●知事


 信じられないですし、言語道断であると思います。私どもは周辺地でございまして、そうした立地に絡む業者のメリットだとか、そういうこと全くない中、安全を第一に考えてもらいたいという切実な願いを持っているわけでございます。もし、そういう金品の授受などで安全対策が歪められたり、立地関係の計画づくりや事業執行に影響を及ぼすということになると、私どもとしては安全性に危惧を持つことにならざるを得ないというところであります。実は中国電力に今回の関西電力の件を踏まえてお尋ねもさせていただきましたけれども、中国電力、[社内]調査されたそうでありますが、そういうことはなかったという回答でございます。これからも、ぜひそうした意味での、しっかりと見識のある厳格な原[子力]発[電所]の運営ということを徹底していただきたいと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 先ほど中電の調査もあったと思うんですけれども、類似の事例はなかったという報告を受けていると思うんですけれども、この調査自体についてはもう十分だというふうにお考えでしょうか。


●知事


 ちょっとそれは正直よくわかりません。また、我々もその調査の内容については分析もさせていただき、不都合があればまた問いかけもさせていただきたいと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 それと、この問題、その関電の問題が今後の島根原発の再稼動の判断に与える影響というのはあるとお考えでしょうか。


●知事


 それはちょっとわかりません。我々が兼ねて重視していますのはやはり安全対策が図られるかどうか、安全が第一義だということであります。ですから、我々としてはそこはぶれずに厳格にやってまいりたいと思います。






22 災害時の大規模・長期停電対策 

○毎日新聞 野原寛史 記者


 よろしいですか。毎日新聞です。先ほど地域防災計画とか、災害対策の刷新という話がありましたけれども、今回の台風、また千葉の被害、また、昨年の北海道地震もそうですけども、大規模、長期の停電というのはほんとに市民生活や県民の命にかかわるというのは非常に大きいものだと思うんですけども、その点について今後県としてこのような事態が起きたときにどのように対策をしていくかって何かお考えはありますでしょうか。


●知事


 そういうような頭があって、前も北海道のことなどもあって、その給電のボランティア、EVボランティア[電気自動車等を用いた給電ボランティア制度]を作らさせていただいたりしておりまして、幸い応募もあるということであります。さきも申しましたように、家庭の中で、実は太陽光発電を屋根でやったりしている所もあります。そういう御家庭で蓄電ということがついてくれば、自家消費がさらに展開できるということになり、こういう危急時に安定的な電力の消費ができるということにもなりましょう。これ1つのアイデアだと思います。また、例えば病院だとか、それから福祉施設等すぐにこう命にかかわるようなことが想定されるような所でのそういう自家発電装置などの導入等、やはり意識的に強化を図っていかなきゃならないことはいろいろとあるだろうというふうに思います。今回の長時間の停電に合わせた、本県は2、3時間、2時間ぐらいが標準的ですかね、正直千葉[県]みたいなことになってないわけでありますけども、そうした長期間のブラックアウトがいつ生じないとも限らないわけでありまして、対策というのはこれから関係者ともよく相談をして地域防災計画に盛り込んでいったり、あるいは予算等が必要であればそうしたことも当初予算等で検討してまいりたいと思います。例えば酪農関係者ですね、これ北海道で問題になった酪農のブラックアウト対策など本県としても取り組んでいこうというものもございます。


○毎日新聞 野原寛史 記者


 それは、例えば先ほど家庭用の蓄電池という話も出ましたけども、蓄電池、安いものであれば10万くらいからあったかと記憶しておりますが、そういったものの補助とか出していくということになるんでしょうか。


●知事


 そうですね、そういうことも視野に入れてもいのかなと。いずれにせよ、ちょっとまだ未整理でございましてこれから災害の教訓というものを生かした防災づくりを検討したいと思っています。





23 災害廃棄物の受入れ 

○日本海新聞 濱田匡史 記者


 すいません、あと、河川がかなり広範囲の県で氾濫しましたけども、水の害なので災害廃棄物も大量に出ると思うんですけど、本県では他県で出た場合でも受け入れるというような協定つくってあると思うんですけども、長野さんのほうから、もう打診みたいなものはあったんですかね。


●知事


 いや、それはまだないです。基本はやはり運ぶ距離の問題もありますので、近県、あっても近県かもしれません。ただ、いずれにいたしましても災害廃棄物処理はすぐに急がれるもんですから、何か[小泉進次郎]環境大臣も張り切っているようですし、ぜひ早めに手当てをしていただきたいと思います。もちろん当方で要請があれば関係者と検討させていただきたいと思います。






24 江原道との交流 

○朝日新聞 鈴木峻 記者


 すいません。また話は変わりますが、先ほど外国人観光客のところで、7月の外国人客ががくんと減ったという話がありましたが、これに関連して江原道との友好25周年記念事業で11月に県内でも何かしらやるという話がありましたけれども、これの開催の可否というのはいかがでしょうか。


●知事


 これについては現在、崔文旬(チェムンスン)[江原道]知事と事務ベースを通じて協議を続けておりますが、開催の方向で、今、協議を進めております。ただ、開催する内容については実質を取りたいといふうに考えております。つまり大々的な、20周年のときは向こうから伝統芸能の舞踊団が来られたり、そういうフェスティバル的な式祭がありました。それで、今回は実質的な友好交流の確認、それを発展させていく意思統一、こうしたことが一番ポイントになると思います。現時点の日韓関係をベースにすれば。私どもとしては情勢を注視はしておりますけども、今のところはそういう意味で開催の方向というふうに受け止めております。


○朝日新聞 鈴木峻 記者


 韓国に知事が行かれてやられた知事会談のような、そういうものを想定しておられるということでしょうか。


●知事


 それは想定の1つです。はい。そういうようなことを、今回、日本側でも、11月はほんとの25周年なんでその25周年というタイミングで行っていく必要があるんじゃないか。これは先方に投げかけをし、先方もそうしたことで基本的には調整準備に入っています。





25 鳥取県中部地震から3年、今後の課題 

○中国新聞 小畑浩 記者


 すいません。中部地震から3年ということですけども、3年間経ってインフラ等々も含めた復興復旧の状況についてどう受けとめておられるかと、あと、今後残った課題とか、もしあればお伺いしたいと思いますが。


●知事


 最近、復旧復興のスピードなどが全国的には課題として取り上げられたところでありますけども、同じ時期に起こった他の災害と比較しますと、比較的スムーズに円滑に進んだのではないかなと思いますし、特に課題が指摘される住宅復興対策についても修繕が著しく進んだとは言えると思います。ただ、残された課題としては、先ほど110余りのケースのうち60ぐらい解決したというふうに申し上げましたが、残りのところはまだ調整が続いているところでありまして、なかなか困難な課題というのはやはり今も抱えておられる御家庭もあると。それに寄り添っていくということが大切なポイントではないかなということです。


 あと、国のほうの補助枠等の問題もありまして、文化財の復旧、これが新年度へもずれ込んでいくというような見込みになってきております。ただ、大分復旧復興は進んできていますけども、文化財関係などまだ残された課題もあるのかなと思います。倉吉[市]の市役所も移転整備が進めば、一応3年という節目を向かえながら、新しい前向きなステージに入っていく、そういう認識に住民の皆さんも変わってくるんじゃないかなと思っております。





26 災害時の避難所運営、ツイッターでの情報発信 

○時事通信社 今泉悠 記者


 すいません。災害関連で2点質問なんですけども、まず、1点目が今回台東区の非難所に来たホームレスが中に入れてもらえなかったということがありますけれども、基本的に避難所を市町村が設置するのかなと思いますが、これ、まずどのように受けとめられるかということと、その県内の避難所の実態をお調べになることはあるのかということ。


 それで、あともう1つは今回、防災トリピーのツイッターが8月7日からシステム上の問題で配信が停止したままになっておりまして、今回も情報が出されていなかったと。それであらゆる情報のチャンネルで県民に伝えるっていうことが大切かと思うですけれども、備えという面で今回どうだったかって検証されることはありますでしょうか。


●知事


 結論から申し上げれば、それぞれ検討対象としてフォローしていかなければいけないと思います。まず、ホームレスの方が台東区で[避難所への入所の]お断りがあったということでありますけども、これは市町村との防災実務者の研究会もございますので、そういうところで検討テーマとして上げさせていただく必要があるのかなと思います。個人的に申し上げれば、やはりそれぞれの人、ああいう大災害のときにそれぞれの命が等しく保障されなければならないと思います。それで、避難所において食料等必要なものの供給もあり、これは所得や納税の有無に関わらず提供されるべきものでございます。そういう意味からするとあってはならないことでないかなと思います。もちろんいろいろとスムーズな避難所の運営等が必要であるというようなことは災害時というのは非常に感情的にも困難な状況が生まれがちでありますので、そうした配慮とか、やり方とか、工夫の余地はほんとはあるのかなというふうに思います。いずれにいたしましても、研究課題としてさせていただきたいと思います。


 今回情報発信につきましては、例えば英語対応の交通アクセス等の情報など積極的にホームページ等でも掲載をさせていただくなどさせていただいておりますけれども、ちょっと詳細また防災担当部局から御報告を申し上げさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても情報提供のあり方、不具合等が発生しないようにやっていくフォローアップだとか、それから広報の仕方、これも今回の災害の教訓として取り上げてまいりたいと思います。


○NHK 渡邊貴大 記者


 そのほか御質問ある社ありますでしょうか。いないようですので本日の知事会見こちらで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。


●知事


 どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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